あれもこれもじゃ,荷が重い?(2024.4.13奈良戦レビュウ)

― 意地をみせたね!!

ゲーム終了 10分もしたら、(仕事中の) 家人から電話が入る。

― あぁ、そうね、と答えはしたけれど、

やってる内容は、敗戦の前節、前々節よりかは劣っていたので、スッキリしない僕ではある。

が、ひとり夕食にいただいた家人お手製の、

牛すじ入りタケノコ煮、これが絶品過ぎたことに免じ、

アウェイの地で、

0 – 2 から、2 – 2へ持ち込んで勝ち点1は、悪い仕事でもないし、と決め込んでしまった。

〈よくなかったこと〉
❶過剰反応でしょう。
金沢戦の敗戦。
あれは、カウンターとセットプレイ特化(の擬態?)に徹した金沢に、してやられた事故みたいなもの、と僕は考えるが、

あれ、プロとして、そんなに効いていたのか? (サバサバやり過ごせない?)

安藤 翼のワントップは、感心しない。
(無人のゴールに押し込めなかったのは、ご愛嬌としても)

安藤はサイドで馬渡と絡んだり、上下動の縦の動きでボランチエリアもカヴァーする機動力が魅力。(金沢戦などで証明されている)

むしろ、山口か、佐相をワントップに起用するか、
あるいは、左からスリートップ(滝、山口、安藤)で、菊井がその後方、ですよ。

やはり、滝が投入されてから、前線が活性化されたでしょう?

橋内の先発も、あまり効いていなかったように思う。
右野々村、左橋内だと、どうしても窮屈で、これを90分間は、チトきつい。

首脳陣が、動き過ぎた感があります。

❷俊敏に欠けた。
どっちが中2日のチームなのか?、といったアジリティの無さ。
走る、速く動くとかいう、単に、身体的なことではなく、

〈頭〉の回転における機敏さが不足。

たとえば。

アテにしているところにボールが入らない。

逆に、意表を衝いて自分にボールが来るので、準備がないからトラップがぎこちなくて、瞬間をロスするとか、そんなのが目についた。

日頃、寒冷でやってるチームが、25℃の暑さでやると、集中が落ちるのか、ま、言い訳にはならないが。

前後半開始早々の猛然ダッシュは、本来うちがやるべき命綱であって、円陣でなに話してんだ?

2失点は、奈良のスカウティングがハマったもので、

結局は、山雅のサイドプレイヤーが高く位置取りするから、

縦に速く、特に、カウンターを喰らうと、戻り切れなくなって、ケアすべき相手プレイヤーを、フリーな状態に置いてしまう。

陣形全般を高くあげること、と同時に、縦に素早い相手の侵攻に対処すること、これ、ここまで改善の兆しがないのなら、トレードオフの原則と見極めて、

後者を棄ててしまうのも、手ではないか。

悪く言うと、失点しても、それ以上にゴールを獲って勝つ、と覚悟する。

いにしえ想ふファン&サポーターの期待値が過剰なところへ持って来て、

さらに、チーム自身で多くを背負ってどうするの?

〈良いところもあって〉
ペナルティーエリア直近の狭いスペースへ、縦にパスを入れる。
これ自体は悪手ではないが、どこかでワンタッチのプレイを挿さないと、相手を置き去りにできない。
(サイドの切り崩しも、同じこと)
今季の福島は、これを巧くやってるが、あのレベルにしたいよね。

ただ、2得点は、そこまでチョコマカとやらず、シュートコースが空いたら打ってしまう、セットプレイで一番の高み(長身)を狙う、といった割り切りで決めることができたのだから、

相手守備を崩すことばかりに注力しなくたって、

ボクシングに譬えると、ガードしたグラブの上から強引に打ち続けるのも手ですよ。

……、以上、面白くない部分もあり、最後まで我慢して打ち続けた良さもあり。

僕からすると、センターバック、あるいはボランチから、大胆な意表を衝くサイドチェンジ(=ビッグスイッチ)が、最近、鳴りを潜めているのが不満。

片方のサイドへ寄せてチマチマ見せておいて、ドンッ、そういうのを望みます。

ゲーム残り時間が減ずるにつれて、より高い位置でプレイする山本 康裕を高く評価する僕ですが、やはりゲームでその姿勢が活きたので、

MIPは、やはり、山本、ということで決まり。

では。

とにかく押し込め,休まずに(奈良クラブ戦プレビュウ)

まづは、間違ってはいけません。

このゲームは、我らにとっては、第10節。

第9節は、今月20日のホーム讃岐戦ですから、節の順序が、今週は逆転してる。

松本など4チームをのぞく3部リーグのチームは、去る10日に、それぞれ第9節を戦っているのです。
(この記事を書いているのは、実は、そのゲームの前)

つまり、こっちは入念に準備したうえで、アウェイ(盛岡)戦後、実質中1日の相手とやれるわけ。

……と、アウェイ2連戦を、すこしでもポジティブな気持ちになって乗り切りたい。

奈良クラブ。

4 – 1 – 2 – 3システム採用は、攻撃的にやりたい意思だと思います。

中盤の逆さトライアングルのところでもって、ボールを握り捌いては、攻撃を仕掛けたいのでしょう。
守備面は、失点がここまで 12 。(リーグでも最下位レベル)

もっと得点したいが、守備にも悩みあり、そんな現状でしょうか。

得点の源は、なんといってもサイド。

特に、深い位置から持ち出してゴールまで迫れる、下川 陽太(サイドバック)と岡田 優希(スリートップ)の配される左サイド。

これに対し、右サイドは、高い位置でボールを受けてクロスまで持ち込む。

山雅は、したがって、左右サイドプレイヤ(樋口、馬渡ら) が、けっこう忙しい仕事に追われることを、まづは覚悟する。
で、いつも、相手の先手先手で。

ポイント❶は、クロスの投入(回数)でしょう。

岐阜戦32本、金沢戦23本と打ってきて、

8ゲームをこなし、いつのまにやら、ゲーム平均20本超。
この数字は、リーグトップなんです。

前節の山口による先制点は、安藤 翼が右から入れたクロスが起点となって、こぼれ球を押し込んだもの。

〈こぼれ球〉は、いまや、勝利へのキーワード。

つまり、クロスにドンピシャ合わせたゴールでなくとも、とにかくゴール前で、相手守備の乱調を生みだせる。

この時に、3列目のボランチまでが、一気に飛び込むことが求められる。

ポイント❷ セットプレイにも同様なことが言えて。

一旦、相手の動き(とゲーム)を止めておいて、こっちから仕掛けられる。
コーナーキックなどは特に、ペナルティーエリア内に混沌、混乱が生じやすい。

そして、クロス、セットプレイ獲得の要件はともに、

相手陣地の深い位置にまで、ボール保持、あるいはボール奪取のいづれかで、圧力をかけ続けることで、こっちの陣形を押し上げていること。

こうすれば、相手は、苦し紛れ、あるいは局面打開のため、こっちの最終ラインの裏狙いに走るだろう。

けれど、それにおじけて守備ラインを下げることなく、相手からのロングなボールが正確、精妙、グッドタイミングを欠くぐらいまで、押し込みましょう。

ゲーム進行の綾もあるが、

この前のツエ―ゲンのごとく、カウンター攻撃に特化の姿勢を察知したら、こっちも、適時長いボール、高いボール(ジョップがいる!)をかますなどして、ボールの出どころ、タイミングを狂わそう。

ポイント❸最終ラインにアジリティ(俊敏性)を。

今節の奈良に限らず、対戦相手ならば、前節の、山雅大敗に勝機を見いだそうとするだろう。

つまり、山雅の守備は、1対1で背走させられるとかなり脆弱、とインプットされたのではないか。

これに対しては、

必ずしもアジリティ溢れていない常田に疲れが見えたら、逡巡なく、俊足の橋内にスイッチする、といったようなカードが用意される?

では。

蚊帳の外から,どうしたい? (サッカーに専念してもらおうよ)

金沢戦レビュウ❸として予定していた内容に、すこし追加して、

田中 隼磨氏の声明(4/8付け)に関し、僕の感想を記しておきたい。

冒頭、ひとつのエピソード。

金沢ゴースタの、バックスタンド席。

萬年のすぐ後列には、ご高齢の夫婦が着座したもよう(会話を聞いただけ)。

アウェイ参戦だから、それ相当の熱きファンと思われるが、
雑談の中、ご亭主のほうが、

― 山雅のフロントはなってないと聞く、と言い及ぶ。

聞き役の奥様が、それに何か返して、結局は、チーム低迷の話が続いた(と記憶)。

茶飲み話的に、こういった会話がなされるのは、

松本山雅が、着実に地域を取り込んできた、という勝利以外のなにものでもないが、

いい歳をして、こういう根拠に欠けたもの言いの、他愛の無さに感心し、

と同時に、こういうのが風評なんだろうな、と思った。(☞ 以上、レビュウ❸)

さて。

田中氏の声明について……、

❶読んで、僕なりにホッとしたのは、氏が松本山雅と袂を分かつに至ったのは、もっぱら氏の意思であって、山雅側からの辞任圧力や勧奨ではなかったらしいこと。

❷声明は、辞職の経緯をハッキリ説明するのが目的、とあるが、退職事由を訊きたいと、氏本人に迫るファン&サポーターが少なからず在るんだなぁ、との感慨。

就任から短期だし、いささか早計では?、と思ったが、そこまでして他人の事情を知りたいのか。

〈厳重注意〉という字句が、ちょうど山雅界隈で飛び交っているのに触発された、直情径行な行動と言えば、それまでだが、

声明が単なる釈明と言いつつ、訴える相手を〈変える〉効果も期待していて、絶妙のタイミングを計っての発信、と受け取れもする。

❹文章を一読すると、けっこう不分明な点があるけれど、

ここでは、暴言を吐いた人物(コーチ)を、山雅として最初は処分する気もなかったが、後になって厳重注意を行った、と推定したうえで

田中氏によれば、クラブ(幹部)による後日の説明は、あきらかに〈二枚舌〉(虚偽)であるし、自分がそれを指摘しても訂正しなかったのは、不誠実。

厳重注意にしても、その実効性が疑わしく、(ユース選手の過去事例を引いて) 処分が、不公正である(一貫性がない)。

つまり、組織内に、規律が無いに等しい。

結果、そういう組織は、とても自分の信念とは折り合わないので、身を引いた、というのが要旨か。

❺組織内にいて直接見聞したわけでないこと、松本山雅の、行動規範、社規(就業規則)を知らず、意思決定の手続きやプロセスの実態を知らず、
エグゼクティブディレクターの権限も、知らない。

ゆえに、田中氏からしたら、そういう事実認識なんだろうなぁ、という感想。

こういった事案は、僕のいままでの社会/職業人生活では、それほどめづらしくもなくて、

これくらいなことで、組織的な腐敗、風土(悪しきもの)と、色めき立つことかいな、と思う。

信条はわかるが、自分の進退とひきかえにするほどのことか?、と。

さらに、僕のホンネ。

特に、経営的、事業運営的な事案の決定にあたって重要なのは、
正しい、間違っている (正義 or 不正)ということではなくて、

その決定が、組織内で機能して、成果をもたらすのかどうか?、だと思っている。

幼児に、ウソをついちゃあいけないよ、と教えることは大切だが、
それですべてを推し通したら、むしろ、より苛酷で、不毛な世界もあり得ます。

❻いちばんの危惧。

ウソつきで、公明正大さを欠く組織(と幹部) であるから、

クラブ(会社) は腐敗 ☞ チーム成績は低迷 ☞ 降格も当然 ☞ ファン&サポーターには見放され  ☞ 元凶の経営層とフィールドマネジメント(監督など) はその職に値せず……と続いていって、

挙句の果ては、 1 – 6 の敗戦も、全てが組織がなっちゃいないから。

それならば、いっそ会社も一新するか、精算してしまえ。

でたらめな論理が、しかも、(無責任な) 社外から、湧き起こること。(すでに発信されてるのかいな?)

さらにそこに、〈他人の火事は面白い〉心理の、通りすがりの野次馬が、相乗りしてくる。

無理解のうちに行なう批判や批評、口撃の一切は、その対象を貶め、弱める。

……で、切なる結論。

次なるホームゲームで、上に示したような論法の、訳もわからん内容の横断幕が掲げられないことを願う、と共に、

今こそ、騒音を尻目に、チーム山雅には、サッカーに一意専心してもらいたい。

ただ、それだけを望みます。

では。

いろはの〈い〉を見逃すな (金沢戦レビュウ❷)

たとえ、スコア 1 – 6 になっても、

サッカーでは、セコンドからタオルが投げ込まれることはない。

終了の笛が鳴るまでは、ファイティングポーズを採らなければならないし、

実際、山雅プレイヤーが、(その心中はともかく) 最後まで、ゴールを獲りに走ったことを、僕は、称賛したい。

さて。

ゲーム内容そのものをレビュウするにあたっては、

ひとつ。
〈失敗や挫折は、そのこと自体よりも、その評判によって より多く傷つく のだから、
試合結果への批判/反応や、使い古された形容詞の氾濫をかいくぐって、注意深く、かつ、シンプルに、ゲーム内容を探る態度を採ること。

ふたつ。
1 -6 の事態があのように出現したのは確かであるが、1 – 6 にならねばならなかった、とは、誰にも解明され得ないだろう。

言いかえれば、

ゲーム結果の必然性などは、
過去の経験などから作り上げられた、規則性を凝らした推断に過ぎないから、これを排除しなければならない。

すると、このゲームの、明日を見すえた論点とは、以下のとおり。

❶山雅が自分式のゲームをおこうなうについて、決定的に疎かな面が生じた。

ファーストディフェンス(前線からの守備圧力)に、各個の連動性が乏しく、かつ、中盤が、前線について押し上げられなかったために、
陣形の中盤に、大きなスペースが出来てしまい、そこを金沢のボランチと、左サイドバックの石原に自由に使われた。

特に、石原は、縦に直線的に動くのではなく、中に入って、3人目のボランチとしてボールを動かしながら、その前の #30のアウトサイドプレイヤーへの縦突破を支援することに専念。

これは、ずいぶんと効いた。

中盤に数的優位を与え、山雅劣勢の源となったから。

ジョップワントップについては、まだまだ、練度と、アジャストを要するように思う。

ボール競合時、金沢#3ディフェンダーは、レフェリーから見えないところでジョップのユニフォームを引っ張る行為を、巧く挿し込んでいて、こういうことへの対処にも、成長すべき点はあるだろう。
(ただし、ああいったファールは、線審が採るべき)

❷前後半のスタートの時間帯に、フルスロットルで入るのは、山雅の十八番。

金沢戦では、金沢ディフェンスの眼と身体が馴れる前に、それがゴールに結実したのは、ひとつの成果。

30分近くになって、十数分間に、立て続けの 4失点には、

僕がつねにいうところの、ゲームコントロールの拙さ、ひ弱さが原因しているにせよ、

金沢の全ゴールが、能動的で自己完結的なものだった以上、山雅の守備云々を言ったところで、あまり前向きな検討は生まない、と僕は思うが、どうか。

是非はともかく、相手より多く得点を獲る、この看板はいまや下ろせない。

❸ゴールへと結びついたプレイや、サイドにおける攻防において、山雅の各個は多く、金沢プレイヤに競り負けた
これらを、単に、個の技量に解消することをせず、ここまで構築してきた、個で追い込み、かつ、挟み込んで相手を阻止する守備に、今一度、生命を与えなければならない。

自分たちのサッカーができなかったことと、金沢の力量と処方、この関係性に、どうどうめぐりの議論はあまりすべきでもなくて、

ざっくばらんな話、いつものやり方ができなかったについては、基本、金沢の対処が、こっちを上まわったことに間違いはないのだから、

このことを謙虚に受け止めて、この隘路を切り拓こう、山雅。

ゴースタの借りは、キッチリとアルウィンのピッチで返す、そのネタは、(決して精神論でなく) 手に届く範囲に在る、と診ます。

では。

いつ席を立てるのか? (202104.4.6 金沢戦レビュウ❶)

アウェイの地で、1 – 6 の大負け……。

まづは、その心象風景を。

ゲーム終了後、山雅プレイヤーらの挨拶を受けて、その後。

さて、バックスタンドの半分には、

いまだ、暗澹たる呆然、なんとも言えぬ空虚感が漂っていて、

(僕も、その中に沈んでいた一人ではあったが)

多くの山雅のファン&サポーターが、その席からキッパリと立てないような有り様だった。

そこへ。

ゴール裏への挨拶を終えた、元山雅戦士、白井と石原が、

こんどは、バックスタンドにやってきて交歓をしてくれたのが潮時になったかのように、

皆が、重いココロと身体(おそらくは) を起こして、スタジアムを後にしだす。

……だから、どうした、ということでもないが、

現地観戦の者からすると、ほぼほぼ正確な描写として記しておきます。

で。

出口に向かって階段をのぼりながら、振り返って遠く、山雅ゴール裏(立見席)を眺めたら、

かなりの人数が、いまだ残っていて、

その様子が、この敗戦の、なんらかのエクスキューズをチームに求めるための残留のようにも見受けられた。

もしも、僕の懸念が、ホンモノであったのならば、

山雅を取り巻く靭帯における断裂の兆しは、ゴール裏から始まっている、と見なしてよい。

彼らには、スタジアムの応援のリードは託されてはいるが、決して! ファン&サポーターの代表権限は与えられてはいない。

したがって、くれぐれも、クラブには申しておくけれど、

そういう勢力への忖度も、その意見も取り込みも、一切すべきではないだろう。

要は、 徳島ボルティスの事例から学び、その轍を踏んではならない

では。