勝利に値するゲーム (2022.4.30 沼津戦レビュウ)

横山 歩夢の、個人技によるゴールを守り切って、1 – 0 で勝利。

〈長い 前置き〉
昨夜は、子連れ6人の大所帯で観戦したせいか、周囲に気がまわらずにいて、チノ氏が先に、こっちを見つけて挨拶に来てくださった。

お互いに数箇月ぶりなんだが、単刀直入に話題に入れるのが、ゴール裏同志の良いところ。

で、ゲーム感想を訊かれ
― うーん、タイトルをつけるとすれば、不出来な勝利、かなぁ?

ところが、観客席テッペンの高い位置から、より分析的に観ているチノ氏によるゲーム評価は、かなり高いのだ。
― 例えば、ボールホルダーには 2人でいくとか、練習による裏付けを感じさせます、云々。

まだまだ語り足りなかったので、次節北Q戦の時にでも、と言うと、御柱を行なう地にお住まいなので、ここしばらくは、それも叶わなさそう。

だから、チノ氏との山雅談義は、10節以降のお楽しみとなるけれど、
彼の評価と指摘を頂戴しながら、DAZNで今一度振り返ってみて、この記事を書きます。

〈修正力と我慢する力〉
❶ゲーム進行の中、お互いが 左サイドに攻撃の軸足を置くような展開になった。

山雅の場合は、システムを変えながら、下川 陽太を右サイドバックに配転することで、沼津の#10 佐藤渡邉 りょうの 厄介な動きに手当をしつつ、左に広く展開した横山を、突破の起点にするような策に出る。
ゲーム中の、こういった対応力は今季かなり効いていて、前半の中だるみをずいぶんと救いました。

❷相手が支配する時間、というのサッカーには必ず在るので、ここをどう凌ぐか?が、ゲーム帰趨を大きく分ける。

昨夜は、前半10分からの時間帯と、後半の中盤あたり、がそれ。

そういう局面では、こちらのテンポがなかなか出なくてもひるまずに、執念深くボール奪取を試みる。

あるいは、陣形を崩さないで、攻守のためにポジショニングを繰り返す。

そういった姿勢が、最後まで消失しなかった。

特に、ミスなどで自分が起点となったボールロストは、最後までボールを追いかけていって、不利な状況を取り返そうとする、といった責任感有るプレイがそこかしこに目立つ。

堪えることが、攻撃的にできるようになったこと、これは素晴らしい。

〈考える力と企画力〉
❶何故に、コイントスで、わざわざ風下を獲ったのか?

思うに、沼津が、早くロングボールを入れて来る、というスカウティングがあって、その精度を落とさせようとする意図かな?

風によって、ボールがかなり流れましたからね、昨日のアルウィンは。

相手の良さを消す、という作戦は、今の山雅のおおきな特長。

❷54分のコーナーキックは、佐藤 和弘がキッカー。
直前、菊井 悠介と住田 将が、ペナルティエリア外縁でなにかヒソヒソ。
ははぁ、これはなにか仕掛けるな、と思ったら、佐藤は、ニアに居た前 貴之に鋭いグラウンダーを送った。

あるいは、52分のコーナーキックの場面。

ここでは、2人が前方に位置することで、これをマークしようとする沼津プレイヤーを3人引っ張りだしておいて、ゴール前に敷く沼津守備網の目を粗くしてしまう。

そこに小松 蓮が飛び込んでヘディングシュート。
ボールは惜しくもバーを叩いて未遂。
ですが、実質的には、策が奏功した1点ものです。

〈目指すスタイルは 今こそ露わ〉
a)特に、後半の入りからしばらくの時間帯。
ここで魅せた、複数人でボールに絡み、ゴールに迫るサッカー。

村越 凱旋が魅せた、狭いスペースでも突っ込んでいって、シュートを打つポジションにボールを運ぼうとする姿勢。

b)それと同時に、前方に空いたスペースの活用があって。
例えば、33分、左サイドで菊井が、横山を走らすように出したスルーパス。

スペースを細かく、かつ、広大に活かす。
このaとbの、両極端を使い分けることで、相手ディフェンスを翻弄すること。

やるべきは、その練度と回数を増すこと、でしょうね。

ポイントは、速いテンポ。

球離れがテキパキと速ければ、被ファールも、また、こちらの犯すファールも少なくて済むわけで、レフェリーの笛も、こっちに優位に引き出せる。

昨夜、相手に与えた山雅によるファールは少なくて、4つ(うち1つは、遅延行為によるもの)であったことは、特筆しておきます。

……、と萬年式ゲーム総括は、かなり高いものに。

こういうゲームができるようになった、いちばん根底的な要因と結果は、

ピッチにたつプレイヤーの指向性が、だんだんと統一されて来たことかなぁ?、と観ていて強く感じます。

ゲーム中、相談していたり、調整している様子がここかしこ散見できますから。

では。