〈シャボン玉〉
シャボン玉の中へは
庭は這入れません
まはりをくるくる廻ってゐます
(ジャン コクトー作、堀口 大学 訳1925年)
〈紙風船〉
落ちてきたら
今度は
もっと高く
もっともっと高く
何度でも打ち上げよう
美しい
願いごとのように (黒田 三郎 作 1964年)
六月の空に、そんな気分を懐かしんでいる。
では。
〈シャボン玉〉
シャボン玉の中へは
庭は這入れません
まはりをくるくる廻ってゐます
(ジャン コクトー作、堀口 大学 訳1925年)
〈紙風船〉
落ちてきたら
今度は
もっと高く
もっともっと高く
何度でも打ち上げよう
美しい
願いごとのように (黒田 三郎 作 1964年)
六月の空に、そんな気分を懐かしんでいる。
では。
多くの眼と心が、何度も公式ページにアプローチしていたに違いない。
リーグ参入10年目の夏至の日、監督の交代がおこなわれた、と後世に語り継がれるんだろうな。
こうも長い一日をプレゼントしてくれるとは、山雅、なかなか味なことをする。
まづは、柴田 峡氏と西ヶ谷 隆之のおふたりに、心から感謝をしなくてはならぬ。
急遽、困難な状況の中、砕身奮闘いただいたのだから。
数年前、山雅の事務所の前を車で通りかかった折、植え込みに水を撒きながら携帯で話している姿をお見かけしたが、柴田氏の人柄がなんとなく察せられたような気がした。
夜のかりがね、後ろ手を組んで U-18 諸君の練習をみていた西ヶ谷氏の影。
いま彼らが北信越プリンスリーグを闘うについて、多大の貢献をいただいた。
多分に感傷的かも知れないが、今後も山雅に力をお貸し願えれば、と思う。
さて、新任の名波 浩氏について。
青森に住む義理の息子は、自分は名波の熱烈ファンでした、と興奮を隠し切れないらしい。
誰が指揮を執ろうと、誰がプレイしようと、山雅を応援するに変わりない僕だが、全国数百万人のサッカーファンにとって、かなり話題性のある監督就任となれば、これはもう、悪い気はしない。
とにかく思う存分やってもらう、ってことだが、アルウィンに向かう人々に勢いがつくようになれば、嬉しいこと。
ところで、2季連続、シーズン途中での指揮官交代の事態に、上層部の責任云々という声も、出てくるに違いない。
が、おそらくこれ、〈経営〉と〈執行〉をキチンと分けて考えれば、あまり意味ある議論にはなり得ない。
だいたいが、今回を含めいままで、かなりのビッグネームを(口説いて)チームへ招いて来た事実だけをとってみても、クラブを託するに十分な手腕だと思いますね。
……と、梅雨の晴れ間の、刈り込まれた麦畑を眺めながら、
なぜか、旧約聖書の詩篇(第2篇) が思い出された一日ではありました。
―なにゆえ、もろもろの国びとは騒ぎたち、もろもろの民はむなしい事をたくらむのか。
では。
そろそろ起きてレビュウ書かなきゃ、とうつらうつらしていたら、家人から早朝のメール。
(おそらく京子さん情報だろう)信濃毎日第一面で、監督解任と新監督を某氏に打診へと動く、だって?
東スポでもなければ、かつ、フロントページ。
まんざらのガセネタでもないだろうな、と思いながら居る。
【まづ補足】
米原 秀亮が、かなりよいパフォーマンスであったことを書き落とした。
ただ、シャンとしない大宮サッカーが相手だったゆえなのか?、これも、次節以降での検証が必要なのであります。
大宮ついでに言うと、攻撃活性化を図りたければ、元大宮の大前 元紀を誘うくらいでないと(かつても指摘したとおり)。
時間を創れる、これがポイント。
だから、田中パウロを推すんです。
松本の街、それとツルヤを愛してくれたセルジ―ニョ(家族)に、家人はいたってラブコールなんだが。
【あれこれ、とは】
僕らはここ10年でいろいろ学んで成長もした。
けれど、松本山雅周辺の、美徳と特長は、変わらぬ素人っぽさに存す。
たとえば、先達クラブのファンサポーターにみられるような、応援とはこうあるべき、といった論調にほとんど同調しない姿勢。
クラブで言うと、身の程も顧みず、松田 直樹とか、元五輪代表監督を誘う視点がそれ。
オフサイドなんて知らなかった老若男女が垣根なく愛し、楽しめるのが山雅の根源的価値なんだから、フツーの市民を意識すべきだろう。
天井桟敷の者に照準を合わす必要が、どこにあるか。
と同時に、チマチマと財政破綻なくコントロールしようとする経営もまた、身の丈をめざす、それで良い。
親会社(あるいは責任企業)を持たないクラブが、分別を忘れて下手を打てば、その後は悲惨、挽回も大変。(大分、鳥栖を見よ)
それに比すれば、リーグの昇降格など、試練としてはまだまだ序の口だろう。
フロントといった訳不明の言葉で、経営などを糾弾する者。
これは、能力の無いために経営にたずさわれないような者で、じきに消えゆく水面のアブク、と考えていい。
思うに、当クラブのファンサポーターでなくて、山雅をツマミにしてなんか言いたいだけの暇人。(少々うるさいのが、傷に玉だが)
絶対に誤謬をおかさない組織はあり得ず、その都度修正をかけて生き延びるのだ。
よっぽどの存続危機の局面でも来ない限り、クラブの選択は支持する。
クラブ経営者の専権事項は、尊重されるべきだろう。
ただ、監督にかかわる件のポイントを、三つ指摘しておく。
❶もともと柴田 峡氏は緊急避難的に選任された。
昨季、後半を上手く立て直しばかりに今季を託された事情を斟酌すべき。
❷その裏には、人件費コントロールといった緊縮財政の要求もかなりあったはずで、今回、新監督招聘に費用がかさめば、今夏レンタル移籍で放出増とするくらいの、冷徹なソロバンがはじかれているだろう。
❸上に書いたような、山雅を取り巻く〈世間〉を意識した戦略。
プロサッカーは究極、客商売であって、観る側はプレイヤーの死闘を観ながらビールを流し込んでいる世界を忘れちゃあいけない。
で、どうも家人は候補者が意に染まないようだから,
― そのスタイル(流儀と容貌)はともかく、少なくとも男気は感じるけれどね。
……と、メールを返しておいた。
では。
ひと言で、互いに下位に低迷するチームにふさわしい対戦ではありました。
ゲームを観ていて、へぇ~っ、このふたつ、今の順位に沈んでいるとはとても思えないなぁ、という感想は、決して出てこないはず。
(思い入れがなかったら)やはりこの順位にいるのが納得できるような、特に、攻撃面の拙劣さなんだなぁ。
0 – 0 は、堅くせめぎ合ったというより、それぞれ決定的な仕事ができなかったことの結果。
たしかに、スリーバック(大野、星、常田)は落ち着いて安定していた。
特に後半はサイドを割ることも出来た。
が、町田や長崎に比べて数段は落ちる大宮前線の迫力や守備のモタツキからすれば、その出来を、いくぶんかは差っ引く必要がある。
当方とこの程度のゲームをやっているようでは、悪いが、アルディージャは監督交代が効いているとは言い難い(失礼)。
もちろん、思い入れありの僕からすれば、それでも、その中に価値と苦言を見い出して、次に進むんであります。
❶星キョ―ワァンは、センターバックの真ん中にあって良くやっていた。
敢闘賞にふさわしい、と思う。
危機的場面でのタックル、ボール処理に無難な出来。
あとは、前線へのフィードの精度と、フェイク多用による攻撃的なパスの使用。
村山には後ろからずいぶんとハッパをかけられていたが、センターバックは今回の若手3人セットで、ひとまずは先発を確保か。
相手スローインからそのままシュートを打たれる、という緩慢もなかった。
❷鈴木と河合が、低い位置でボール捌きと回収に追われる構図は相変わらず。
あそこで心身の集中力とダッシュ力を費消してしまえば、ラストの部分でパワー不足となって、シュートが雑になってしまう。
たしかに、彼らドリブルが売りなんだが、仕掛ける起点が後方過ぎる。
ふたつのタレントを先発で使うとすれば、
守備ラインがボールを高く持ち上がること、ボランチがもっと縦に連動してラインを押し上げてくること、そして、サイドでもっと時間を稼ぐこと。
要は、もっとコンパクトで圧縮した陣容が急務。
これは、戸島 章が重宝するためにも必要で、
せっかく彼が競り勝って落としたボールをこちらに回収できておらず、周りを衛星的に動くプレイヤーが、良い距離をなかなか採れない。
❸前からの追い込みについては、陣形が破綻しないように気をつかいながら出来てはいたが、これも苦し紛れの大宮がミスしたことによって多く助けられていたのであって、アンカーの三門 知大をもっと孤立させ、苦しめたかった。
アンカー脇を衝きたければ、それなりに狡猾に徹底しないと。
次の琉球では、それができるかが、ゲームの成否のかかるところでしょうね。
❹なんだかんだとサイドのえぐりを言うのは、最終的には、中央で勝負をかけたいから。
それが、カットインにあっても、クロス投入からであっても。
村越 凱光のプレイはハッとさせて魅力的。外山 凌も進化し続ける。
だからこそ、昨日は、終盤サイド圧を強めたければ、田中パウロこそは切るべきカード。
浜崎と小手川を入れるなら、両サイドにはふたりが縦に出るようにして侵攻する策を徹底し(この場合前 貴之がアンカー)、最後は中に持って来て、完結!、としたいですね。
前半、米原 秀亮が中央で受けて、シュートをフカしてしまったシーンや、後半、鈴木に横にパスが回ってシュートを打てたシーン。
ああいう形こそが、狙うべき攻撃でしょう。
ということで、次節の琉球戦で、昨夜なみの守備、さらに得点が生まれてこそ、大宮戦に価値が生じる、といった、妙な結論の今回です。
(註:ゲーム評価に、北ゴール裏同志チノ氏の見解を多く含むことをお断りします)
では。
目が醒めたのは、ファン&サポーター、なんでありまして。
下位にもがくチームを前にして、
27人がチームを去り、24人が新加入するという、徹底したスクラップ&ビルドが、チームにとって決死の船出であったこと。
要は、スローガン〈新〉の重さに、今更ながら気づいているわけ。
クラブの危機感に、ファンサポーターのそれがようやく追いついた、と。
―長い目でみることにするよ、とは、山雅課長のお言葉。
たしかに。
将来からこちらを見通す姿勢を持ちながら、まだまだ続くであろう苦闘とつきあう、ってことです。
ただ、ひとつ忘れちゃあいけないのは、あの2018シーズンに、年間総得点が60を切っていた(54点)、という事実。
ここのところ、3失点の繰り返しに目が眩んでしまっているけれど、
トップリーグに在った2019年の21点は格別にしても、数年来の、得点力減衰傾向に歯止めをかけることこそが、焦眉の急だと思います。
点獲らなきゃ、勝ちを手にできない。
降格の恐怖に浮き足だって、〈山雅らしさ〉とばかり、手短に守備に固執することには、あまり賛成できませんね。
もちろん、そうでないとは思いますけれど。
〈で、アルディージャ〉
苦悩する同士の対戦、となる今節。
町田や長崎にあって、大宮にはないもの。
それは、強力なフォワード陣だろう。
……、なんて思っていたら、前節対栃木戦では、4 – 3 – 3 の初期陣形を採用。
しかも、センターフォワードは、なんとあの! イバが担っているではないか。
長躯屈強にばかり目がいくが、ボールが納まり他を使える、ファンタジスタ#10を背負って十分なタレントが、再びアルウィンにご登場とは。
監督交代早々のゲームで、スリートップを採用かぁ。
4 – 3 – 3 が、ゲームの中では、2 – 1 – 4 – 3 くらいの前がかりの様相で、強圧な攻撃に打って出てくるんだろうなぁ、と怖ろしい。
〈結局は、中盤〉
大宮がワンアンカーとすれば、中盤で優位に立つことがますます重要になってくる。
ボランチ(インサイドハーフ)が、質量ともに、どれだけ〈水を運ぶ〉仕事ができるか。(その意味で、安東の負傷離脱は、かなり厳しい)
そこで、まずは時間を創り、前を向く。
要は、2列目の鈴木や河合が、中播でのボール捌きに追われるような状況を改善して、彼らやフォワードには、もっと高い位置で仕事をしてもらおう。
サイドに振ってから中央に入ってきてズドーン、ってシーンを観なくなって久しいけれど、それには、まずはサイドを奥深くへ侵入することから。
そんなところに注目しています。
ゲーム前の散水は必要なさそう。
でも、ゲーム開始時には、雨よ、上がれ。
では。