怒りの矛先は どこへ?

ジョー氏から、萬年氏は、キレることがあるか?、と問われた。

彼、怒りの爆発と、そのやり場に苦しんでいるんだろうか。

―うん。自分に許すことで、それに対処しているかな。

不快で、不合理と思われることに出逢えば、瞬間的にムッとくることは、人間ならこれはどうしようもない。

で、そこまでは自分の感情を肯定しておいて、さて、それから先は、自分の選び次第と考えて行動する、ということを言いたかったんだな。

怒りの感情は、無理やり飲み込んでばかりいると、今度は自分をあざむくことにもなりかねない。

腕力に訴えて相手を打ち倒すやり方は、萬年、小学生2年の時の喧嘩を最後に、決心して、これをもうヤメにした。

後年、それに近いところまで行ってしまい、警察を呼ぶゾ、と相手が息巻いたことが1回あったが、口頭で応戦してしまってから、苦い思いをすることは多い。

お袋の遺言とかうそぶいて、これからも慎まねばならぬ。

力づくでも言葉の刃であっても、それで誰かを凹ましたとして、いちばん傷つくのは、当のご本人であることは、いままでの経験から、ほぼ間違いない。

落ち着いて、生きのびよ、わたしの心。

では。

【コメント】
☞ジョー氏より (1/22 12:37)
ココ最近、色々な事が重なりまして、いつも冷静で大人な萬年さんに問うてみた次第です。

自分は子供の頃から感情が顔にモロ出てしまう性分でして。
ある人から、凄い顔してるよ。と言われてハッとしたのは忘れないです。
やはり感情的になるのは良くないと思うし、自分自身を出せなくなりますしね。
これからの人生、気を付けて生きていかねば……

いつか見た夢 になれ。

某自動車メーカーの、アジア担当としてシンガポールに在住の友人。
その年賀状には、こうあった。

―コロナで 一年間シンガポール島に閉じ込められていました。

文面から、改めて、ただ事ではない2020年だったんだなぁ、と察せられる。

で、興を覚え、シンガポールにおける感染状況をみてみると、
日ごとの感染者は、このところ20数名で推移している様子。
死亡者は累計で 28名となっていて、ここ3箇月くらい発生していない。
コメントには、死者を含めた重症例が少ないことをほのめかしたいのか、感染者は、20~30歳代が占めている、とある。

とはいっても、かの国にだって高齢者が大勢住んでいるのだ。
友人のように、皆が〈閉じ込められて〉ひっそり生活しているんだろうか?

情報はメディアやSNS上に溢れているようにみえても、現地の実相が、キチンと頭に入る報告がきわめて少ないのは、この流行り病に限ったことでもないけれど、COVID-19に関しては、あまりに酷すぎる。

思うに……、
❶この疾病対応について、総合的判断を下せる権威(とみなされる)者がいない。
(感染症専門家には、医学的所見だけが期待されている。ゆえに、社会的な対応策を論ずるドクターは反感を買っている)

❷ ❶の結果、
コロナウイルスの行動阻止の手当てのことよりも、ダメージとしての勤労/学業生活と、経済の苦境に関して議論が紛糾するが、最適解が見えてこない。

国政トップからはじまり市井の一個人が、遠慮なく持論を述べられる世界だ。

個人的見解を、まるでオーソリティを装って提示しても断罪されない、あるいは、存在を、社会的に抹殺されることもなさそう。

まぁ、いいたい放題で、責任を取らなくてもいいのであって、こういう分野、他にはあまりない。

新型コロナウイルスの行動は、医学的に解明されつつあるから、各自で薦められる対処をこの一年やってきた。
それがどのくらい切羽詰まったものどうかは人それぞれ、組織それぞれ。

ただ、入り口としての対処と、結果(出口)としての、累計死者3,500人。

これについては、どこの誰が評価してくれるのか?、となると、これがさっき書いたように、皆無。
だあれも、対コロナに関する社会経営の権威者たらん、とは望まない様子。

責任は取らないけれど、文句は言う、ってやつばかり。

予防の徹底度はともかく、一年かけて3,500人ならば、シーズンになると、数箇月かかって同等な死亡者で推移してきた季節性インフルとたいして変わりないじゃん。
……と割り切ったうえで、医療と社会生活で対応する、でよいのでは?、で何が悪い。

世界の大半が、枯れ尾花(ススキ)を妖怪と勘違いするような幻想にとらわれた挙句に、要らぬ社会的制限を強行した、そんな意見だって否定できない。

で、日本は、個の行動を強権発動で制限していない、という稀なお国。

これをとやかく言うつもりも今はないけれど、おそらく着地として狙っているのは、予防接種を使いながら、毎年数千人程度の死者で推移する世界なんだろう。

これを悪い夢、と思うことが甘いんだろうね。

では。

グ~の音も出ない正論。 (或る人種差別)

あまりにも明快な、差別への切り返しだったので、論議さえ起こらなかった、というお話。
内容は、審判団によるお粗末な顛末なんですけれど……。

2020年12月9日。
場所は、フランスのパリ。
パルク デ プランス(原意:王子たちの公園)の、スタジアム。

当夜、パリサンジェルマンFC vs イスタンブール バシャクシェヒル が、
UEFAチャンピオンズリーグ予選リーグのゲームとして開催された。

試合は、ネイマールのハットトリックを含め、5 – 1 でPSGが圧倒したが、
このゲーム、前半の20分から始められた。

というのは、前夜のゲーム途中で、両チームのプレイヤー全員がゲーム続行を拒否、ピッチから去ってしまい、中断やむなきとなった再開戦だったから。

ここで、前日に起こったことを簡単にたどってみよう。

ゲームが13分を経過した頃……、
❶バシャクシェヒルのアシスタントコーチのウェボ(元カメルーン代表FW)が、相手DFキンベンパの厳しいチャージに激昂した。

❷第4審判であるコルテスク(ルーマニア人)はこの様子を見て、無線マイクで、主審に(おそらくルーマニア語で)「あそこの黒人だ……あんな振る舞いはない……見に行って特定してくれ……あの男、あの黒人です」(AFP記者の翻訳) と発信する。

❸その発言をマイクで聞いたウェボはさらに怒りを募らせると、英語で抗議しながらピッチに出て来て、結局は、レッドカードによる退場処分を受けた
……という流れ。

抗議に対し、この第4審判は「ルーマニア語では、ネグルは、ただの黒いという意味だ。差別的な意味はない」と釈明した。

当夜の審判団は、ルーマニア人のセット。

もちろん、英語では〈ネグロ、二グロ〉は第一級の差別用語だ。

で、この出来事のポイントは、この次だった。

バシャクシェヒルのベンチメンバーだったデンバ バ(元セネガル代表)は、こう弁明した審判に向かって、猛然と問い詰める。

「あなたは白人プレイヤーに向かって、〈この白人〉とは言わないだろう?!
ふつうに〈this guy〉と言うはずだ。なぜ,、黒人プレイヤーに向かっては〈この黒人〉と呼ぶんだ!」

事態紛糾の中、こう切り返せるのは、かなり機敏な頭脳です。

約10分後、「みんな来い。もう、うんざりだ。これがフットボールなんだな。俺たちはフットボールがしたいのに」と言うデンバ バを先頭に、同チームのプレイヤーは全員がロッカールームへと引き揚げてしまう。

さらに、PSGのプレイヤーもこれに同調、あとには無人のピッチが残るのみ。

事態を受けて、仏スポーツ大臣は会見で、「誰かを肌の色で指すのは受け入れられない」と語ったとか。

再開ゲームとなった9日、審判団はオランダ人セットに差し替えられ、ゲーム開始前には、人種差別に反対する儀礼がおこなわれたようだ。

この報に接し、現実の差別に遭遇したら、かように毅然と対応できるのかを自問しながら、
『あそこの白人が!』といった発言が差別となる日が、はたして来るのかな?、と夢想している。

では。

ひめくりを また一枚の 春来たり

いつの頃からか、年賀状のようなモノは別にして、正月の決まり事やらを、出来る限り生活に取り込まなくなった。

晴れの日を否定はせぬが、祭りのあとの引き潮みたいなムードを感じることが嫌なんだろうな、と自分のココロを推しはかっている。

あるいは、日常生活にまた戻るエネルギーをあらかじめ惜しんでいる、のかも知れない。

そう言えば、もう、帰省する処もなくなった。

年末にささやかな馳走が並ぶのはよいが、正月に餅など食さなくとも一向に平気。
思うに、できたての餅を美味しくいただいた経験がないのも大きな理由か。

ご幼少の頃、母が、餅に出来た青かびを包丁でそぎ落としていたのを想い出す。

昨日から今日にかけて、ただ日めくりを一枚……、そんなのが理想です。

コロナ禍で苦しむ方々には誠に申し訳ないのだが、余儀なくされたルーチンを素直に受け入れてしまえば、それはそれで、静かで、落ち着いた内省的な生活が実現した。

結局、世の中は他人にゼニを使わせてナンボ、といったカラクリと限界があからさまになっただけ。
で、この環境下、お金の使わせ方があらたに考案され続けている。

ここ一年の変化は、決して非日常でもなく、これからしばらく先のスタンダードと考えよう。

同名曲は、ルイ アームストロングの歌ったやつが有名だろうが、萬年はどうしても、サム クックのほうに肩入れしてしまう。

『What A Wonderful World』を、こういう顔ぶれで演っているのは嬉しいね。

では。

称賛は慎重 批判は大胆。

以前も書いたが、拙宅の居間では、毎日殺人が起きている。

午後にTVでは、刑事や探偵モノを多く再放送しているのだ。

先日も帰宅したら、観ながら寝落ちした誰かさんが、筋が不明になっちゃたわ、とか呟いている。

―あれ?、大空 真弓じゃあないですか。お久しぶり!
ところでさぁ、あなた、どこかあの女優に似ていませんかねぇ。

―まさか~!  わたしあんなにケバいっ、てわけ?

―いやいや。その雰囲気ですよ、その、上流的な雰囲気。

女性を、同性を持ち出してホメる時は、くれぐれも慎重に    by 萬年

TVを眺めていて気づいたこと、その2。
現東京都知事は、おそらく首筋(の衰え)を隠すためにネックの部分に意を用いているんだなぁ、チーフなんかで。
(これ、高齢男性にも言えることで、金銭に余裕があれば、ブラウスのネックを高く誂えるべきだろう)

いや、話がそれた。

緊急会見というから、ほぉ~、都営地下鉄やバスの営業を絞り込む、といった思いきった手段を発表するのかや?
と思いきや、ひたすら外出と会合自粛をお願いする、毎度おなじみの光景。
やれやれ。

誰と誰が何人でテーブルを囲んだ、とリーダーらが魔女狩りに忙しい、平和の国ニッポン。

我が国の法制度では、強制的に人的な流動を抑止することはむづかしい、というマヌケな議論を、一体いつまでやっているのか?

それって、憲法第9条を守っていれば戦争は招かない、とまったく同等な極楽トンボの世界観ではありませんか。

気の緩みとか、危機感持てとか、よく言いますよ。

民の自助努力にすがりきって、立法や法整備などの仕事に関するリーダーシップを放棄する有り様は、あの75年前とほとんど変わっていない。

このまま、ワクチン接種まで、ダラダラと推移するのか。

では。