或る日の食卓。

僕は非番、家人が留守の日だったので、

独りで、家で過ごす。

すこし、大袈裟にはなるけれど、

アメリカの曲『Lonely People』(1974年発表) の中の、

all the single people の、そのひとりになったような気分……。

そこで。

お昼は、なににしようか?

たしか、ポンちゃんラーメンのみそ味が残っているから、それを、

キッチンタイマーで、マジメに3分で茹で上げる。

副菜は。

昨日採ったズッキーニを、輪切りにして4枚、

それと、さっき収穫したナス二つを3枚におろして、フライパンに並べると、オリーブ油でサッと炒める。

切り口に、しんなりと透明感がでて来たら、できあがり。

それに、ヒマラヤン岩塩をふりかけて、

ラーメンのほうには、長ネギを切ってトッピングして、いただきます。

……宮沢 賢治の、

〈日照りの時は涙を流し、寒さの夏はおろおろ歩き〉(原文はカタカナ) といった

つつましさで過ごすには、

食べることを、生活の中で、適切な地位に置きたい、と願う。

仕事にするならいざ知らず、

食通や、美食が、大きい顔してまかり通るようでは、

文明の廃頽、人倫の衰退であろうから。

ところで。

『Lonely People』は、ビートルズ『Eleanor Rigby』(1966年)に触発されて作られたらしいです。

では。

今さらながら、聴く アレサ。

8月が来ると、アレサ フランクリン(1942~2018) が亡くなって、まる 7年が経つ。

このご時世、とりたてて長寿ともいえない、享年 76歳。

ポール サイモンよりも、たった 1年、早く生まれたに過ぎないのが、なんだか不思議。

存命のうちに、

たとえば、映画『ブルースブラザーズ』(1980年米)の中で、その歌唱する姿を観られただけでも儲けもの、と思っている。

あの中で、主演のジョン ベル―シ(1949~1982)らが身につけていたのは、レイバンの、ウェイファーラー(サングラス) だったのね。

ヘップバーンのような美形も、ベル―シのような野獣でも、それなりに画にしてしまうのが、レイバンの偉大さ。
そういえば、楽器店のオーナー役は、レイ チャールズが演ってました。(余談)

多くの黒人歌手と同じく、幼少の頃に聖歌隊員だったならば、

すんなりと、ゴスペルを身にまとうだろうから、

帰依の軽重はともかく、教会音楽の土壌があることが、当時の〈ソウルシンガー〉の誕生条件だとしたら、

我が国の歌い手に、それを要求するのは酷、ってことか。

今回の動画。

キース リチャーズを、ほんの若造にしか見えなくしてしまう、アレサの存在感に、まったく呆れる。

(☞もちろん、何歳になっても、少年っぽく演るのが、キースの良きところ)

では。

ひとはそれを,アメリカンと呼ぶ?

先日。

穂高まで出かけて、(お店で) スパゲティを食した。

ナポリタンにハンバーグを載せたもの。

それを、アメリカンと称していたが、世では、その呼び名が流通しているんだろうか?

僕の偏見では、北米の食文化にはパスタがあまり結びつかないので、

いまだにこの名称には、釈然としないでいる。

……どうでもよいことを、こんな静かな曲を聴きながら、思っているのです。

ブレッドの、1971年発表の曲。

では。

Good Dog Happy Man

ビル フリーゼル(1951~)が、1999年だから、およそ四半世紀前に発表したアルバム名をもらって、

そのまま、本記事のタイトルとしました。

職場のヴァン氏が、最近。

17年間連れ添った愛犬を亡くし、イマイチ元気がないこともあり、その酒量が増さないことを祈りつつ……。

さて。

僕の場合、アルバムを購入する際、多分に、ジャケット写真の良し悪しで選ぶ。

特に、ジャズ(と僕が思う)音楽は、洒落た写真、またはイラストだと、

その内容も優れている、と思い込んでいる。

フリゼールだと、『blues dream』(2001年) は、手に取って、即、購入した。

☟これが、そのジャケットの表紙。

これなど、ジャンル分けは無用で無意味、このアメリカ合衆国で生きて来た俺が紡ぐ音楽を聴いてくれ、というメッセージそのままのイラストに違いない。

……ならば。

その音楽に惹かれて同調しているこの自分とは、一体何者なのか?

……という疑問や不審感を感じることが、けっこうあります。

で、今回は。

その〈Good Dog Happy Man〉から、『Shenandoah』を聴こう。

シェナンドウは、米国の民謡で、シェナンドウ河とか、ミズーリ河への郷愁とか、いくとおりかの歌詞があるが、

開拓時代(19世紀)を歌っているから、要は、アメリカそのものでありましょう。

まぁ、心に沁みてくれば、どこの国の音楽だって、いいんですけどね。

セッションには、ライ クーダ―(ギター)や、ジム ケルトナー(ドラムス)も参加しているから、僕にとっては、ボーナスみたいなもん。

では。

こっちだって、60周年だぞ。

60th アニバーサリイの、(安永が着用モデルの) 特別ユニフォーム。

僕の好みの襟付き、でもあるので購入を相談してみたが、

誰かのお許しが下りずにいて、まぁ、諦めることになりそう……。

……愚痴はこれくらいで。

グラント グリーン (1935~ 1979年 ジャズギタリスト) による

『I Want To Hold Your Hand 』(原曲はビートルズ) のカヴァー。

この曲は、1965年3月に録音されている。

ゆえに、こちらだって、60周年なんだが、

まったく古びていないのに驚く始末、なんだ、この縛られない縦横無尽さは。

もちろん。

山雅だって、古びずに、これからも、時代の先頭に立ち続けてもらいたい、と願っている。

では。