敗れても 魅せる (2020.7.11新潟戦レビュウ)

ちょうど2年前ぶりの対戦は、0 – 1 の敗戦。

実力が均衡しているためだろうが、引き締まったゲームになった。

前半、主導権を握りつつあった時間帯に1点を失う。すると主に心理の綾からか攻撃が退潮する。
後半、ふたたび持ち直して攻撃を繰り出すがチャンスを活かせず、アタイムアップ。― ざっとは、そんな流れ。

守備面で破綻したわけでもなく、ハイプレスとコンパクトな陣形は身につき、
かつ、ボールを能動的に横と縦に展開してゴールに迫る戦術カードも豊富になった。

実際、ゲームでは、ペナルティエリアに侵入する連携、ハッとさせるアイデアを随所におおく魅せてくれた。
(リーグにおいてペナルティエリア進入回数は、山雅はトップクラスのはず)

このスタイルをトコトン追究し磨いた先に、捲土雷鳥の光があることは、間違いない。

これから中3日の過密日程となるので、コンディショニングと、サッカースタイルに見合った、その時々の登録メンバーの顔ぶれが楽しみだ。

藤田、森下が特に安定した働きをしたと思うが、ふたりの高木(利弥、彰人)に期待が膨らむ。

(あとは、高橋 諒や外国人プレイヤーの動向が気になりますな)

ところで、DAZNの解説者、梅山 修氏の語り口にはひどく感心してしまった。

抑揚を抑えた穏やかな口調、口数が少なくも、適宜に納得性のある言葉。

ひょっとしたら、今ゲームの最大の収穫は、梅山氏を発見したことか。

この御方、昨年はアルティスタ浅間のヘッドコーチ、現在はクラブアドバイザーでいらっしゃるんですね。

では。

 

 

リーグ成立を 悲観的に考えておく。

第4節からはスタジアムに、生身の観客が戻ってきて(5,000人が上限)、世間の動きを見まわしながらゲームが消化される。

が、もっと先まで見通さないとならぬ。

規約によると、リーグが成立する、つまり最終順位が確定する要件は、
年間予定総試合数の 75%以上、かつ、すべてのクラブにつき年間予定総試合数の50%以上が開催されること。(第40条の2)

COVID-19ばかりに目が行きがちだが、豪雨や台風の自然災害、さらに冬にかけてのウイルス再活性など、まったく予断を許さない。

となると、42ゲームやって最後に笑え、なんて悠長な話はなしだ、今季は。

急に打ち切り、かも知れません。

リーグ戦の半分を過ぎるあたりで、そこそこ上位を固めていないとマズイ。

すると結局、10試合やって上々のスタート!、が求められる。

開幕早々から、ゲーム勝敗の一喜一憂が、例年よりかなり重くなるのは、けっこうシンドイ。

楽しむしかないが。

では。

 

 

 

 

 

雷鳥は 狡猾に飛べ (新潟戦プレビュウ)

〈フツーにやって大量得点/失点の気風 アルビレックス〉
前節、新潟はホームで、金沢と対戦。
開始4分で先制したものの、その後せわしないサッカーをやって、3 – 5 で敗戦した。

さぞやアクシデンタルな内容だったか?と思い、前半40ごろまで観返したが、そうでもない。
要は、互いに攻撃的にやってやらせて築いた失点の山、という感じ。

前半35分までに計6点は、山雅の周辺では皆無ではなくも、あまり経験しないスコア。

ツエ―ゲンが新潟をカモにしているのは、GK白井をはじめ守備陣が身体のはりかたで、新潟よりも格段に切迫しているから。
―これは次節へのヒント。

J2暮らしも3年目の新潟ではあるが、J1チームにありがちな、互いに相手に自由にやらせる、そんな体質がいまだ残っているようだ。
くわえてスペイン人監督とあれば、もっぱら攻撃にフォーカスするんかね。


〈巧妙に、胸をあわせろ〉

前節、4バックの甲府に対し、3 – 4 – 2 – 1の布陣を採用したところに、布サッカーの一端をみた。
その後のシステム変更と、交代枠5人の使い切り。
どうも新監督は、持てるカードを極力使う思想主のようだ。

先の見えない渋滞にハマったら、たとえ距離は伸びても回り道を試行錯誤するドライバーみたいに。

サイドをえぐって中へ速いクロスを入れてくる、または、中央に入れれば収めてくれる信念で早めにペナルティエリアへ抛り込んでくる、といったのが新潟スタイル。
―ここらに、新潟がJ1で培った育ちの良さと、実直さが在る。

プレイヤーの質では、双方はほぼ同格か、当方がわづかに優る。

となれば、底上げした個の技量と攻守の連携をベースに、実直に、剛毅と狡知とを加えて立ち向かうべし。

ポジション毎のミッションに大きな変化はないが、特に、新潟2列目アウトサイドハーフを自由にさせないこと。
それには、ボランチの位置取り、素早い寄せとチェック、これに注目です。

さらに登録メンバーに、次節水戸戦の起用法をうかがう愉しみも。

では。

 

 

10年を浪費するであろう民。

前を走る車の後部に、〈Baby in Car〉のマグネット。

よく見かけるやつね。

それを言いたければ、〈Baby On Board〉でないと、ネイティブスピーカーが読むと、頭の中が〈!?〉になる。

〈in〉だと、グローブボックスや、ドアトリムのポケットの中にベイビーが入ってます、という語感なのだ。

でも、読ませたい相手は皆日本人だし、かつ、英語で格好良くやりたいし、となれば、これで押し通してしまえ、で良い。

ところで、かつて、僕たちが最低6年(中高)もの時間を投じて習った英語。

ブロークンであっても英語で会話をやりきってしまえる者は、そうそうは見当たらない。

まさか、マグネットや看板を読むための努力だったとは。

しかも、本年度からはそこへ4年(小学校3年~)が加算される!

日本人は、よっぽど外国語学習得力に劣った頭脳の持ち主なのか?

否。

その理由は、110年前すでに、夏目 漱石が解き明かしている。

漱石によれば……、
自分たちの学生時代は、教壇に立っていたのは外国人教授ばかり。
したがって、全ての学科で英語を使って授業をおこなっていた。
しかし、今日(明治43年時点)では、日本人の教授が日本語で教えるから、学生の英語力が落ちるのは当たり前であるし、それが国家の近代化の道としてマットウなこと。
ナショナリズムを、たかが英語の知識と引き換えにしてはならない……。

ゆえに、これから幼児に英語を習得してもらいたいのであれば、答えは明々白。

すべての授業を英語でやってくれる学校に入れるか、あるいは、家庭における会話の一切を英語でやれば、オーライだ。

ただし、その場合、日本人固有の素養と民族意識が身に就くのかは、保証の限りではありません。

では。

〈コメント〉
☞つーさんより  (7/9 16:05)
今だに鎖国を続ける男。
思うに、日本人に生まれたから、日本語が話せるわけではない。日本語のある環境の中で育つから、自然と日本語を覚えるのだろう。
流暢に英語を使えるようになるには、やはり幼い頃から英語のある環境に居なくては無理なのだろう。
恥ずかしながら、英語が得意だと思っていた中学、高校時代の自分、後年ハワイに行った時、連れの背中にへばりついていた始末。
勿論、学校の授業で英語を習得した人も沢山いるだろうが、そうなるには、結局個人の能力と志しの問題だろう。
一方、日本人だから流暢に日本語が使えるのか、日本の本当の良さを知っているのか怪しいものだ。
コロナ期は抜きにして、これだけ外人観光客が来る時代、日本人より本当の日本の良さを知り、日本語を丁寧に使いこなす外人さんも結構居るに違いない。
では、また。

☞萬年より  (7/9/17:24)
単に日本に生まれただけでは、〈日本人〉ではない。
ただし単一民族の国家に限りなく近いので、日本人に成りやすい環境。
米国の場合これが困難なので、国旗や国歌、ゴッドブレスアメリカを頻繁に引っ張り出す。今は、鎖国と孤立に向かっているようにみえます。孤立する自信があるんでしょうか。

他人の進路は 勝手に占う。

―大然、戻ってきますかねぇ?
―そうねぇ、J1のチームから誘われなければね……。

前田 大然のCSマリティモ(ポルトガル1部)退団が決定的、と現地メディアが伝えたのが、先月25日。

2019/20シーズンここまで、24ゲームに出場して、4得点。
その前田をゲーム登録から外すとは、ただ事でない。
怪我や体調不良の情報はなし、さては契約更新(7/1~の)について前田がどうも渋っているようだとなって、退団のニュースが流れたらしい。

もしも、マリティモとのレンタル移籍契約が満了になれば、保有権を持つ山雅へ、いったんは帰属する手続き。

で、その先、他の欧州チームから声がかかるか、Jトップリーグのチームが誘うのか、あるいは山雅に戻って共にJ1を目指すのか?

その決め手は、前田の個人的目標が、日本代表(五輪世代)入りであること。

これを射程に入れるには、さて、どこでプレイするのが有利か?、これだろう。

COVID-19による経営困難の中、Jのチームがどんだけ移籍金を投ずることができるのか、山雅として違約金(=移籍金)をどれくらいに設定するのか、といった切実な話はさておき、見逃せないトピック。

では。

〈コメント〉
☞つーさん より (7/8 6:37)
朝と夜の間は妄想の時間。
地震の揺れで目が覚めた。大粒の雨が屋根を叩いている。
今私達は、自然の猛威とウィルスの脅威に晒されている。これまで築いてきた災害に対する、ウィルスに対する対策が何と浅薄なものか痛感させられる。
数ヶ月前の穏やかな日々が一気に崩れ去った様な気さえする。
こんな時代、文化、芸術、スポーツから遠退いて生きるのは、仕方のないことだろう。
ましてや、被災者にとってはそんなもの、何の役にもたたないと言うのが正直なところだろう。
涼風吹く真っ青な空の下、数万の観客が寄り集い開かれるオリンピックの開会式、数日間、私達はそのスポーツの祭典に酔いしれる。そんな日が来る事を切に願うが今や風前の灯か。
今、緊急放送で明科の方は避難するよう呼び掛けている。
さて、そろそろ目を覚まして現実と向き合いますか。
では、また。