1996年生れの対決 (奈良クラブ戦プレビュウ)

な、なんと!!

前節に続いて、モモ氏が、奈良戦にご来場とは、なんという僥倖であろうか。

となると、僕は、

山雅のゲーム観戦歴が数試合のモモ氏にも共感いただけるようにと、奈良戦をプレビュウしなくちゃあならない。

そこで、まづは。

川上 航立選手、ようこそ水戸から、松本山雅へ。

ボランチが担えるだろうプレイヤーが、 ざっと、9人在籍するにもかかわらず

ボランチコレクターの誹りを承知で、

敢えて彼にオファーを出したのには、そこには、僕などの承知しない台所事情があるやも知れぬが、

とにかく、川上君には、チャンスを掴めと、歓迎しかありませぬ。

で、奈良戦は、

そのボランチ(インサイドハーフ)、または、そのひとつ前列のオフェンシブハーフのプレイヤーの出来、活躍度が、大きなポイントになるものと、予想。

前節の、対北Q戦(4 – 0 の勝利)。

4点目のダメ押しは、この日、オフェンシヴハーフに配置された中島 賢星からのスルーパスに、フォワードの百田が反応したものだった。

山雅でいうと、

金沢戦、菊井 悠介のスルーパスに田中 想来が抜け出して決めたゴールシーン。あれとほぼ、相似な得点。

僕の相も変らぬご推奨、4 – 3 – 3 では、2列目の 3枚は、ボランチの逆三角形で構成されるから、

その頂点には、大橋 尚志か、石山 青空でよい。

大橋は、現況、どちらかと言えば、(センターバックに近い基底に落ちる)アンカーの動きが多いけれど、

彼の持ち味は、どこにでも顔を出す運動量であるはずで、それを、より攻撃的な場所と、シーンで観たい。

つまり、鋭い縦パスをもっと量産することを願い、

あるいは、讃岐戦の2点目(by想来)のように、つぶれ役になるとか、とにかく前線に絡むこと。

見逃されているが、大橋の 181㎝の上背は、チームとして、もっとフューチャーすべきではないか、セットプレイ等のターゲットとして。

さて。

奇しくも、奈良の中島と、山雅の大橋は、誕生日が 3か月違いの、1996年生れ。

今季を、28歳で迎えていて、通算出場 200ゲーム超の中堅クラス

勝敗はともかくも、かようなプレイヤーの輝きを観たいもの。

なお、前節が2得点、山雅がかねてより、左からのカットインシュートでやられまくっている岡田 優希も、また、1996年生れ。

…となれば、彼らの活躍が、鍵を握るゲームには違いなく、

では、山雅は、どうすべきか?

奈良クラブは、前節完敗を喫したグンマの次に、ボール支配の高いサッカーをおこなう。

監督交代後、ジャスト1か月が経過しても、その傾向は不変だとすると、

カウンター攻撃繰り出しも得意な奈良には、しっかりと陣形を形成しておいて、

その出鼻を封ずること。

よもや。

後手後手で並走、追走して守ったところで、こちらに勝機が生まれるはずもないので、

お互いに、リーグ17番目(山雅)と18番目(奈良)程度の、クロス投入の少ないサッカーならば、

こっちは、ピッチを大きく活かすサイドチャンジで揺さぶっておいて、

早めのクロスをどんどん入れる、その起点をば、安永 玲央にこそ期待します。

では。

或る日の食卓。

僕は非番、家人が留守の日だったので、

独りで、家で過ごす。

すこし、大袈裟にはなるけれど、

アメリカの曲『Lonely People』(1974年発表) の中の、

all the single people の、そのひとりになったような気分……。

そこで。

お昼は、なににしようか?

たしか、ポンちゃんラーメンのみそ味が残っているから、それを、

キッチンタイマーで、マジメに3分で茹で上げる。

副菜は。

昨日採ったズッキーニを、輪切りにして4枚、

それと、さっき収穫したナス二つを3枚におろして、フライパンに並べると、オリーブ油でサッと炒める。

切り口に、しんなりと透明感がでて来たら、できあがり。

それに、ヒマラヤン岩塩をふりかけて、

ラーメンのほうには、長ネギを切ってトッピングして、いただきます。

……宮沢 賢治の、

〈日照りの時は涙を流し、寒さの夏はおろおろ歩き〉(原文はカタカナ) といった

つつましさで過ごすには、

食べることを、生活の中で、適切な地位に置きたい、と願う。

仕事にするならいざ知らず、

食通や、美食が、大きい顔してまかり通るようでは、

文明の廃頽、人倫の衰退であろうから。

ところで。

『Lonely People』は、ビートルズ『Eleanor Rigby』(1966年)に触発されて作られたらしいです。

では。

それでも, 行けよ 最後まで (リーグ後半戦の始まり)

早川監督は、グンマ戦を、〈惨敗〉と総括しているんですか……。

僕からすると、あきらかにクオリティに差があったのだから、〈完敗〉とすべき。

が、現場責任者としては、よほど期する仕掛けがあったにもかかわらず、

それが発動されずに終わり、ゆえに、屈辱的な気分が残ったのかも知れない。

やってるサッカーの格の違いを認めて、サバサバ。

あの鹿児島戦で感じさせてくれた、ピッチを自在に使うダイナミックさを取り戻すことに専念すべきですよ。

で。

3失点が、2ゲーム連続したのを、〈守備崩壊〉というけれど、それは違う。

崩壊とは、既に存在したものが壊れること。

そもそも、決め事とスキをゆるさない守備があらかじめ備わっていた、とは思えない

つまり、あらがったにもかかわらず失点したのではなくて、

酷な言い方だと、傍観者として守ってました、に近い感じを受けますがね。

でないと、26失点、リーグワースト第5位の実績は叩き出せやしない。

崩壊、などと格好つけるから、なすべき事の本質がみえなくなるのです、記者の方々さん。

ひとつふたつ、変にゲームが壊れたかも知れんが、

負け試合は、ほとんどが、納得感あるものだったから、この位置(順位)は、順当と診ていい。

……てなわけで、そうは言っても、最後まで行こう、というお話。

もちろん、次のリアルをきちんとわきまえておきながら。

❶トップ 2(大阪、栃木C) との勝ち点差は、17。
上が勝ったり負けたり、でも、こっちは勝ちを重ねて、という身勝手な前提でも

勝ち点1 を縮めるのには、1ゲームを要する、という。

すると、残り19ゲームで、17点を追いつくころには、リーグ戦は終わっている勘定。
ゆえに、2位以内は、絶望。

❷3位(ヴァンラーレ) との勝ち点差は、14。
これにしたって、キャッチアップするにせよ、ラスト数試合近辺まで時間を要す。
すると、プレイオフを好条件でやれる 3位も、ほぼ絶望。

❸6位(奈良) との勝ち点差は、7。
ここらだと、気力的にも、なんとか照準に入ってくる。

結論。

☞ 現実的なゴールは、プレイオフ出場の、6位圏内に入ること、これで決まり。

大宮一強の昨季とは違って、上位同志のつぶし合いがあるだろうから、望みを持てる。

けれど、他方。

どんぐりの何かで、生き残りレースは苛酷さを増していて、降格組3つのエンジンが快調になれば、

その中で、

3連勝を何回か、あるいは、5連勝以上を達成することが、上に突き抜ける必須条件でしょう。

プレイヤーから、活力、新鮮さが消えて、諦観が感じられたら終了であって、

山雅は、この萬年式胸算用を、

どうやってどこで裏切ってくれるのか?、が後半戦の、僕の興味の在り処。

ソネサさんは、一体、補強あるんですかね?、が興味。

ま、岡田 優希クラス以上でないとね、とにかく、フォワード。

次は、その奈良戦か。

山雅の夏、緊張の夏……ですな。

では。

守功一体の再燃こそ (グンマ戦レビュウ❸おしまい)

モモ氏のご友人が、0 – 5 になってもおかしくないわ、と憤慨したという件。

要は、

ゲーム開始から、山雅が、あれだけサイドをえぐられまくっていれば、

しかも、こっちは、なかなか相手サイド奥を侵せないでいれば、

見る眼を有すファン&サポーターならば、こりゃあ、いつ失点することやら、と直観したはず。

そのサッカーのクオリティからすれば、グンマが、いまの順位にいること自体がおかしいのだから

〈完敗〉ではあるが、両者の到達点の落差が、素直に現れただけの話。

つけいるスキが相手になかったわけでもないが、山雅に、力の出し惜しみがあったとは思わない。

だから、ゲーム後、BOOを見舞った南ゴール裏の真意が、

チームとサッカーの到達度が、この程度であることへの鬱憤と非難ならばわからないでもないが、

僕には、栃木SC戦後と同様で、負けの鬱憤晴らしにしか思えず、

残り19ゲーム、負けたらすべてこの方式が採用されるのか、訊いてみたい。

しかし、まあ。

レッドカードが出た、そのセットプレイで、被弾するとは、

プレイオフ富山戦に、ほぼ同じ〈山雅劇場〉発動、というべきで、

こんなのは、やろうと思ってもできないことだから、そこの修正など、そもそも現実的なことかいな?

先制されると勝てない法則が続くかぎり、ゲームは、あの2失点目で、ほぼ決まり。

ですが、その発端が、

センターバックによる、なんでもないボール処理の、不可解な譲り合いとなれば、かなりな三文芝居でした。

このゲームにおける不満は、

中盤を制せられていたとはいえ、センターバックの持ち出し、駆け上がりが見られなかった点。(野々のシュートは良かった)

サイドバックが前を向けない状況での、センターバックからパスの転送は、

ボランチが即支援に動かないと、結局は、また戻してのやり直し。

ここを、野々村あたり、技量的に突破しないとならないし、

そもそもセンターバック並びの人選、再定義を要す。

あとは、中盤から前のつくり。

チノ氏は、

ゲーム後半、(大橋を下げざるを得なかったので) 単騎奮迅のおもむきさえあった、

安永 玲央のアンカー定着はどうか、という提案……。

僕の意見は、3トップ態勢をはっきりさせることと連動させて

3ボランチでよろしいか?、となる。

そうなれば、4 – 3 – 3 の採用。

トップにボールが収まらない、収められない現状からすれば、

ゼロトップの意識で、前線3人で追いかけまわし、

その後を連動して、ボランチが追従するのが、いちばん、か。(コンパクトな陣形で)

大内、ロングフィードの質を、かなり工夫してるのがうかがわれたが、

それも含め、最優先の事項は、カテゴリー(シーン)別の、攻撃の再現性アップ

しかし。

決め事などは、いくらでも作れましょうが、

途中投入された、馬渡、小川、高橋が魅せた、

数的に劣勢であっても、相手ゴール近くまでボールを持っていくための発案、工夫、プレイは、

プレイヤーみづからが、たとえ、その瞬間は、チームの約束事に違背してでも、主体的な思考と行動によって表現する内容なので、

もっと、賢く、いやらしく抜け目なく、と言うしかない。

でもね、そもそも。

ボールを下げてしまうチームメイトの逃避性への不満を口にするプレイヤーの発言を前にすると、

約束事への忠誠の欠如のほうが、気になりますなぁ。

ところで。

彼らヴェテラン域を登録していたのは、劣勢時への備えでもあるまいから、

今、活用戦力(の選り出し)において、軌道修正に着手しているのか?

では。

回帰すべき場所は どこか? (グンマ戦レビュウ❷)

繰り返しになりますが、

後半ずっと、相手よりひとり少ないメンツでやったことが、勝敗を分けたのではなくて。

ゲームづくりの根本のところで、すでに、ほぼ勝負がついた。

下図は、ザスパ陣容の、模式図。

予想どおり、山雅の3バックに対抗して、ミラーゲームでやるために、 (初期は) 3 – 4 – 2 – 1 を採ってきたザスパ。

ところが、実際は、

センターバックの中央が上がって、アンカーとなり、基底は、2枚になる。

すると、ツーシャドウを含め、5人のボランチで構成する、三層式な中盤のできあがり

ここがしっかり組まれるので、

山雅の最前線が、相手センターバックをいくらチェイスしたところで、中盤が相手の数的優位で、簡単にかわされ、ボールが入手できない。

3失点目は、それでやられた。

しかも、ゴールゲッターは、図でGを付した左サイドバックだったとは、攻撃的サッカーの象徴。

で、両サイドバックは、まるでウイングみたいに、高く、幅ひろいところに居て、中盤からボールが来ると、最速で、ゴールライン方向へ運んでクロスまで完結。(被コーナーキック 13本の山を築く)

ここでの瞬時的なダッシュが効いて、山雅サイドバックは防戦に追われ、

本来ならば。

山雅は、その中盤から、

図中の、緑斜線のスペース(高く上がった、相手サイドバック裏の広大なスペース) へと飛び込んでいきたいが、その仕事が、なかなか叶わず

〈走る〉プレイは、緩急さをかませて、こう使わないと、意味をなしません

……山雅の持ち味は、コンパクトでリジットな陣形を保ちながら、

相手を押し込んでいくところ。

しかし、

ザスパの、攻撃的な、逆三角形の布陣の前に、自分を失って、

陣形に有機性がなくなり、間延びする。

そのため、味方同士でボールを動かせる距離感が、ほとんど消失してしまう。

これじゃあ、ゴールマウスが見えるところまで、ボールを運べやしない。

ゆえに、リセットすべきは、まづは、堅い陣容と、それを活かした、守功結束の立て直しでありましょう。

では。