それでも 図書館は使える。

この前、某公共放送だったか、
熱中症対策として、涼しい図書館で過ごすのもひとつの手、とか言っていた。

そういう発想は、否定しない。

けれど、個人個人の都合を知らないでおいて、軽々に電波に乗せて、こういうアイデアを推奨するのは、マヅイでしょう。

僕が、個人的に友人に話すのとは、わけが違う。

誰もが、図書館の近くに住んでいたり、気軽に自動車などで移動できるわけでもないし。

炎暑の中、ライブラリーにたどり着くまでに体調に異変をきたしたりしたら、どうするの?

また、COVID-19感染防止のため、図書館によっては、滞館時間を、例えば 1時間程度に制限している場合もあるのだから、ダラダラと涼まれても困るだろう。

……ところで、このように他人の冷房の恩恵にあずかる場合は多く、開架図書、つまり、書棚に並んでいる書物を抜いて来て、どこかに座って見て時を過ごすことになろう。

けれど、僕のようにこの先短い年齢になると、ただ漫然と目についた本を手許に取って楽しむ、という時間が惜しい。

したがって、図書館には、あらかじめ読みたい書籍を確保するために出向くことがもっぱらだ。

だから、むしろ書庫に仕舞われてある本を調べ、それをオーダーすることが多い。

さらに、図書館の利便はもっと他にあります。

❶地元の図書館に所蔵していない書物であっても、それを所蔵する他の図書館から、〈現物〉を取り寄せてもらうことができる。

これを、図書館間貸し出し、という。

特に、郷土資料、特定地方の歴史を読みたい、なんてのには使える。

そのような書物は、館外貸出をしていないものが多いけれど、この制度を使えば、取り寄せてもらった図書館内での閲覧はできるし、(ルールに従った)複写が可能。

❷さらに、多くの(中央レベル)図書館は、国立国会図書館デジタルコレクションにへのアクセス権を持っているから、申請さえすれば、館内のパソコンに案内され、画面から簡単に、稀少な書物を閲覧、複写できるというわけ。(註:個人的にアクセス登録も可能)

上記❶❷については、相談窓口へ行って、その旨を尋ねてご覧なさい。

ほとんどの場合、親身になって対応してくれる(というのが僕の経験)。

これを、総じて、レファレンスサーヴィス、と呼ぶ。

以前、メールでもって、ある資料の所在有無などを尋ねたら、それに関し、丁寧な返事を手紙でもらった。

それくらい、少なくとも!!、長野県における司書の方々は、仕事熱心で礼深く、有能でいらっしゃる。

たとえ一時であってもですよ、職業的な専門家に、まるで、自分専用の秘書のごとくに働いていただく、ってのは、かなりの贅沢ではありませんか?

もちろん、そこには秘訣がありまして、当方も丁寧、かつ、平明に要件をご説明申し上げるのがコツ。

鐘は、叩き方次第で、美しい音も出すし、不快な音で鳴ることもある、ってことです。

……、しかしです。

マイルスデイビスのトランペットは、いつ何時聴いても、陶然となりますね。

これ、1952年あたりの録音。

いまから 70年前ですぞ。

だから、それがどうした?(So What ?)、でいいんですけどね、これも、図書館から借りているんです。

では。