天皇杯★信州頂上戦の 感想(2022.5.8)

昨日は、仕事からアルウィンに回って観戦。

そして今日になってようやく、TV中継の録画を、音声をほとんど消去して観終わった。

周囲が、ダービーダービーと、うるさいこともあるんで、ざっとした感想を。

〈パルセイロの正体みたり、スティルス山雅〉
昨日の登録メンバー18人が、直近のリーグ戦第8節では、両者でどうだったのか?

パルセイロ ☞  先発 11人、控え 5人、ベンチ外 2人
山雅 ☞ 先発 4人、控え 6人、ベンチ外 8人 ……、となるので、その一致率は、

パルセイロ ☞  89 %  山雅 ☞  56 %

つまりですね、昨日のゲームでは、パルセイロの手の内 9割方があからさまになり、他方、山雅は、その正体の 5割くらいを秘したまま、(でもって、本日は、ツエ―ゲンとトレーニングマッチをおこなうことで剣を磨きながら)リーグ戦に向かう、という勤勉さ、というか、周到さ。

〈どうやって勝つか?、だけのゲーム〉
もともと地力に優位性を持っていて、かつ、かなりコレクティブ(組織的)、インテンシティ(強度)の高いスタイルを貫いた山雅だったので、傲慢な言い方をすれば、負ける気のしないゲームだった。

そのスタイルを貫徹させるための、最大のピース(決め手)は、安東 輝と村越 凱旋。

4 – 4 – 2 の陣形をできるだけコンパクトに保つ光景は美しく、かなり練達してきたな、という印象でした。

ボールへの寄せの素早さ、奪取の執着性、このふたつが、パルセイロを凌駕していた、最大のポイントではありました。

結局は、このスピード感の差が、山雅の決勝点(by 田中 想来)を生んだ、と診ます。

もちろん、ボール保持にこだわらないやり方と、かつ、サッカーの特性から、守にまわる場面は多くあるものの、それほど決定的なシーンを作らせなかった。

ここらへんは、センターバック陣とサイドバックの踏ん張りが大きく寄与している。

〈ゲームコントロールの見本〉
山雅の場合、前半10分過ぎあたりに好調の山があって、これを逃がすと、前半をイーヴンで終える。
昨日は、ゲーム開始の、押し込まれる時間帯を5~6分に巧く収めて、0 – 0 で前半を締めたから、これは、後半早々ギアアップのモードで突っ込んでくるか?、と期待するも、その時間帯は、逆にパルセイロに押し込まれた。

となれば、65分過ぎまで我慢して引っ張っておいて、そこでリフレッシュでしょう!、と思っていたら案の定。

とにかく、この交代が効き過ぎるほど奏功。

菊井 悠介がオシャレな横パスを安東に預け、安東が、今度は絶妙のスルーパスを、前に走り込む田中に送ったのだから。
菊井 ― 安東間の、変態ワンツー、って呼んでしまいましょう。

得点してからの、15分(アディショナルタイム4分を含む)間。

ここは防戦一方に観えたかも知れないが、得失点差を勘定に入れないトーナメントで、しかも、最少得点での勝ち逃げを選択すべき時間帯なんだから、あれで良し。

パルセイロのパワー攻撃が、あまりパワフルでなかったことにも助けられたとは言え、無様を厭わない割り切り、これは今後の強みになります。

10年近く営々と取り組んできた、下部(ユース)組織の強化。

それが、こういう舞台で、またひとつの開花を魅せる、ってのは、ほんと嬉しいことです。

では。