遠い記憶を巻き戻す『Your Mother Should Know』

― 今回の軍事作戦は、昨年末以来脅威が増して来ていた、NATOによる祖国攻撃に対して、先制的な行動に打って出たもの。

我が国は、今、ナチズム(ネオナチ)との闘いをしているのだ 。

……某国の大統領演説。

(名指しはしていないが)ウクライナは、侵略者の先兵、という位置づけだ。

約80年前、ナチスドイツの侵攻によって味わった、民族の悲惨と苦痛。

(演説が行われた記念日の性格があるにせよ)その遠い記憶を持ち出してこないと、自分が始めた戦争を正当化できないとは、ずいぶんと辛いことだ。

第二次世界大戦における犠牲者は、ソビエト連邦が他国に比べてダントツに多く、軍人と民間人をあわせると、2,660万人の命が奪われた。
註:日本人は、310万人が犠牲となった。

全人口の14%くらいの生命が消えてしまったんだけれど、連邦を構成していたひとつ、ウクライナでは、685万人が亡くなっている。

同じ痛みを負ったはずの、かつての同胞ウクライナ。

そこに武力攻撃をすることで、彼らをふたたび戦渦に投げ入れているとは、なんとも。

歴史が強引に巻き戻されたような有り様に、こんな曲を思い出した。

では。