なりふりかまえ (群馬戦プレビュウとは別に)

京子さんから、家人にメールがあって、その内容とは。

―離れて暮らすティーンエイジャアのお孫さんからメールがあった。
新聞を手にしたけれど、見出しで読むのが辛くなってしまい、とても紙面を開けなかった。
見出しとは、〈沈む山雅、ついに最下位に〉。

なんとも切なく、けれど、わかる話だ。

群馬戦へ行かないことにした、という家人も、同じような気持ちなんだろう。

なんだかんだ言っても、クラブを思う気持ちは変わらないんだし、
こと勝負事には相手のあること。

決意した、と見得を切るのはかまわないが、チーム内部で不信と疑心に陥らず、ひたすら取り組んでいるサッカーを全うする、でいい。

個やチームが、沈みゆくタイタニックの甲板の上で、椅子を片付けるような的外れなことに向かわないこと、それだけを望みます。

勝って気持ちよくやりたいけれど、不振の時だってあるさ。

周りが浮足立って、どうする?

勝ち馬に乗りたいだけならば、山雅を贔屓にしないほうがよっぽど平安な人生でありましょうし。

では。

闘魂も 商魂も。

2019年に関するデータがある。

監査法人大手のデロイトトーマツが、毎年発表しているもの(最新版)。

J1チームの、スタジアム集客率(%) だ。

ホームスタジアムに、定員に対しどのくらい観客を集めたのかという数字。
第1位は、川崎フロンターレで、83.7%。(23,843人)
我が山雅は、第3位で、78.0%。(15,861人)

あぁ、こういう日の再来を、恋い焦がれるわけです。

グッズ関連利益額、というのもあって、
第1位は、浦和レッズで、3億6,100 万円。
山雅は、第9位の、1億2,600 万円。
リーグ平均が、1億2,700 万円なので、ちょうど平均値ぴったりだった。

たとえば、ジュビロ磐田(14位)は、6,800 万円。

必死に売り上げないと経営が成り立たない山雅と、それを当てにしなくともやっていける磐田の、クラブの在り方の違い、と言ってしまえばそれまでなんですがね。

チームは闘魂むきだしで戦い、クラブは商魂まる出しで売りまくる。

それが山雅の歩む道。

ところで、手ぬぐい製造販売の〈かまわぬ〉とコラボレーションした、手ぬぐいが近々に登場する。

絵と文字なんかを使って、松本山雅を織り込んである。


写真のは、かまわぬを、鎌、〇(輪)、ぬ といった絵や文字にくだいて文様に仕立てている。

洒落ているので以前から使っているが、お店でフツーに購うと、880 円也。

で、山雅オリジナルは、1,500 円。

Jリーグも版権使用の名目で、かなりピンハネしているはずだから、同様なものの市価の、約2倍になるのも当たり前か。

まぁ、今回、萬年は遠慮しておきますがね。

最後は、山雅愛とか言ってこんな曲で、失礼を。

では。

この程度なのか? 山雅 (2021.4.21 愛媛戦レビュウ)

朝いちばんで、
― いやぁ、いよいよ最下位ですな、って挨拶を交わしているようでは、家庭の平和もあったもんじゃあない。

捲土重来、いつまで言い続ければ?
愚痴ですけどね。

遠く、松山の地で、1 – 3 の敗戦。

かの地では、COVID-19でいろいろと騒がしい様子ゆえ、今は、チームのつつがなき帰松を祈りたい。

念のため、はじめに 第9節終了時の、戦績を比べておくのも一興かと。

2020年 ➡ 2勝3分4敗  (第2節の前には イレギュラーな休止期間)
2012年 ➡ 1勝4分4敗

最下位に沈んだ、とは言え、勝ち点ではいまだに団子状態が続いているのを感謝せねばなりませんな。
最少のどんぐり、と思ってみても、大した慰めにもならないか。

【ゲームプランの破綻】
萬年の注文どおりに、初期布陣として、3 – 1 – 4 – 2 を採用した山雅。

この狙いは、わかる。

ただし、この布陣はあくまで、ボールを手中にしつつ、中盤の、インサイドハーフふたりと、サイドバックふたりが、運動量豊かに動き回ることを前提に成立するものであって、ここが不活発であれば、なかなか機能しないはずであった。

さらに、センターバックのところから丹念にパスを繋いでいく部分で、無理なボールの交換や、パスのずれなど、イージーなミスを犯し過ぎた。

これじゃぁ、前節、甲府戦の後半に魅せた、ボールを動かしながら相手を崩して侵入していった戦法が、なかなか発動、持続できなかったわけだ。

圧力をかけて押し込む、といったこちらがやるべきことを見事に相手にやられた結果、スローインから、クロスボール処理のハンドによるPKから、コーナーキックから、とデジャブ(既知感)満載の、失点の山。

自己省察に基づいて向かってくる相手は手強い、とプレビュウで指摘したことが実現してしまうとは、まったくトホホな萬年。

もちろん、その戦法でやり切って勝利した愛媛FCこそが、上等だったのです。

【プラン機能不全の 理由】
ここらへんは、もはや推定の領域なんですが、

❶先発およびベンチメンバーをみると、どうやら前半はドローで良し、あわよくば先制、後半に一気に突き放す、というプランだったのではないか?
前や河合を、前半温存したことが、それ。
ゆえに、力をセーブしてゲームに入ってしまった。
ところが、勇猛果敢に出て来た愛媛の圧力と躍動に対処できず、後手を踏む形になる。

❷予想外の事態にタジタジとなるのは、当然のことだろう、とは思う。
けれど、そこを堪えて、時間を自分流に進めることが、なぜできなかったのか?

山雅プレイヤーの技量からすれば、最終ラインにひきつけておいて、いなしながら前進できるだろうと観ていたが、余裕のない不正確なプレイからボールロストが多い。
自分たちの焦りから、やくやく主導権を渡してしまっている印象。

プレビュウで、狡くやれ、といったのはこういう局面での、沈着なプレイを期待したんですけどね。

ゲームを通じ、結局は、愛媛の5人が並ぶ中盤を突き破ることは、ほとんどできませんでした。
愛媛プレイヤーの程よい距離感を断ち切って間延びさせる手法、たとえば、ボールのサイドへの散らしにもっとチャレンジできなかったか?
縦パスが、あれほど機能しないのならば。

ほとんどなにもできずに終始する、といった我がチームの惨憺たる姿は、一年ぶりぐらいに観るが、

― わくわくさせてくれる、あの山雅は何処へ行ったの?、と家人は評す。

❸精神論には走りたくないけれど、あの程度の追い込みと圧力の前に、積み上げたスタイルが瓦解してしまうのは、自分ならびにチームメイトへの信頼感が低下している感を持たざるを得ない。

自己不信が、考え過ぎであれば、と願うばかり。

チームがバラバラになるのはまづい、というプレイヤーが居るんだから、なんとか、そこはクリアする、ってもんでしょう。

時間は戻せない。
ならばサバサバと、ここからやるだけ。

では。

少しは 狡くやらないか? (愛媛FC戦プレビュウ)

月曜日に職場で。
― 萬年さん、僕の顔見ると、ありがとう、って思わない?、と問われた。

なるほどね。
彼、甲府戦でハットトリックを決めた金狐と、同姓のお方でありましたよ。

国友、松本市民、いや、信州人に売り出す好機ではないか。

さて、前節の対大宮戦(1 – 0 で今季初白星)を、DAZNで前半30分くらいまで観て、愛媛の様子をざっと確認。

(余談にはなるが、アルディージャは年を追うごと、迫力と魅力を失っていて、少々つらい。観ていて面白味に欠け、プレイヤーが小粒で、なぞるようなサッカーになった。
……と思いながら、いや、山雅だって、噛みあわない時は、鋭利さを欠くなぞるようなサッカーに陥るもんな、と失笑。他人事ではありません)

愛媛FCは昨季、いつもならば降格の21位に沈んだ。

今年は、挽回の切り札として、かつて在籍したヴェテラン、秋元、浦田、内田、近藤の 4人を呼び戻すことで、昨季の戦力に着実に上積み。
ただ、スタートで出遅れると、第6節終了時で、監督交代(コーチの内部昇格)を断行。
目標は 15位内、と現実的であり、それだけシュアな、身の丈に徹した戦いをしてくるに違いない。
自己省察に基づいたチームこそが、手強いのです。

〈想定されるゲーム様相〉
山雅がボールを多く支配して、相手陣内へ圧するごとくに向かっていく。

対し、愛媛はガッチリと守備陣形を組んで対峙。

中盤で引っ掛けるようにボールを手中にしたら、山雅最終ラインの裏か、あるいは、サイド奥へと展開しペナルティエリアへ、人とボールが侵入してくる。
……そんな感じで時間が進むだろう、と予想。

両者のボール保持への意欲、基盤的な力量差からは、どうしたってそうならざるを得ない

愛媛の初期陣形は、4 – 3 – 2 – 1。
ワントップは、大宮戦では、決勝点を叩き出した 吉田 眞紀人が務めた。
3は、ボランチ機能の3人(田中、横谷、川村)。
田中を底に、逆三角形に開く。

守備時には、この陣形が、4 – 5 – 1に変容。
ワントップを残し、2列目が下りて、ボランチラインに吸収され、ピッチ幅68mを、5人で遺漏なく守るような格好になる。
このラインで、相手のボールをカットしたり、タックルを仕掛けてくる。

そして、この中盤が、ボール奪取時には、そのまま攻撃の起点と厚みを形成する。

ゆえに、愛媛サッカーの中核は、中盤のプレイヤーが演出する、と言えるだろう。

〈とことん 我が道をつらぬけ 山雅〉
謙虚に、取りかかっているチャレンジに向かうことを大前提に、甲府戦の後半に魅せたクオリティを再現する、これがこのゲームのテーマでありましょう。
ただし、パスミス、安易なボールロストがあれば、ボールは確実に捕獲され、そのままピンチを招くから禁物、と心すべし。

❶常套であれぼ、佐藤と前のダブルボランチだろうが、
3連戦を考えると、ボランチ陣にはあまり負担をかけたくないだろうから、ボランチ2人態勢を採って、米原、安東を勘定に入れた上で、カップルを組むか?

も、ここはひとつ、米原 秀亮をアンカーに入れ、河合と鈴木のツートップでゲームに入る姿も観てみたいのがホンネ。(平川 怜の離脱、こういう場合に痛い)

したがって、陣形的には、3 – 1 – 4 – 2 となる。

1が、米原で、センターバックと米原が攻撃組立ての起点になり、そのひとつ前列が、愛媛中核の3ボランチを、人数をかけて分断していくような感じ。

ふたりの、狩り手かつゴールお膳立て役(例えば、佐藤と前)が、無用に下がることなく、より高い位置で相手に圧力を加えつつ、左右サイドバックにボールを入れていくのが狙い。

こうしないと、相手陣内の奥深くをめざせない、と思います。

❷なにはともあれ、クロスを入れよ。
愛媛の失点の3割は クロスから、そして、やはり3割は セットプレイから。

ならば、なおさらクロスに賭けないとならないし、そのことによって、愛媛の右サイドバック茂木 力也(チーム内アシストトップ)を、自陣に追い込めるわけだから。
よって、山雅左サイド、たとえば、下川 陽太と河合 秀人が、鍵を握る者。

❸GK秋元の牙城を崩すのだ。
コーナーキックを含むセットプレイを工夫して、かの老獪なゴールキーパーの壁を破ろう。

愛媛の精神的な支柱を揺さぶり、こっちへゲームを引っ張り込むため、智恵を絞り、狡さに走ること。
それこそが、勝利への誠実さというものです。

では。

Bleached Fox と名づけてしまえ。

ヴァンフォーレ甲府戦でハットトリックをやって魅せた、
#14 フォワード 鈴木 国友。

リーグ得点ランキングで、5位タイになった。

DAZNで観た、ゲーム後インタビュウ。

ドローだったから、ヒーロー、とはいかないせいもあってか、遠慮がちで繊細な話しぶりだったが、人柄がにじんていて好感を持った。

ふと、春浅き朝、我が家のすぐ近くを、食物を探すようにして彷徨っていた、あの孤独な狐を想い出す。

〈Bleached Fox〉、僕の中では、国友君をそう呼ぼうか。

髪をなびかせ、嗅覚鋭くゴールを狙う狡猾さを磨け、という気持ち。

そしたら、こんな曲まで記憶に蘇える始末。

『Sister Golden Hair』は、America が、1975年に発表した。

では。