練度で圧倒せよ。 (水戸戦プレビュウ)


※なんでエンブレムに龍?、と思って調べたら、水戸光圀のあざな〈子龍〉にちなんでいるのか。

〈水戸こそ 新生〉
一年リーグを留守にしていたこともあって、ホーリーホックについちゃあほとんどわからん、がホンネ。

監督は変わり、レンタル組もほぼ去って、ここ2年間の隆盛(昨季は7位)が退潮した感は否めない。

2019年最終節の先発メンバーのうちで、前節山形戦に出場したのは GK松井とDF細川のふたりだけ、というのがそれを物語る。

前半30分くらいまでを観て、予習した。

水戸プレイヤが出足の良さで優り、決定機も作っていて、こういうのを〈勝てた試合〉というんだろう。

これのみでチームの本質など到底つかめないが、着眼点をすこし記しておく。

❶3 – 3 – 2 – 2 のシステムを採用。ワンボランチ(安東 輝!)。
で、守備にまわった時は、サイドバックと2列目が一段後方に降りて、5 – 3 – 2に変容する。
こうしたのは、山形の3 – 4 – 2 – 1対策であったどうかは不明。
ただ、秋葉新監督は、対戦相手によって、なんらかのテコ入れをするタイプ、とみた。

❷目についたプレイヤー
◉右サイドを快速ドリブルで再三えぐった #27 松崎 快。
東洋大卒のルーキーだ。
水戸というチームであるからこそ、使われて化ける可能性あり。
大然のように。

◉屈強かつ他者も活かせるFW #9 中山 仁斗。ジュビロ在籍の昨季、ルヴァンGSの対戦で2得点された苦い記憶が蘇る。

◉センターバック真ん中 #4 ンドカ (浦和東高卒、加入3年目)。
特に、最終ラインからのボールフィードの質に驚いた。
ひとつ前のボランチあたりでやったら、やたら脅威を増す感じ。

〈ゲームのポイント〉
❶両者ともに前節から中3日、再び、中3日で19日にゲーム。
となると、プレイヤー疲弊対策で、かなりターンオーバーするだろう。

かつ、相手システムへの対応に積極的、となれば、先発の布陣に注目したい。

個人的には、ピッチに比較的均等にプレイヤーを配置する 4 – 4 – 2 をお奨めしたいけれど、DF離脱による手駒不足によって、やはり3バックか。

❷コンパクトな陣形で高い位置から圧力をかけ、ボールを奪取、有機的にボールを動かし、ペナルティエリアに侵入する回数を増して、トドメ。
―このスタイルは不変。あとは最後の仕上げのクオリティのみ

❸水戸は山雅最終ライン後方に広く生じるであろうスペースを狙い、人とボールで侵してくるはず。
たとえシュートまでいかなくとも、クロスのクリア等で、コーナーキックを獲りたいだろうから。

すると、データ上から、今季全失点がコーナーキックからという山雅 vs コーナーキック数がリーグトップの水戸、という構図が浮かぶ。

システムにかかわらず、相手のツートップとサイドプレイヤを縦に走らせない方策が重要だ。

レンタル移籍契約のため、安東 輝に会えないのは残念。

まさか、ンドカがボランチなのか?

では。

新潟戦レビュウ 追加 (翌日談)。

ゲーム翌日の萬年周辺では……。

〈その1〉
職場で山雅課長と挨拶したら、
―萬年氏には会いたくなかったんだよなぁ。がっかりを思い出しちゃって……。

―まぁまぁ、課長。
魅せるサッカーだったですよ、山雅。

〈その2〉
また、同僚と、

―昨日の結果は?
―はぁ、敗戦です。
しかしですよ、山雅がボールを保持する側にまわり、対して、アルビレックスがカウンターを狙う、なんてことは、つい数年前には想像もできなかったんですから。

―とにかく、山雅の悪口は決して言わないもんね、萬年さん。

〈その3〉
家人に、かつての同僚よりラインで、

―昨日はがっかり⤵
力が抜けました~
悪くはないけど得点に繋がらない。
セル&息吹さんはそろそろ休ませないといけないし……
(水)には水戸戦が。
新生山雅を見守るしか出来ないけど……

(※これに対し、家人は、主審の笛が偏向したと返信した)

すると、また、
―群馬戦購入しました!?
思ったより売れてる。
シーパス使えるまではダゾンです。
記念ユニNo.55で注文しました。
久々のユニ購入です。との返事。


こういう会話を妙齢のご婦人がふつうにする。
しかも、萬年レビュウの数倍の濃さで。

松本はもはや〈蹴都〉

では。

敗れても 魅せる (2020.7.11新潟戦レビュウ)

ちょうど2年前ぶりの対戦は、0 – 1 の敗戦。

実力が均衡しているためだろうが、引き締まったゲームになった。

前半、主導権を握りつつあった時間帯に1点を失う。すると主に心理の綾からか攻撃が退潮する。
後半、ふたたび持ち直して攻撃を繰り出すがチャンスを活かせず、アタイムアップ。― ざっとは、そんな流れ。

守備面で破綻したわけでもなく、ハイプレスとコンパクトな陣形は身につき、
かつ、ボールを能動的に横と縦に展開してゴールに迫る戦術カードも豊富になった。

実際、ゲームでは、ペナルティエリアに侵入する連携、ハッとさせるアイデアを随所におおく魅せてくれた。
(リーグにおいてペナルティエリア進入回数は、山雅はトップクラスのはず)

このスタイルをトコトン追究し磨いた先に、捲土雷鳥の光があることは、間違いない。

これから中3日の過密日程となるので、コンディショニングと、サッカースタイルに見合った、その時々の登録メンバーの顔ぶれが楽しみだ。

藤田、森下が特に安定した働きをしたと思うが、ふたりの高木(利弥、彰人)に期待が膨らむ。

(あとは、高橋 諒や外国人プレイヤーの動向が気になりますな)

ところで、DAZNの解説者、梅山 修氏の語り口にはひどく感心してしまった。

抑揚を抑えた穏やかな口調、口数が少なくも、適宜に納得性のある言葉。

ひょっとしたら、今ゲームの最大の収穫は、梅山氏を発見したことか。

この御方、昨年はアルティスタ浅間のヘッドコーチ、現在はクラブアドバイザーでいらっしゃるんですね。

では。

 

 

リーグ成立を 悲観的に考えておく。

第4節からはスタジアムに、生身の観客が戻ってきて(5,000人が上限)、世間の動きを見まわしながらゲームが消化される。

が、もっと先まで見通さないとならぬ。

規約によると、リーグが成立する、つまり最終順位が確定する要件は、
年間予定総試合数の 75%以上、かつ、すべてのクラブにつき年間予定総試合数の50%以上が開催されること。(第40条の2)

COVID-19ばかりに目が行きがちだが、豪雨や台風の自然災害、さらに冬にかけてのウイルス再活性など、まったく予断を許さない。

となると、42ゲームやって最後に笑え、なんて悠長な話はなしだ、今季は。

急に打ち切り、かも知れません。

リーグ戦の半分を過ぎるあたりで、そこそこ上位を固めていないとマズイ。

すると結局、10試合やって上々のスタート!、が求められる。

開幕早々から、ゲーム勝敗の一喜一憂が、例年よりかなり重くなるのは、けっこうシンドイ。

楽しむしかないが。

では。

 

 

 

 

 

雷鳥は 狡猾に飛べ (新潟戦プレビュウ)

〈フツーにやって大量得点/失点の気風 アルビレックス〉
前節、新潟はホームで、金沢と対戦。
開始4分で先制したものの、その後せわしないサッカーをやって、3 – 5 で敗戦した。

さぞやアクシデンタルな内容だったか?と思い、前半40ごろまで観返したが、そうでもない。
要は、互いに攻撃的にやってやらせて築いた失点の山、という感じ。

前半35分までに計6点は、山雅の周辺では皆無ではなくも、あまり経験しないスコア。

ツエ―ゲンが新潟をカモにしているのは、GK白井をはじめ守備陣が身体のはりかたで、新潟よりも格段に切迫しているから。
―これは次節へのヒント。

J2暮らしも3年目の新潟ではあるが、J1チームにありがちな、互いに相手に自由にやらせる、そんな体質がいまだ残っているようだ。
くわえてスペイン人監督とあれば、もっぱら攻撃にフォーカスするんかね。


〈巧妙に、胸をあわせろ〉

前節、4バックの甲府に対し、3 – 4 – 2 – 1の布陣を採用したところに、布サッカーの一端をみた。
その後のシステム変更と、交代枠5人の使い切り。
どうも新監督は、持てるカードを極力使う思想主のようだ。

先の見えない渋滞にハマったら、たとえ距離は伸びても回り道を試行錯誤するドライバーみたいに。

サイドをえぐって中へ速いクロスを入れてくる、または、中央に入れれば収めてくれる信念で早めにペナルティエリアへ抛り込んでくる、といったのが新潟スタイル。
―ここらに、新潟がJ1で培った育ちの良さと、実直さが在る。

プレイヤーの質では、双方はほぼ同格か、当方がわづかに優る。

となれば、底上げした個の技量と攻守の連携をベースに、実直に、剛毅と狡知とを加えて立ち向かうべし。

ポジション毎のミッションに大きな変化はないが、特に、新潟2列目アウトサイドハーフを自由にさせないこと。
それには、ボランチの位置取り、素早い寄せとチェック、これに注目です。

さらに登録メンバーに、次節水戸戦の起用法をうかがう愉しみも。

では。