専門家 出てこい。

センモン、というのはね、もっぱらある事柄だけを研究すること。

だからネ、〈専〉には、その右肩に、〈、〉はつかないし、門構えの中には〈口〉もない。
要は、余計なことはしないから、〈専門〉って覚えるといいよ。

ご幼少の頃、教師にこんなふうに教えてもらったのを思い出す。

あれだけ猛威で大騒ぎした、COVID-19の、いわゆる第5波。

それが、急にストンと落ち込んで静まり返ったことを、誰あれも、腑に落ちるような説明をしてくれないまま過ぎていて、もう、解き明かしも期待しなくなった。

でも、専門家、という肩書でメディアにしょっちゅう顔を出していたんだから、説明が不能ならば、出て来て、残念ですが説明できません、というのが仁義だと思うんですがね。

都合が悪くなると黙り込む、ってのは潔さに欠ける。

しかし、考えてみれば、すべてに答えが在るはず、というのも、なんとなくの科学偏重に囚われた思い込みか。

では。

見習うべき 危機意識。

〈勝って兜の緒を締めよ〉とは、連合艦隊解散ノ辞、末尾の一文。

1905年10月21日、司令長官東郷 平八郎が、幹部将校を旗艦に集め、読み上げた訓辞。
参謀長 秋山 真之の起草による。

― (バルチック艦隊を壊滅に追い込んだ)今回の日本海海戦の戦果を活かすためには、平時戦時を問わずその武力を保ち、いざという時に対応できる覚悟を持つべし……云々―

ある記事を読んで、この訓辞が思いだされたのである。

……先の衆議院選で、議席数を減らした野党第1党は、代表がその責任をとって辞任することに。

かたや、単独過半数を得て、政局のやりくりを絶対有利とした与党自民党。

その自民党が、他党のトップ交代に危機感を持っている、との報道だ。

党幹部、有力者という表現で、発言者の名を秘しているが、たいていこういうのは、選挙の結果に安堵している党内の緩い雰囲気を引き締めるために、懇意の記者に書かせているのだ。

が、代表選を経てもしも、新風を感じさせる、訴求力に富んだリーダーが現れ、ジリ貧の野党第1党が息を吹き返せば、それはそれで、これと応戦するのは、与党にとってはやっかいなんだろう。

特に、来年7月の参議院選挙(半数改選)を控えているから、安定した政権運営のためにも。

ということは、自民党にとっては、今回辞任を決めた代表でずっとやってもらうほうが対戦しやすいということか。

たしかに、政策の8、9割は同じことを主張していながら、異なる部分を針小棒大に、それも、単に反対するだけの、陳腐なコメントしかできないリーダーに率いてもらっているほうが、これを御しやすいかもな。

自民党の強さは、こういうところに在る。

要は、優位に立っていても、常に危機感を持ち、より磐石な態勢をめざす姿勢に。

それは、おそらくこの党が、過大なアドヴァンテージを与えたら調子づくから、そこそこの過半数でやってもらおうではないか、というおおかたの民意を察知できる嗅覚を持っているからに違いない。

……ところで、冒頭の訓示に戻るんですが、日露戦争の勝利から、ちょうど40年後、この国は、存亡の危機にまで追い込まれた敗戦を喫する。

成功、に思えたことが、いつのまにか危機に迷い込む端緒になってしまったのだ。

国として、どこか途中で引き返すなり、違う世界を生きることができなかったのかどうか?

この問いに対し、敗戦後4分の3世紀経っても、日本人はいまだ、これだ!、という解答を手にしていない。

では。

熱いココロ,醒めたアタマ (新潟戦それから)

― 降格を、まるで瀕死のことのようにガタガタ言っているのは、山雅のことだと見境がつかなくなるような、ほんの一握りなんじゃあないの?

……、とは娘の言葉。

ポール サイモンじゃあないけれど、惚れ込んでしまうと、クレイジーにもなるだろう。(Still Crazy After All These Years)

2年前にはJ1に居た山雅が、まさかこの位置で苦しんでいるとは!、といった論調もあって、それはそれで、ありがたいお言葉。

けれど、ここ数年で J1に2度上がった、とは言うものの、1シーズン限りで即降格。
とてもとても、トップリーグのチームとしての風貌を得たわけでもない。

だから、2部にあっては、そこそこの上位に居ていいチームが期待はずれの降格圏に、が正確なところ。

いや、2部に居たって、毎年、毎ゲーム、アップアップでやって来たのだ。

この大変な時だからこそ、俺が行って応援しなくちゃあ、とアルウィンに足を向けるお方が、いまだに 7,000人超。
某公共放送でオンエアされたにもかかわらず、だ。

こういう方々は、山雅がどのリーグに参戦していてもやはり、現場で後押ししてくれることだろう。(もちろん、この規模がそのまま続くとは誓えませんが)

なぜなら、大方のファン&サポーターは、時々における山雅の不足と苦悩の中身を理解していて、それを克服した光景を見届けたい、と願っているからだ。

さて、新潟戦の引き分けによって、落ちる確率は、95%くらいには高まった。

でも残りゲームがあって、そこに数%でも可能性が在るならば、ココロ熱く共闘するのは当たり前。

でも、他方、アタマのどこかで醒めていて、チームの現状や行く末を見つめることも、必要。

何故かというと、参戦リーグが下ればクラブ存亡の危機、なんていう単純な考え方の裏返しとしての、J3 であれば無双できるだろう、という見込みもまた、妄想だから。

まして、J3を、〈底〉と言っているようでは、しっぺ返しを喰らいますよ。

現況の戦いぶりだと、J3リーグだって簡単には乗り切れないだろう。

だからこそ、残り4ゲームは、シーズンの区切りや総括として、チームの集大成をこそ、目指すべきでありましょう。

それが、来季どうなろうとも、プラス要素になって戻ってくる。

J3になったら、すべてご破算にできると思うのが見当違いであって、しかも、クラブにかかわる全員がお手上げのバンザイをしないかぎりは、山雅は続いていくのだから、次なる手も着々と備えないと。

精神論を全否定はしませんが、オール オア ナッシングの考えは、クラブの生存と存続を危うくする。

ですから、新潟戦。
ゴールキック19本と何本かのフリーキックにおいて、割り切りの徹底をみせたことを評価するとともに、ゲーム後、左足をきっちりとアイシングしていた榎本 樹の予後を、ずいぶんと心配しているのです。

これだけ頭角を現せば、どこかからお声がかかりはしまいか?、というジレンマを感じつつ……。

では。

現状、最適解のゲーム (2021.11.7 新潟戦レビュウ)

1 – 1 のドロー。

8,000人近いホームの後押しの中、先制したものの、セットプレイから失点。

それでも、なんとか同点で凌ぎ切った、というのが、山雅の力量マックス、と思っている。

ゆえに、引き分けは残念だが、かといって、勝敗のことでチームを責める気にもなれません。

もし、勝てなった不足を云々するならば、
別にこのゲームに限ったことでもなくて、ひょっとしたら、シーズン前キャンプにおける身体作りのあたりから、その根っこをひきずっている感がありますね。

これだけ、相手の速い攻撃に追いつけないわ、たやすく入れ替られるわ、といった、スプリントやトップスピードの欠如をみせつけられると。

もし、足の速さが無いならば、他の方法で攻撃を潰す技量を身につけないとなりなせんが、それをすぐに期待できそうにもない。

僕の胸算用では、今節、および次節甲府戦は、引き分けがせいぜいで、ひょっとして勝てれば、というところ。

なので、そこそこよくやったゲーム、という評価。

〈希望どおりの采配〉
プレビュウで注文したとおりでした。

町田戦ラストのほうのメンツを、ほぼそのまま先発に持ってきた指揮官には大いに賛同です。

まぁ、そうなるよね、ということ。

直近の実績からすれば、榎本 樹を先発させなきゃあ背信でありましょうし、セルジ―ニョを欠けば、ボールは効果的に動かないでしょう。

佐藤 和弘による先制点(4分)も、榎本がその前、3回ぐらい連続してボールに絡んでいて、ある意味、彼がアシストしたようなもの。

ムダにサイドに流れてしまわずに、中央に入ってきて存在感を魅せるフォワード。
こういう仕事は、久しぶりの光景です。  (北ゴール裏同志チノ氏の評)

榎本を入れることで、ゴールキーパーからのフィード方法がおのずから決まり、敵陣で、ボールが手に入るようになった。

そして、3 – 3 – 2 – 2 として、佐藤をワンボランチに置いたのが、けっこう効いた。

これで、ツートップと、その下に、3人が自由に動くという構図ができて、前半からゴールの匂い漂う、迷いなきサッカーが遂行できました。

ただし、セルジ―ニョに替えるならば、小手川 宏基でよかったようには思う。

で、お決まりの失点シーンですか?
後半はじまって早々の、セットプレイからの。

あれ、わざと壁に間隔をつくって、そこにシュートコースを誘っているんだから、律儀に皆がジャンプしなくとも、とは思うけれど、
そもそも、まさにあの位置でプレイスキックを、2度も与えてしまうのはいただけません。

ここでは、ファールを誘う切り返しや、テンポ良いボール回しに長けていたと、アルビレックスを称賛しておきましょう。

チームとして求められるパススピードや、自分に向かってくるボールの速度への対応もあるんでしょうが、プレイヤーの身のこなしは、チーム内で伝染するんだなぁ、と新潟というチームをみていて、感心していました。

さて、依然解決されない課題は、相手に主導権が渡った時間帯、その腰を折ったり、どこかでハッとするプレイをかまして、こっちへ流れを引き寄せる工夫のなさ。

チームメイトに活を入れるプレイ、と言ったらいいのか。

でも、今回は複数失点を回避できたんで、うまく凌いだほうかしらん?

最適解とは、しだがって、ほぼほぼ今の精一杯、ということ。

〈無責任を いまだ引き摺る〉
それと、これにはチノ氏も激怒していたが、終盤、攻撃圧(パワープレイ)を継続中に、敵陣内で獲たスローインに対し、誰も貰いにいく、あるいは積極的に相手を振り回すような動きをしないシーンが在った。

こういう無責任はまだまだ散見されて、そのため、プレイ中にフッと〈虚〉が生まれる。

そこを衝かれてパスを1本通されて命取り、はもう勘弁です。

チームのため、もっと自分を使うプレイヤー、そういう者だけでゲームをやってもらいたい。

最後。

レフェリーの笛について。

彼なりの判断基準があって、しかも、それにはかなりプライド有り、とお見受けしたが、ファールのジャッジが、痛み方、転倒の仕方に大きく左右されているような印象であった。

したがって、吹かれる笛が、すでに次のプレイに移っている後からになって、おそろしく遅い。

ファール有無の査定は、あくまで発生の機序に即するべきだと思うんですがね……。

では。

シーラカンスに生きがいを (5年後の星)

孤独な長距離ランナー、ルノワール氏。

彼はみづからを、服飾観における、ほとんど絶滅のシーラカンス、と自認していらっしゃる。

そういう氏であるけれども、なにやら新しい希望を見い出したらしく、最近、教えていただいた。

それが、不破 聖衣来 (ふわ せいら)。

2003年生れの、現在 18歳で、拓殖大学1年に在籍。

中学時代から注目されていたらしいけれど、
10月31日の、全日本大学女子駅伝では、最長〈華の5区〉9.2km を走って、前走する6人を抜き去る快走をみせた。

この距離を、28分00秒で走ったので、1kmを平均で 3分04秒で刻んでいて、これがまた素晴らしい、らしいのだ。

早速、レースの様子をユーチューブ上で観たのだが、体軸がぶれない、実にスムーズな走法が美しい。

他のランナーだって大学年代では日本有数の実力者のはずが、不破ひとり、次元が違う印象を受ける。

ルノワール氏は、5年たてば、日本のエースとして記録を塗り替えるであろう、とのご託宣なんである。

こういうのを、太鼓判というんだろう。

とにかく、故障をしないように精進を続け、輝く星に成長してもらいたいと望むばかり。

でも、5年後、その雄姿を生きてみられるか、それが心配ですけどね、僕の場合は。

では。

【コメント】
☞ルノワール氏より (2021.11.7 11:43)
トラック競技1500㍍の
田中希美選挙には
トラックでメダル獲得の力がある
不破さんはトラックよりもマラソンで日本記録を更新して貰いたい
廣中選手(郵政)と切磋琢磨して
野口みづき選手の日本記録
2時間19分を更新する日が来ると思います。
話はズレるけど11月28日
はクイーンズ駅伝
日本郵政の連覇が、大いに期待されます!