或る友人 (=女性) が、(おそらく今よりはずっと) 婚活に熱心だったころのお話。
その日、初めて会った男性。
彼の運転する乗用車に同乗して、どこか(地名は忘れた)へと出かけた。
狭い道に来た時、どうもすれ違いがスンナリいかなかったらしい。
その男が、行き交った車の運転者に、それはそれは聞くに堪えないような暴言を吐いたそうな。
― その瞬間ですね、あっ、これで(この人とは)おしまい、と思いました。
ねんごろになりたい相手には、羊の皮をかぶってでもそれなりに装ってみせても、デートの途中で、ほんの瞬間かかわる人々に対して、無礼で優しさに欠けた振る舞いをしてなんら恥じることもなければ。
(唖然!) はい、それまで。― という見事な事例でありましょう。
一緒に行動する際、利用したお店のスタッフに敬意を払う、ふと行き過ぎる人へ道を譲る……、といった配慮。
そういうことに、人となりは、もっとも露わになることを忘れてはいけません。
イエスキリストだって、言っている。
〈わが兄弟なるこれ等のいと小さき者の一人になしたるは、すなわち我(王)になしたるなり〉(マタイ伝25章40節)
もちろん、初回ならば、すばやく助手席にまわってドアを開けて差し上げる、ってこともよろしいかと存じますけれど、大方の日本人女性は、そういうことは期待していない。
そもそも、そういう社会で育っていませんしね。
他人と何気なく交わる、飾らないそのやりかた、それが試されているのです、案外。
もちろん、それでだけで恋が成就するわけでもないけれど、それができなきゃあ門前払いが相当か、と。
ま、今回もまた、じじいによる大きなお世話、ですけれどね。
では。