9/13、アウェイでの対戦は、1 – 1 のドローで決着した。
双方が忙しく攻守を入れ替える内容で、ボール保持もフィフティフィフティの五分。
失点は相手のスーパーなゴールだったから、山雅として出来は悪くないゲームだったと思う。
〈一分も変わらない、田坂栃木〉
それから50日後、前節の対甲府戦(0 – 0 のドロー)を観る限り、栃木SCは、やはり徹底的に田坂SCであって、やってるサッカーは不変。
陣形のバランスの崩れなどお構いなしだ、とにかくボールを手中にしたら前へ前へと進み、でき得る限り速く、ペナルティエリアへとボールを入れてくる。
ここらへんは、最後まで地上戦でボールを運ぼうとした山口とは大違いで、アーリーなクロスを斜め後方からどんどん上げてくるのだ。
ゴール前で相手ディフェンスにとって厄介な混乱を作ってしまい、スキを見い出してシュートを打とう、そんな意思で統一されたチーム。
思えば、2015年トップリーグでの浦和戦。
かのチームからは、山雅、バレーボールやってるのか?!、と酷評されたのも懐かしいが、高くルーズなボールが行ったり来たりするような、無様さも厭わないすがすがしい一途さを持って迫ってくるのが栃木、と言えようか。
J2リーグでは、立派に通用するやり方でありましょう。
〈変容した山雅は どう出るべきか〉
守備の安定をベースに、中盤における奪取力と強度を増してきた山雅。
では、どう対するか?
ボールを地上戦で動かしながら侵入するのか、あるいは、相手ディフェンスの裏や左右に生じるスペースを一気に狙うのか。
いずれにしても、やっちゃあいけないことは、栃木のなりふり構わぬ突進を受けて立とうとすること。
実体としてはカウンター攻撃の応酬のなか、相手の強度を上回る勢いをもって、向こうのゴールへ詰めていく、この姿勢が求められる。
破調で無意味なボールが入れられても、無慈悲なタックルに曝されても、いたずらに熱くなることなく、冷静に狩る。
特に、プレイスキックには緊張を切らさずに。
いわば神経戦を制しながら、テクニックで相手の意図をくじき、崩す、これが今節のテーマでありましょう。
数年経って、今度は自分たちが、バレーボール的サッカーを制すべき立場になったと割り切るってもんです。
〈ユース対決が 織り込まれるか〉
つい昨日、来季、U-18から初のトップ昇格のリリースがあったばかり。
こういう歴史を刻んでそれなりのクラブに成りあがっていくのか、との感慨が来るが、
今節、かつて同時期にトップ昇格を果たし、それからほぼ10年を経て、対戦するかも知れないプレイヤーたちも、見逃せない。
それは、前 貴之と、榊 翔太(栃木FW)。
誕生日がひと月しか違わないふたりは、コンサドーレのユースからトップ昇格を果たしたタレント。
2012年札幌がJ1で戦ったシーズン、リーグ戦で出場を果たしている。
それが、いまや27歳と働き盛りの時季だ。
前回対戦では、榊はベンチを温め続けていたのでピッチ対決は実現しなかったけれど、アルウィンでは、互いにしのぎを削るシーンを観てみたいものです。
やがて数年したら、山雅ユース育ちが互いにやりあっている光景の先駆けとして……。
では。