ヒロキーッ!!!

と、甲高い、怒鳴り声が、隣家からしばしば聞こえてきた、十数年前。

長男を怒る母親の、

怒声が、ますます自分の怒りを増幅するようすに苦笑するしかなかったが、

おかげで、僕は、彼の名を知るようになった。

中学校からの下校時、庭先を通る彼を見かけると、

怒られまくっている辛さを慰めるわけにもいかずに、ただただ、

― 今日は、お疲れ様!!、と声がけしたりすると、

愛想よく挨拶を返してくれた、ヒロキ君だった。

で。

今日は、おんなじ名の、山本 大貴に、

やはり、お疲れ様!!、とあいさつをしなければならない。

都合、5シーズンを山雅のために闘ってくれて、

やはりいちばんに想起されるのは、

2014年11月1日、博多の森での、対アビスパ福岡戦における、

2点目のミドルシュートだろう。(現地観戦の家人は、目撃したはず)

次なる人生での活躍を祈るとして、

2シーズン続けて二桁近い得点を挙げた山本を契約満了にしてまで、新スタイルにこだわる長野は、なかなかの強敵かも知れないな。

こうなったら、6月29日の、ホーム対パルセイロ戦の際に、

宮阪 政樹と山本の引退セレモニーをやってしまうのは、どうか?

では。

けれど、ありがとう。

もっと観たかった、をタイトルの前につけたいわけでありまして。

180㎝の背丈もあって、

出場が、2ゲームで、計31分は、なんとも残念ではありますが、

練習では、ボールを持った時の切り込みがけっこう鋭かったんで、

前にスペースが空いた〈速攻〉には、打ってつけ、と思っていました。

こっちがボールを握った際、守備を固められる状況になってしまうリーグだと、

ルーカス ヒアンの良さはなかなか出せなかった、と思うしかありませんかねえ。

でも、日本を経由したら、ブラジルのセリエCへリターンなんだから、

個人的には、より上位へと躍進、山雅もよく交渉した。

いまだ保有権を残す、つまり、10月末までのレンタル移籍。

山雅が新チームとやる時は、ルーカスは出場できないという契約をみて、

ブラジル3部と公式戦をやるわけでもなし、と嗤う向きもあるかも知れないが、

山雅が3部に降格することだって、かつてはジョークな絵空事だったわけだから、

再レンタルだって有り、と思うことにしましょう。

オブリガード!!    ルーカス。

彼の地での抬頭を祈ります。

では。

〈代えの利かない〉をなくせ。

2023季、第35節アウェイ福島戦(11/12)の、ゲーム開始前。

スタジアム入場口の近くで、ひとつの横断幕が作られていた。

檄文は(記憶では)、

(怪我で出場できない)菊井 悠介の思いも胸に……云々。

あの日、ピッチに立ったプレイヤーが、こういうものを見せられて、一体どう思ったのか?、ひとつ聞いてみたいもんだが、

観る側に、こういう感情的な決めつけがあるのは、

当時、ゲームメイクにおいて、菊井が圧倒的な存在であったことの証左。

結果として、リーグ戦ラスト4ゲームは勝ち無し、積んだ勝ち点、たったの 2。

菊井不在を、残りの戦士の奮戦によってはカヴァーできずに、最終盤の大失速を演じた、とされても反論はできない。

チームの顔、というのは、客商売であるからには、必要とは思う。

ただし、〈彼〉がいなければ……、次の打つ手が、かなり貧相になるのはマヅイ。

たとえば、2019年。

トップリーグからの陥落は、セルジ―ニョの稼働不足が、かなり大きな要因だったことを思い返せば、

満を持して、背番号#10が、復活した今季こそ。

多くの俊才を、いかに使い分け、組み合わせて配し、

代えの利かないプレイヤーを生みださないこと、これが最大の戦略的課題に違いない。

では。

観られる? 観られない?

或る山雅サポーターの方から、

― シーズンパスで、ルヴァンカップ第1回戦 (3/13 @アルウイン、対レノファ山口) に入れるんでしょうかねぇ?

と訊ねられ、あぁ、きっと、そういう希望はあるだろうなぁ、と思った。

たしか、トップリーグ在の時は、リーグ戦にプラスしてルヴァン杯も入場できた。

でも、公式ページ上でみるかぎり、

シーズンパスは、リーグ戦ホーム19試合が対象のようだから、

― おそらくは、無理でしょう、と返しておいた。

日程的には、ホーム開幕戦(第3節)の、次週の、水曜日ナイトゲーム。

まっとうな天候であることを願うのみ、だけれど、

ひとつ。
2部リーグの下位チームとの、戦力差の確かめ。

ふたつ。
もしも、前 貴之がアルウィンに帰還したのなら、どんなふうに迎えられ、他方、高井 和馬は?

楽しみは、それくらいかな。

では。

ナショナルチームが 教えてくれる。

この前の、対イラク戦の記事で、実は、

― 欲を言えば、無骨、屈強なセンターフォワードが常在するならば、このチームは、もっと面白い。

と記そうとしてやめたんです。

で、ハイライト動画のみで観た、対シンガポール戦では、

上田 綺世が、3得点の活躍。

彼、猛アピール。

頼れるフォワード第一人者の地位を、固めつつありますかね。

ペナルティーエリア内の狭いスペースを使って侵入するには、上田並みのプレイスピードが備えわっていなければ、ということなんでしょうか。

チームとして、攻撃面で息を吹き返したという印象ですが、

実は、その前段の、〈攻撃的〉守備の安定と深まりが、効いているように思う。

つねに、チームとして攻撃態勢への〈秒速〉反転を考えて守備をする、そんな感じ。

攻撃サッカーというのなら、前線からの強圧に加えて、

中盤より下のプレイヤーが虎視眈々と、前線の動向をうかがっていて、すかさずボールを入れる、そんなのが望まれる。

ナショナルチームは、おそらくは、点を多く獲るという哲学で動いているから、

ゴールキーパーも、前へのボール供給の巧さ、という観点から先発を決めているのでしょうか。

悪くはないが、観ていて、どうもバタバタして、粗雑。

その結果、ゴールマウスが空いてしまったり。

イラク戦はそんなプレイがあって被弾しましたから、

先制点をこうむると、かなりしんどいゲームを強いられる。

そこらは、山雅の事情にも通じるところであって、

先季、キーパーの不調によって落としたゲームが、少なくとも 3つはあったと、僕は診ていて、
(でなければ、2位に入れた、もちろん、獲らぬタヌキのなんとか)

キーパーの選択こそ、今季の肝心要、と考えます。

……と書きながら、白井 裕人のレーザービーム(フィード) が想い出されたりで、

あぁ、今年は、あれを再びみせられるのか?、とけっこう感慨深いわけ。

では。