Yamaga Fan ひそかに愉しむ。

降り続ける雨の音を聴きながら、いまだ発表がないことを尻目に、無責任な妄想にふけっている。

「たたかう姿勢が感じられない」ので監督を解任した、という経営トップの言葉。

うーん、そんなにたたかっていなかったっけ?

ゴール前で身を挺する or 挺しない、ってことにばかり議論がいってしまうことを、むしろ危惧するのは、萬年。

たしかに失点すると意気消沈する部分はあったけれど、サッカーにおける失点とはそんなもの。
それによって、ゲームのあり方が根本から変わるからだ。

監督交代については、精神論ではなくて、採用されていた戦術論で語らないと将来への舵も上手く切れないだろう、と思いますね。

たとえば、ファン&サポーターとしての総括が、コロナ禍における制限下、〈新しく新鮮な応援〉をなんら開発できていない、という戦術論なのと同じように。

〈育成と強化〉という、とてつもないことを頼んでいたわけですし、育成の部分はけっこう見るべきものは多い。

でも、既に、賽は投げられた。

なれば、次なる愉しみを追い求めるのが、ファンの特権と仁義。

J1監督経験者をリストアップする、という花火が上がったこと。
さらに、山雅は、時としてトンデモナイ人選をしてみせること、これを前提に考えてみた。

おとといの職場でも、そんな話になりまして、

―まぁ、一番手は井原 正巳ですかね。今は柏のコーチだから引き抜けるかどうか?
あとは、精神論で割り切って突っ走るとして、名波 浩
……、と発言したら、笑いで返されたような次第。

毒を喰らわば皿までだ。こうなったら、

小野 剛風間 八宏川勝 良一、の各氏も挙げてみる。

川勝さんは、少々お洒落過ぎるか。

知人のT氏の見解は、きっと反町さんに相談してるんだろう、というもの。

初の外国人監督ということで、ドラガン ストイコビッチにも打診していたりして?

註: 監督代行も、経験者としています。

では。

双子の 行く末は? (2019年クラブ決算より)

Jリーグはどうして、こういう情報をあまりにもサラリと、まるでおおかたの眼に触れさせないかのように発表するのか?

Jクラブの決算一覧がリリースされる度に思うことだ。

お金(=経営状況)のことは、勝敗や昇降格の、究極的な基盤であり、プロチーム運営会社の通信簿なのに、これほど脇に置かれるのかが不思議。

ファンサポーターの興味はそんなところには無い、と踏んでいるのかね?

とりわけ、強固なビッグカンパニーの支えもなくてチマチマやっているチームのファンサポーターは、愛するチームの財布の事情をおおまかでも知っていなければならない。

ひとつ間違えば、クラブ存続に直結するテーマになるからだ。

ところで、2019年分をざっと眺めていたら、奇妙な一致に気がついた。

ベガルタ仙台と山雅の営業収益(=クラブ予算)が、百万円単位でピッタリと同じなんです。

つまり、ともに約27億円の予算で参戦していた昨季だった。

主なる内訳を対比してみると……、
左が【山雅】に、右【仙台】で、
〈収入〉
営業収益      2,711(百万円)               2,711
スポンサー収入         1,145                                      1,165
入場料収入                 695                                         615
Jリーグ分配金             371                                         360
アカデミー関連             30                                           77
物販収入                     249                                         244
その他収入                  221                                         250
〈支出〉
営業費用
チーム人件費             1,430                                       1,296
試合関連経費                263                                          150
―以下の項目は略―
営業利益                        35                                       ▲245
当期純利益                     71                                       ▲428

財政規模的には、このように双子的なふたつのクラブだが、ざっというと、

❶経営的には、営業利益(サッカーチーム運営という本業のもうけ)を確保した山雅が優れる。

❷仙台は、本業のクラブ運営で2億5000万円弱の赤字を出したうえに、1億4000万円近くの特別損失(内容は不明)を計上しているから、それを足すと、4億円以上の赤字。
当然、税金は納めていない(逆に3百万の還付あり)。 ……、そんなところか。

このような先期決算を踏まえてスタートした仙台。
コロナ禍による減収により、今季は7億円の営業損失を見込まざるを得ず、クラブ存続の危機であるとして、9/26付で、4箇月間にわたる「クラブ緊急募金」をスタートさせた。

宮城県民、仙台市民、ファンサポーターあてのこのメッセージ、経営主体みづからが、緊急!、とかいって募金に走るってのは、なんだかなぁ……。

要は、現時点で、地方政府やおおどころ企業の支援約束は取り付けていない、ということだろう。

でも、なりふりかまわずやるんだから、この際、目標金額を明示するくらいの強欲さを隠すこともなかろうに、と思う。

さて、以上は、いわば前置き。

おそらく山雅にしたところで、今季は確実に営業利益ベースで赤字転落だろうから、赤字縮小のそれなりの手当てはするにして、ファンサポーターとしても、クラブ経営の危うさだけは知っておきたい。

トップリーグ参戦にこだわるのはいいが、予算運営で背伸びし過ぎるとロクなことにはならないことは明らか。

フツーの会社ならば、赤字になっても、安易に〈寄付〉という世間の恩情にすがることなどできないのですよ。

かと言って、仙台よりもチーム人件費が高った山雅が、昨季トップチームリーグから陥落したのも、決して褒められたもんじゃあない !

 

55周年の山雅、今季いろんな苦悩があるけれど、100年続くことを目指して、頭を上げようか。

註:100周年デザインがなかなか秀逸なんで撮影。
この会社、生き残ってはいるが、創業家による経営は残念ながら、三代続かなかった非情。

では。

ほとんど 智将 ? (2020.10.05山形戦レビュウ)

3 – 1 で、7試合ぶりの勝利。

アシストとゴールゲッターの、ポジション的なちらばりが、本日のゲームを見事に語っている。

さて、雑事にかまけていたら、DAZNの前に座るのが、ゲーム開始直前になってしまう。

そしたら途端に、山雅のほうの先発布陣の予想が映された。

―えっ !!! この並びの3 – 5 – 2 ?

中盤の 5の配列は、左サイドバック が高橋 諒、右サイドバックが 鈴木 雄斗。
まぁ、そこはわかる。

が、中央が、アンカー(基底)に米原 秀亮藤田 息吹、左には、前 貴之米原 秀亮、右に藤田 息吹前 貴之と、V字型が前に向かって開いたような配置になっている。

おいおい解説よ、大丈夫?、と思ったが、笛が鳴ると、そんな陣形。実際にはアンカーには米原、左に前、右に藤田だったが、この3人の顔ぶれに変わりなし。

でも、待てよ。
このゲームは中盤で山形に優位を保つことが前提、と書いたのはおぬしだったろうが? と、もうひとりの萬年がつぶやいた。

確かに、こうすればあたかも、刈りとれて押し上げ、且つ打って出られる者が、中盤で三枚並ぶ、という豪華な布陣が出現するではないか !
まるで、スリーボランチのように……。

トッポく飄々とした表情の下に、この監督、かなり豪胆な智将の部分を隠しているかも知れないな。

前節、萬年的MIPであった前が、まさかアウトサイドハーフも出来ることはつゆ知らず。
不勉強のそしりを受けても、返す言葉なしです。

要は、この采配がかなり効いて、前線からプレッシャーが効果的に入るようになったお蔭の、2点目、3点目だった。

特に2点目は、藤田が手中にしたボールをセルジ―ニョへ転送。次にセルジ―ニョがそれを、駆け上がった前に優しく転がして、前が決め切ったもの。

これだと今後、杉本 太郎のボランチ起用は、十分にあり、だな。

(もはやほとんど)智将の、上に述べた先発内容、さらに、途中交替の采配(5 – 4 – 1へのシステム変容) が大当たりであったことに加え、

❶米原 秀亮が攻守において、かなり高めの位置で、かつ、自信に溢れたプレイを遂行したこと。パスの配球は、特に。

❷最終ラインでは、無駄に押し込まれる状況に陥るような判断とプレイが減ってきていて、攻撃へと直結するようなボールを入れようとする姿勢が顕在化。

結局、中盤以降が安定し攻撃的になれば、自然とその前のほうは、やることにおいて選択肢と時間的な余裕が多くなるわけか。

モンテディオにしてみれば、表面的には上手の手から水が漏る、といった感があるやも知れないが、外縁をいくらなぞってみても得点機は発生せず。
反対に巧者が、自陣深くで追いつめられてからの 3失点だった。
(加藤 大樹が 左サイドに不在だったことには、ホッとした)

どんな形でもゴールネットが揺れればいいのであって、手を抜かなかったイレブンの勤勉さにこそ感謝しよう。

勝利後インタビュウでの大野の発言はけっこう心に浸みた。
リーグ戦がゴールするまでには、渡っていくべき河はたくさん在るぞ、ということだ。

Many Rivers To Cross を聴きながら、山雅の勝利によって辛さを乗り越えているファンサポーターは多い、ってことをしみじみと思ふサンデイ ナイト。

では。

山雅銀行をやめるには? (山形戦プレビュウ)

山雅と対戦すれば、相手はほぼ確実に、そこで勝ち点を貯金できる。
23試合やって、それができなかったのは4度だけ。

これって、ある意味驚異的な数値ではないか。
〈山雅銀行〉が、J2で重宝されないわけがない。

T氏と昨日お会いしたら、
―女房が、山雅について萬年さんの見解を聞いて来い、とのことでね。

―直接見聞してないのですが、クラブのトップが柴田監督は暫定的、と発言したらしいです。
何故、そんなことを言ってしまうのか、愚かですよ。

―編成部の長が、監督を続けるわけにもいかないのだろう?

―ツナギであることは秘しておいて、次の人選を進めれば良いのです。
おかげで、10月は捨てたも同然。
なにせチームの腰が据わりませんからね。
ただし、今季の目標は修正するとして、希望を捨ててはいませんよ。

その居心地の悪い10月の最初にあたるのが、ひと月前(9/5)にやったばかりの山形。

前回は、押されに押され、倍のシュートを浴び、セルジ―ニョの個人技に頼りに頼ったあげく、幸いにして獲ったPKの 1点を守り切って勝った。
山形にしても、あまり調子の出ない(16位)今季、下位に沈む両者にふさわしいようなパッとしないゲームだった。

さて、今節。
前回と同じように山形の攻撃が長くなるだろうが、前節、群馬ゴールに4点を叩き込んでチームの意気上がっていれば、シーソーはもっと山形に傾くのが自然。

先の山形戦以降 ここ6戦勝ち無しの山雅プレイヤーたちが、せいぜい下を向くことなくゲームに入ることを祈るしかない。

でも、せっかくのゲームなんで、勝利できる可能性を少しでも探ってみる。

60分までに、2点のリードを保つこと。
怪我明けや、連戦の疲労などから先発メンバーの交代時期までに、できれば先制して、2点差をつけておけば、9割がたは、勝ちが転がり込むだろう。

❷中盤を有利に制することが前提にはなるが、パスを繋ぐ戦術にこだわるならば、(相手ディフェンスを崩して)シュートコースを開ける工夫に執着すること。
本当は、山形ディフェンスの態勢が整うまでにシュートに持ち込めればベストだが。

攻撃においては我慢が必要、というのは、何回でもチャレンジする執拗さを言っていて、精度を上げるには、そもそも回数が多くなければ話にならない。

セルジ―ニョのテクニックと自在さは買うけれど、彼と意思疎通する気概と具体的ノウハウが周囲にどれだけ浸透しているか、それを観たいですな。

❸守備。
身体を張って守れ、なんて陳腐なことはもはや言い飽きた。

最終ラインからのパス出しにおいて進化することが最大の課題であって、どうしようもなくなってGKに戻すようなシーンはいい加減にしてもらいたい。

狭い視野、判断の遅延、ボランチとの連携不足。
そこを克服することで、果敢な守備をゲームで表現できなければ出てくる価値はありません。

❹(やらないとは思うけれど)前節の金沢がやったサッカーだって、できないことはない。
相手の処理しにくいようなロングボールを入れて、それの奪取を狙う。
さらには、ペナルティエリアを視界に入れたら、すかさずシュートを打ち込む。
スペースをあらかじめ特定しておいて、ボールを手中にした瞬間、そこめがけてプレイヤーとボールを入れる。
ドタバタした忙しいサッカーにはなるが、これ、やりますか、柴田さん?

―最近、ブラジル人選手と契約解除したんだって?

―かつてポルトガル領だったギニアビサウ国籍の、イズマですね。
コロナ禍の中帰国したい意向といってますが、表向きの理由ですよ。
もっとゲームで使っていれば、きっと残ったと思います。

―いままで上手くいったことを、チームに地力が身についたと勘違いしちゃったかね。
でもさ、山雅のサポーターはこんな状況でもついて行くんだからさぁ。

たしかに。
でも、果たしてその情の厚さをいつまでアテにできるのか?

では。

象徴的な敗戦 (2020.9.30 金沢戦レビュウ)

80分近くになって先制され、そのまま 0 – 1 で終戦。

今季の容貌である、チグハグさが、もっとも表出された象徴的な試合だった。

その意味で、萬年的には、ワーストゲームかも知れません。
リーグが終わった時に、いちばん悔やまれる、という意味でも。

失点自体は、CKからの混戦の中、一番上背のある奴に頭で押し込まれたもので、あまりとやかく言う内容でもない。

けれど、そのCKは、ディフェンス間の横パスをかっさらわれたことに端を発していて、判断の遅れと、怖気づいてしまうようなディフェンスがいまだ克服されていないシーンを見せつけられた。

そのまた根底には、ジリジリと金沢ラビットらの走力に押し込まれ、思い切りの良いロングボール、素早いボール回し、早めのシュートに対して、後手に回るようになった事実があって、強固な意思の面では、金沢が優った。

トンネルは早々に抜け出せるものでもないが、ついに最下位(群馬)と勝ち点1差の21位、フツーだったら立派な降格圏なわけで、いやはや。

〈明確になったことは 何か?〉
采配(ゲームプラン)は、かなり明快になった。
例えば、怪我明けの、橋内、前については、60分稼働をあらかじめ決めてあるとか。
また、米原を(おそらくは)ワンボランチ(=アンカー)にした、3 – 5 – 2 を採用とか。

ただ、この陣形だと、右アウトサイドに入った久保田のミッションに消化不良が残った。
後ろへボールを叩いてから前方へ走り込むという作業が窮屈でスピード感に欠ける。
その後方にいる前 貴之との連携が上手くいったとも言い難く、右サイドの攻撃が停滞したのは痛かった。
左サイドがかなり活性化していたので、余計に目立ったのかも知れぬ。

個人的には、ゲームのMIP(最も印象に残ったプレイヤー)は、前 貴之。

右サイドバックでは、持ち上がったらそこで打てよ、と言いたくなるような、変に遠慮したプレイが不満であったが、後半開始からツーボランチの一角に配転されると、急に活き活きと輝き出した。
身体でブロックにいって止めたシュートも何本かあったように記憶する。

となると、初めから、米原と前のツーボランチを採り、3 – 4 – 2 – 1で良かったと思う。

〈いまだ不透明なところとは?〉
❶攻撃では、セルジ―ニョを中心とした多彩なパス回しと、見切りをつけて打つ形を整合すること。
手間をかけることとシンプルにやることのメリハリですな。

❷守備では、最終ラインのボールの動かしの初速と連携、前へ出て身体を入れる決断。怖気は、だいぶなくなったけれど。

見出しをつけるならば、
最適を見い出すために、我慢する攻撃と、前に打って出る、果敢な守備。

これが実現しない限り、上昇気流には乗れないだろう。

失点直後、森下がまるで自分のミスを挽回するかのような感じで、最前線に駆け上がっていった姿、まさにこれですよ。
できるんだから、遠慮せずやってくれ、森下!

せいぜい白馬そだち(お米)の当選券に当たったことを慰めにして、アルウィンを後にする夜になった。

では。