
0 – 1 の敗戦。
それも、大してなす術もなくダラダラと時間は過ぎ、スイッチが入ったのが、ようやく 80分を回っての頃。
となれば、勝利の女神に、微笑みなど期待できない相談でした。
さつま美人は他人の話、八方美人は必要ない、とか都々逸で誤魔化してはみるけれど、
高揚も 一夜(ひとや)でしぼむ 鰯雲 (by 萬年)
後ろがグッと迫っては来たけれど、不動の? 3位を保ったまま、ラスト8ゲーム。
ゲーム後のプレイヤー周回挨拶で、北ゴール裏からは、
― テッペン獲るぞ!!、との叱咤激励が飛んだりしてましたが、
まぁ、顔を洗って出直せるチャンスが、まだ8回も!! あることに、まづは感謝するとしましょう。(ただし、ホームで出来るのは、あと三つなり)
……とこれは、あくまで心情的の話ですから、このくらいで、いいや。
実は、ゲーム戦略の具体論こそが、今節においては、重要でして。
つまり、準備の方向性が違っていた、あるいは、ミッションの与え方が間違っていた、と言う意味での采配ミスであったのか ?
または、戦術をプレイに表出できなかったプレイヤー達の、理解と実践不足だったのか?
どっちなのかは解からないが、
チーム山雅は、ゲームを創れなかったほどに不調。
そこに、どうしても不可解な感触がぬぐえない。
❶良くも悪くも、中山 陸。
数日前のブログ予測が、なんと本当になってしまうとは。
つまりは、ボランチにコンバート、という新手。
ゲームは、中山 陸を、逆トライアングルの一角に据えた、3 – 3 – 2 – 2 でスタート。
つまり、この初期システムは従来、スリートップ(菊井、小松、ルカオ)気味の前線の下に、ツーボランチ(パウリ―ニョ、中山)を配しておいて、つまり、3 – 4 – 3 に可変しながら、前線、中盤、基底の3列が、コンパクトな格好で連動するはず。
前線からの守備に、中盤と最後列が追従することでスペースを埋め、そうしておいて、相手のパスコースを消しつつボールホルダーに寄せてボールを奪取する。
そのための、大前提の陣形なんです。
〈相手に持たせる〉サッカーは、これが巧く出来てこそ、成り立つ。
ところが、今節は、この縦の連動性が破綻。
特に、最前線と中盤(ボランチ)の間にスペースがポッカリと空いてしまった。
そこを、ys横浜のボランチ(インサイドハーフ)にいいように使われてしまうと、ボールを左右に捌かれ、サイド攻撃をゆるしました。
ここらの連動については、ボランチふたりの役割が、うやむやでたがいに孤立、引き過ぎたりして距離感が不明瞭で、悪し。
中山には、パス出しなどに逡巡の姿勢が明らかだった。
そういうリスク(と期待値)を含め、彼をボランチに使うのであれば、今節は、その授業料と引き換えにしたくらいの覚悟でいい、とは思います。
(後半、そこへのテコ入れで、中山に替えて、浜崎 琢磨を投入したにせよ)
という具合で、相手ボールの獲り処に照準が合わせられないままの前半。
この出来の悪さが、結局は、ゲームを決した、と言うべきでしょう。
後追いと、いなされるばかりで、切迫できない球際に馴れてしまった挙句、後半も、ys横浜のパスサッカーには、さしたるクサビを打ち込めないままに経過しましたから。
結論。
ここまで上手くやりくりして来た、3 – 3 – 2 – 2 陣形への、個の技量に適合した配置と運用、そこを、次節以降どう立て直すのか?
その解答を、チームとして書いて準備しなくてはなりません。
もちろん、これは中山 陸がどうこう、といった、個のプレイヤーレヴェルの解決ではありますまい。
❷サイドの入れ替わりの意味は?
上記の視点は、陣形の縦系列のことでしたが、今節の不可解感をより鮮明にしたのは、実は、横レーンの部分。
具体的には、左右のセンターバックが、同じ側のサイドバックの外方向へ広く開き、サイドバックが中に入り込む、という動き。
右では、下川 陽太を追い越して、野々村鷹人が前に走り込む、あるいは、彼がサイドライン際へ出て来て、下川がそれより中に入ってくる。
左では、外山 凌と常田 克人の関係で、同様な動き。
これ、ゲームを通じて何度も、両サイドで繰り返されました。
この連動に対し、意味不明、釈然としない感をもよおしてしまったのは、どうも、その程度が、ひどく中途半端であったから、としか思われない。
要は、そうする目的が、納得できないままだった。
野々村や常田がサイドバックの外側を追い越すのならば、全回数をムダ走りにするのではなく、機をみて、そこへボールを預けクロスを入れるべき。
あるいは、それを囮に使うのならば、サイドバックが内側に絞り込んだ時の、前線(フォワード) との連動はどうなっているのか?
確かに、外山が横にドリブルして放ったシュートシーンはありましたが、単発。
たまたま同じことをやって、ys横浜は先制したけれど、この時の、守備の受け渡し、サイドバックとセンターバックの間で、あれで良かったのか?、とか。
本職というべきサイドバックからのクロスが、あれほど単調で、一本調子でゴールキーパーにキャッチされてしまうのを観ると、センターバックの攻撃参加は今後も必要とは思います。
けれど、攻守共に、ペナルティエリア付近での、横方向の組み立ての具体的な〈画〉がハッキリしているのか?
今日は、それが可視化された、とはとても言い難い出来でした。
これはあくまでも推察に過ぎませんが、今節、この方面で、なにか新規なチャレンジが仕込まれていたに違いない、と僕は診ます。
それが、相手の出来や出方もあって、上手く表現されなかった、そういうふうに。
(山雅に深追いさせて、陣形を崩してから縦に一本、に何回やられたか ☜追記)
であるならば、ここにも最終的な解答が、与えられなければならない。
直近、迷いが無くなった、とホメた手前、上記❶❷はともに、もし新たなチャレンジに着手しているなら、早急にモノにするのか、それとも、修正をほどこすのか?
時間もだいぶ少なくなっている中、チームが、自己との闘いをやり遂げることを切に願うばかり。
残り8ゲーム、かっきりと刻み出されたサッカーで戦うためには。
では。