少しは 狡くやらないか? (愛媛FC戦プレビュウ)

月曜日に職場で。
― 萬年さん、僕の顔見ると、ありがとう、って思わない?、と問われた。

なるほどね。
彼、甲府戦でハットトリックを決めた金狐と、同姓のお方でありましたよ。

国友、松本市民、いや、信州人に売り出す好機ではないか。

さて、前節の対大宮戦(1 – 0 で今季初白星)を、DAZNで前半30分くらいまで観て、愛媛の様子をざっと確認。

(余談にはなるが、アルディージャは年を追うごと、迫力と魅力を失っていて、少々つらい。観ていて面白味に欠け、プレイヤーが小粒で、なぞるようなサッカーになった。
……と思いながら、いや、山雅だって、噛みあわない時は、鋭利さを欠くなぞるようなサッカーに陥るもんな、と失笑。他人事ではありません)

愛媛FCは昨季、いつもならば降格の21位に沈んだ。

今年は、挽回の切り札として、かつて在籍したヴェテラン、秋元、浦田、内田、近藤の 4人を呼び戻すことで、昨季の戦力に着実に上積み。
ただ、スタートで出遅れると、第6節終了時で、監督交代(コーチの内部昇格)を断行。
目標は 15位内、と現実的であり、それだけシュアな、身の丈に徹した戦いをしてくるに違いない。
自己省察に基づいたチームこそが、手強いのです。

〈想定されるゲーム様相〉
山雅がボールを多く支配して、相手陣内へ圧するごとくに向かっていく。

対し、愛媛はガッチリと守備陣形を組んで対峙。

中盤で引っ掛けるようにボールを手中にしたら、山雅最終ラインの裏か、あるいは、サイド奥へと展開しペナルティエリアへ、人とボールが侵入してくる。
……そんな感じで時間が進むだろう、と予想。

両者のボール保持への意欲、基盤的な力量差からは、どうしたってそうならざるを得ない

愛媛の初期陣形は、4 – 3 – 2 – 1。
ワントップは、大宮戦では、決勝点を叩き出した 吉田 眞紀人が務めた。
3は、ボランチ機能の3人(田中、横谷、川村)。
田中を底に、逆三角形に開く。

守備時には、この陣形が、4 – 5 – 1に変容。
ワントップを残し、2列目が下りて、ボランチラインに吸収され、ピッチ幅68mを、5人で遺漏なく守るような格好になる。
このラインで、相手のボールをカットしたり、タックルを仕掛けてくる。

そして、この中盤が、ボール奪取時には、そのまま攻撃の起点と厚みを形成する。

ゆえに、愛媛サッカーの中核は、中盤のプレイヤーが演出する、と言えるだろう。

〈とことん 我が道をつらぬけ 山雅〉
謙虚に、取りかかっているチャレンジに向かうことを大前提に、甲府戦の後半に魅せたクオリティを再現する、これがこのゲームのテーマでありましょう。
ただし、パスミス、安易なボールロストがあれば、ボールは確実に捕獲され、そのままピンチを招くから禁物、と心すべし。

❶常套であれぼ、佐藤と前のダブルボランチだろうが、
3連戦を考えると、ボランチ陣にはあまり負担をかけたくないだろうから、ボランチ2人態勢を採って、米原、安東を勘定に入れた上で、カップルを組むか?

も、ここはひとつ、米原 秀亮をアンカーに入れ、河合と鈴木のツートップでゲームに入る姿も観てみたいのがホンネ。(平川 怜の離脱、こういう場合に痛い)

したがって、陣形的には、3 – 1 – 4 – 2 となる。

1が、米原で、センターバックと米原が攻撃組立ての起点になり、そのひとつ前列が、愛媛中核の3ボランチを、人数をかけて分断していくような感じ。

ふたりの、狩り手かつゴールお膳立て役(例えば、佐藤と前)が、無用に下がることなく、より高い位置で相手に圧力を加えつつ、左右サイドバックにボールを入れていくのが狙い。

こうしないと、相手陣内の奥深くをめざせない、と思います。

❷なにはともあれ、クロスを入れよ。
愛媛の失点の3割は クロスから、そして、やはり3割は セットプレイから。

ならば、なおさらクロスに賭けないとならないし、そのことによって、愛媛の右サイドバック茂木 力也(チーム内アシストトップ)を、自陣に追い込めるわけだから。
よって、山雅左サイド、たとえば、下川 陽太と河合 秀人が、鍵を握る者。

❸GK秋元の牙城を崩すのだ。
コーナーキックを含むセットプレイを工夫して、かの老獪なゴールキーパーの壁を破ろう。

愛媛の精神的な支柱を揺さぶり、こっちへゲームを引っ張り込むため、智恵を絞り、狡さに走ること。
それこそが、勝利への誠実さというものです。

では。