自分を人質にとるな。

職場のヤナちゃんが、
― 今回のサポーターミーティング、けっこうキツイ発言ありましたよ、

と教えてくれた。

会社の経営層は、降格を招いたんだから、引責辞任するのが当たり前だろう、という趣旨を、激烈に語ったんだとか。

次から次へと、トップ昇格を狙う者に事欠かない企業ならば、それも良し。

また、トップ交代が、事態収拾にとって有効であるならば、それもあり。

果たして、そういう一切合財を含んでみてのご意見なんでしょうか?

後先を省いて、とにかく辞めろ、ってのはどうも浅慮、としか言いようがない。

けれど、自分の会社でもない組織に対して、そういう口を叩けるのは、地域を基盤とするサッカークラブの開放度の証拠なのかも知れない。

地域の器のひとつであるから、部外から辞めろ、と我が物顔に言えてしまうような錯覚は必要か。

ワン ソウルの、別の顔として。

ただしだ、勢いあまって、連中が首脳である限りは、自分はサポートしないぞ、ファミリー山雅からは去るぞ、と言い出すとしたら、チョッとね、と思う。

こういうのは、あいつが上司ならば、誰が熱心にやるもんか、といった根性と変わらなくて、みづからをどちら様と思っているのか?、自分を人質に取ったようなところが、滑稽だ。

何に対してかは知らないが、自分が盾(たて) となり得る、と思い込んでいる点で。

では。

平凡なる非凡、シンプルで良き (2022季ユニフォーム)

ユニフォームは、毎季、どこが変わったのさ?、くらいで変遷するのが良い、と思っている。

なので、リリースされた来季デザインは、まぁまぁ、僕の審美基準には入った。

ドット(の大小) を使ってグラデーションっぽさを演出した濃緑の生地。

これ、遠目では、グリーンの濃淡もあまり目にうるさくはないだろう。

背中も前面と同じように、濃淡を入れてよかったのではないか、とも感じるが、シンプルで気に入った、というか、気障りでない。

中でも、ファーストとセカンドで、それぞれパンツが、白と黒なのが、古典的な雰囲気を醸す。

差し色にも凝らず、使う色も少ない。

けれど、この邪心のなさによって、案外、歴代トップクラスの出来かも、としておきましょうか。

家人は購入の意思がないように言うが、袖にJ3ロゴが入ることで、後世、稀少価値が出るやも知れません。

唯一の不満は、いつになったら、ポロシャツに準じた襟仕様に挑戦してくれるのか?、ということ。

立ち襟にもできることで、精悍な雰囲気が完成されるし、かつ、シーズンパスのストラップが肌にあたる不快感もなくなって、おおいに助かるんですがね。

では。

プライドはどこへいった? (シーズンパス継続)

……そうか、小手川 宏基、契約満了かぁ。

今季は、20試合に出場。

気の効いた位置取り、ボールの繋ぎなんかには光るものがあって、気に入っていたんだけどなぁ。

次のステージでの活躍を、心から祈ります、ありがとう。

 

今週の初め。

株式会社松本山雅から、シーズンパス継続の案内が届く。

読むと、来季は、チケット価格が、ほぼ10%安くなるようだ。

ホームゲームも、いまより4つ少なくなるので、結果、シーズンパスの値段にもお買い得感が出た。

チケット代値下げについて、観せる側の思惑がどこにあるのかは承知していないけれど、観ている一個人としては、

今季の、それはみるに堪えない、見苦しいゲームを繰り返しみせてしまったことへのお詫びのしるしに違いない、と考える。

それでこそ、プロの証し。
究極はお金で表現、ってのは、あっけらかんと気持ちがいい。

プライド、と口走っているのをはた目にすると、それ実は、傲慢と見映えの別表現でしょうよ、とヒヤヒヤすることが多い。

万が一、今回の値下げ、その趣旨が、ひとつ下のリーグのゲーム観戦となるから、という理由であるならば、
おいおい、日頃のプライドはどうしたのよ、と今度は逆のツッコミを入れなければならない。

どこのリーグに参戦しても、その時の最上級なプレイを魅せるのが山雅魂であるならば、所属するリーグで入場料を変える、というのはかなり卑屈じゃあないか?

まるで、それなりのゲームしかお見せできません、というに等しい。

そんなこたあ、ファン&サポーターは期待しちゃあいない。

今からそんなじゃ、小手川の予想じゃぁないが、苦戦しますぜ。

ゆえに、あくまで値下げは、今季分のごめんなさい、だと信じてる。

では。

できなくなる? しなくなる? の歯止め

息子との会話。

― (萬年) 昨季は降格が(制度的に)なかったんだから、最後まで布さんでやってよかったんじゃあないか?

― (息子) いやいや、それはない。
ゲームを観て愕然、守備で決まり事をまったく作ってなかった。
以前から在籍していたプレイヤーでさえ、キチンとした守りをしなくなっていたからね。

何気ない雑談の中のコメントだが、けっこう示唆され、考えさせられた。

チームとして一体となるには、首脳の指示の下、統一されたスタイルと手法で戦うのは当たり前。

が、実際に、ピッチ上でリアルタイムの流れを感じながらプレイするのはプレイヤーではないか。

勝つため、勝機を手繰り寄せるため、瞬時の判断で、当初の決まり事に背いてでも、ここは!、というプレイをすることは否定されるのだろうか?

つまり、目的にかなえば、一見逸脱した、個人発案のプレイは、許されるのではないか?

1964年の東京オリンピックで、市川 崑 (1915~2008年) は、公式記録映画のメガホンを取っていた。

閉会式はおそらく、開会式と同様に、国旗を先頭にした入場行進ではじまるだろう、と予想した市川は、スタジアムに配置したカメラすべてに対し、冒頭のシーンでは、カメラを回さないように指示を出していた。

ところが、実際閉会式が始まったら、各国の旗手たちが最初に出て来た後、整然とした行進などなく、すべての選手役員らが混然と入場してきたのだ。(その後のオリンピックはこの演出を踏襲しているらしい)

まったく予期せぬ事態に、市川は顔面蒼白となる。

自分の指示で全カメラがそのシーンを撮り逃したからだ。

ところが、後日フィルムを回収してみると、監督の指示などどこ吹く風。
ほとんどのカメラは閉会式のカオス入場を記録してあった。

……、数十年前、某公共放送のTV番組で、市川自身が回想していたのを聴いた。

自分は、ボスに背いてでも自分のプロ意識と論理に従う撮影者を信頼する、その意味で、すべてに従ってくれるだろうとは信用していない。
― そんな総括だったように憶えている。

信用と信頼、なかなか深い話ではありませんか。

まぁ、こういう関係が成り立つ職場は、上司部下がそれぞれミッションに忠実であって、しかも成熟した大人でないと成り立たないでしょうね。

山雅というチームが、そういう組織であることを望みます。

いままで以上に、自分たちが責任を引き受けて戦うべき来季であるはずだから。

そういう意味でも、リーグ降格だから、~は引責辞任せよ、という論理には軽々には賛同できませんね。

では。

2022シーズンへの戒め,オマケ。

― 名波さん、続投になりましたね。
と、ソネさんが、僕の感想を訊きたげに声をかけてくれたもんだから、

―もしも、これで退任だったら、論外よ。
続けてやってこそはじめて、山雅で仕事をしたことになるよね、と答えておいたおととい。

日頃から、戦力(選手)がずいぶんと流動的な、つまりは、移籍の頻繁なリーグだよなぁ、と思っている。

(だから、昨年コンサドーレ札幌が全プレイヤーとの契約更新という手法を打ったことは、かなりの異例で新鮮だった)

 

レンタル組の、星、平川。J3で修行させるほど悠長なこともしないだろうし、
高木(愛媛)、山本(パルセイロ)、吉田(栃木)、三ツ田(岐阜)の去就は?

要は、今年のオフも相当の出入りがあることを覚悟せよ、ということかいな。

リリースを待つ身が辛いか、はたまた、待たせる身のほうが辛いのか。

更にですよ、ここのところ、指揮官(監督、コーチ)も使いまわしされるんだ、という印象が強い。

これがフツー、と言われればそうなんだろうけれど、有能(実績が有る)だから引く手あまたなのか、それとも、呼ばれる人材が限られているのか?、どうなんでしょう。

名波、と言えば山雅、山雅と言えば、名波。

来季からは、そんなキャッチコピーで呼ばれるほどの戦績でありたい。

で、暇に飽かして、時間帯別得失点のデータを拾ってみた。

15分ごとに区分した点数を、線状に並べると、
()内はアディショナルタイムの点。

〈2018年〉
得点
8  –  5  –  13(1)  –  8  –  9  –  11(2)  計 54
失点
2  –  2  –  9(1)  –  2  –  7  –  12(5)         計 34

〈2021年〉
得点
6  –  1  –  4(0)  –  5  –  8  –  12(3)         計 36
失点
5  –  10  –  11(1)  –  15  –  13  –  17(2)  計71

データからは、いろいろ読み取れるんだろうけれど、得失点の多寡はひとまづ脇に置いといて……、

失点 ➡  2018年は、前後半とも、30分過ぎに多く失点していた。
堅い守備が、30分経過すると耐えきれなかった姿が浮かぶ。
2021年は、すべての15分刻みの中で、まんべんなく失点。
あえて言うと、ゲーム開始15分まではなんとか持ちこたえているけれど、その後は、ほとんど歯止めがかからなかった。

得点 ➡  2021年、ゲーム開始15分までと、後半の後ろに行くほど得点が高まる。

……、ここから、来シーズンは、
漫然とゲームの時間を刻んではダメで、ゲームの主導権をこちらに持ってくる、流れを変えられる、チームとしての手法を確立。

❷その上で、ゲーム開始から、様子見などせずに飛ばすスタイルで。

❸さらに、5人までの交代枠を使い、攻撃をリフレッシュ、ギアアップできるメンバー構成を、できるだけ早期に見極める。

❹失点の形態、セットプレイからは2018年同様に今季も割合として断トツの1位で、30%弱。
2021年の特徴は、クロスからの失点割合が、やはり高かったこと。
サイド侵入をゆるし過ぎました。
5バックで守ることの旨味がほとんどなかったわけで、ここらへん重要な決断が必要です。

ざっと、こんなところを、乞う、ご期待、と受けて立ってもらいたいですね、名波さんには。

では。