強風下のミステリー (2021.4.4秋田戦レビュウ)

3 – 1 の、今季初勝利。
公約であるゲーム2得点もクリアして、ゲームコントロールの達成をひとつ示せた、と言えましょう。

〈風を味方につけたのは?〉
―なによ、何もできていないじゃない、と、横でずいぶんとオカンムリな家人。
セカンドボールをほとんど手中にできないことにも、不満だったんでしょう、きっと。

―いやいや。
予想したどおりの秋田式サッカー(萬年ブログをお読みでない?)と、プラス、この強風(向かい風)ですよ。
定番の、パントキック気味ロングボールを多用されて、地上戦に持ち込めないだけの話。
ゲームとしては、秋田サッカーへの対応とボール処理を含め、山雅のほうが風を味方につけていると思いますがね。

確かに表層、秋田がやりたいことを多くできているという印象には違いなかった。
こちらがまともにパスを回せたのは、前半22分あたりになって漸くのことでしたから。

でも、ここまではやらせる、ということも含めて、山雅のゲーム運びが上回ったな、という感ありあり。
たとえば、ブラウブリッツが蹴りこんでも風によって伸びすぎてしまうボールの処理、比較的に早く入れてくるクロスへの対応、GK圍の低い弾道によるフィードとか。
かなり丁寧で、シュアなプレイが目立つ。

唯一、39分の、CKからの失点をのぞき。(これはCK12本を獲った秋田を褒めるべき)

他方、自分たちのペースでボールを動かせる場面ではほとんど、ペナルティエリアに侵入できていた。
これは、秋田のディフェンスが緩いこともあったが、両サイドを起点とした攻撃がより深化した感じ。

かようにゲームの実相を捉えればですよ、前半をタイ( 1- 1 )で乗り切ったことで、勝ちの80%くらいを、こちらに取り込んだようなものでした。

萬年などは、コイントスに勝った佐藤 和弘が、敢えてエンドを変えることで、秋田サッカーを巧く破綻させたいのだろうか?、と胸中ミステリアスな問いを発していましたから。

〈刈り獲るだけの後半〉
当方がボールを握れば最終までは仕上げられる、と確認した前半。
それを踏まえ、後半は追い風をますます!味方につけて、攻め込むだけのお話でした。

佐藤2点目は、サイドからの攻めが奏功したもの。
あのシュート、ちょうど萬年に向かって来る弾道で、これはクロスバーを越えるかなぁ、と思いましたが、直前で上手く落ちてゴールイン。

鈴木の3点目は、前半29分のプレイの再現でした。(外山→鈴木ライン)

安東の投入によって、セカンドボールをより手中にできるようになったことも大きかった。

つまり、こうみてくると、勝利の布石はすべて、ゲーム前半に仕込まれている

攻撃の起点をほとんどサイドで作れたことを最大収穫として特記し、萬年式MVPは、攻撃では外山、守備では、圍と河合としたいゲームでした。

最後に、大きなお世話をひとつ。
ブラウブリッツですが、徹底度において素晴らしい。
けれど、速攻と堅守のセット化において、堅守の質を更に上げないと、この先少々厳しいか、と思いました。

では。

自分を見つめ鍛える (秋田戦プレビュウその❷)

〈水戸戦の宿題を書き上げる〉
第5節、対水戸戦。
山雅のボール保持率は、48%だった。
これ、山雅にしてはかなりの高値であって、ゲームの7割強を支配していたことの証拠でもある。

としたら、今節の相手が、ほとんど初物に等しい秋田であっても、勝利で終えるはずだった前節を、アルウィンの舞台でそのまま再現しなくてはなるまい。

〈柴田山雅 を再確認する〉
前回で描写したブラウブリッツのサッカーは、山雅にとってはいつか通った道にかなり近いけれど、今から、そこに帰ることはできない。

むしろ、苦杯を嘗めさせられたサンガのほうに感情移入してしまうわけだ。

ここで、昨季後半から今季にかけての、山雅の針路をくどい程に再確認……。

❶若手登用と成長をテコに、約束事を明確にしつつ、守備面の安定を図った。

❷前、佐藤らを補強、中盤における強度を上げると同時に、その攻撃性をより前線に近いポイントで発揮できるシステムを採用。

❸阪野をのぞいて、昨季戦力をごっそりと失った前線。
そこへ、チームとして新加入タレントを大量獲得。
実戦をとおして、個々の強みと、その組み合わせの最適解を模索中。
左サイド方面では、外山、河合が先頭を切るが、いまだ片鱗をも見せない人材は多い。

❹チャンスを活かしたDF野々村が売り出し中。橋内が復帰し、篠原が存在感をアピール。……、そんな感じか。

〈スタイルの組み合わせを 間違えない〉
どんなチームであっても、〈速攻〉はしたいし、しなくてはならない。
これはサッカーでは自明の理。

相手が帰陣して守備を整える前、広大なスペースがあるうちに攻め込めれば、ゴールのチャンスが大きいに決まっているからだ。

攻撃において、戦術として速攻を選ぶとすれば、相手をできるだけ我が側に引き付けておいて、ボールを奪って即反転攻撃、という策になる。
意識的に、敵を前がかりの態勢にさせる。

この時、相手の攻撃に堪える時間を無失点に切り抜けるためには、身体をはった〈堅守〉が絶対的に必要だ。
ガードを固めておいて、繰り出されるパンチ(攻撃)を敢えて受けるのだから。

つまり、〈堅守速攻〉とセットで呼べるのは、上のようなスタイルを基軸とする場合に限る。

二度のトップリーグ陥落の経験などを通過して、山雅は今、堅守速攻のサッカーを捨てた地点まで来ている。

その得点力の弱さゆえに、〈堅守〉はこれからも絶対命題だろうが、速攻でない攻撃(=ボールを保持して相手守備網を崩す)を研ぐこと。

これがベーシックな課題であるし、ここをクリアすることが、将来への布石になる。

編成されたチーム、タレントの面々をみると、この針路は明らか。

この視点からすると、(結果はともかく)、攻守に強度の高いゲームが続く今季であることは間違いなく、秋田戦にもそれを求めたい。

個々のプレイヤーへの思いは、挙げたらキリもないが、ともにキャプテンマークを巻く佐藤 和弘と中村 亮太。
中京大サッカー部同期の対決に注目しよう。

では。

強みの最大化こそ (秋田戦プレビュウその❶)

ブラウブリッツ秋田には、格別の思いがある。

長野パルセイロと対戦する際には、東和田や南長野へ出かけて行った。
気持ちだけでも、と思って、マンチェスターシティのユニフォーム(ブルー)を纏って。

アウェイのゴール裏に独り離れて座っていたら、秋田サポーターの方がやって来て、お菓子をいただいたのも懐かしい。

〈このまま躍進か?、ブラウブリッツ〉
第5節、対京都戦の前半を、DAZNで観た。

J2昇格のホーム開幕の喜びが、バックスタンド観衆からも伝わってくる。
雨中の中、3,000人のご来場か……。

ゲームは、京都がほとんどボールを握り(支配率65%)、シュートは相手4倍強の23本を放つ。
スローイン52本は、いかに秋田がクリアに逃げざるを得なかったかを語る。

しかし、最終ラインに抛り込まれたボール処理のミスひとつから、前半41分に失点。
先制した秋田の堅い守備を崩せずに、そのまま ジ エンドで、0 – 1の敗戦。

おそらく秋田ファンサポーターには、サンガによる長けたボールフィードや連携に、これが、J2かぁ!、という新鮮な驚きが在ったはず。

けれど、明らかに地力に優れた側が、思うようなゲームができずに、ピーターウタカも不発。

これもまた、サッカーのむごさ。

敵味方関係なく、いままで幾度も観てきた試合展開だ。

〈相手に合わせないサッカーの強み〉
ボールを奪ったら自動的のごとく、特に右サイド優先でボールを蹴り出し、そこに殺到する。
キャプテンの中村 亮太らが、そこへ絡んで来る。
そのためには、右サイド左サイドの飯尾 竜太朗らがキッカリと、その側からの相手侵入をガードしておく。

ハイボールの連続を苦にすることなく、中途半端なルーズボールの繋ぎも献身的におこなう。
セットプレイでは、ハーフライン手前からでもロングボールを入れてくる。
さらには、ロングスロウを活かす。
……箇条的には、こんなサッカー。

手際の良さ、スマートネスなど、もともと眼中にないようだ。

サンガは、ボールの動かしを、こういったルーズさと破調に乱されて、攻めあぐねる、という状況に追い込まれた。
フラストレーションが相当嵩じたに違いない。

秋田は、アウェイ連続4ゲームで始まったリーグ戦を、ここまで、3勝1分1敗。

実に、見事な滑り出しであります。

指揮官は就任2年目というから、既に名伯楽の入り口には立った。

このままJ2リーグを席捲できれば、なおのことだ。

プレビュウその❷は、山雅の考え方について。

では。

軽井沢とは 誰のもの?

今年の松本マラソンは挙行する、とのメールが来ました、と孤高の長距離ランナー ルノワール氏からうかがった。

ルノワール氏は、軽井沢出身。
浅間山の山麓で、その健脚を磨いたお方なのだ。(当時は中距離専門)

先般、軽井沢の町長さんが、町外の者が、その製品などに〈軽井沢〉を使うのは困る、 と苦情を呈したらしい。

気持ちがわからないではないが、だったら、長野市や千曲市は、〈更科そば〉を名乗った江戸の蕎麦屋に文句を言わなくちゃならないが、こちらは時既に遅し。

北軽井沢は群馬県であることだし、我がもののごとくに主張するのはいかがなものか。

軽井沢とは今や、独り歩きしているブランド。
そこに住んでる、ってだけで、とやかくできるシロモノではない気がする。

だいたいが、軽井沢に目をつけたのは、明治時代の外国人宣教師たちが始まりであって、やがて、昭和初期のハイカラ文芸青年が息抜きのためやって来た。

我が地を有名にするため、地元の人間がどれほど奔走したのだろう?

江戸の世、軽井沢は、中山道(木曽街道六十九次) の主要な宿場のひとつだった。

『柳多留』(川柳集)では、軽井沢にはもっぱら、田舎の無骨な飯盛女(他のサービスもした) が詠い込まれた。

ところで、軽井沢に住む息子の家の近く、別荘地の中に、洒落た教会と宣教師ハウスが、ひっそりと建っている。

先年、その門に〈売物件〉の看板を認めた。
息子に聞いたら、価格は数億円らしい、とのこと。

    住む人も   去りて黙さん    軽井沢   萬年

では。

【コメント】
☞ルノワール氏 より (4/2 17:17)
松本マラソン10月03日開催
日本陸連公認の42、195㎞
コースルートをリニューアルして松本城、県の森&薄川
内田地区→スカイパークでゴール
私の職場の先輩にはマラソンのボランティアに駆り出される人もい
そのなか私が出場するのは申し訳ないかと思いますが
多分出場するでしょう😁
軽井沢
萬年さんの紹介のとうり
その昔は
沓掛村→中山道のお茶屋(休憩所)
借宿村→旅の旅籠
から構成されて今に至ります。前者は中軽井沢
後者は西軽井沢です
私的には軽井沢は私の故郷ではありません
軽井沢は旅人のもの
私の故郷は旧沓掛村であると思っていますが🐼

プレミアリーグの創設?

大分トリニータさん、ありがとう!

佐藤、小手川に続き、なんと、山雅へ、町田 也真人が再加入か、明日4/2の移籍ウインドウ締切を前に。
……、は、もちろんエイプリルフール、ってやつ。

―Jリーグでね、プレミアリーグ創設を検討するんですって(家人)。

ほう、丹念に情報を拾っているではありませんか。

そこで、チョイとニュースを斜め読みした。

斬新なアイデアのひとつとして、これを議論の俎上に乗せる、ということらしい。
14~15チームを想定か。
現状20チームから資金的に青息吐息の6チームを削る、ってことかいな?
楽天ヴィッセルなんかは、参入に即手を挙げそう。

議論はどんどんすべきでありましょう。
ただし、ここまでは行く、という限界点を明確にした上で。

どうも、イングランドをお手本にしている感じ。
最上級リーグ(1部相当)を、プレミアと呼ぶところなんかに、露骨ですな。

イングランドのプロサッカーの構成は?、というと……、

・プレミアリーグ (1部相当 20クラブ)
・EFL(English Football League)チャンピオンシップ (2部 24クラブ)
・EFLリーグ1 (3部 24クラブ)
・EFLリーグ2 (4部 24クラブ)

……、計92クラブからなる、4階層のピラミッドを成していて、各リーグ間には昇降格のはしごが在る。
以下に、実質5部のナショナルリーグ(プロアマ混在?)と続いていて、裾野は広く、深い。
渡英した息子の友人は、このあたりのリーグでプレイした、と聞いた。

EFLの創設は、1888年(世界最古)。

1992年になってプレミアリーグが創設されるにともない、EFLはその下部リーグとなった。

要は、歴史は古く、全英フットボール協会が管轄するリーグは 11部まである、というハンパなさ。

こういう先達を横目にみながら、Jリーグはいろいろ模索しているのだ。

ところで、プレミアリーグ導入とともに、外国籍プレイヤー枠の撤廃も検討されるらしい。

現行は、登録は制限なしで、ゲーム時は、J1は出場最大5人、J2&J3は最大4人。

これを、ゲームに何人出てきても良い、としたいわけか。

面白い構想だとは思う。

けれど、獲得資金面の問題はさておき、外国籍プレイヤー枠が撤廃されても、イングランドプレミアリーグのような外国籍盛況の図は、おそらくは生まれない。

いまだに、手垢に汚れた用語〈助っ人〉で、外国人差別をしている社会では、門戸開放において、放っておいても歯止めがかかるだろうから。

だから、いますぐにでも、外国籍プレイヤー枠なんか取っ払っても構やしない、というのが萬年持論。

いざとなると、先生!、と呼ばれて出てくるやくざお抱えの用心棒は、せいぜい2~3人ではないか。

イングランドプレミアリーグをベンチマークとするのなら、まづは最初に、膨大な資金を投入できる外国資本(組織&個人オーナー)参入を許容すべき。

でないと、差別化されたビッグクラブは生まれないし、チームの大半を外国籍プレイヤーで編成する、という発想もみなぎらないだろう。

※英国プレミアリーグにおける外国籍プレイヤー活躍は、EU加盟国のクラブチームでは、ボスマン判決(1995年)により、外国人扱いされない事情が決定的な要因になっている。

では。