生みの親は サンガ (2021.9.07 京都戦レビュウ)

2度先行しながらも、2度追いつかれて、2 – 2 のドロー。

娘によれば、得点経過をみる限りは、上々の出来、との評価。

とにかく、昨夜のアルウィンは得点に飢えていたんだから、公式戦280分ぶりのゴールに沸いた、沸いた。

チーム全体には、前へ前へと進む姿勢が満ちていて、
ボールにせよ、ゴールにせよ、取られても取り返す意思と行動を続けたこと、これが、観ていて何よりも大きな喜びでありました。

イエローカードが全部で5枚と多く、ジャッジの基準が少々不透明な感はあったが、それだけ両方が、切羽詰まった戦いをしていた、ということでしょうか。

最下位近くに沈んでチームと各プレイヤーがトコトン追い詰められた、という事情もあったでしょうが、
山雅をこれだけシャキっとさせた最大の要因は、サンガのサッカーそのものに在った、と考えます。

キックオフの笛があって、キックオフのボールが常田に下げられた、あのシーン。

京都FW宮吉は、猛然と襲いかかって、ブロックしたボールはゴールラインを割る。

以降、京都のプレイヤーが同じ必死と強さで球際を制しようとやってくれば、そりゃあ、こちらとしても、チンタラとボールを動かす余裕などなくて、

ボールを握ったら、とにかく時間と手数をかけずにスペースを見い出してゴールに迫る、それが活路だった、と言える。

要は、ためらいもなくサッカーをせざるを得なかった。

つまり、強いられた結果として、それを90分間続けた。

― というのが真相だったにせよ、できたことに変わりはないんだから、みづからつかみ取った結果であり、今後の浮上への布石、と思えば良い。

そこに予期せぬ成功があったならば、今度は、その成功を再現することに集中しようではありませんか。

〈守備面〉
そのサッカーが磨かれている分、京都の強みは、ある程度明確。

ピーター ウタカにボールが収まる前後、加えて、ヨルデ バイスからの切り裂くような必殺パスおよびサイドチェンジ用の飛び道具、これらにはまぁまぁ破綻なく手当てできていた。

とすれば、後は、サイドをえぐられることへの対策、これの徹底でしょう。

昨夜の2失点ともが、ほとんどフリーで上げられたクロスが起点になっているわけで、センターバックとサイドバック間のマークの受け渡し、それと、カットインしてくる3番手を抑圧するボランチあたりへの割り当て、これをもっと明確にしておくこと。

〈攻撃面〉
磐田戦に比べれば、#10セルジ―ニョは、ずいぶん高い位置でプレイできるようになった。
彼にボールが入れば、なにか創造的シーンが生まれることは間違いなく、できるだけ前線でそのシーンを作ってもらいたい、昨夜のように。

あとは、そのセルジ―ニョともうひとりの#10候補 山口 一真が共存する時間の最大化が、ひとつ。

つぎに、現状〈アディショナルタイムの男〉に甘んじている、田中パウロ活用の極大化、でありましょうか、萬年的には。

最後に、くれぐれも安東 輝の怪我が軽くありますように、と祈りつつ。

では。