観客数はあきらめて (長野戦プレビュウ)

声だし応援の高揚感が、集客目標のノルマ追求心を負かす……。

といえば、それまでなんだが、アウェイゴール裏も、座席ひとつ飛びスペース確保のため、北ホームゴール裏が狭まって窮屈なのが、なんとも。

と、はじめに愚痴を吐いてしまおうという魂胆。

でも、舞台装置についての云々はこれにて打ち止め。

で、あとは、ゲームプランのこと。

〈こっちはカメさんに徹する〉
山雅目線としては、ここまで深めたシステム、戦術、プレイヤー選択をブレることなく、倦まずに表現すれば、それでいい。

〈対長野の視点は〉
❶球際の気概と厳しさを求めて、相手は、3バックを採用する?

4バックでもできるチームですが、乾 大知がセンターバック中央に定着していることもあり、また、当方の強力なツートップに対し、数的優位も保ちたいでしょう。

❷基底ラインからボールを繋いで攻撃を組み立てたいスタイルの、長野。
そこに、宮阪 政樹らのボランチが下がってボールを貰いに来ては、左右サイドに展開していく。
その後、おおざっぱにいうと、サイドをロングボールで侵しておいて、クロスか、カットインで仕上げに入る、そんな感じ。

あとは、ペナルティエリアで混戦を創っておいて、ルーズボール、こぼれ球を狙う。

要は、中盤から前方は、あまり手をかけずにフィニッシュというサッカー。

ですから、ポイントは、陣形を崩さずどこまで追い込んで、どこでボール奪取をするか。

それで、ボールの行方のおおかたが決まる。

とにかく、ボールを入手(奪取) したら、シメたもの。
長野のディフェンスは、後ろに向かって走らされると、案外、緩くて脆い。

ゲーム冒頭の10分、それと、後半は60分くらいまでギアを上げて圧力を倍加する、そんなメリハリで試合を創りたいでしょうね。

もちろん得点経過にもよるでしょうが、

相手をどうする?、というよりも、当方は、それぞれの持ち場で連係して、各個が輝くプレイに徹すること、それで十分。

鹿児島との勝ち点差克服のために2点差で勝利、というのはあくまで、オマケ。

では、アルウィンで。

レース『ウサギとかめ』(エピソードⅡ)

イソップの、ウサギとかめの物語。

たいがいの書物ではこれを、傲慢や油断はいけません、を説いたものと教える。

が、『萬年辞書』には、競争における心がまえに関する寓話、とあるんです。

〈ウサギの敗因は、そのレース目的が近視眼的で、ただただかめに勝利することにあったこと。
対し、かめは、あくまで山頂到達を目標にしてレースをおこなった。
ゆえに、かめの真の勝利は、ウサギとの競走結果(勝敗)ではなく、登頂の達成にあった〉

いまなお、リーグ2位以内達成を照準にして戦っているチームと、実質的には、昇格の芽が潰えたチームとの対戦は、今週の日曜日。

前者(我ら) のモチベーションの根源は、あくまで自明。

他方、後者長野にあっては、このゲームの位置づけが、果たして、イソップウサギと同様なんだろうか?

もちろん、それだって、立派な動機づけには違いない。

では。

レース『ウサギとかめ』(エピソードⅠ)

このところずっと、内容ではほぼ主導権を握るゲームが続く。

たまたま、勝利が獲れない何試合があって悩んだが、直近2連勝によって、ゲーム平均勝ち点2 のペースへと復帰できた。

苦しみながらも、チームとして成熟が高まっていること、それを収穫とすべきでありましょう。

ラスト4ゲーム。

いわきFCがひとつでも勝てば、奪首の望みは断たれるものの、できることはただひとつ。

これは、誰もが皆な知っていることだから、あえて言うまい。

さて、職場のクレ君(バルセロナファンの) が、

― 山雅のユニフォーム、いかほどしますかね?、と尋ねてきた。

― 萬年さんは、背番号#12 ですか?

聞けば、10/30は、アルウィンB自由席のチケットで友人とご観戦らしく、その時、ユニフォームを着用したいようなのだ。

背番号無しのではちょっと……、と迷っていたから、なんなら、僕のを貸してあげようかと提案してみようかな。

せっかく、山雅の収益と奮戦にご協力くださるのだから。

では。

巧妙かつ大胆な三つのこと (FC今治戦レビュウ❷)

今治戦は、9割方はこっちが握る展開だった、と思う。

もちろん、そこには、それ相当のゲームプラン、采配の妙、プレイヤーの躍動が上手くハマった、という根拠があったわけで、いくつか目立ったポイントを指摘しておきます。

❶後半冒頭からの、田中パウロ投入。
これ、菊井 悠介に替えて、と見られがちなんだが、実は、菊井の仕事を継承したのは佐藤 和弘で、ほぼスリートップの一角としてプレイした。

田中パウロは、むしろパウリ―ニョと並ぶ格好で、2列目に入った。

で、相手がボールを保持した場合は、5 – 3 – 2 の陣形が形成され、佐藤、パウリ―ニョ、田中は 3人並んで網を張る。

そして、ボランチ(インサイドハーフ)が低い位置でプレイせずに済んだのは、
センターバック陣の安定的な! 競り上がり、というか、前への推進力がゲームを通して保持されていたため。

これは、決して見逃せない。

おかげで、陣形は常にコンパクトに保たれて、今治が使えるスペースが中盤には生まれず、結果、彼等は、センターバック、またはサイドバック裏狙いの単発的なロングボール戦法を強いられた。

❷サイドバックの自在な位置取りと、センターバックの貢献。
外山 凌と下川 陽太が、適宜、左右ポジションを変えることで攻撃に意表と厚みを加え、更に、サイドから中央方向へ入って来ることで、パスコースは増えて、攻撃に枚数を加えられた。

そのためには、センターバックの常田 克人や篠原 弘次郎が、果敢に追い越してサイドを駆け上がることをやっていて、その意味で篠原投入はかなり効いている。

❸やっぽりワンツーでした。
逆転弾シーンは、安東 晃と田中パウロが、共に縦や斜めに動きながらワンツーで、ボールをペナルティエリアへ入れて、グラウンダーのクロスをお膳立て。

更に、田中の同点シュート。

これは、その直前、横山 歩夢と小松 蓮のワンツー受け渡し未遂を、相手ディフェンスがクリアし損なったものを回収してから、ツータッチしての一閃。

ルカオのゴール時、その向こうには榎本 樹と佐藤が走り込んでいたのであって、ペナルティエリアには 6人が侵入してた。

枚数で迫力が出る攻撃こそが、待望されていたんです。

……、以上3つは、やはり、練習による習熟を思わせる内容であって、

自分たちができることに対する努力を確実にやってることの証拠として、大いに敬意を払います。

では。

光あるところに陰もあり (2022.10.23今治戦レビュウ❶)

またもや、2 – 1 の逆転勝利。(今度はアウェイで)

仕事から帰宅したら、ゲームは、既に、前半40分にさしかかる頃。

DAZNで映し出される山雅のプレイには焦りの色も無かったので、これは、後半いけるかなぁ、といった印象ではありました。

画面で観る限りなので、あまり確定的に言えませんが、今治は、やはり、4 – 3 – 3 で来たんでしょうか。

こっちの3バックに、同数のフォワードで向かってくるやり方を凌ぎ切れなかった被決定機が 2回あって、そのうちのひとつで、先制されました。

あれは、ビクトルのオウンゴールのような格好になってしまい、チト不運でしたけど、今治としては狙い的中で、してやったりだったでしょうね。

ところが、あれだけ攻撃的に前方を目指すところに、同時に、脆さが存在してしまうのもサッカーでありまして、いわゆる、光あればそこに陰がつきまとう、ってやつ。

よほど当方のセンターバックの裏に魅力があったのか?、基底部からのロングボールを多用したのは今治。

ひょんなことからボールが前に出ると、チャンスが生まれる反面、

その陣形が間延びしてるんで、特に、中盤にスペースが生まれ、そこを、コンパクトな態勢を採り続けた山雅に、自由に使われてしまった。

セカンドボールも含め、中盤に転がったボールは、ほとんどこちらがモノにできていたんではないか。

小松らの前線が降りて来てのボールさばきにも余裕がありましたから。

で、グッと陣形を押し上げて、かつサイドへの出し入れを活発に使っての、たとえば、20分前後で魅せた波状攻撃は、山雅としてのひとつの完成形でしょう。

もちろん、随所に現われる個の技量、手腕においては、山雅のほうに分がある、という現実はあるにせよ、です。

急な勾配の観客席は満員御礼で、4,000人弱。

となれば、スタジアムの刷新も必要なんでありましょうが、このゲームの重要性、見応えの期待を感じた人々がこれほど集まる、という今治の可能性は大いに感じました。

それにしても、現地参戦(400名とか) の山雅ファミリーには心から感謝申し上げます。

では。