カウンター攻撃を仕上げる日 (愛媛戦プレビュウ)

毎年、リーグ最終戦をホームで締める、というのが、我等の定番。

寒冷地のため、開幕から何試合かアウェイでやってからのホーム開幕となるチームへの、シーズン最後の贈り物か。

今年は、2012年と2013年に続いて、愛媛FCが、その3回目をつきあってくださるのだ。

こういう奇縁は、くれぐれも大切にしなければいけません。

現状、21位以下が確定、直近で4連敗、しかも無得点(11失点)と苦しんでいるけれど、退任が発表された(12/10) 川井 健太監督をば笑顔で送り出したいはず。

ゆえに、チームは相当の決意で乗り込んでくるだろう。

当方にしたって、シーズン負け越しは決まってしまったけれど、13位で終えるために勝利は必須なのだから、熱いゲームと熱い応援でいきましょう。

〈中盤の攻防を制すること〉
パスサッカー、という言葉はよく聞く言葉なんだが、その実体はチームによって一律でもなくくて、けっこう乱暴に使われることも多い。

愛媛FCについては……、
ボール支配率が、52.2% (44.1%)。
ショートカウンター志向性は、リーグ20位 (7位)。
ショートカウンター時の、ロングパス使用率は、15位 (10位)。
ショートカウンター時の、空中戦使用率は、16位 (19位)。
ゲーム平均パス数   8位 (17位)、……というデータが目につく。
註: (  )内は、山雅のそれ。


ここからは、ボールを持つ方にまわって、後方から比較的ショートなパスによって、地上戦で攻撃を組み立てていく、というスタイルが浮かび上がる。

山雅のように、前線から追いかけまわして、ボール奪取して即カウンター発動、というスタイルからはかなり遠い。

ただここで注目したいのは、愛媛、パス本数ではリーグで 8位であるが、15m以下のパススピードが、堂々のリーグ1位なんです。
秒速では、8.629m。

これは、トップリーグでも第9位にランクインする数値。
(ちなみに、山雅は 15位で、秒速 8.316m)

パスを多用したいスタイルであるけれど、チンタラとボールを動かすのでなく、スピード豊富に相手ゴール前に入ってくる、と覚悟しなければなりません。

この部分で、愛媛の心臓となるプレイヤーが、#8長沼 洋一と、今季ブレイクした #29川村 拓夢のふたり。

長沼は左ウイングバックか、サイドハーフでの出場、川村は、センターハーフ(攻撃的ボランチ)か、2列目のセンターで多く使われている。

愛媛の攻撃の芽を摘むには、このふたりに仕事をさせないこと。

杉本、久保田(前)、佐藤、さらに鈴木雄斗と高橋 諒がサイドで彼らを抑え込みたい。

で、そこからショートカウンターに突入、となれば、今季の総決算にふさわしい光景ではありませんか。

加え、フリーキックからの得点が、全体の 30%を超えている愛媛に対し、ゴールの近くでファール、あるいはコーナーキック、を与えないことに留意。

〈頭を挙げて、ゴールを〉
さて、山雅がゴールをゲットするには、最終門番、GK(おそらくは)岡本 昌弘をかわすか、あるいは、その手を弾かなかればならない。

ここはひとつ、このところゴールに嫌われ続けている久保田や杉本が、冷静なシュートを打ち込むことを切望しましょうか。

では、今季最後のアルウィンで。

久々に新譜を楽しむ の巻。

ひと月前の11月18日、
宮本 浩次(みやもと ひろじ 1966年~) が、カヴァーアルバム『ROMANCE』を発表した。

かねてよりの、熱烈なる〈ミヤジファン〉であるジョー氏、早速、これを購入なさった。

お気に入りの歌手(グループでも)の新譜を楽しみにして待つ。
幾つになっても、そんな生活があれば嬉しい。

で、そのおこぼれにあずかった萬年は、CDをお借りして自分のパソコンにダウンロード。
時にメディアプレイヤーで再生して、過ごしているのだ。

ボーナスを含める全18曲が女性歌手の持ち歌であるところがミソなんだが、案外! と素直な編曲でカヴァーしているなぁ、と思った。

冒頭の『あなた』から、ファルセットでストレートに押してくるところなんか、マジメ気質が満載、といった感じ。

鼻濁音を大切にする歌唱には、東京放送児童合唱団出身という経歴が、どうしてもチラつく、といったら、こじつけ過ぎか?

ジョー氏、このアルバムによって『ジョ二ィへの伝言』を知った、と聞いたので、
―実は、それにはアンサーソングがあってね、『五番街のマリー へ』と言うんだよ、とお教えした。

もしも、ルノワール氏が、このアルバム中の『木綿のハンカチーフ』を聴いた日にはどんな反応をしめすのか?、と秘かに思ってはいるのです。

今、気づいたけれど、『喝采』は、『木綿の~』とは恋人を捨てるのが男女入れ替わっている曲なんだね。

では。

来季への布石を感じつつ (2020.12.16 ヴェルディ戦レビュウ)


〈厳寒を楽しめ〉

スタジアムではそうでもなかったけれど、DAZN観戦した家人によると、サッカーボール(雪上用カラーであっても)が、かなり見えずらかったらしい。

ピッチに薄く積もった雪を、松商学園の生徒諸君や山雅スタッフが、すっかりとかき終えると、アルウィンは、感謝とねぎらいの拍手に包まれた。

あぁ、こういうのは素敵な光景だ……。


セルジ―ニョの記念Tシャツが届いた夜に、そのセルジ―ニョが不在。
しかも、Jリーグ催行で、最低外気温レコードのゲームに立ち合えたことを憶えておこう。

〈両者の 持てるものと不足なもの〉
追求するスタイルがそれぞれ明確であって、かつ、両方の監督について来季続行が決まっている。
……、となれば、自然と、来季への積み上げとはなにか?、という視点での観戦になってしまった。

1 – 1 のドロー。

むろん失点を喜ばないが、同点には持ち込める力はついてきたな、というのが率直な感想。

ゲーム様相は、プレビュウで予想したとおり。

で、ゲームは、山雅のものであったし、失点シーンが、ヴェルディにとっては、ほとんど唯一の決定機だった。
攻撃回数は多くはないが、一発必中で決められる力量を見せつけられた、と言える。

後半における怒涛の攻撃があったために、
前半の、相手ボールを狙いながら守備に費やす時間の長さが、どうしても出来の悪さのように感じてしまうが、それは違う。

前半の我慢と学習があったからこそ、後半のシフトアップと相手ディフェンス裏狙いへの戦術転換が可能になったのだ。

特に、常田から阪野を狙ったロングボールの、タイミングと精度には感心した。

昨夜ヴェルディとやってみると、ボール動かしの手数とパターンはそれほど多彩ではないことが了解できる。
縦に通しておいて、横に叩いてから、前に入ってくるプレイヤーがそれを受ける等々。
ボランチを経由するやり方もほぼ一定。

よく訓練されて見事だけれど、この先、ゲームをモノにするための強度はどう深めるのか?、という課題。

だから、佐藤 優平を起点とする気の効いたプレイを別にすれば、おそらくヴェルディサッカーは、ほぼ分析し尽くせるだろう、山雅の側からすれば。

ひるがえって、我が山雅。
回避しながら、避けながら、ということは棄て去り、つぶして切り裂いていく攻撃。
たとえば、杉本 太郎がショルダー to ショルダーで相手をブンっ、と弾き飛ばして進むボール際。

―おそらく、チームとして高めたいのは、あるいは、ファンサポーターとして観たいのはそこのところだろうな、と思い当たった昨夜。

これには、攻守一体化のうえに築いてきた守備の安定と、特に、佐藤 和弘の加入が功を奏していて、萬年辞書には、〈佐藤効果〉とあるのです。


来季ヴェルディとの対戦の予習ができて、なおかつ、順位表をみたら、あれま、13位に上がっているではないか。
……、ということで、喜ばしい雪の朝。

最後に、トップリーグ昇格を決めた徳島、福岡には、おめでとうを。

では。

予想は簡単、でも (ヴェルディ戦プレビュウ)


〈秋春制に 八つ当たり〉

欧州リーグと開催時季を合わせるためにも、Jリーグに秋春制(シーズンが秋にはじまり春に終わること)を導入すべし、との意見がある。
移籍がしやすくなる、とかなんとか。

それを言うならば、今日の対ヴェルディ戦を、現地で観戦してから主張してもらいたい。

氷点下、あるいは積雪の中、屋根もシートヒーターもないようなスタジアムでの2時間を過してみよ、ってんだ。

八つ当たりはこれくらいにして。

今夜こそは、14位の山雅、12位のヴェルディに勝てば、勝ち点53で並べる、大切な6ポイントゲーム。

さらに、8月の味スタでなめた苦杯(0 – 3)のお返しをすべき、決戦場なのだ。

〈予想どおりの、その先へ〉
ゲーム様相は、両者のサッカースタイルからすると……
守備陣形を固めると、前線からの圧力によるボール奪取によって、ショートカウンターを狙う山雅。
あるいは、ヴェルディ最終ラインの頭上を越えるロングなボールで、一気にヴェルディ陣内深く攻め入る。
対し、ヴェルディは、最終ラインを2~3バック気味にして中盤を厚くすることでボールを多く動かし、山雅守備をかいくぐってペナルティエリアへの侵入を図ろうとする。
両者のボール保持率は、山雅40%、ヴェルディ60%、そんなところか。
……、とまぁ、すぐに描けるだろう。

第41節までやってくれば、スタイルの総決算なんだから、自己のやり方を、より洗練、完遂することに専念。

山雅にとってもポイントは、
❶攻撃面―両サイドに深く侵入することで、ヴェルディ守備を左右に崩してゴール中央にシュートコースを開ける。
❷守備面―とにかくペナルティエリア侵入の手前で、ヴェルディの駆け上がりを抑止する。
……、このふたつに尽きるように思います。

前半戦の内容をみても、相手をペナルティエリアに入れてしまったら、ジ・エンドくらいに考えて、中盤で攻撃の芽を摘めるかどうか?

そんなことに注目しつつ、では、真冬のアルウィンで。

サッカー讃 落胆篇(2020.12.13 @南長野)

山雅が甲府の地で闘っている頃、読者ご察しのとおり、萬年は、南長野に居たのです。

長野 vs 岐阜。
後半、岐阜は圧倒的に攻めたてた。
中島 賢星のミドルがポストを叩くなど、決定機を演出したけれど、遂にゴールを割れず。

0 – 0 のドローで、終了の笛が響く。

結果、最終節を残すものの、上位2チームとの勝ち点は縮まらず……。

昇格が九分九厘潰えた※ことを悟るファンサポーターの無念で満ちるアウェイのゴール裏。
(※次節、長野と相模原がともに負け、かつ、岐阜が10点差くらいのスコアで勝利しない限り)

他人の喜怒哀楽に同調することの乏しい萬年ではあるけれど、ほとんど声も出ない静寂にあって、我が山雅もいつか辿ったような道だよなぁ、これ、と思っていた。


ゴール裏への挨拶時、掲げられたゲーフラを見ることもなく、フォワード#9は、数秒間深々と頭を下げるのだった。

―高崎も前田(遼一)も、本来の力を出せなかったね。
ボールがあんなに繋がらないなんて、と家人。

―あぁ、たとえば、ヘディングでの行ったり来たりが5~6回も続くってのが、J3の戦い方の象徴だよ。
ほかには、GKにやすやすとキャッチされてしまうクロスの質とか。

サッカーは決して独りでやるもんじゃないってこと、普段観ているディビジョン2のクオリティの高さ、そんなことを体感できたのならば、南長野遠征は大いに価値があった、としておきましょう。

でも、チーム岐阜とそのファンサポーターよ。
たとへ一縷の可能性であったとしても、それを追い求めよ。

では。