ジョー氏、旅立つ。

一昨々日、ジョー氏はひとり、旅立った。

かなり長い休暇を取って、生まれ故郷の、北九州(小倉)へと。

少々気ままな、自動車での行き帰り、と聞いた。

ご亡母の墓参、という名目らしいけれど、

きっと。

小倉の街角を経巡っては、いまはもう廃れ、消失してしまった光景を懐かしんでいるのではなかろうか。

資さんうどんからは消えたメニュー。

もとは、だだっぴろい駐車場であった場所に立つ、ミクスタの容姿、

仕舞ったお好み屋の跡地、そんなものばかりを……。

空ではつながっているのに、長く思いを馳せながらも、なかなか辿りつけない場所は、誰にでもあるものだ。

では。

無慈悲な沈黙 (2023.10.15 長野戦レビュウおしまい)

たしか、ハーフタイム。

― あのね、今日は、選手紹介時にやる、定例の、〇〇のファンサポーターの皆さん、ようこそアルウィンへ、はなし。

ガチャの(アルウィンTV)、アウェイ席への歓迎挨拶もなかったのよね、と家人。

へぇ~。

このゲームを、格別な舞台とも思っていない僕からしても、

こういう無慈悲な沈黙は、よく深慮された、なかなか上品な演出ではないか。

愚弄のための拍手と同じように、場の雰囲気盛り上げに効くから、どんどんやったらいい。

さて。

レビュウの最後に、プレビュウでも求めた、意味ある交代カードが切られたことを高く評価しておきます。

先発メンバーの出来が良かったこともあって、全体として交代投入が遅くはなったけれど、5枚それぞれに価値あり。

とりわけ、アシストの渡邉と、決勝点の野澤が含まれていたんだから、交代策はズバリ的中!!、でした。

山口 一真のコンディションを勘案しながらカードを切る趣きであったんですが、

こうなると、滝 裕太、鈴木 国友、榎本 樹がピッチに立てなくなる、といった無念も湧いてくる。

さらに、#7ルーカスヒアンは、今季、秘密兵器のまま終わってしまうんか?、といった心配もしなくちゃあ、とは、

3部にあっては、かなり贅沢な悩みですな。

― 宮阪かぁ、やっかいね。

と家人がつぶやいたのは、すでに、終盤の90分。

焼石に水的にでも、宮阪、加藤を、どん尻で投入せざるを得ない長野の台所とは、ずいぶん違うってことか、山雅。

ならば、その厚く有能な戦力層を、残り7戦で、証明するだけ。

では。

【謝罪案件】パルセイロを讃う (長野戦レビュウ❷)

僕のスタジアム到着が、 ゲーム開始20分過ぎ。

なにかと落ち着かない観戦になってしまったため、

ようやく、翌日の夜に、DAZNの見逃し配信で、ゲームをおさらいした。

結果。

プレビュウ❶で、ずいぶん失礼なことを書いたことを認識した次第。

長野には、ほめる材料がほとんどない……は、誠に適切さを欠く評言であって、

これを深く謝罪し、このように訂正します。

あれだけの不利的な状況と猛攻にさらされながら、主には、DFとゴールキーパーのゴールマウスあたりでの驚異の踏ん張りによって、最少失点でゲームを終えたこと。
これは、絶賛に値いする……と。

もしも、後半41分の野澤ゴールが生まれず、ゲームがそのまま終了していたら、

翌日の新聞見出は、十中八九、

『山雅、攻め続けるも痛恨のドロー』であったろうし、

考えただけでゾッとするというのが、おおかたのホンネでありましょう。

今日。

職場のクレ君から

― (勝てたのは) 実力ですよ、と挨拶をいただいたんだが、

たとえ、両者間には、それなりの技量差があったにせよ、
かような乾坤一擲の舞台は、そういったものは多く、帳消しになる。

当初、長野は、基底からビルドアップをすることで、山雅式〈守功一体〉サッカーにおける、最前線からの追い込みを、逆手にとる策を採用した。

つまり、トップ3や菊井を引き寄せておいて、その裏側に味方ボランチが入ってきて、ボールを握ると、それを、サイドなりに配球、展開するやり方。

ところが、今回、山雅のインサイドハーフ(2ボランチ)、およびサイドバックのアタックは、連動性に満ちて、迅速で、鋭い。

長野のボランチ陣の後方から圧迫をおこない、再三再四、ボールをかっさらうことに成功した。

長野の中盤プレイヤーは、ボールを受け、反転して前向きにプレイすることがかなり困難になり、

こうなると実質、長野の中盤は無いのも同然で、

陣形として、ディフェンスラインと前線のふたつが、分断されて存在している格好になる。

後半には修正をかけて、ビルドアップ策を棄て、ロングボールを使うようになるが、

すると、空中戦では、ミゴトなほどに、山雅が優位を獲る(これは、コーナーキックでも同様だった)。

山雅の得点に、長野#19のヘディング競り負け、かつ、#16のヘディング空振り(一部訂正、加筆)が介在していたのは、まことにシンボリックであった、と言えましょう。

山雅の攻撃に対し、5バックを整然とそろえての対応はしていたものの、いかんせんラインが下がり気味。

たとえば、ワントップの山中が、センターサークルあたりから、それも、単騎のドリブルでボールを持ち出さざるを得なくなる。

いづれにしても、山雅のセンターバックは、かなり余裕を持った後走、競走ができていた。

で、あれば。

ペナルティーエリア内での落ち着いた対応と、ロングボールとセットプレイにおける高い空中戦勝率を加味したらですよ、

あのゲームにおけるMVPは、常田と野々村のセンターバックふたり、として良いのかもしれません。

じつに、寡黙なMVP……。

では。

なかなかさまになってきた(長野戦レビュウ❶)

一体、いつなったら点が入るのやら……、と観ている時間が続く中、

終盤 86分に、やっと先制。

で、そのまま、1 – 0 で勝利。

あれだけ圧倒したなら、こういうゲームは、

3 – 0 でモノにしなけりゃあ~な。

と注文もつけたくなりますが、

本職のサイドバックの枚数が足りてて、

夏の補強(復帰)をとおして、中盤から前にかけて堅く、強くなり、

かつ、センターバックが (バタバタせずに)冷静に対処できていれば、

〈守功一体〉サッカーも、さまになってきました。

いや、ならないと困る。

今節の価値は、そこでしょう、これから前を見すえれば。

相手がどこであろうと、これを、徹頭徹尾やっていきましょう。

コーナーキック 14本は、サイドをえぐれていた証し。

中盤でのボール回収がミゴトで、それも、犯したファールが 3つでやり切っているから、これは素晴らしかった。

被ファール 14とは、長野の平常運転だと思いますが、大きなアクシデント(怪我)もなかったようなので、安堵。

長野からすれば、サッカーをやらせてもらえなかった格好でしたから、
(褒める材料が、ほとんど見当たらない)

素直に、我らが完勝を、喜ぶことといたしましょう。

しかしまぁ、シュートを20本打ち込んで(公式では 15)、強く打ったのががことごとくブロックされた後に、

村山からのロングボールが、渡邉 千真の頭を介して、野澤 零温につながると、

それを、柔らかく浮かしたやつが、ゴールになるとは、

サッカーは、これだから、つくづく面白いものです。

では。

交代を仕損ずるな (長野戦プレビュウ❷)

以前。

長野の前監督さんの、ゲーム後インタビュウを、読んでみたことがあって。

そこには、〈どっちに転んでもおかしくない、勝てたゲームだった〉という表現が出てきて、

あぁ、なるほどね、と思った。

たまたま、それが、負け試合後の発言だったから、
なにかと理屈過多の北信ファンの心情を、いたずらに刺激したのかも知れないが、

けれど。

3部リーグの場合は特に、

すべてのゲームが、どっちが勝ってもおかしくない、という様相は、これはもう否定のしようがない事実。

やたらと、人とボールが落ち着かなく動く。

プレイが、不正確、不安定。
で、技量と連携が低レヴェルのために、ボールがどっちに転がるかわからない、っていうシーンが多々。

枠内に飛ばせないシュート。

……あげたら切りがない理由で、ゲームコントロールに不確実性が高いのだ。

言いかえると、あぁ、こりぁあ、10回やって、勝てるのが せいぜい2回、といった相手は、このリーグには不在だから、お互い、やってみないとわからん、がホンネだろう。

だからこそ、交代カードに明確な意思とアクセントを込めて、
ゲームを、こっちにたぐり寄せる手腕が、求められる。

山雅が結果を残しているのは、ほぼ、交代に強いメッセージ性が込められているゲーム。

だから、我流でいくにせよ、それを、90分間後ろあがりで強化できる交代策を切に願います。

メンツは、怪我から復調しつつあるから、

使えるカードと採用可な布陣は、前半戦(5/13) に比べれば、段違いに豊富、ではありませんか。

では。