高まったこと、安いこと (2021.9.19金沢戦レビュウ)

後半アディショナルタイムに追いついて、1 – 1 のドロー。

安房の峠越えの気分、おかげで、だいぶ救われましたけれど。

― もうっ、下手くそなんだからぁ!

ハーフタイムになっての、相方の第一声が、これでありました。

― いやいや、ご説のとおり、ボールがつながらないシーンはあったけれど、どうこう言うミスもほとんどなくて、前半を観る限り、今季ベストにランクインするくらいの出来だったと思うよ。

スタメンをみての、僕の予想は……、

先発が伊藤 翔でないから、きっと、ツートップ(鈴木 国友と山口 一真)だ。

で、セルジ―ニョのプレイ特性上、彼を、ひとりシャドウに置き、
そこを頂点にした三角形で、佐藤 和弘と平川 怜をならべて中盤を作るんだろうな……。

スタンドからは、そのとおりの陣形でやっていたように見えたが、鈴木、山口、セルジ―ニョは皆、ガチガチの点取り屋ではなく、人を使うタイプでもある。

下手をすると、ボールは動くが決め手に欠ける、という事態を危惧します。

だから、これからは、この3人が組み合わさった場合、どうやって、誰が、ゴールを挙げるのか、その方程式の解き明かしを注目します。

ベストに近い、との評価は、意図しているプレイが実行できていたこともありますが、
いちばん感心したのは、ボールが前へ前へ、と運ばれていくようになった、これでありました。
喰いついてくるファーストディフェンスをダマシて逆に揺さぶるボールの動かし、相手守備を左右に動かしながら、スキと空いたスペースを狙う、そういう動作がかなり身についてきている。

スピードと、強いボールが中継されるようになり、かつ、とりあえず、といった安易な後方選択がほとんどない

ただし、ファン&サポーターには(おそらく)いまだ、山雅の足元おぼつかなの、心配信仰があるわけ。

なので、最終ラインのパス交換時、相手が突っ込んでくると、オイオイなにやってんのっ、といったうめきがスタンドから起こっていたんけれど、不安定な感じもなくなりつつあって、いいんじゃあない?、この調子だと。

金沢のプレイの不確実にもけっこう助けられながら、前半、そして後半の失点(66分)までは、ツエ―ゲンの守備を締め上げてゲームを支配して進めてたんだが、
しかし、安い失点でしたよ、まったく。

サイドをたやすく獲られての、デジャブでしたから。

それでも、下川 陽太の退場によって10人になったことへの苦肉の策で、後ろ4枚にしてからのほうが、やるべきことがはっきりして吹っ切れたのだろうか、攻撃が活性化したのは、皮肉といえば皮肉。

ここら辺は、田中パウロ突貫劇場のたまものであったんでしょう。

が、金沢のセンターバックが、守備で終われて疲弊していたと考えるべきか、でなくて、山雅の攻撃の厚みが本物に近づいた、とするべきなのか。

もちろん、後者であってもらいたいんですが、

― この勝ち点を意味あるものにするには、次節が大切です。

なんて、何回も聞かされて、その次で期待を裏切られ続けている昨今ですからねぇ。

とにかく、今節の出来が、最下位あたりに沈むチームの対戦だからできたこと、と言われないような、北Q戦のパフォーマンスを望むばかりです。

では。