あのハイライトはなんだ (2020.7.19 群馬戦レビュウ)


ホームで待望の勝利、スコアは 2 – 0。

ゲーム後、ザスパのプレイヤーたちが整列して北側メインスタンドに向かって挨拶。
それに対し、スタジアムほぼ全体から湧きあがった拍手。
―昨夜、胸に来るいちばんのシーンでありました。

前半は、けっこう群馬にペナルティエリアへの効果的な侵入をゆるしましたが、最後のところでなんとか踏ん張って失点を回避。

これは、セルジ―ニョが、おそらくは岩上 祐三を手当てするため左サイド後方に張って位置していたことが要因のひとつとしてあった。
なにしろ宮阪―岩上ラインが脅威でしたからね。

後半、鈴木を左サイドに投入し、高木 彰人に替わる格好で、セルジ―ニョがより前線に上がると、攻守ともにかなり強化できた。

4 – 2 – 3 – 1 のような感じでしょうか。
―この采配には、感服。

さらに、ボランチは塚川&久保田のセットでスタート。
これ、流動的にボールを動かすことにおいて結構効いていた。
塚川、久保田ともに高い位置まで侵入していましたし。



ホームで日曜日よりの使者を聴いたのは、14箇月ぶりくらい。

そんな良い気分の中、あえて申し上げるんですが、山雅公式サイトのゲームハイライト映像は、まったくいただけない。
山雅は得点シーンのみで、群馬の再三にわたる侵入が採りあげてある。
これを見る限り群馬の出来が数段良くみえてしまう。

むしろ山雅のやりたかったことを象徴するシーンを編集すべきであって、その意味では、Jリーグ公式(長さ半分の)ハイライト映像のほうが、数段優れていると思うのは、萬年だけでありましょうか?

では。

 

いよいよリーグ開幕。

昨夜の千葉 vs 東京ヴェルディ。(スコア : 1 – 2 )
ヴェルディ流サッカーの面白さが、いまだ頭から離れない。

プレイヤーが流動的に湧き出し、小気味よいパスを縦横にとおすサッカーのすがすがしさ。

かたや、ジェフ千葉。
釈然としないPK判定(by 三上君) に泣いた部分があるにせよ、ヴェルディにやりたいようにやらせてしまったことは否めず、あれだけのメンツを揃えておいてカウンター狙いに終始していては、つくづくダメでしょう。

(ジェフからはいまだに、不可解な自信? のような香りが湧きたっている)

ユース生え抜きのフレッシュなタレントが臆面もなく躍動し、他方、DF陣は高橋祥平(前ジュビロ)、福村 貴幸(元清水)、若狭 大志(元大分)らが固めている今季のヴェルディ。
ひょっとしたら2020年ダークホースになるかも!

さて、そのヴェルディでプロとしてキャリアを始めたディフェンダーがひとり、本日、リーグ開幕戦を迎える。

敗けたことですべてを失った、と言い残して山雅を去った飯田 真輝。

JFL(日本フットボールリーグ)に所属の、FCマルヤス岡崎の #37 として、今日はピッチに立つんだろうか。(15:00~ 対ヴェルスパ大分)

JFLは、COVID-19禍により、今季日程を、本来の半分に短縮してしまった。
第16節からの後半戦のみをおこない、各チームはそれぞれ、15戦する。

マルヤスには、山雅ゆかりの人材も多く、監督は北村 隆二氏。
プレイヤーとしては森本 大貴、多々良 敦斗、そして飯田。

松本山雅岡崎出張所、なんていうとかなり失礼になるけれど、そんな親しみを持って動向を見守りたい。

最後に……、
敗けたことですべてが失われた、とも萬年は思ってはいない。

では。

むづかしいサッカーは要らない (ザスパ戦プレビュウ)

群馬かぁ。
利根川の河川敷に駐車する。
堤防の道を渡って下れば、そこが正田スタジアム。

前橋の街中を流れる広瀬川の波がしら……。



―懐かしい遠征に戻れるのは、果たしていつになるや?

〈攻撃の看板を掲げる群馬〉
J3で2年を過して帰還したザスパ。
今季は、相当な覚悟でチームを編成したことだろう。

特に、攻撃面で、J2で実績を持つヴェテランを補強した。
林 稜平、岩上 祐三、宮阪 政樹、そして大前 元紀。
いづれも攻撃の匂いがムンムンするタレントではないか。

〈打ち続け、そして堪えよ 山雅〉
4 – 4 – 2 の布陣で真っ向から当たる時、山雅としてなすべきことは、

ボクシングで言えば、相手のガードを下げさせて顔面にパンチを見舞う、というよりも、ガードの上からでも休みなくパンチを浴びせる、これでありましょう。

ロングボールであれ、狭いエリアでのパス交換であれ、サイドあるいは中央突破を駆使し、とにかく群馬の守備陣形に圧力をかけ続け、後退させる。

とことんペナルティエリアに侵入していって、シュートを多く打つ。

むづかしい、手の込んだことはせずに、シンプルに前へ。
(註:無闇にボールを蹴り込め、とは言わない)

いかにチーム総体としての力量に差が在るにせよ、サッカーとは、攻守いづれの時間も訪れる戦い。
堪えるシーンも覚悟の上で。

ザスパの求めるのはもっぱら、山雅の隙やミスに乗じて手早くカウンターを仕掛けることのはず。
そこから逆算した守備と連携、パスの選択を手当てしつつ、ボールを動かせ。

宮阪のプレイスキック、岩上のビッグスイッチ。
懸念材料には事欠かないけれど、今節こそ、自分の戦い方に徹しよう。

では、待望のアルウィンで。

今こそ 馴れるな! (2020.7.15水戸戦レビュウ)

勝っておかしくないような個のクオリティと練度。
そこに達しつつあるがゆえに、0 – 2 から引分けに持ち込んでも、もはや、手放しでは称賛されない、山雅。

継続してウォッチしているファンサポーターであれば、昨夜のゲームにそんな感想を持ったのではないか。

〈完璧に近いゲームプランだった〉
前半40分までの出来は、決して悪くはなかった。

0 – 0 でハーフタイムを迎え、後半の頭から前線を刷新する。
そうすることで一気にギアを上げて、水戸を突き放す。

―こういう青写真であったのならば、過密日程の中、なかなか考え抜かれたグッドプランだった、と思う。
準備されたカード、阪野、セルジ―ニョ、杉本、&イズマは、まったく見事に機能していたのだから。

ところが、である。
前半終了間際に立て続けに2つの失点。
これによって、交代と布陣の変更は予定とおり実行されたけれども、勝利が手からすべり落ちた。
特に2失点目が、致命的で、これこそは要修正点。

〈開発された成果の いくつか
❶このゲームのMVP  塚川 孝輝。 
後半からは、最終ラインに吸収されるようにして、4バックの一角を担う。
DFとしての守備をこなしつつ、ボランチとして後方からゲームを創るミッションをこなす。
結果、1アシスト(セルジ―ニョへのロングパス)1ゴールを挙げたゆえに。

❷左サイドも難なくこなせる  鈴木 雄斗。
後半から左サイドバックに回り、山雅レフト攻撃の一角を成した。
失ったボールを再奪取するひたむきさ、果敢なサイド侵入で、1アシスト(塚川ゴール)。

❸超攻撃的なバランチ 久保田 和音。
イズマ投入によって、それまでの右シャドウから下がってボランチをこなした。
ピッチのどこにでも顔を出す勤勉と、テクニカルなボール捌きで90分間動き回り、運動量の衰えを感じさせない。

……、チームとしては、セルジ―ニョ、杉本、久保田が同時にピッチに送り込まれた場合、J2リーグではトップクラスの、脅威的左サイド攻撃が実装できること、これを証明したわけだ。
事実、水戸の右サイドを圧倒していて、他チームもここの対策に追われるだろう。

さらに、後半に形成された4バックは、どこからでもキラーパスが前線に供給できる体勢を創出、これも今後の光明だ。

で、最後には注文。
コンパクトな陣形とは、同時に、後方に広大なスペースを背負うこと。

パスミス、トラップミス、アバウトなボールの処理、それが相手のカウンターを発動してしまう危険なシーンがまだまだ多い。
力量差からすれば、対戦相手のほとんどは、カウンター攻撃に活路を見いだすに決まっているのです。
アルビレックスやホーリーホックのように。

リスクすべてを排除することはできないが、それを致命的なものにしない連携面に磨きをかけること。
それを望みます。

J2の水に決して馴れるな、雲り空の向こうに、光を見つめよう。

では。

練度で圧倒せよ。 (水戸戦プレビュウ)


※なんでエンブレムに龍?、と思って調べたら、水戸光圀のあざな〈子龍〉にちなんでいるのか。

〈水戸こそ 新生〉
一年リーグを留守にしていたこともあって、ホーリーホックについちゃあほとんどわからん、がホンネ。

監督は変わり、レンタル組もほぼ去って、ここ2年間の隆盛(昨季は7位)が退潮した感は否めない。

2019年最終節の先発メンバーのうちで、前節山形戦に出場したのは GK松井とDF細川のふたりだけ、というのがそれを物語る。

前半30分くらいまでを観て、予習した。

水戸プレイヤが出足の良さで優り、決定機も作っていて、こういうのを〈勝てた試合〉というんだろう。

これのみでチームの本質など到底つかめないが、着眼点をすこし記しておく。

❶3 – 3 – 2 – 2 のシステムを採用。ワンボランチ(安東 輝!)。
で、守備にまわった時は、サイドバックと2列目が一段後方に降りて、5 – 3 – 2に変容する。
こうしたのは、山形の3 – 4 – 2 – 1対策であったどうかは不明。
ただ、秋葉新監督は、対戦相手によって、なんらかのテコ入れをするタイプ、とみた。

❷目についたプレイヤー
◉右サイドを快速ドリブルで再三えぐった #27 松崎 快。
東洋大卒のルーキーだ。
水戸というチームであるからこそ、使われて化ける可能性あり。
大然のように。

◉屈強かつ他者も活かせるFW #9 中山 仁斗。ジュビロ在籍の昨季、ルヴァンGSの対戦で2得点された苦い記憶が蘇る。

◉センターバック真ん中 #4 ンドカ (浦和東高卒、加入3年目)。
特に、最終ラインからのボールフィードの質に驚いた。
ひとつ前のボランチあたりでやったら、やたら脅威を増す感じ。

〈ゲームのポイント〉
❶両者ともに前節から中3日、再び、中3日で19日にゲーム。
となると、プレイヤー疲弊対策で、かなりターンオーバーするだろう。

かつ、相手システムへの対応に積極的、となれば、先発の布陣に注目したい。

個人的には、ピッチに比較的均等にプレイヤーを配置する 4 – 4 – 2 をお奨めしたいけれど、DF離脱による手駒不足によって、やはり3バックか。

❷コンパクトな陣形で高い位置から圧力をかけ、ボールを奪取、有機的にボールを動かし、ペナルティエリアに侵入する回数を増して、トドメ。
―このスタイルは不変。あとは最後の仕上げのクオリティのみ

❸水戸は山雅最終ライン後方に広く生じるであろうスペースを狙い、人とボールで侵してくるはず。
たとえシュートまでいかなくとも、クロスのクリア等で、コーナーキックを獲りたいだろうから。

すると、データ上から、今季全失点がコーナーキックからという山雅 vs コーナーキック数がリーグトップの水戸、という構図が浮かぶ。

システムにかかわらず、相手のツートップとサイドプレイヤを縦に走らせない方策が重要だ。

レンタル移籍契約のため、安東 輝に会えないのは残念。

まさか、ンドカがボランチなのか?

では。