ラブソングが国歌となる 不思議。

サッカー北アイルランド代表のユニフォームは、伝統的にグリーン。

だから、山雅ファンのひとりは、自然と親しみを覚えてしまう。

さらに、1970年代のマンチェスターユナイテッドで鳴らしたジョージ ベスト(1946~2005)は、北アイルランドの首府ベルファスト出身。

と、くれば、僕の親近感は、ますます深い。

ところで、北アイルランドの(事実上の)国歌は、『Danny Boy』。

もともと在ったアイルランド民謡『Lomdondery Air』(ロンドンデリイの歌、起源は18世紀末まで遡るらしい) に、1913年、新しい詩を与えたもの。

歌詞は、女性が、愛する男性(恋人、夫、息子は不特定)との別れを告げる内容。

― たとえこの先、花が枯れるごとくこの私が地下に眠ってしまおうと、
帰還した貴方は、墓にひざまづき言葉をかけてくれるでしょう ― とある。

たかだか1世紀ちょっとの歴史だが、愛する者への惜別を、国歌として歌い込むなんてのは、趣きがあってよい。

まぁ、一体感の高揚は、悲壮感(悲劇)を必要とする、という見本であります。

で、今は、このダニーボーイを聴こう。

では。

阪南大トリオが 観られる日

第1節(2/28)の、対レノファ山口FC戦最大の収穫は、横山 歩夢のデビュウだった、とも言える。

昨4日の誕生日が来て、満18歳。

形容詞として〈若年〉を使うことが、むしろ似つかわしくない豪胆な動きぶりには、目を瞠らせるものがあった。

相方の阪野 豊史に打たせることなどはおよそ眼中にないまま一途にシュートに持ち込む、なんてのは良い。

単純な比較もできないが、プレイの幅という点では、前田 大然よりも可能性を秘めている気がする。
だから、安易なレンタルは禁物、山雅自身がみっちりと育てるべき才能だ。

それには、横山を活かすような局面を創り出さないといけない。

山口戦75分のシーンは、まさに、その典型だった。

後方の常田から、前を経由して、左サイドの外山へとつながるボール。

ここで、前線の横山は右から左へと、相手ディフェンスライン裏へ、空いたスペースめがけて猛烈なダッシュを開始。

それに呼応した外山が、右足一閃して、実に鋭利な縦パスを供給。

オフサイドなくしてそのボールを手中にした横山は、ゴールへと走る。

相手GKの巧い寄せがあって、角度の無いところへ追い込まれたために、放ったシュートは、残念ながらサイドネットへ向かってしまったけれど、横山の動き出しと、外山のパス供給が光った場面だった。

右利きを、左サイドに使うことの醍醐味とは、こういうことなんだ。

ポジション奪取ための競争激化は、おおいに歓迎しているけれど、その中でも、DF大野 佑哉、MF外山 凌、FW山口 一真が同時にピッチに立つのも楽しみのひとつ。

この三人は、阪南大学サッカー部(関西学生リーグ1部)の同窓で、外山が2016年度、山口2017年度、大野2018年度のそれぞれ卒業なんで、同じ釜の飯を食った間柄、という訳。

サッカー人生の軌跡が、山雅でまたひとつになって、力を発揮してもらえたらなんとも嬉しい限り。

是非、その日を待ちましょう。

ところで、次節対戦の京都サンガFCでセンターバックの一角を担うのが、本田  勇喜。

本田は、2012年度の阪南大卒業(同期には飯尾竜太朗、現秋田がいる)。

だから、大野や外山にしてみれば、京都戦、先輩の守備を粉砕できる絶好のチャンスと覚悟して参戦でありましょう、きっと。

では。

辛い時代よ、もう来るな。

『Hard Times (Come Again No More) 』は、スティーブン フォスター(1826~1864)が、1854年に作った曲。

記事のタイトルは、その題名を訳したもの。

〈hard〉は厳しい、でもいいかも知れぬが、歌詞は、時代に押しつぶされるようにして苦しく生きている人々を描写しているから、辛い、と訳した。

貧困の中で、妻子にも去られ、孤独に死んだフォスター自身の生涯が重なってくる曲だ。

times、と複数形になっているところが深い、ですな。

なんだか、隠れたアメリカ国歌みたいな趣きの歌だけれど、ここでは、メイヴィス ステイプル(1939~)のカヴァーで。

2008年、僕は単身赴任で静岡県に住んでいて、ワンルームのアパートで、メイヴィスが2007年に発表したアルバム『We’ll Never Turn Back』を、よく聴いていたものだ。

このアルバムは、ライ クーダ―がプロデュースしていたから買ったってこともある。
齢を加えて、その声からはなめらかさ自在さが薄れたけれど、信念を歌い込む迫力は、さすがだなぁ、と思った。

で、昨日、山雅の公式ついツイッターを読むと、どうやらチームは静岡県でトレーニングに励んでいるようだ。

京都戦まで松本で備えるかと思いきや、帰松してふたたび県外の地へ。

なんとも厳しく辛い日程ではあるが、今年の山雅は、これりゃ、本気だわ。

では。

楽観的でいておくれ【京都戦プレビュウ 前編】

もしや、サンガ関係者が当ブログを見ていると、手の内が読まれてマズイ。

そこで、プレビュウは2回に分け、最初を前編として、かなり抽象的になぞることにします。
具体論は、ゲーム直前に、後編として掲載の予定。

さて、見出しの楽観的、とは、前節に開幕勝利した京都の皆さんに期待する態度であって、決して山雅関係者に対してではありません。

対戦相手には、せいぜい油断していてもらう、それが、勝利への第一歩なんですから。

で、今週の山雅のテーマは、次の3点になるでしょうか。

❶キャンプ漬けの長期ロードの疲れを、家族や松本への愛情で十分に癒す
1箇月以上の不在をば、挽回してもらって充電。
日常な生活に復帰し、くつろぐ。
まづは、これ。

❷課題の解決は、京都戦に直結する
前節対相模原の、京都の戦いぶりをざっと観た限り、レノファ戦ではっきりした課題の解決はおそらく、京都戦への準備とほとんど重なってしまう感じ。

京都が現在取り組んでいることの正体はなにか?
また、スタイル完成がいかほど進んでいるのか?
―このふたつを、評価してみないとなりませんが、まだまだ到達点には遠い印象ながら、決してあなどってはなりません。

次節を、チーム創りにあって最良な二里塚として位置づけしたうえで、勝てれば上等くらいの、悲観的で周到な準備が必要でありましょう。

❸寄せては返す、波になれ
ゲームコンセプトの基軸は、〈連動した攻守の切り替え速度〉であるはず。

現状のサンガ相手では、インテンシティよりもむしろ、アジリティ(敏捷性における速さ)で優る、これがいちばん要求されること、と考えます。

ヒントは、京都が、4 – 1 – 2 – 3 という超攻撃的な初期布陣を採用していることなんですが、その解き明かしは、後編にて。

さて、ゲーム直前になって関西の自粛宣言が解除された。
けれど、こちらの日程のやりくりことにとって、時すでに遅し。

ゆえに、今年もサンガスタジアム見参は、封印となりました。

では。

学ぶとしたら (XEROX スーパー杯より)

今回は、トップリーグの、昨季No.1とNo.2をダシにして。

2/20、ゼロックススーパー杯2021は、フロンターレ vs ガンバ、だった。

当日の昼休み、職場のヤナさんから先発フォーメーションを見せてもらう。
双方が、4 – 1 – 2 – 3 を採用か……。
そう、J1上位にいるチームならば、これくらい攻撃的でなくちゃあ。

で、帰宅すると、ゲームは既に後半40分あたりで、スコアは、2 – 2 と拮抗だ。

ところが、ゲームはフロンターレがこれでもか、というくらいに攻め立てていて、ガンバは防戦一方。

次から次と競り出してくる川崎攻撃陣に、てんてこ舞いの様相なのだ。

あぁ、ガンバはこれじゃあ、良くってPK戦に持ち込むくらいが出来ること?

と思っていたら、アディショナルタイム96分に、パス2本で崩されて失点か……。 (川崎の得点シーンは見逃した!)

リーグ第2位とは言え、フロンターレとは勝ち点で 20くらい離され、このスーパー杯をいれて、対川崎4連敗、合計スコアも、2 – 10 の惨状。

レアンドロ ぺレイラを補強したくらいでは、川崎を追いかけるには迫力不足。

こんな感じだと、今季もフロンターレを軸にしたペナントレースになるのか?
開幕の対マリノス戦も、2 – 0 で締めていることでもあり。

もちろん、ガンバやトップリーグ順位は、正直どうでもいい。

山雅に見習ってもらいたいのは、なによりも、フロンターレの休むことなき攻撃。

個の力はもちろん否定しないけれど、あれだけ相手守備を翻弄できるオートマティカリーな速さは、不断のトレーニングがあってこそ、と思いますね。

対外練習が困難な中、いかに質の高い実戦的なプラクティスをするか、期待します。

では。