我が進化に 集中せよ (讃岐戦プレビュウ)

ゲームとは、ひとつひとつが取り返しのつかない、いわば、一期一会。

……であっても、長いリーグ戦には、シーズンかけていかにチームを築き上げるのか、という視点もある。

後半戦に踏み込んで 3 4ゲーム目ともなれば、個とチームの〈進化、深化〉を目に見える形で味わいたい。

山雅への注文は、前節の安定的な攻守を踏まえつつ、最後の仕上げの部分で精度と迫力を増す、ということ。

攻撃面は、これに尽きます。

あのマンチェスターシティだって、ゴールに向かう時は、4人くらいはペナルティエリアに侵入する。
これって、タレント(技量) というよりは、戦術的な規律と、我先に走り込める準備、それに、勤勉の問題ではないでしょうか?

そういった意欲に満ちたプレイヤーが、ピッチに多く在ってもらいたい。

次に、守備面。

野々村がゲーム勘を増し、それなりの自信を蓄えてきたとなれば、センターバックに、高身長を装備できるようになった。

壁に等しい3バック採用によって、いろんな事ができる条件が整うわけだ。

機をみて 4バックへの変更をカマすにせよ、このリーグの場合、サイド攻撃偏重みたいな部分があるから、サイドのスペースを割られないような配置と連係は、システムにかかわらず必要。

そういう意味で、前節魅せてくれた、攻めるセンターバックの動き、これは攻守両面で、今節も期待大なり。

他方、カマタマーレ。

7/3以来、ここ6戦は、1分5敗で過ぎた。

この戦績で、チームに悲壮感が無ければ、ウソ。

だから、相当の入れ込みでアルウィン参戦と診なければならぬ。

前節の、対今治戦は、3 – 3 – 2 – 2 のシステムを採用。

これって、我が山雅と、瓜二つの初期陣形(運用には差あり)。

しかも、データを見る限り、どうもショートカウンター攻撃を志向している。

これも、我等とほぼ同じ基調。

ただし、こっちがあちらに増して持っているカードは、フォワードが長い距離を突っ走る、ロングカウンター。

さてと、布陣について。

変に4バックにしないで、ここは思い切って、プレイヤーがマンツーマン的に対峙する3バックでいいんではないか?

となると、どれだけ強く相手を押し込めるか?、ということに目が行きそう。

ただ、いちばん難しいのは、こっちがどれだけボールを持つのか、または、持たないのか、についてのチーム内意思統一でありましょう。

その内容によっては、前線からの守備位置(行く行かない)、システム稼働の実態(サイドの張り出し具合) が決まる。

相手に持たせれば、それだけ、ロングカウンターも仕掛けやすい事情も考えながら。

ちなみに、前節北Q戦は、90分通算の保持率は、山雅 32 : 北Q 68 。

先制してからは、極端にボール保持を相手に渡したという事情もあるけれど、攻撃のアクセルを一気に踏み込んだ後半開始からの15分間でさえ、支配率は、せいぜい48% だった。

さぁ、讃岐に対しては、どうするのか?

もちろん、今の山雅が、ボールを保持したり放棄したりが、自在にコントロールできるチームの成熟度であるかどうか?、そこには大いに不安は残る。

かつ、相手の出方もあるゆえに、ボール支配を計算づくで戦うこともまた至難、ということは十二分に承知してますけれどね。

舞台全体からの目線だと、堅いゲーム運びを、ファン&サポーターがどれだけ我慢、納得できるのか?

加え、一箇月の渇望を力に変えて、アウェイチームを迎え撃つ熱情。

鼓舞する者の覚悟は、そんなところかな。

では、アルウィンで。

みづから不正直を認める者。

或る時、司書のおひとりと、会話していた。

― 〇〇さん、もしもですよ、今日、僕がこちらにうかがって、この書物の 50%の複写をお願いする。
で、だいぶ経ってから、再び参上すると、今度は、同じ図書の 残り半分のコピーをお願いする。
できれば、違うご担当者に受け付けてもらって。

これについては、貴方の見解はどうです?
ま、おそらくはお答えにならないでしょうけど。

案の定、ノーコメント、なんでありました。

著作権の縛り(詳しくは知らん)で、図書館所蔵物の複写は、50%までが限度なんです。

たとえば、住宅地図だったら、見開きの半分だったっけ?

さらに、アンソロジー形式の書籍の場合は、その中の作品一篇が、ひとつの項目とみなされてるので、その半分までしかコピーが許されない。
なんとまぁ、やり切れないわけ。
コピーを依頼されるほうも、大変だ。

― そんなルールよりも、僕がこの書物の複写を入手して使うことのほうが、ずっと価値がありますよ、どう考えても。
今、日本で、この書物を追っかける者など他にいない稀少なことです。

……の言葉を、グッと飲み込んだ。

もちろん、どんな手を使っても、全部のコピーは入手するつもり。

こういう人間だから、僕は、他人の不正直を責めることなどは一切しない。

でもね。

いままで関知してもフツーのこととして知らんぷりしていながら、世間に関心が湧き起きると、さも正義の味方みたいに、さっそうと某教会と政治リーダーとの蜜月を暴き立てるようなのは、偽善として軽蔑します。

しかも、坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、といった下劣な大衆心理に訴えるやり方で個人攻撃と来たもんだ。

告発された政治リーダーが言うべきことは、決まっている。

― 宗教団体の政治活動は認められていますしね。
選挙の票は欲しいので、関係を持ちました。
これが、国法に照らして違法な行為であるならば、今後は再考します。

こんなのが、いちばん正直な姿だと思う。

(軽々な謝罪は、その人間の底が見え透くだけ、そういうのもいるようだが)

事の是非については、その発言を聴いたこっちが、次の投票機会で判断することなんだから、それで十分ではありませんか?

では。

久々のホーム戦を前に。

ほぼ一箇月ぶりの、待望のホームアルウィン……よ。

長距離アウェイの3連戦お疲れさまでした。

結果は、1勝1分1敗で、なんとか締めた格好。

ワールドカップ予選リーグならば、かつかつで決勝トーナメントへいけるかどうかの境界線みたいな戦績だ。

で、トップいわきと 勝ち点4差、2位の鹿児島とは、勝ち点 3差。
(この際、得失点差には、あえて目をつむる)

リーグ戦を 62%消化して、残るは 13ゲーム。

(過去データからの)絶対的な昇格基準である、ゲームあたり勝ち点2のペースはほぼ保持している。
他方、順位はどうしても他人依存の相対原理なんで、こればかりは、なんとも。

なんだ神田の銭形 平次じゃあないけれど、自分たちにできることはひとつ、いわずもがな、ってとこです。

ただ、今後の展望のキーポイントを、ひとつ確認しておきましょう。

目指すサッカースタイルはとにかく、今季の山雅の特徴をひと言で表すならば、それは、

〈堅実〉あるいは〈堅調〉でありましょう。

いわき戦、北Q戦なんかを観たら、更に〈なりふりかまわぬ〉と修飾してもよいくらい。

最少得点による勝利が、攻撃の仕上げの弱さという要因が大きいにせよ、失点ゼロでゲーム終了の笛を聞くことが多いのは、やはり堅実な守備によるところが大。

さらに、堅実性をもっとも良く象徴しているのは、敗戦の履歴。

つまり、堅実な敗戦、換言すれば、なるほどな、という負けがほとんど。

ここまで4敗のなか、不覚!! と呼べるのは、ただホーム八戸戦のみであって、あとの 3敗は、どれも力量不足によるもの。

逆に言うと、取りこぼしをかなり排除しながら、ここまで来ている。

リーグ最大強敵の鹿児島、攻撃力満載の石丸愛媛、これらに負けたのは、良しとはしないが、ある意味、最大限必死にやっても、力が及ばなかったまで。

その意味で、サバサバ。
ダメージも少ない。

だから、なんだって?

そこそこの好位置を確保できているんだから、いままで通り、自分に驕らず、謙虚な挑戦者として戦え、ということを言いたい。

サッカーという競技の特質からして、攻守がかならず入れ替わるし、相手に流れが行く時間帯がどうしても生じる。

たとえタレント的な力量差が当方に優位であったにせよ、一戦一戦がナメてかかれないのは自明の理。

ファン&サポーターとしても、そこらをわかっていないと、いろいろな批判がチームに傷を与えかねないことを承知すべき。

その意味で、今節対カマタマーレ戦は、けっこうな重みがあります。

チームとして、不動、不屈なココロで戦えるか?、が注目点。

声援を手に入れるかわりに、ホームゴール裏の群衆的迫力を犠牲にするゲームとなるわけで、そこの部分も、少しは頭に入れておきましょう。

(讃岐戦プレビュウは、あらためて投稿します)

では。

スポンサーをとるか? 監督をとるか?

時々は、海外サッカー事情に関するニュースを、漁っている。

そしたら、サッカー指導者の、ヴァヒド ハリルホッチ氏 (1952~ )について、興味深い記事を目にした。

ハリル氏は、(異なる) 4か国で代表監督を務め、すべてのチームをワールドカップ予選を突破して本大会に進出させながらも、うち3か国で、大会前に解任されるといった、まことにユニークな経歴。

日本では、2018年ロシア大会の2箇月前にその職を解かれ、今回は、モロッコで同様の憂き目に遭った。

優秀で辣腕、なれど、上層の意思と真っ向から対立して棄てられる、そんな人格のシンボリックな物語。

で、直近のインタビュウで、こんなことを語っている。

― 日本ではスポンサーのせいで問題が生じたんだ。(日本ではモロッコと違い)国家がサッカー協会や代表チームに資金を出すわけではないから。
あるプレイヤーたちを私は代表チームに呼ばなかった。
怪我をしていたり、しかるべきコンディションではないと判断したからだ。
すると、事態が緊張してしまった。

当時、サッカー協会会長(田嶋 幸三)は、その解任理由を〈成績不振など〉、あるいはもっと突っ込んで〈信頼関係の悪化〉と発言していた。

ハリル氏の言っていることが真実だとすれば、
特定のプレイヤをスポンサードしていた企業から、協会に対し、当該選手の選出についてかなり強いプレッシャーがかかった、と診るべきだろう。

選手(と資金)をとるのか?、それとも、代表監督をとるのか?、といった脅しですな。

監督就任に際して、誰々のバックには企業(資金源)が控えているから、そこのところよろしくね、と念を押したはずなのに、メンバーから外すなんて、という意味での〈信頼関係の破綻〉だった、ということか。

資金調達という責務からすれば、その紐づるは、これを大切にしなければならないのは、五輪を始めとして、組織が大きくなれば求められる論理であることは解かる。

スポンサー(および、その仕掛け人である大手広告代理店) からソッポを向かれたら、サッカー協会も経済的に干上がるでしょうからね。

― こうなったら、(時間もないんだから)技術委員長のアンタがやるしかないだろう?、西野よ。

わかりやすいストーリーです。

だから、現監督には、ファンの要望よりはむしろ、そこらへんを大過なくやりくりしてもらうことで、いいんでしょうかね、代表ファンの皆様としては?

ナショナルチームには興味ほとんど皆無な萬年ではありますが、どのレベルでも、お金は大事、ということだけは再認識しています。

では。

悩めるギラヴァンツ と 5バック主義 (北Q戦レビュウ)

(註:1,900字と長いです、家人はきっと途中で放棄だろうなぁ……)

昨日、職場で会うなり、
― シュート20本打って、あれはないわぁ、と同僚のヤナさんは、コボしまくる。

観戦後の感想として、決めきれない仕上げの部分が、強い残像として刻まれたことは確か。

ただ、僕からすると、では、なぜ 20本(をおそらくは超える)のシュートを打つことができたのか?、しかも、相手にわずかなシュートに終わらせて、という点が重要だ。

今後につながる、ひとつの成果、または到達点として。

要は、シュート数は、氷山が海上に現われた部分であって、それを叩き出すことができた背景、これが大切に思われます。

それは、主に何だったんだろうか?

❶悩めるギラヴァンツの、不可解な先発メンバー。
いままでレギュラーだったプレイヤーが、4人ほど先発から外れ、ベンチ要員でゲームに入ったことに、僕は、多少驚いた。

それは、ミッドフィルダーの前川、六平、フォワードでは中山、ディフェンダーの藤原。

思うに、指揮官は、直近2ゲームを、なんらかの停滞ととらえた。
対策として、先発を刷新することによって、チームに強力な推進力を付与しようとしたのではないか?

ただし、これは、ひとつの賭けだった。

たとえ、北Qの攻撃の生命線である活発なサイド(佐藤 亮、乾 貴哉)を、従来どおり先発させたところで、それと絡む最前線、および、中盤(ボランチ)との安定的な連係が不足すれば、当然、攻撃力は乏しくなる。

つまり、左右サイドの孤立が、山雅にかなりの優位性を与えることとなった。

❷貫き通した 5バックへの忠誠。
鹿児島戦の反省によるものかどうか、今節は、3バックをゲームを通して堅持した山雅。

面白かったのは、相手にボール支配が傾いたこともあって、ほとんど 5 – 3 – 2の陣形で戦ったこと。
左右サイドバック(外山、下川)が、敢えて高い位置を採らずに、最終ラインを形成。

これ、要するに、北Qのサイドプレイヤーの侵入を、ゴール前30m付近で、ボランチらと連係してマンツーマンでがっつりと阻止する策だった。

で、このやり方が、北Q側の迫力不足(上記❶) に援けれらたこともあり、かなり奏功。

外へ追い出し、横に逃げさせ、時間を使わせることで、抛り込まれたクロスにも対応できていた。
危険だったのは、#7佐藤のシュート1本くらい。

もちろん、ボール回しのこなれは相手の身上だから、これを追いかけまわすのにかなりの我慢と苦労を要したけれど、手を抜かずに敢行。

ここらへんの覚悟が全プレイヤーに共有されていたのが、今節に込めた決意の表れと、僕は診る。

で、そのサイドのスペース。

そこを、今度は山雅が、ルカオ、横山のフォワードがカウンター攻撃に使うことによって、面白いようにチャンスを創出した。

後半75分、パウリ―ニョと稲福の交代によって、逆三角形の3ボランチは、ダブルボランチ(稲福、佐藤)へと修正されて、5 – 2 – 3 となる。

更に、85分、菊井に替えて宮部(左サイドバックとして)を投入すると、外山を前線に出すことまでして、やはり、5 – 2 – 3 を続けるほどの徹底度でした。

こうみてくると、〈3バックへの回帰〉が勝因の根底に在った。

更に、特記しておきたいのが、次の 2点。

❶佐藤 和弘の復活。
(住田の出場停止が奇貨のようになって) 2列目のボランチみたいな格好で佐藤 が躍動した。
ゴール前へ入ってくる迫力と、可能性を感じるシュートにおいて、佐藤が突出していたのではないか。

プレイスキッカーとしても、ひとつひとつのボールが絶妙でした。

菊井と同様に、かなり広範なスペースで攻守に顔を出すことによって、チームに貢献。(だから、菊井を自由に動かせ、って言っています)

❷センターバック選定における 好采配。
左から、常田、大野、野々村と並んだメンツに込めた意味、これがMVP的な仕掛けとなった。

58分、佐藤のフリーキックを、野々村が頭で折り返し、それをセンターに飛び込んだ常田がヘディングシュートを決める、ってのは、その見事な成就。

北Qが前からガンガン来ないこともあって、センターバックによるボール配球も安定。

ただ、いちばん特筆したいのは、攻撃時、再三にわたり高い位置に走り込む常田がそこに居た、ということ。

それと、前半アディショナルタイム、野々村が、ゴール前まで駆け上がってキーパーと競ることでチャンスを生みだした、あのプレイ。

フォワードが獲れないのなら、ディフェンダーで獲ってやる、といった気概を感じましたし、〈攻める守備〉が露わになるつつあるのは、今後の糧になるはず。

というわけで、萬年目線によるMVPは、やはり、常田 克人、がレビュウの結論であります。

では。