困難が シンデレラ ボーイを。


註:ドライブスルーマルシェでもらった、#17直筆サイン入りカード。

ルーティン(日常の繰り返し)が心地よくなったら、みづからを新しいチャレンジに追いやれ、と書いたのは、P.F.ドラッカー先生だった。

あえて、こういう言葉が発せられるのは、僕たちが、たいていは生活をすこしでも居心地よくしようと、生きているからに違いない。

家人は(きっと口を滑らせたんだろうが)、萬年の部屋を、物置、と呼んだけれど、親密で雑多なものに取り囲まれてソファーに身を沈めていていいのか?、とたまには自問することだってあります。

さて、塚川 孝輝がオファーを受けて、川崎フロンターレへと移籍していった。

在籍2年、でも実際のつきあいは、昨季になってから。

飄々と、物怖じしない〈ノブイ〉(松本弁)プレイで、突き進め。

息子の指摘によると、あれだけの長躯と身体能力を備えて、センターライン(ボランチやシャドウ)を担えるタレントは、(日本では)稀ではないか、とのこと。

シレっ、とスペースに入り込んで来る切れ味は、たしかに光る。

2015年の船山の記憶は萬年に、新チームが塚川に、ボールの出し手と受け手のどちらかを求めているかを、大いに気にさせる。

川崎には、ボール保有の技量によってスペースを創り出せる才能が多いから、塚川の侵入能力を存分に引き出してもらいたい、とは願う。

ところで、今回の高校サッカー選手権のベスト8には、帝京長岡高と富山一高の名が在った。

このふたつを含む、全10チームで構成された、2020北信越プリンスリーグ。
(内訳は、高校が6つ、Jユースが4つ)

松本山雅U-18は、昨年ここで戦い、最終順位が、5位。

コロナ禍のため、変則的なゲーム日程となった中、この二校とやって、
対帝京長岡    ⇒ 0 – 1 (リーグ戦)
対富山一高    ⇒ 5 – 0 (順位決定戦) ……、という戦績。

で、今季も、このリーグで戦えることが、素晴らしいこと。

シンデレラボーイは、厳しい環境の中からしか生まれない、と思えば、より楽しみが増す、というものだ。

では。

いつか見た夢 になれ。

某自動車メーカーの、アジア担当としてシンガポールに在住の友人。
その年賀状には、こうあった。

―コロナで 一年間シンガポール島に閉じ込められていました。

文面から、改めて、ただ事ではない2020年だったんだなぁ、と察せられる。

で、興を覚え、シンガポールにおける感染状況をみてみると、
日ごとの感染者は、このところ20数名で推移している様子。
死亡者は累計で 28名となっていて、ここ3箇月くらい発生していない。
コメントには、死者を含めた重症例が少ないことをほのめかしたいのか、感染者は、20~30歳代が占めている、とある。

とはいっても、かの国にだって高齢者が大勢住んでいるのだ。
友人のように、皆が〈閉じ込められて〉ひっそり生活しているんだろうか?

情報はメディアやSNS上に溢れているようにみえても、現地の実相が、キチンと頭に入る報告がきわめて少ないのは、この流行り病に限ったことでもないけれど、COVID-19に関しては、あまりに酷すぎる。

思うに……、
❶この疾病対応について、総合的判断を下せる権威(とみなされる)者がいない。
(感染症専門家には、医学的所見だけが期待されている。ゆえに、社会的な対応策を論ずるドクターは反感を買っている)

❷ ❶の結果、
コロナウイルスの行動阻止の手当てのことよりも、ダメージとしての勤労/学業生活と、経済の苦境に関して議論が紛糾するが、最適解が見えてこない。

国政トップからはじまり市井の一個人が、遠慮なく持論を述べられる世界だ。

個人的見解を、まるでオーソリティを装って提示しても断罪されない、あるいは、存在を、社会的に抹殺されることもなさそう。

まぁ、いいたい放題で、責任を取らなくてもいいのであって、こういう分野、他にはあまりない。

新型コロナウイルスの行動は、医学的に解明されつつあるから、各自で薦められる対処をこの一年やってきた。
それがどのくらい切羽詰まったものどうかは人それぞれ、組織それぞれ。

ただ、入り口としての対処と、結果(出口)としての、累計死者3,500人。

これについては、どこの誰が評価してくれるのか?、となると、これがさっき書いたように、皆無。
だあれも、対コロナに関する社会経営の権威者たらん、とは望まない様子。

責任は取らないけれど、文句は言う、ってやつばかり。

予防の徹底度はともかく、一年かけて3,500人ならば、シーズンになると、数箇月かかって同等な死亡者で推移してきた季節性インフルとたいして変わりないじゃん。
……と割り切ったうえで、医療と社会生活で対応する、でよいのでは?、で何が悪い。

世界の大半が、枯れ尾花(ススキ)を妖怪と勘違いするような幻想にとらわれた挙句に、要らぬ社会的制限を強行した、そんな意見だって否定できない。

で、日本は、個の行動を強権発動で制限していない、という稀なお国。

これをとやかく言うつもりも今はないけれど、おそらく着地として狙っているのは、予防接種を使いながら、毎年数千人程度の死者で推移する世界なんだろう。

これを悪い夢、と思うことが甘いんだろうね。

では。

グ~の音も出ない正論。 (或る人種差別)

あまりにも明快な、差別への切り返しだったので、論議さえ起こらなかった、というお話。
内容は、審判団によるお粗末な顛末なんですけれど……。

2020年12月9日。
場所は、フランスのパリ。
パルク デ プランス(原意:王子たちの公園)の、スタジアム。

当夜、パリサンジェルマンFC vs イスタンブール バシャクシェヒル が、
UEFAチャンピオンズリーグ予選リーグのゲームとして開催された。

試合は、ネイマールのハットトリックを含め、5 – 1 でPSGが圧倒したが、
このゲーム、前半の20分から始められた。

というのは、前夜のゲーム途中で、両チームのプレイヤー全員がゲーム続行を拒否、ピッチから去ってしまい、中断やむなきとなった再開戦だったから。

ここで、前日に起こったことを簡単にたどってみよう。

ゲームが13分を経過した頃……、
❶バシャクシェヒルのアシスタントコーチのウェボ(元カメルーン代表FW)が、相手DFキンベンパの厳しいチャージに激昂した。

❷第4審判であるコルテスク(ルーマニア人)はこの様子を見て、無線マイクで、主審に(おそらくルーマニア語で)「あそこの黒人だ……あんな振る舞いはない……見に行って特定してくれ……あの男、あの黒人です」(AFP記者の翻訳) と発信する。

❸その発言をマイクで聞いたウェボはさらに怒りを募らせると、英語で抗議しながらピッチに出て来て、結局は、レッドカードによる退場処分を受けた
……という流れ。

抗議に対し、この第4審判は「ルーマニア語では、ネグルは、ただの黒いという意味だ。差別的な意味はない」と釈明した。

当夜の審判団は、ルーマニア人のセット。

もちろん、英語では〈ネグロ、二グロ〉は第一級の差別用語だ。

で、この出来事のポイントは、この次だった。

バシャクシェヒルのベンチメンバーだったデンバ バ(元セネガル代表)は、こう弁明した審判に向かって、猛然と問い詰める。

「あなたは白人プレイヤーに向かって、〈この白人〉とは言わないだろう?!
ふつうに〈this guy〉と言うはずだ。なぜ,、黒人プレイヤーに向かっては〈この黒人〉と呼ぶんだ!」

事態紛糾の中、こう切り返せるのは、かなり機敏な頭脳です。

約10分後、「みんな来い。もう、うんざりだ。これがフットボールなんだな。俺たちはフットボールがしたいのに」と言うデンバ バを先頭に、同チームのプレイヤーは全員がロッカールームへと引き揚げてしまう。

さらに、PSGのプレイヤーもこれに同調、あとには無人のピッチが残るのみ。

事態を受けて、仏スポーツ大臣は会見で、「誰かを肌の色で指すのは受け入れられない」と語ったとか。

再開ゲームとなった9日、審判団はオランダ人セットに差し替えられ、ゲーム開始前には、人種差別に反対する儀礼がおこなわれたようだ。

この報に接し、現実の差別に遭遇したら、かように毅然と対応できるのかを自問しながら、
『あそこの白人が!』といった発言が差別となる日が、はたして来るのかな?、と夢想している。

では。

アルウィン凱旋の日は近し。

2020天皇杯がらみの話は続きます。

準決勝のひとつは、フロンターレ vs ブラウブリッツ秋田 だった。

ハイライト動画を観ただけだが、まったく予想通りの展開。

力の差を前に、相手の攻撃を凌ぎ切ってから反転の攻め、という立場を採らざるを得ない秋田であったけれど、守備網を衝かれて、ゴールネットを2回揺らされる。0 – 2。

けれど、被シュートが14本、こちらが放ったのが 7本、というのはそれなりに喰い下がった結果だ。

秋田イレブンにとっては、2021シーズンに向けて、上出来なトレーニングマッチとなった、と割り切れば良い。

で、あと2箇月もしないうちに、山雅にとっては、秋田と対戦するスケジュールが確定してくる。
J3の戦場を、圧倒的な戦績(21勝10分3負)で席巻した、その秋田と。

中村 亮太、谷奥 健四郎はともに、契約を更新(12/31)。
久富 賢にも、そう願いたいところ。

そして、彼らが何年かの時を隔てて、アルウィンのピッチに踏み出す姿を眼にしたいものだ。

まるで、リユニオン(同窓会)のように再会を喜びながら。

(オフコース臭のしないオフコースの曲を聴きたいものだが、なかなか探せなくて苦労します)

では。

どっちも本当 の説 (2020 トップリーグのこと)

天皇杯決勝が魅せ場なしだった、というのはチト表現が違うかも知れない。

シュートを27本放ったフロンターレと、同7本のガンバ。
さらに、ペナルティエリア侵入のあかしであるコーナーキックは、川崎10本、に対しG大阪は、1本。

このスタッツだけみても、ゲーム観戦の興味がどこら辺にあったのかが、推量できよう。(萬年は、ハイライト映像で済ませた)

要は、ガンバは相手の引き立て役に過ぎず、ゴールキーパーはやたら多忙。
フロンターレからすると、あれだけシュートを放ってたった1得点は、スイマセンだろうか。

いやいや、これだけのパフォーマンスしかのガンバが、やはり御免なさい、のはず。

結論。
エンペラーズカップ決勝は、単に、トップリーグツートップの力関係を証明するゲームであって、フロンターレファンからすると、歓喜のゲームだった!

昨日職場で、ソネさんに会うと、
―昨年のJ1って、川崎が強かったと言われますが、他チームが不甲斐なかったのかも知れませんよ、との論評。

2位のガンバに、20点近い勝ち点差をつけてペナントを獲った川崎かぁ。

天皇杯の決勝結果からすれば、やはり、フロンターレは断トツだった、と思えてくるのです。

けれど、他方、下位3チームをみると、その勝ち点が、28、28、27。
その上の、15位 横浜FCにしても、33。

一昨年の山雅(17位) でさえ 31点だったことを思うと、これらは、一体なにをやっていたのか!、ということにはなるでしょうね。

ということは、トップと最底辺のチームとの序列格差は、マスマス強まった、ということでしょうか?

お金の多寡はもちろん、対外トレーニングマッチもできないのでは、クオリティの高いチームがますます有利か。

ところで、志知 孝明は今回、横浜FCからアビスパに完全移籍のもよう。

できれば、来年トップリーグでまみえたいものです。

では。