臨戦 2022 ❺ (#5よ その存在感で)

新しいチームキャプテンは、やはり、ゲームキャプテンも担うんだろうか?

 松本山雅で

 ずっとやれ

 春から走れ

 勝利をめざし

 選(よ)りすぐりの精鋭たちと

 売り出せ

 過熱のサッカーで

 苦難の道を切り拓け

……つまりは、必 昇!

ところで、3箇月向こうのことなのに、しかも、北と南のホーム動員数(昨季)をそのまま当てはめたところで、十二分なキャパシティーのはずなのに。

ゴール裏だけでなく、特例として、メインとバックスタンドをアウェイ側に開放する、これはわかる。

けれど、ドサクサに紛れて、全席通常の 500円増し、とか。
しかも、通常に近い〈優待価格〉(会員限定)を設けるってことは、アウェイ観客ばかりがボラれる、ということですな。

なかなか、強欲ですなぁ。
北信流、ってそういうことを言うんだっけ?

せいぜい、それまでの 8戦を消化して、互いにいい位置につけていることを願うのみ。

では。

物語がなければ『Brandy (You’re a Fine Girl)』

ブランディ (君は 素敵な女)

ウエスタン ベイには 港がある
日に100隻もの船が 立ち寄るところ
孤独な船乗りたちは ここで時を過す
故郷の話をしながら……

この港街に ひとりの女が暮らしていて
バーで 働いている
船乗が呼ぶ 「ブランディ、もう一杯くれないか」
すると ブランディは ウイスキーとワインを運ぶんだ

船乗りたちは言う
「ブランディ、君は 素敵な娘
どんなにか 良い つれあいになるだろう
そうさ お前の瞳に惚れた船乗りは 海から足を洗うのさ」

ブランディは 北スペイン産の銀で編んだネックレスを着ける
そのロケットには
昔 ブランディが恋に落ちた男の名が刻んである

その男 ある夏の日にやって来た
遠くの国の プレゼントをたずさえて
けれど男は きっぱりと 言ったのさ
この街には留まれない 港は 俺の家ではない、って

船乗りたちは言う
「ブランディ、君は 素敵な娘
どんなにか 良い つれあいになるだろう
けれど 俺たちの人生、恋人、連れあいは 海なのさ」

男が 航海を物語るとき ブランディは 彼の瞳をじっと見ていた
海原が高まり崩れてうねるありさまを聴いて
ブランディには なんとも猛々しい壮観に思えたものだ
けれど男は いつも真実を語った たしかに 彼は正直な奴だった
ブランディは 最大限に理解しよう としていたんだ

夜になって バーが閉まる
ブランディは 静まった街を歩いて帰っていく
もうここにはいない男 けれど 忘れられない
いまだに 男が語る声を思い出す そう いまでも……

1972年に、ルッキング グラス(Looking Glass、バンド名、姿見って意味か) がヒットさせた曲で、最近になって、原曲にかなり忠実に演っているものを見つけたので、ご紹介。

英語〈girl〉は、中学校あたりで〈boy〉と一緒に覚えさせられるので、どうしても、少年の対句として〈少女、娘〉という語感になりがちですが、もっと幅広い年代の女性に対して使う、使える。

だから、ご高齢のお方をも、Girl、とか呼びかけるのを聞くわけで、和訳する時には気を使う単語。

では。

熱も入らず あっけらかん。

昨日の朝、職場のロッカールームで。

― いやぁ、すごいヘディングシュートだったよねぇ、とソルト氏。

代表チームの、対シナ戦のことらしい、と気づいて、

― 申し訳ない、どうも山雅以外には熱が入らず、観ていないのよ。

― でもさ、シュートゼロの相手ならば、3~4点は獲らないと……。

ナショナルチームの戦績がどうでもいい理由の95%は、会話にあるとおりで、ご贔屓のクラブチームでないこと。

感情移入できないのは、突き詰めれば、サッカー好きというより、山雅好き、ということか?

残り5%は、無理に引きだしてきた理由かも知れず、

アジアでやっていれば、ワールドカップ予選を勝ち抜くのがもはや?当たり前だろう、日本。

だから、関係者とメディアが熱くやっててもらえれば、それでよくって、いまさら画面のこちら側で、手に汗握ることもなし。

ワールドカップ出場に、日本のサッカー界全体が、命を賭けるという時代ではないという感じ。

が、それは、出場を逃した時の落胆の大きさと小ささによって、はじめて証明されることになるんでしょうね、きっと。

だから、これ萬年の持論ですが、もっと視野を広げる。

日本の地理的なポジションを、環太平洋との大義名分をつけ、政治力と資金力を総動員して、北中米、または、南米サッカー協会に入れてもらう。

そうすれば、いままでとはまったく違った、サッカーの新鮮さと、タフな経験を味わえること必定ですけれどね。

本戦では、出るとことごとく負けるグループでトップ獲ったところで、そんなに嬉しい?

アジアの中で、お山の大将はもういいよ。

では。

臨戦 2022 その❹ (怪しくてこそ山雅)

前回その❸で、失点論をしたら、
名波氏が、静岡県のローカルなスポーツ番組で、(山雅では)ディフェンスを育てて機能させなくては、と語っていたと、教えてくださる御方がありました。

機能不全だったディフェンスの立て直しには、ふたつのポイントを考えます。

❶年を追うごとに、山雅のディフェンスラインは高い位置を採るようになっていて、それは相手陣内におけるボールポゼッションの時間と量が多くなっていることと比例。
要は、陣形が、より前がかりになっている。
特に、負けているゲームだと、得点が要求されるから、ますます前へと傾斜する。
すると、ディフェンスラインの後方にはそれだけスペースが生まれるので、ここの部分を手あてしないと、裏を狙われて背走、失点となる。

❷前回のサイドのお話と関係するんですが、守備に回った時、相手を捕まえる場合、昨季、横のラインがずいぶん乱れていた。
過密と過疎がない交ぜになっていて、対人の受け渡しも巧くいかず、突破されていたように思う。

……こういった事情からすれば、もはや、〈専守〉という発想は成り立たたず、攻めるための守備を前提にして、攻守一体で改善を入れなければいけません、山雅の場合。

そこには、4バックを視野に入れた検証も含まれると思うんですが、今回の安田  理大の加入には、なんだかそんな雰囲気を感じます、感じたいです。

新体制で、背番号 #2、#6、#11、#10 が空いているのは、なんらかの結果だろうなぁ?、とは思いました。
誰れも希望しなかったとか。
でも、少々含みを持たせて、怪しいところがあってこそ、山雅らしい。

安田の加入が、とってつけたような結果に終わるのだけは、ご勘弁。

要は、彼の持ち味を使い切ってもらって、攻撃的な守備を魅せて、ということ。

では。

【改題】臨戦 2022 その❸ (御嶽海が教えてくれた)


註: 2019年7月10日対エスパルス戦

サブタイトルは、― 負け方も大事です― がよろしいかと。

今場所の、その好調ぶりはむしろ、星を落としたふたつの取り組み内容で確信された。

どこぞの誰かなど、負けが決まった途端、もう、これだから、ダメ!、とまるで場所が終了しかのように、ひどく慨嘆しているので、

― いやいや、そういったイチかバチかの評価、ではいけませんよ。
かえって、負け方の良さをみないと。……と、たしなめていた萬年。

実際、あきらかに相手の気魄が上回っていた敗戦もあったが、それでも、なんとか堪え凌ごうとする姿勢が顕著であって、決して場所を棄てていない姿勢が、据わった目つきにもうかがわれる。

逆に言えば、勝った取り組みで、相手の反攻に手こずりながらも前に出るしぶとさ、が目立った。

それこそ、イチかバチかで突進することばかりではない相撲、を手に入れたかのように。

そう、オール オア ナッシング の考え方ではリーグ戦は戦えません。
それは、サッカーもまったく同じ。

ということで、今回は、被ゴール、つまり〈失点〉からさかのぼって、今季のヒントを探り出そうという魂胆。

❶2021季、山雅の総失点数は、71。
これ、Jリーグ参戦後の、ワーストだった。
2016年(32失点)、2018年(34失点)と比べると、つまりは、倍加。

守備というのは、アイデアというより、決め事の忠実な実践に負うところが大きいと思うが、その決め事が乏しかったのか、あるいは、それを守る姿勢に乏しかったのか?
おそらくは、前者だった、と踏んでいるけれど、たとえば、誰が誰をマークする、といった単純なことも曖昧だったろうし、簡単に相手をフリーにさせる残念なシーンが、やたらと在った。

守備陣の中心であった常田なんかはその象徴で、その上背(187㎝)が売りだが、守備に関しては、その優位性が活きていない。
おそらくは、今季が彼の正念場。
特に、対人マークの甘さを克服できないと、ポジションを失いかねない。

失点の形態は、ワースト1位が、クロスを投入されたことから、で、28% (20失点)。
2位に、セットプレイからが、27% (19失点) 。
セットプレイからの失点は、2020季が 25%だったから、割合としてはそれほど増加していない。
2020年は 13失点、昨季は、19失点なので、被ゴール量として目立つだけ。

いちばん着目すべきは、第1位のクロスからの被弾、これ。

2020年は、失点中11.5% (6点)だったから、ほぼ3倍に増えてしまっているんです。

サイドを割られて、そこからのクロスを阻止できずに、ペナルティエリアでシュートを打たれている。

セットプレイのうちの、コーナーキックにしても、
おそらくは、サイドを深くえぐられてゴールラインに逃げざるを得なかったり、または、クロスをクリアしたりなどから、おおくを与えたのではないか。

ならば、今季は、相手のサイド侵攻をいかに食い止めるのか?、が鍵。

ところが、問題はそんなに簡単には、解消しない。

❶今度は、山雅によるゲーム当りクロス回数をみると、16本 (リーグ6位)。
2020季は、これが、13本 (リーグ16位)だった。
リーグ全体のクロス数の増減は知らないけれど、山雅自体は、前年に増してクロス回数をこなし、クロスを多用するチームになった。

❷クロスからの得点は、昨季は、総得点中の11%(4得点)で、これは、パターンにおける第3位 (第2位のショートパスからと同率)。

同じ数字を、2020季にみると、第2位で 21%(9得点) なんですな。

つまり、前年よりもクロスは多く蹴り込んだけれど、成立したゴールは半分だった、というわけ。

……、以上を乱暴にいうと、それなりに上げてたクロスはゴールにまで結びつかず、しかも、もう一方では、けっこうサイドを割られて失点を重ねた。

難題であるといった理由は、ここです。

サイドバックというポジションは一般的に、相手のサイドバックをいかに低い位置に抑え込んでおくと同時に、こっちはより高い位置への侵入するのがミッションになる。

山雅の昨季は、けっこうサイドを割られた、と同時に、けっこうクロスを投入しているから、このバランスをどうやってやりくりして、こちらが、より相手サイドを押し込み続けるのか?、

もちろん、クロスを投入するのはサイドバックの専担事項でない。

また、いくらクロスを入れても、それに合わせるべき中のプレイクオリティもあるので、すべてをサイドバックがどうしろこうしろ、ということでもない。

ただ、クロスによって得点機会を創り出した、というチーム内の2021ランキングの上位は、下川 陽太、外山 凌、(鈴木 国友) 田中パウロが ベスト4だったから、サイドの制圧に関しては、まづは、彼ら3名の貢献を期待しないわけにはいかないでしょう。

では。