やっぱり中盤か (沼津戦プレビュウ❷)

アスルクラロ沼津のことをいまだに、失礼な僕は、

ジュビロの、静岡中東部におけるサテライトチーム、くらいにしか思っていない。

だって、中山 雅史が監督、川又 堅吾が所属なんだから。

……要らんあおりはおいといて、さて。

沼津は、かなり攻撃的なチームであるが、さりとて、守備もオロソカにはしない。
31ゲーム中、無得点は 8回、無失点が 9回。

(参考までに、山雅をみると、無得点 5回、無失点 11回と、なかなか頑張っているではありませんか。
さらに、得失点の数は、トップの愛媛とほとんど同じですよ)

センターラインのどちらにおいても、ボールを持ちたがる(保持率リーグトップ、アヴェレージで 55%)。

左サイド攻撃が突出してるが、中央エリアも使える。

で、採用システムは、4 – 1 – 2 – 3。

……と、個別プレイヤー評価を抜きにすると、こんな感じ。

〈ゲームのポイント〉

❶山雅からすると、4試合ぶりの、4バックシステムとの対戦。

両者の違いは……、

同じ 3トップを採るけれど、

山雅の2列目は、菊井がひとり、で、その後方にふたりのボランチが配される、いわば正三角形。

沼津は、2列目にふたりのシャドウが位置し、その後ろにひとりのボランチがいる、いわば、逆三角形。

となると、この部分で対峙上、チグハグ(いわゆるギャップ) が生じるから、

沼津のふたりが菊井の自由度を封ずるのか?

あるいは、山雅ボランチらが、沼津ワンアンカーの両側スペースを侵すのか?

そういった競合になりそう。

要は、中盤でのつぶしあい、せめぎあい、ボール奪取、これがキモになる。

できれば、利き足が、右と左のふたりをセットにすると、こっちの反転する時間をより短縮でき、かつ、パスコースに選択肢が増す。

❷沼津の左サイドバックとやりあうのは、藤谷らの、山雅の右サイド。

ここでの攻め合いに勝つのは、もちろん大切だけれど、もっと巨視的にみると、

たとえば、常田から藤谷への、ひとつふたつ飛ばしのビッグスイッチとか、

逆に沼津の右サイドを脅かすことによって沼津の守備を左右に揺さぶる、といった複合的な崩しが、必要でありましょう。

これらは、いままで深めてきたことですから、これをさらに進化させ、良質とも上げる。

総括的には。

4月ホーム戦時の、ボール保持率は、ほぼイーヴンながら、山雅が、若干上回った。

この数字は、逆転が 2回起こるような、せわしないゲームを象徴していた、と思っていますが、

今度は、そうバタバタ、ボール保持ばかりにこだわらず、

長野戦で魅せたような、前線からのプレスとボール奪取を、沈着で、コンパクトな陣形を保ってやり切り、

沼津の体勢を、自ゴール方向へと押し下げてしまう。

これに徹すれば、活路は、かならず開けるはす。

では、駿河の国で。

シャトルバスをお願い (沼津戦プレビュウ❶)

パルセイロ戦終了後。

チノ氏から、アウェイ(沼津)は行きます?、と訊かれ、

ええ、と応えたら、

では、念を入れます!!、と握手を求められた。

なので、僕は、チノ氏とご子息の願いをも請け負って、愛鷹に向かう。

ところが。

ここのスタジアムは愛鷹山上近くにあって、付属の駐車場は、700台分(公称)。

沼津のゲーム平均観客数は、1,700くらいのようだから、

駐車場と、あとは、臨時便を含めた路線バス(from沼津駅)でまかなえるかも知れないが、

いかんせん。

前節の勝利で望みをつないだ山雅ファン&サポーターのことだし、

ホーム敗北(3 – 4) の汚名を晴らしたくもあるだろうし。

で、昨季実績の 3,300人(入場)を、かなり上まわるような、当地からの参戦になるのではないか。

昨年は、ららぽーと沼津からシャトルバスが運行されたから、

僕は当然、アスルクラロ運営は、今回も同様な手当てをするに違いないと信じていて、

二回ほど公式ページをみてみたが、それらしきニュースはいまのところ、なし。

そしたら、山雅の順位は、沼津のふたつ上で記載されているが、いまだ、勝ち点43になっている始末。
(☞ 註: 10/18 13:00現在で)

こういうところに手が回らないようでは、シャトルバスの手配とリリースもギリギリのタイミングかな?、と半分諦め気分なのだ。

最悪、バスがなけりゃあ、付属駐車場に早めに到着するしかありませんかね?

……、とプレビュウにも辿りつけない愚痴に終わってしまう、今回のつまらなさ。

では。

無慈悲な沈黙 (2023.10.15 長野戦レビュウおしまい)

たしか、ハーフタイム。

― あのね、今日は、選手紹介時にやる、定例の、〇〇のファンサポーターの皆さん、ようこそアルウィンへ、はなし。

ガチャの(アルウィンTV)、アウェイ席への歓迎挨拶もなかったのよね、と家人。

へぇ~。

このゲームを、格別な舞台とも思っていない僕からしても、

こういう無慈悲な沈黙は、よく深慮された、なかなか上品な演出ではないか。

愚弄のための拍手と同じように、場の雰囲気盛り上げに効くから、どんどんやったらいい。

さて。

レビュウの最後に、プレビュウでも求めた、意味ある交代カードが切られたことを高く評価しておきます。

先発メンバーの出来が良かったこともあって、全体として交代投入が遅くはなったけれど、5枚それぞれに価値あり。

とりわけ、アシストの渡邉と、決勝点の野澤が含まれていたんだから、交代策はズバリ的中!!、でした。

山口 一真のコンディションを勘案しながらカードを切る趣きであったんですが、

こうなると、滝 裕太、鈴木 国友、榎本 樹がピッチに立てなくなる、といった無念も湧いてくる。

さらに、#7ルーカスヒアンは、今季、秘密兵器のまま終わってしまうんか?、といった心配もしなくちゃあ、とは、

3部にあっては、かなり贅沢な悩みですな。

― 宮阪かぁ、やっかいね。

と家人がつぶやいたのは、すでに、終盤の90分。

焼石に水的にでも、宮阪、加藤を、どん尻で投入せざるを得ない長野の台所とは、ずいぶん違うってことか、山雅。

ならば、その厚く有能な戦力層を、残り7戦で、証明するだけ。

では。

【謝罪案件】パルセイロを讃う (長野戦レビュウ❷)

僕のスタジアム到着が、 ゲーム開始20分過ぎ。

なにかと落ち着かない観戦になってしまったため、

ようやく、翌日の夜に、DAZNの見逃し配信で、ゲームをおさらいした。

結果。

プレビュウ❶で、ずいぶん失礼なことを書いたことを認識した次第。

長野には、ほめる材料がほとんどない……は、誠に適切さを欠く評言であって、

これを深く謝罪し、このように訂正します。

あれだけの不利的な状況と猛攻にさらされながら、主には、DFとゴールキーパーのゴールマウスあたりでの驚異の踏ん張りによって、最少失点でゲームを終えたこと。
これは、絶賛に値いする……と。

もしも、後半41分の野澤ゴールが生まれず、ゲームがそのまま終了していたら、

翌日の新聞見出は、十中八九、

『山雅、攻め続けるも痛恨のドロー』であったろうし、

考えただけでゾッとするというのが、おおかたのホンネでありましょう。

今日。

職場のクレ君から

― (勝てたのは) 実力ですよ、と挨拶をいただいたんだが、

たとえ、両者間には、それなりの技量差があったにせよ、
かような乾坤一擲の舞台は、そういったものは多く、帳消しになる。

当初、長野は、基底からビルドアップをすることで、山雅式〈守功一体〉サッカーにおける、最前線からの追い込みを、逆手にとる策を採用した。

つまり、トップ3や菊井を引き寄せておいて、その裏側に味方ボランチが入ってきて、ボールを握ると、それを、サイドなりに配球、展開するやり方。

ところが、今回、山雅のインサイドハーフ(2ボランチ)、およびサイドバックのアタックは、連動性に満ちて、迅速で、鋭い。

長野のボランチ陣の後方から圧迫をおこない、再三再四、ボールをかっさらうことに成功した。

長野の中盤プレイヤーは、ボールを受け、反転して前向きにプレイすることがかなり困難になり、

こうなると実質、長野の中盤は無いのも同然で、

陣形として、ディフェンスラインと前線のふたつが、分断されて存在している格好になる。

後半には修正をかけて、ビルドアップ策を棄て、ロングボールを使うようになるが、

すると、空中戦では、ミゴトなほどに、山雅が優位を獲る(これは、コーナーキックでも同様だった)。

山雅の得点に、長野#19のヘディング競り負け、かつ、#16のヘディング空振り(一部訂正、加筆)が介在していたのは、まことにシンボリックであった、と言えましょう。

山雅の攻撃に対し、5バックを整然とそろえての対応はしていたものの、いかんせんラインが下がり気味。

たとえば、ワントップの山中が、センターサークルあたりから、それも、単騎のドリブルでボールを持ち出さざるを得なくなる。

いづれにしても、山雅のセンターバックは、かなり余裕を持った後走、競走ができていた。

で、あれば。

ペナルティーエリア内での落ち着いた対応と、ロングボールとセットプレイにおける高い空中戦勝率を加味したらですよ、

あのゲームにおけるMVPは、常田と野々村のセンターバックふたり、として良いのかもしれません。

じつに、寡黙なMVP……。

では。

なかなかさまになってきた(長野戦レビュウ❶)

一体、いつなったら点が入るのやら……、と観ている時間が続く中、

終盤 86分に、やっと先制。

で、そのまま、1 – 0 で勝利。

あれだけ圧倒したなら、こういうゲームは、

3 – 0 でモノにしなけりゃあ~な。

と注文もつけたくなりますが、

本職のサイドバックの枚数が足りてて、

夏の補強(復帰)をとおして、中盤から前にかけて堅く、強くなり、

かつ、センターバックが (バタバタせずに)冷静に対処できていれば、

〈守功一体〉サッカーも、さまになってきました。

いや、ならないと困る。

今節の価値は、そこでしょう、これから前を見すえれば。

相手がどこであろうと、これを、徹頭徹尾やっていきましょう。

コーナーキック 14本は、サイドをえぐれていた証し。

中盤でのボール回収がミゴトで、それも、犯したファールが 3つでやり切っているから、これは素晴らしかった。

被ファール 14とは、長野の平常運転だと思いますが、大きなアクシデント(怪我)もなかったようなので、安堵。

長野からすれば、サッカーをやらせてもらえなかった格好でしたから、
(褒める材料が、ほとんど見当たらない)

素直に、我らが完勝を、喜ぶことといたしましょう。

しかしまぁ、シュートを20本打ち込んで(公式では 15)、強く打ったのががことごとくブロックされた後に、

村山からのロングボールが、渡邉 千真の頭を介して、野澤 零温につながると、

それを、柔らかく浮かしたやつが、ゴールになるとは、

サッカーは、これだから、つくづく面白いものです。

では。