ニュートンの林檎、萬年の春椿。

きのうは、夏至だったようだ。

庭を歩いていると、ぽさっ、というかすかな音。

振り向いて音のしたほうを見やったら、ちょうど今、春椿(はるつばき) の花が落ちたところ。

気がつけば、一面の、夥しい落花。

アイザック ニュートン (1642~1727年) は、林檎が落下するのを見て、万有引力を発見した、というエピソードが語られる。

けれど、これ、かなり乱暴な話でありまして。

たとえ、眼前で林檎が樹から落ちたのが本当だったにしても、ニュートンの頭の中で、日頃から地球内部への力が想定されていなければ、その光景に飛びつくこともなかったに違いない。

だから、林檎の落果が彼に、ふたつの物体(中心)間の、距離の二乗に反比例するエネルギーの存在を〈再確信〉させた、というぐらいで次世代に伝えるのが無難。

で、僕の頭の中には、取り立ててなんの観念もないので、春椿の落花を前に、閃くことなどは一切なかった、という朝でした。

では。

油断した とは思わないが (愛媛戦 と今後)

時候の憶え、6/20今年最初の朝顔が開花、それと、カシワバアジサイも。

月曜日に、山雅課長と話をした時、

― (愛媛戦) 油断したね~、とのご感想でありました。

なるほど、そういう捉え方もあるのか?

ゲーム内容の良さからすれば、僕としては〈油断〉とも思えないけれど、

あの愛媛戦で、敢えて敗因を挙げるとすれば、

愛媛FCが、まるで、2部リーグのような戦い方をして来たことに尽きるのではありませんかねぇ?

つまり、相手の嫌がることを追求するような〈対策戦法〉に徹していた。

石丸さんの勝利への執着、それと、その狙いに応えられる (1~2部リーグ級の)タレント、それが愛媛には在った。

たとえば、0 – 2 と苦杯を嘗めた今治戦(前々節)、終盤にやっとこさドローに持ち込んだ長野戦(前節) の反省の上に立って、ポゼッションと、パスワークを駆使するサッカーを棄て、相手の最終ラインを背走させるようなロングボールを多用。

それが奏功したのが、松田 力による先制点だった。

……さて、前半戦を、あと4ゲーム残した現時点。

3部リーグでやって来て、はじめて味わった、あの徹底された山雅対策に、今後も多く曝されるのかどうか?、なんだが、

僕の見立てだと、2部リーグ経験の豊富なチームとやる時には考慮すればいい。

つまりは、レアケースとしておきましょう。

なぜならば、❶おおかたの3部チームは、ひたすら自己の強みを押し出した攻撃的サッカーを追求していること。

❷その背景には、ゴールを成立させるに足る、フィニッシュの精度に著しく劣っている事情があって、回数多くシュートを打ち込む必要があること、つまり、質より量を採らざるを得ないこと。

……ゆえに、敢えて守備的に引いて、相手を誘いこんでおいてから相手の裏を衝くような、手のかかるやり方は採用しない、と診るんです。

愛媛には、質の高いフィニッシャーを保有するという自己信頼が在るんですね。

まぁ、ここらへんは、後半戦に入ってからの経過観察も必要なんですけれど、次に当たるいわきFCとは、1箇月で2度戦うことになっているので、ある意味、その観点からも興味深い対戦になりそう。

初回となる第14節ホーム、そんなこともあって、ますます楽しみになりますが、そこはまた、プレビュウにて。

では。

負けても魅了する その走り。

去る6月9日~12日の四日間。

大阪(長居スタジアム) では、2022日本陸上選手権が開催された。

田中 希美(1999年生れ) は、1,500m(6/10) と 5,000m(6/12) で優勝し、この2種目において、オレゴン世界選手権(7月、米国) 代表に内定した。

これだけだと、その実力から言って、そう驚きもしないけれど、感心してしまうのは、5,000m決勝の約1時間前に、800m決勝を走っていること。

800mは、ラストスパートをかけるも、先行した塩見 綾乃にわずかに及ばずに、2位。
ま、これにしたって、あとすこし距離があれば逆転していただろう。

たとえ負けても、観る者を魅了してしまう走りは、つくづく大したものだ。

才能、といったひと言で片づけられないような、鍛錬の裏付けがこちらに伝わってくるではないか。

さらに付け足すと、田中は、400mにも出場することがあって、これなんかは、機会があれば、ラスト1周のスプリント養成を狙う、貪欲さ。

と、3部リーグで現在3位につける我が山雅には、とにかく、最後の最後まで、かような虎視眈々の追い込みを手本とせよ、と言いたい。

註)お忙しい場合、スタートは、動画2分50秒くらいからです。

 

では。

失われた味を求めて。

食べることに執着する人生は、どうなんだろう? 、とは思う。

かと言って、他に熱中することもないのに、食にまったく関心が失せてしまうのも、人生の終末へと急いでいるようなもの、かも知れない。

― あそこのスパゲティ、切迫流産で入院していた時にどうしても食べたくなってね。
サっちゃん(実姉) に頼んで、買って来てもらったぐらいなんだから、あたし。
それに、あそこのポテトサラダが特筆モノだったぁ。

……、そのくらい大好物であった、と家人はひたすら強調する。

そのお店、その後場所を転々とした挙句、松本界隈から姿を消して久しい。

ところが、最近になって、そのままのレシピ使用を許されたお店が、今は穂高に在る、とビートル氏(職場の同僚) から聞いた。

いわゆる、暖簾を継承した、という格好のようだ。

そこで、先月、蕎麦をいただきに穂高別荘地の富士尾山荘へ行った折、そのお店の場所を下調べした。

で、ビートル氏に、その場所をご教示申し上げる。

そうしたら、先週になって、ビートル氏、にやにやしてスマフォの画面を見せてくれる。

芝生に飛び石を埋め込んだアプローチ。
その向こうに、お店の玄関が映っている画像だった。

なんと、彼に先を越されてしまったわけです。

― 庭園のテーブルでゆったりと味わいたかったんだけど、今回は、テイクアウト。あらかじめ予約しておいて。
この次は、女房に運転させて、陽射しの中でビールでもやりながら、と思ってる。

ランチタイムのみ、それも週4日の営業なので、家人と休日が合わないと出かけていけないのが、我が家の事情。

さあて、その日が来るのはいつになるのか?

あの懐かしいスパゲティの味に、そこそこに焦がれながら暮らす夏、になりそうです。

こういうのやっぱり、食への妄執、と言うのかな?

では。

みづから川を背にするために (2022.6.18 愛媛戦レビュウ)

アウェイのナイトゲームは、2 – 3 の敗戦。

遠地に出向いたファン&サポーターの皆様、共闘、まことにお疲れ様でした。

〈素直に 相手を褒めるしかない〉
愛媛の2点目(フリーキック直接ゴール)と、3点目(30m内外のミドルシュート)。

これがもう、文句のつけようがない、ファインゴール。

で、1点目は、対山雅のために!、石丸清隆氏が精根込めた、ディフェンス裏狙い戦術がピッタリ当たったクロスへの飛び込み。

キレイに揃う山雅最終ラインへの攻略法、だったんですな。

まさに、プレビュウで警戒していた、松田、茂木、佐々木の、トリプル揃い踏みゴールなので、あっさり脱帽です、あたしは。

だから、深刻に反省ぶるのは、この際止しにして、せいぜいヤバい位置での不要不急なファールは慎む、それから、オフサイドをセルフジャッジしてプレイを絶つな、というくらいの修正を加えよう。

〈収穫に 目を向ける〉
今季、これで、2敗目。
だが、いづれも、一旦は同点に持ち込み、かつ、最後の最後まで粘って最少得点差に持ち込んだ。
これこそが、チーム変貌を表す象徴的な有り様、と思います。

1 – 3 になって、プレイヤーに平常心で闘え、といってもメンタル的には無理な話、と考えたい。

けれど、それでもなお、アディショナルタイムを含め、終了の笛が吹かれるまで諦めない姿勢、それは示してもらえた、と感じています。

天皇杯の対磐田戦レビュウにも書きましたが、こっちが撮った最後のたった1点。

こういうのは、必ずや、次の勝負を手繰り寄せる。

小松の2得点(@藤枝戦)にしたって、そういった伏線があってこその仕事だったのではないか。(プラス、鳥取戦の不出来の猛省かな)

で、敗戦における途中の同点劇には、いづれも横山 歩夢が主役になっている。

このことは、采配の妙と、横山のセルフイメージの高まりを示していて、

昨夜のシュートにしても、外山 凌からのマイナスのクロスを、さも簡単そうに決めるところが、非凡。

サイドを侵して中へ供給するにしても、ああいう感じで、入って来るプレイヤーがカウンター気味の無理のない態勢で打てるような、スペースと時間を創ってあげること、これは今後のポイント。

佐々木 巧(愛媛)は、個人技(フェイント) で大野 佑哉のタックルを外すと、もっとも打ちやすい態勢とボールとの位置を創り出してから、スーパーシュートを放った(3点目)。

こういうことを、山雅の場合は連携の中でやる、ってことでしょうね。

あとは、けっこう鋭いクサビとなる縦パスの使用が、今節は目だった。

これを倦まず敢行することで、相手ディフェンスの間隙を切り裂いていく。
それを、武器にしましょう。

今後、どうみったって技量における(当方の)優位性からすると、相手が守備的に堅いゲームに持ち込んでくるシーンが増えるだろう。

とすれば、狭い、密集した壁(=相手の守備網) を貫いていく業に熟達しとかないと、ゲームを勝ちに持っていくのが難しいでありましょうから。

……というわけで、昼間、周囲の人々には、

― 次節の、2位、3位対決となるいわきFC戦。
これ、実質的な 6ポイントを縮めるゲーム。
今日、おそらく、少なくとも、いわきに勝ちはないでしょうから、これと勝ち点差3以内、での対戦になるはず。

これを見越してですね、みづからを川を背にした境遇に追い込んだのが、昨日の敗戦だったわけです。
10,000人を容れるためのキャンペーンも、煽ってるんです、きっと。

……、と吹聴しておく。

そして、帰宅してJリーグ公式ページを見ると、なんとまぁ、リードされたギラヴァンツが、後半のアディショナルタイムに同点に持ち込んでいるではありませんか!

これこそが、サッカーの神様からのギフトでなくて、一体なんなんだ……。

背水の陣はともかく、次節のコピーは、

山雅よ、走れ、うさぎ(脱兎)のように、で決まり。

では。