己を偽るな (藤枝myfc戦 プレビュウ 後編)

で、今回は、孫子でいう、〈己(おのれ)を知る〉の部分でございます。

❶ココロの浮き沈みは 無しで。
そもそも、精神論はあまり好きではありません。
が、それがプレー態度を左右しているのならば、言っておきましょう。

なんとかダービー、とか盛んに煽られると力みが入ったり、あるいは、相手が最下位で現在6連敗中だと、なんとなくタカをくくってみたり。

これらは、どちらとも、平常心を失って舞い上がった気分に他ならない。

たかだか13,000人で大騒ぎとは、聞いて呆れるし、はづかしい。

静岡(磐田vs清水)の場合、どちらかのホームスタジアムではとても間に合わず、エコパスタでやって、結果  30,000人超入るのだ。
……と、指揮官が思っているかどうかは知りませんが、まったく、井の中の蛙にだけはなりたくない。

たしかに、上のカテゴリーを経験したクラブではあるけれど、やらかしてしまったゆえの、我れらが現在地。

みづからを変えつつはあるが、まだまだ途上の話。

しかも、何が起こるかわからないサッカーのゲームとなれば、自分と謙虚を見失えば、プレイにも変調が生じるに違いない。

まぁ、メディアは煽るのが仕事ですから大目にみるとしても、周囲のファン&サポーターが、浮足立ってしまうのが、むしろ厄介です。

❷自分を突き詰めよ
強く、速く、ひたすら前へ、の信念とスタイル。

これを、見栄え、見た眼の良さを狙わずに、愚直、かつ、狡智に繰り返す。

変な錯覚は捨て去り、自己の磨きつつあるスタイルに忠実であること、それがすなわち、自分を知ること。

前へ、というのは反転攻撃ばかりではなく、守備に関しても攻撃的にやる、ということのはず。(指揮官もそうおっしゃっているかと)

むざむざとラインを下げた挙句、あれよあれよと懐に飛び込まれ、スペースをパスで交わされて、あえなく失点。

そんなシーンだけは、ご免です。

a) ボール保持に長けている相手、と認めたうえで、そのどこを衝くのか?
b) 攻撃態勢を採っている相手を、どのスペースを侵すことでひっくり返すのか?

とにかく、その部分を突き詰めてやるしかありません。

僕のイメージは、先の天皇杯二回戦における、先制点(by 田中パウロ)。

相手ディフェンダーのトラップミスを見逃さず、山本 龍平がボールを奪い取って持ち上がると、前走する田中にパスを通した、あのシーン。

ああいった奪取と、すばやい反転をいつでも発動できる動き。

ですから、、ボールホルダーを追いかけ、追い込むありさまが、どんなに他人様(観衆やTVファン)に無様に映ろうと、やり抜く。

相手に比べ、こっちが尖がっているのは、攻撃される回数の少なさくらい、と割り切ってしまえば、徹底するべきことへも着手できる、ってもんだ。

このところ目立つ、コーナーキック献上の多さ。
これ、見方によっては、クロス阻止を最優先している結果でもあるわけですが、
藤枝の場合、こちらにサイド(からのクロス)を意識させておいて、実は、パスで中央突破してくるんじゃあないか?

となれば、中盤の中央で、こっちがボールを(奪って)抑えて、即縦に速く相手ゴールに迫るやり方に活路を。

で、アルウィンの責任はたぶん、1,000人そこそこの観衆でプレイするのが日常なチームに対し、90分にわたって、断然アウェイの圧力をかけ続けることに尽きるのでは?

だから、ファン&サポーターも、自分にできる共闘を準備するのみ。

では、たとえ雨模様でも、アルウィンで。

彼を見据えよ (藤枝myfc戦 プレビュウ 前篇)

現監督の何が好きか?、というと、戦術で語るところだ。

だから、ガイナーレ鳥取戦のゲーム後インタビュウをよく読めば、それがそのまま、藤枝戦のプレビュウになってしまうんですよね、これが。

〈彼を知り己を知れば 百戦殆(あやう)からず〉

『孫子』(謀攻篇)は、論じられてから 2,500年の月日を経ても、いまだ有用な兵法書。

で、今回は、〈彼を知る〉の プレビュウ前篇。

チーム数の多さからなんだろうが、Jクラブはだいたいが毎季プレイヤーの半数近くを入れ替え続けている (稀な例外は、2021季の札幌くらい)。
(おまけに、監督も使いまわし)

だから、藤枝が例外という訳でもない。

けれど、15人が出入りした中、ヴェテラン(枝村、那須川、谷澤、森島) が引退するなどして、かなり強烈にチームをスクラップ&ビルドして、今季に臨んでいる感がある。

とは言え、1990年前後生れのヴェテラン(鈴木、岩渕、押谷) が要所に配され、彼らがチームの軸になって牽引、そこに、若手が活き活きと絡む、という構図だろうか?
もちろん、岩間 雄大も在籍だ。

ボールを持って、パスを多用(リーグ2位)して、相手陣内の奧、ペナルティエリアへと侵入(回数でリーグ1位)し、ゲーム平均15本(リーグ4位)のシュートを浴びせ、手堅く、枠内へと飛ばしてくる(リーグ1位)。

ドリブル回数は、リーグ2位。

でもって、クロスは、ゲーム平均18本(リーグ3位)。

これだけでもう、攻撃大好きサッカーが歴然、ではありませんか。

中盤でのショートパスが多いから、攻撃は、インサイドハーフ(鈴木、水野)のところが起点となって、左右サイドをえぐって侵入、しかも、折り返して、ゴール前のスペースを、小刻みなパスワークで割ってくる、そんな格好なんでしょう。

せめてもの救いは、プレイスキッカーの名手鈴木を擁しているわりには、コーナーキック、直接フリーキックが比較的少ない、ということか。

そもそもが、コーナーキック狙いではないのかも知れん。
あるいは、ファールされる前の、ボール離れが速い?

当方の指揮官はこれを、「湧き出てくる回数が圧倒的」な攻撃、と表現なさっている。

前節藤枝と対戦した福島は、前々節までの失点がたったの 3、それが、このゲームで一挙に 6失点。

堅守、なんて看板が一瞬で吹っ飛んでしまうような攻撃力に曝された。

ところが面白いことに、藤枝は、ボール支配60%であった前半に3得点していて、しかも、ボール支配が逆転した(福島が60%強)後半にも、3得点している。

これは、5点を失った福島が、ラスト30分で攻撃に転じたこと、それと、藤枝が大量点をバックに防御的になった(手を緩めた) ?ことによるかも知れないな。

が、とにかく、先制して相手を意気消沈させてしまえば、それこそ藤枝の思うツボ、ということを示している。

……、とまぁ、恐ろしいこと尽くしなんですが、では、これに対して、山雅はどうする?、は後編で。

では。

空は ツバメのためにある。

昨日。

帰宅すると、やけに多くのツバメらが、上空を乱れ飛んでいる。

近くのつがいでもやって来て、互いになわばり争いでもしているのか知らん?

念のため、隣家の軒下を見に行ったら、この前までは巣にあった黒い頭が見当たらぬ。

そうか!

ツバメの子らの、今日が初飛行だったんだ。

どおりで、思いつくままに、せわしなく飛び回っているわけだ。

数えてみると、ひー、ふー、みー 、3羽のヒナが飛び立った。

巣の外に出ても、引き込み線にとまった子に、親鳥が餌を運んできては与えている。

独り立ちは、まだまだ先。

ツバメは、成鳥になるまでに落命することが多い、と聞いた。

でも、これからしばらく、空は君たちのもの、大いに飛行を楽しむがいい。

田村 隆一(1923 ~ 1998年)の詩に、こんな一節が在った……。

 空は小鳥のためにあり 小鳥は空からしか墜ちてこない          (幻を見る人、より)

1952年発表。

時代の暗澹を表出した詩で、僕は好む。

けれど、ツバメよ、そんな絶望には知らん顔で、ひたすら、狂喜乱舞せよ。

では。

梅雨の晴れ間の。

― もう、梅雨入りの時季なんだけどなぁ?、とか言っていると、

― 昨日、関東甲信越は、梅雨に入りましたよ。

今、麦は秋……。

いつまで経っても、70年代を忘れられないから、この曲(1972年発表) が想い出されたりする。

https://youtu.be/Z1lYCJFnxUE

では。

脱皮 or 変身 ? (リーグ11節消化)

〈現時点での皮算用〉
リーグ戦も、ほぼ3分の1 を終えた。

現在、第3位 (順位)、勝ち点 22。

上手くスタートして、手堅くここまでやって来られたのではないか?、と安堵しきり。

指揮官が、鳥取戦を、今季最低最悪の出来、と評しているらしいが、そういう言葉が、11回目にようやく出てくる、ってのは、救いのある闘いをして来ている、ということだろう。

このペースでいけば、どこかが突出して独走しない限りは、昇格を射程に入れて進める。
(ゲーム平均勝ち点2 が昇格ライン、と診てます)

さて、前半戦の、残る対戦は、6つ。

その中には、勝ち点3 以内で競っている、いわき、藤枝、福島、富山とのゲームがあり、かつまた、地力有する 石丸愛媛もかぁ……。

(いつのまにやら、6/11に戦う藤枝が、すぐ下4位、勝ち点2 差まで詰めてきた)

推奨勝ち点ペースからいうと、6ゲームで、せいぜい落とせる(敗戦)のは、ひとつ……か。

これ、けっこう厳しい。

だから、これからの梅雨期6月は、ひとつの正念場、と思って暮らしましょう。

〈なんとか 格好はついて来た〉
昨季の憂愁、迷いからまったく抜け出た、とまでは言わないが、

ルーキー、準新卒、ユース育ちなどの若年層を戦力化することにおいては結果を出せている、と評価しよう。

こうなるには地道な10年近い育成と我慢があったわけで、鳥取戦では、ホームグロウンのプレイヤーが、ようやく4人、ピッチに立てた。

特に、ディフェンス陣については、ここ2年、過渡期(世代出し入れ) の苦悩にあったけれど、なんとか最下辺からは 脱却かな?

そこへもって来て、中堅(25~28歳)が、きっちりと率先力を発揮、プラス、30歳超えの習熟と経験を、場面場面で注入していく……、そういうチーム像が浮かび上がった。

なんとかして、これが結実したところを観たい。

現監督の就任満一年の節目、これを、チームの脱皮と呼ぼうが、変身と言おうがかまわないが、明確なひとつの成果だ。

プレイヤーには苛酷なんだろうけれど、より厳しいポジション獲りが展開されることを望む。

そういった競争や環境を、遠慮せずにチームに課せる指導者であること、これが、現監督の、際立つ存在感を醸している。

それゆえに、名波氏は相当に孤独だろう、とは察するけれど。

では。