ここだけの話 その❷。

雨交じりの風にあらがって、燕が二羽、相次いで、むこうの原めがけて飛んでいった夕暮れに。

京子さんから、相方に入ったメールのことを、思い出していた。

― 友人が、山雅の勝利を祈願しようと、某神社に参ったところ、

そこで、装具をつけた山雅の選手 誰々(名は秘す)が、ご夫婦で参拝している姿をみかけた、という。

なんとも言えない光景だったに違いない。

そういった信仰心のかけらを持ち合わせていない僕でさえ、一刻も早い彼の快復を祈る。

ジョージ ウインストンなら、今聴きたいのは、『Colors/Dance』

出逢ってから、もう40年近くにもなる曲……。

1980年発表の、ソロアルバム『Autumn』の冒頭に収まっている。

では。

ここだけの話 その❶。

数日前のこと。

この度、宣言下に置かれた某県に住んでいるお方と、ご挨拶がわりにメールをやりとりする機会がありまして。

この方の職場で、COVID-19陽性者が出た、という話。

保健所の担当者は現場におもむくことはなく、電話の聴き取りで、濃厚接触者なし、との結論を出したらしい。

要は、単独発生の判断だろう、それ以上、クラスター有無の追及もなかった。

けれど、事業所閉鎖も有りの、危機感を持ったその会社。

設置しているカメラの映像をチェックして、陽性者が軽微に接触した社員を特定。

抗原検査をおこなった結果、陽性者が何人か出てしまいました、とのこと。

そりゃ、そうでしょう。

これだけ感染報告に追われていれば、対応する人数を倍々にしているわけでもないだろうから、保健所だって、いちいち念入りに事案を取り扱ってもいられまい。

責める気持ちはまったくないけれど、
いまや、濃厚接触者なし、というのはあてにならない文言、と思わないと、という教訓。

そこで、ふと思ったんです。

政府による宣言下での対策と措置がなまぬるいと批判するのはいいけれど、

では、これから7日間、対象地域では、行政、医療、介護の一部、救急、公衆衛生(ごみ処理)、金融機関以外は、すべて休業、休校。
交通機関も、災害時のように運休、または、ダイヤを大幅縮小。

ただし、スーパーマーケット(食料/日用品)の類は、ひとつの家族で2回まで利用可、と住民にお願いしたら、皆、応ずるんでしょうかね?

なんだかんだ言って、以前と変わりなく職場に通っている者、通学者がほとんどなんでしょう?

テレワークとかいう言葉は、よく聞くけれど。

たとえば、休業による自宅待機は、有給休暇の使用でまかなう、有休のない方にはそれに準ずる特別休暇を与え、事業主にはその分を補填する。

これだと、個人事業者は切ないけれど、ゴーツーなんとかに税金をつぎ込むよりは、よっぽどマシなんでは?

その期間、TV局はニュース天気予報以外は、すべて特別番組で編成。

懐かしの邦画洋画、スポーツドキュメンタリーを、アーカイブから引っ張り出して来て、24時間延々と流しまくる。

これぞ、プレミアムな、秋のヴァケーションではありませんか。

では。

To be, or not to be? (2021.8.22 愛媛戦レビュウ 本論)

〈盛り沢山の 夏の終わり〉
攻めに攻めたが、たった一発のカウンターを被弾。

結果、0 – 1 の敗戦に沈めば、そりゃあ、面白くないに決まってる。

ビハインドでは、シュートも、焦れて粗くなりますしね。

けれど、ゲーム終了後、スタジアムにたたずむ僕らのココロは、負けても、不思議な期待感に満ちていたのも、事実。

お帰り! セルジ―ニョ、またやって来たフォーエヴァー #3の季節、延期された恒例の花火。

……、いろいろ詰まったゲームであったことだけでは説明できない、明るい兆しが、そこにあった。


〈何によって憶えられるチーム となるか?〉

― この一箇月、いろいろ動きがありましたね。

久しぶりにお会いした、北ゴール裏の同志チノ氏の第一声が、これだった。

確かに、いまだ夏の夢の中にいるような感覚……。

でも、新監督体制になって、最初の60日が経過、ひと月ぶりにアルウィンに帰還したチームは、まぎれもない変貌を魅せつけた。

ゲームをとおして、あの愛媛は、ひたすら守り抜いて必殺のカウンター狙い、を選択する。

対戦相手をそう仕向けたことこそが、新しい山雅の目標品質が彫り出された証拠だった、と言えましょう。

おそらくは、前節の秋田戦を検証した上で臨戦した愛媛であったはず。

とすれば、対山雅の戦術論は、当方の変容と並行する格好で、すでに出来上がりつつあるんだろう、きっと。

❶安定をみせるセンターバック陣。
上背を利してのヘディングシュートに加え、ボールを持っての駆け上がりの回数が増えている。
常田 克人の場合は、サイドバックを追い越すプレイをみせていて、今後、左からの攻撃を厚くするだろう。
宮部 大己、星 キョ―ワァンも、それに続け。
今節、愛媛があまり強く競らなかったせいもあるが、ボールを無駄にクリアすることが減り、次に繋げる場面が増えた。
こういうプレイと意思は、セカンドボールの回収に大きく貢献している。

❷攻撃的な中盤の形成
特に、小手川 宏基を2列目において、ある程度自由にポジションを採らせる策が効いているが、
ここ2戦、平川 怜がボール捌きと散らしの巧さで頭角を現しているのは好材料。定位置を手中にしたかも。
ゲーム前半、阪野に出した鋭いスルーパス、あれが決まるようになれば。

そこに佐藤 和弘を加えたトライアングルは、攻撃組立ての、決定的な起点だ。

❸前線3枚の組み合わせ、の整理
リザーブメンバーの、なんとも豪華なこと。

ディフェンス(橋内 優也)とボランチ(米原 秀亮)がひとりづつ。
で、残るは豊富な攻撃のタレント。

後ろを落ち着かせておいて、さて次は、攻撃陣のチョイス。
各個の貢献(運用)をあきらかにしつつ、交替の局面ごとに最適解を見い出す。
― これが、指導者の手腕になるんでありましょう。

たとえば、あれだけやっていた阪野 豊史を替えて、後半の頭から投入した伊藤 翔がいかにチームにフィットできるか。

また、今節を観る限り、セルジ―ニョの自由度を、チームとしての攻撃の多彩さと流動性としてどれだけ活かせるのか?、これが、ある意味、一番の悩みどころではないか。

セルジ―ニョのプレイを空回りさせず、他のプレイヤーが引き出して利用するということ。

実際、攻撃のアイデアがもっと整理されて、かつ、こなれないと。

ハムレットの台詞じゃあないけれど、もはや、
これでいくのか、そうでないのか?、という疑問への答えははっきりした。

これからの17戦は、残留をキッチリと決める戦い、と腹をくくろう。

たしかに、秋田戦みたいな大量得点をいつも期待できるほどには信用できない。
けれど、創り込まれているチームは、十分に信頼できそうだ、そんな敗戦の感想でありました。

では。

予想どおりの勝ち (2021.8.22 愛媛戦レビュウ 序論)

土曜日、職場のモモちゃんには、

― 明日?  そうねぇ、4 – 1 で勝つよ。

まさにそのとおり、となりました。

愛媛のシュート本数 4、に対し、山雅はその 4倍を打ち込んだ。

要は、放ったシュートは、4 – 1 。

けれど、サッカーに優勢勝ちはない……、だよね。

その内容云々については、本論にて。

では。

賢者の贈り物。

そう言えば、O・ ヘンリーに、そんな題名の作品があったっけな。

さて、ここでいう賢者とは、マルクス アウレリウス アント二ヌス。

第16代 ローマ皇帝(在位 161~180年)、紀元180年3月17日、58歳で病没。

その著作『自省録』は、自分を戒めるために綴られた、思索の書。

原文の表題は、〈自分自身へ〉とだけ記されている。

その中から、ひとつ……、

「このキュウリは苦い」
ならば、捨てるがよい。

「道にいばらがある」
ならば避けるがよかろう。

それで十分、
「なぜ世の中にこんなものがあるんだ」などと
付け加えてはならぬ。

また、ひとつ……、

良い人間の在り方を論ずるのは
もう終わりにして

そろそろ良い人間になったらどうか。

つぶやきとか、日記形式、を装っていても、結局は、他人に読ませようと自分を主張する、そんなことばかりの、我が身と、自分を取り巻く世界。

皆がクレームを言い合っているようだな、まるで。
……、としばしばうんざりする。

では。