雪に……、 

愉快を感じて勇み立つようならば、きっと精神が若いあなただろう。

追慕、忘却といった気分に沈むようならば、十分に齢を重ねた証拠に違いない。

こうなったら、雪とはあまり縁のない世界のことを偲ぼうと思い、ライ クーダーのことを想い出したので、この曲を聴いてみる。

もともとは映画『The Border』(1982年米) のために作られたようだ。
サウンドをライが担当していて、この曲は、ジョン ハイアットらとの共作。

ジャック ニコルソン(主演)が、メキシコへの出入りに絡んだ組織的な腐敗に挑戦する 国境警備隊員を演じた。
ハーベイ カイテルが汚職に手を染める同僚役で、なかなか魅せる。
アメリカの不機嫌、みたいなものが通俗的にリアルに描かれていた。

国境を越えて  〈Across the Borderline〉

ずっと聞かされてきた場所がある
街の通りが金で舗装されている とか
そこは 国境を越えたところにあるんだ
自分に その順番が回ってきたら
やがて 君は知るに違いない
見い出せるどころか 失うことになるってことを

約束の地に着いたはずなのに
希望のすべてが 両の手から滑り落ちてしまえば
思い返そうとしても 時すでに遅し と悟るのさ
こんなに遠くやってくるための労力を報うため
ただ この場所で またやり直すだけ
そう 君は 国境を越えてしまったんだから

リオグランデ河を 行ったり来たり
砂に刻まれた無数の足跡は 
誰にも わかりはしない物語
大河は  僕たちの生きざまと死にざまを映しながら
吐息のごとく 流れ下る
次に国境を渡るのは誰かって 教えておくれ

悲しみの暗闇にあって
僕たちは 今日越えなければならぬ
もっと先へ、と名づけたこの河を

けれど プライドを捨てたところに 希望は残る
それは君を  国境を越えよ と 突き動かし続けるんだ……

生きているといいことがあって、こういった、最近のカヴァーに触れることができる。

では。

臨戦 2022 ❿ (いくつもの春……この項終り)

30歳で、中美 慶哉が選手生活から引退か……。

2018年、アウェイ大宮戦(逆転勝ち)では、レッドカードで退場、散々だった彼。

帰途のパーキングエリアでたまたま逢った際、励ますつもりで声をかけさせてもらったが、その時の、茫洋とした趣きが、今も、思い出される。

山雅にとって、流経大卒の系譜の、重要なプレイヤーだった。

次なる人生航路の無事を祈ろう。

ヴェルディでは、阪野 豊史が練習試合で、アキレス腱を断裂してしまった。
全治6箇月。
10月でシーズンが終わる2部リーグでは、シーズンのほとんどを棒に振ったに等しく、言葉も出てこない。

Kリーグ2部へレンタル移籍のゴ ドンミン。
母国で名を挙げてから日本に凱旋、ってもんでしょう。

これで、案の定、ゴールキーパーは、4人体制になった。
3部リーグでは、従来以上にGKのパフォーマンスが問われると思うから、レギュラー争いが、ますます熾烈なることを期待する。

今季のチームを見回してみると、1993年生れ前後のタレントたちが、もっと存在感を増してこそ、ヴェテランと(準)新卒組両方に、ある意味、喝! が入りそうな予感。
そんな視点でゲームを追ってみたい。

さてと、リーグ開幕まで、ほぼ一箇月。

ご贔屓のチームを昇格圏内にすえておいて、残りのチームを適当に並べるような、厚顔な順位予想。

いままで、こういうのとは一線を画するつもりで、それなりの基準を採用しながら毎年遊んできましたが、未知のリーグということもあって、今季は止めにします。

まぁ、クラブもファン&サポーターも、悲観的に、つまり、相当の覚悟を持って準備し、始まったら楽観的に打って出る、これでいきましょうや。

では。

爺いとスイカの頃 ?

同僚の、孤高の長距離ランナー、ルノワール氏の、

履き込んで絶妙にくすんだ、スニーカー(白) をロッカールームで見かけたので、それを絶賛したら、

― 虹とスニーカーの頃、ってやつです、とのご返事であった。

わがままは~、と煽ったところで、若き世代に通ずるはずもなく、

せいぜい、ジジイとスイカの頃?、くらいにしか聞こえないだろうね。

ルノ氏によれば、この曲が登場する以前は、ズックといっていたけれど、これを境に、スニーカーという言葉が一般化した。

それって、彼ひとりの都市伝説じゃあないの?、と思うんだけれど。

僕は、と言えば、チューリップあたりには、世代論的に、音楽的なルーツが知れている感があって、あまり身を入れて聴いたためしがない。

これは、サザンオールスターズにも言えて、こっちは、歌自体は別として、やっていることが、もっと陳腐に思えてしまう。

高校時代からの友人、K君の年賀状には、
― 昨年は登山ばかり、次々に出てくるビートルズのリマスターCDを聴きながら絵を描いてます、とあった。

悠々自適な生活なんだろうな、きっと。

いまだその境地に達しない萬年は、ビートルズをこんな風に仕上げているものに心惹かれます、最近は。

なお、フィービー スノーは、2009年に60歳で亡くなった。

では。

臨戦 2022 ❾ (要は ボールの運び方)

〈まづは 得点〉
たとえ、昨季失点が71、の無惨な地点から始めるにせよ、

底が抜けたバケツのようなズサンな守備を是正するにせよ、

今季の最大課題は、得点力の底上げ、これに尽きると思います。

いくら守備が良くたって、点を獲らなきゃあ勝てないわけで、過去の山雅、得点力が低いゆえの堅守構築だった、と思う。

たとえば、2部で優勝した2018シーズン。

総得点は、54 で、これは、リーグで、第10位だから、平凡。

でも、失点は 34 で、断トツのリーグ最少。

要は、そのバランスで、しぶとくトップ獲りが叶った。

それからの 3シーズン、得点力はたいして上向かないまま、他方、失点力!が倍加したのが、昨季の惨状。

比較的速い攻撃、身体的優位性をそのまま活かす戦法が、印象に残る 3部。

だとすれば、対人マークを厳しくやることと、ゴールキーパーの位置取りとセーヴィングの緻密さ、これは要諦でありましょう。

だから、守備は、とことんそこらに注力するとして、あとは、攻撃に傾注。

ボールを、徹底して手中にしながら前進するサッカー、それを狙う。

行って帰っての頻繁なサッカーに、いいように胸をあわせていてはいけません。

絶対優位で勝ち抜くには、ほとんど相手陣内でボール保持するサッカーでないと、複数ゴールは遠く、ゴールに近い位置でのプレイスキックや、コーナーキックの獲得チャンスも少ない。

(註 : 萬年の頭の中は、カウンター攻撃在りき、ではないから)

〈攻撃力強化の……与件は〉
❶オーソドックスな指揮
昨季、就任以来の通算戦績は、23戦して、3勝6分14敗。
敗戦のうち、無得点のゲームが11。

ただし、ラスト6戦は、得点できるようにはなった。

この戦績と実戦観察から、現監督が、とってつけたような戦術には走らず、けっこう王道的、正攻法的な戦略を採る御方、と診ている。

たしかに、その成果はゲームを追うごとに現われはしたが、タイムアウト、というのが先季。

勝ちを獲るため、なりふりかまわぬ奇策は弄さず、という信条。

ならば、いまは、チームをいじめ抜いてもらって、二次キャンプで戦法の詳細な落とし込み、という手腕を期待するのみ。

❷ドリブルを減らせ
ゲーム平均のドリブル数は、リーグ第6位で、けっこう多かった。
これには、ドリブルが得意なタレントが配された事情もあるだろう。

ただし、ピッチの縦(およそ100m)を3等分して、相手ゴール側の30mのエリアへの侵入回数をみると、山雅はゲーム平均、リーグ第18位でかんばしくない。

乱暴な観方をすれば、低い位置からドリブルを始めても、あるいはピッチ中盤でドリブルしたところで、脅威にはならない、ということ。

ドリブルを得意とするならば、その強みは、より高い位置、相手ゴールにより迫った位置から仕掛けてナンボ、と割り切る。

どうでもいい場所での、場所からのドリブルはもう止めて、ペナルティエリアに近い場所で、それを発動しよう。

❸そのためには、陣形を上げよ
あまりにシステムにこだわるのもなんだけれど、
初期布陣を、4 – 2 – 3 – 1とする。(守備時もほぼそうなる)

で、前へ向かう時は、3 – 3 – 3 – 1 くらいにしてしまう。

つまり、センターバック2人と、基底に落ちたボランチ1人で、最終ラインを構成。

サイドバック(守備の両端)の2人は、縦関係で上がっているもうひとりのボランチと並ぶような格好で、高くワイドに。

シャドウ(2列目)には、3人を配するようにして、攻撃参加の枚数を確保。

最後は、センターフォワードが1人、……、という態勢、ではどうか。

これだと、いままで3バックでやってきたことと親和性を保てる。

あえて個人名を挙げれば、佐藤 和弘と榎本 樹はシャドウ要員として攻撃力を活かす。

ボランチも含め、とにかく高い位置から勝負、これを観たいなぁ。

では。

尋常でないもの、それは恋 『Tennessee Whiskey』

恋愛感情が、およそ正常な心理でないことは明白なり、

これ、誰の言葉だったっけ?

昔は 酒場へ出かけていって
酒が 唯一の愛すべきものだった俺
ところが君がどん底から 俺を救い出した
はるか遠くへと 連れ戻してくれたんだ

君は テネシーウイスキーのように 芳醇で
ストロベリーワインのように 滑らかで
ブランディグラスのように 暖めてくれる

ハニー、いつも君の愛に浸っていたい俺なのさ……

歯の浮くような文句が歌詞となり、しかも、それを何回も聴いていられるんだから、やっぱり、恋なんてのは、どこか狂っている感情ですな。

クレイジーラブ、なんて言葉があるくらいですから。

カントリーミュージックの古典 (といっても1981年発表) だった曲。

それを、2015年、アルバム『Traveler』で、クリス ステイプルトン (1978~ )が、スローテンポなロックンロール調 (これをR&Bとも言う)のバラッドに仕立てて、カヴァーしてみせた。

今回は、そのステイプルトン版の、カヴァーを。

あえて言えば、ホンキ―トンクなジャズピアノが、最高!

では。