はじめの一歩 (パルセイロ戦プレビュウ 前編)

何箇月か前、ダービーと騒ぐよりも、そこまでのゲーム8つを上手く乗り切ってからの話、と書いた。

これについては、ここまで、ゲームあたり勝ち点2を積み上げているんで及第点。

かつ、対戦相手とは勝ち点差が3 と切迫しているから、周囲の興味も増すだろう。

萬年的には、浜崎 琢磨と菊井 悠介の連動性には、相模原戦を観て、かなりの可能性を感じたから、浜崎の負傷離脱中であることが残念だが、これは、今後の期待にとって置こう。

さて。

上のタイトルにしたのは、今節を迎えるスタートのところで、両者にかなりのギャップが生じている現実があるから。

結論から言うと、山雅にとっては、決定的に有利な材料。

ただ、手が使えないサッカー、ミスはいくらでも在るし、ハンド一発ペナルティキックでゲーム内容が俄然と変わってしまうから、優位性がそのまま勝敗に直結するとは限りませんが、とにかく抑えておくべきポイントと考えます。

❶手の内を開示したパルセイロ、ほとんど隠した山雅
先の、天皇杯県決勝戦において。
ほぼリーグ戦レギュラーメンバによるサッカーをやってみせた長野。
だから、彼らの活かしたい強みやスタイルはおおよそみて取れた。

対して、レギュラーメンバーでフル稼働したのは、佐藤 和弘、住田 将、それに吉田 将也の3人のみであったから、本来の姿は秘したまま、スカウティングの材料をあまり与えないでゲームに臨めるのは、かなり有利なこと。

❷長野の監督による、ゲーム後インタビュウに注目
かなり正直なお方と推察する。
というのも、
― 勝ち試合を(たったひとつの隙をつかれた)落としたから、明確な修正点が見つからないのが困る、とおっしゃっているからで。

特に、中盤あたりでのインテンシティ(強度)、切り換えのスピード、この部分はゲームメイキングの鍵。

ここで、あれだけ山雅に分があったのに、あのゲームを勝ち試合と考えるのはチト無理筋だと思うけれど、まぁ、いいか。

そう考えて準備していただいたほうが、こちらには好都合。

❸空中戦から、地上戦へ
ゲームの帰趨、その80%は、セカンドボールの回収に存す、と思いますが、そのためのプレイヤー選択と、戦術をどう考えるのか。

ここでも、センターラインの精鋭を秘匿してある山雅に、有利が発生する。

要は、高さで勝てると思わせておいて、地上戦でかき回す、でいい。

実際、あの天皇杯で長野側には、ハイボールには絶対優位との認識が生まれているはず。

むこうの#3 DFと榎本 樹の競り合いの様子から。
あるいは、#9 FWの高身長が突出していたことから。

ボールがピッチに落ちた時の、寄せと奪取、それと、スピードはこっちが断然上なんだから、これに、空いたスペースへの走り込みを絡ませれば、いかがでありましょう?

❹スタジアムを、どっちのホームグランドにするのか?
これにしたって、(フタを開けてのお楽しみなんでしょうが)視覚人数的な数量はともかくも、熱量的には!、間違いなく こっちが、7~8 割方は握れるでしょうから、舞台を、山雅応援のるつぼにしてしまいましょう。

あと少し補足的なことは、後編にて。

際限なき挑戦者であれ。

では。

遠い記憶を巻き戻す『Your Mother Should Know』

― 今回の軍事作戦は、昨年末以来脅威が増して来ていた、NATOによる祖国攻撃に対して、先制的な行動に打って出たもの。

我が国は、今、ナチズム(ネオナチ)との闘いをしているのだ 。

……某国の大統領演説。

(名指しはしていないが)ウクライナは、侵略者の先兵、という位置づけだ。

約80年前、ナチスドイツの侵攻によって味わった、民族の悲惨と苦痛。

(演説が行われた記念日の性格があるにせよ)その遠い記憶を持ち出してこないと、自分が始めた戦争を正当化できないとは、ずいぶんと辛いことだ。

第二次世界大戦における犠牲者は、ソビエト連邦が他国に比べてダントツに多く、軍人と民間人をあわせると、2,660万人の命が奪われた。
註:日本人は、310万人が犠牲となった。

全人口の14%くらいの生命が消えてしまったんだけれど、連邦を構成していたひとつ、ウクライナでは、685万人が亡くなっている。

同じ痛みを負ったはずの、かつての同胞ウクライナ。

そこに武力攻撃をすることで、彼らをふたたび戦渦に投げ入れているとは、なんとも。

歴史が強引に巻き戻されたような有り様に、こんな曲を思い出した。

では。

段取り八分、観戦は二分(託せ ゲーフラ)。

仕事というのは、前もって丁寧に準備をしておいて、あとは淡々とこなせ。そうすれば、満足な結果が得られるだろう。

それほどに、あらかじめの段取りは、事の成否を決定する。

……、 熟練した職人が尊敬される日本社会では、よく言われるモットーだ。

ところで、僕は、5・15について、この格言を実行する。

友人(長野市在) の、甥御さんと友人の計5人(やはり長野市在の中学生と聞く)が、第9節のチケットを手に入れた。

それも、アウェイゴール裏のやつ。

そこで、当日はゲーフラを掲げられない萬年、この少年たちに掲げてもらうことにした。

先の土曜日にたまたま拙宅を訪問してくれたその友人と、ゲーフラ手渡しの件で、打ち合わす。

さらに、当日はいろいろと乗り継いでスタジアムにたどり着くつもりであるから、スタジアム入場も、それなりに遅くなりそう。

なんで、厚顔にも、ホーム自由席のこのあたりをと、スタジアム図を見ながら、席取りまでお願いしてしまった。

この友人も、当日は、バックスタンド(1階席らしい) で観戦予定なのだ。

― 任せてください。パルセイロのタオマフ、あるいは、山雅のタオマフで、シート(2席) 確保しますから、と快諾して下さる。

お願いします、と言ったものの、後でよく考えてみたら、ホームでアウェイグッズはご法度だから、山雅のタオマフはダメなことに気づく。

いけない、くれぐれも、念押ししておかなければ!

では。

パウロの名誉と、当世スタ熱胸算用 。

時節プレビュウの下調べと思って、パルセイロ公式ページをみていたら、県決勝戦の山雅メンバ表に、田中 パウロ淳一がいないのに気づく。
ベンチメンバーが 6人になっている。
田中 想来と混同するなかで削除してしまったか、なんらかの上書き訂正の過程で抜け落ちたのか。

パウロは先日のTMでゴールを決めていて調子をあげてきているようだから、南長野に見参する可能性もあるので、早めの訂正を願いたいところ。

さて。

昨日のTVで、5・15のチケットは完売に近い、と言っていた。

もしも、それがホントならば、僕の胸算用だと、入場者比率は、

ざっと、長野派 9,000人 対  山雅派 5,000人 といったところだろう。

この場合、〈ホーム自由席〉を、どちらのシンパが占めるのか?、が鍵で。

普段からバックスタンドでまったりご観戦のパルセイロ親派に、せっかくだからこの際〈山雅〉を観たい長野在の観客を、足して。

そこへ持って来て、スポンサー(後援会)、および、連合町会的な(ホームタウン)回路で動員された人々を総計すると、長野側。

対し、アウェイゴール裏から溢れた、(僕と同じような) 山雅ファン&サポーターが、山雅側。
ひょっとしたら、わざわざ、名にし負う山雅の応援に浸りたい、といったモノ好きもいるかも知れない。

……、そのような図式。

で、もともとの結束の強さと多彩な応援内容が在って、さらに、アウェイに乗り込む精鋭的なメンツという面が上乗せされるから、

(観客数でも視覚効果※でもないところの) 熱量換算の比率は、10割表記だと、

長野 3  に対し、山雅 7、くらい。

ま、舞台装置の実際は、当夜、現地にてのお楽しみ。

※もちろん、ペンライト(green)は、必須でしょう!

では。

天皇杯★信州頂上戦の 感想(2022.5.8)

昨日は、仕事からアルウィンに回って観戦。

そして今日になってようやく、TV中継の録画を、音声をほとんど消去して観終わった。

周囲が、ダービーダービーと、うるさいこともあるんで、ざっとした感想を。

〈パルセイロの正体みたり、スティルス山雅〉
昨日の登録メンバー18人が、直近のリーグ戦第8節では、両者でどうだったのか?

パルセイロ ☞  先発 11人、控え 5人、ベンチ外 2人
山雅 ☞ 先発 4人、控え 6人、ベンチ外 8人 ……、となるので、その一致率は、

パルセイロ ☞  89 %  山雅 ☞  56 %

つまりですね、昨日のゲームでは、パルセイロの手の内 9割方があからさまになり、他方、山雅は、その正体の 5割くらいを秘したまま、(でもって、本日は、ツエ―ゲンとトレーニングマッチをおこなうことで剣を磨きながら)リーグ戦に向かう、という勤勉さ、というか、周到さ。

〈どうやって勝つか?、だけのゲーム〉
もともと地力に優位性を持っていて、かつ、かなりコレクティブ(組織的)、インテンシティ(強度)の高いスタイルを貫いた山雅だったので、傲慢な言い方をすれば、負ける気のしないゲームだった。

そのスタイルを貫徹させるための、最大のピース(決め手)は、安東 輝と村越 凱旋。

4 – 4 – 2 の陣形をできるだけコンパクトに保つ光景は美しく、かなり練達してきたな、という印象でした。

ボールへの寄せの素早さ、奪取の執着性、このふたつが、パルセイロを凌駕していた、最大のポイントではありました。

結局は、このスピード感の差が、山雅の決勝点(by 田中 想来)を生んだ、と診ます。

もちろん、ボール保持にこだわらないやり方と、かつ、サッカーの特性から、守にまわる場面は多くあるものの、それほど決定的なシーンを作らせなかった。

ここらへんは、センターバック陣とサイドバックの踏ん張りが大きく寄与している。

〈ゲームコントロールの見本〉
山雅の場合、前半10分過ぎあたりに好調の山があって、これを逃がすと、前半をイーヴンで終える。
昨日は、ゲーム開始の、押し込まれる時間帯を5~6分に巧く収めて、0 – 0 で前半を締めたから、これは、後半早々ギアアップのモードで突っ込んでくるか?、と期待するも、その時間帯は、逆にパルセイロに押し込まれた。

となれば、65分過ぎまで我慢して引っ張っておいて、そこでリフレッシュでしょう!、と思っていたら案の定。

とにかく、この交代が効き過ぎるほど奏功。

菊井 悠介がオシャレな横パスを安東に預け、安東が、今度は絶妙のスルーパスを、前に走り込む田中に送ったのだから。
菊井 ― 安東間の、変態ワンツー、って呼んでしまいましょう。

得点してからの、15分(アディショナルタイム4分を含む)間。

ここは防戦一方に観えたかも知れないが、得失点差を勘定に入れないトーナメントで、しかも、最少得点での勝ち逃げを選択すべき時間帯なんだから、あれで良し。

パルセイロのパワー攻撃が、あまりパワフルでなかったことにも助けられたとは言え、無様を厭わない割り切り、これは今後の強みになります。

10年近く営々と取り組んできた、下部(ユース)組織の強化。

それが、こういう舞台で、またひとつの開花を魅せる、ってのは、ほんと嬉しいことです。

では。