『焦がれる心』。

きのう、帰宅するなり、家人が、

― 京子さん(仮名)からのライン、
いつも唐突で、こっちが(情報を)知っていて当たり前、と思っているんだから、と少々おかんむり。

許可を得て、メール文面をのぞくと……、

☞ 反さん 心のかたすみでちょっと期待していた、寂しい

☞ 清水出身だもんね 仕方ないか 反さんバイバイ

☞ 清水GM

……ほお。

でも、これだけでも、事情はだいたい察せられた。

京子さんは古参サポーターのおひとりであるから、仲間内のネットワークで想いも共有しているはず。

恩義の有る人々をいつまでも大切にする気持ちは、山雅ファン&サポーターの徳性だろう。

でも、僕には、いささか未練がましくて、鼻につく。

まるで、(Jサポーターとして) 幼いころに罹った水ぼうそうのウイルスが、また活発になる帯状疱疹みたいなもの、と思う。

聞くところだと、このウイルスは、ふだんは神経節に潜んでいて、宿主の免疫力が衰えると、元気になるらしい。

(註☞ 反町氏にとっては、過去にないほどに資金力が潤沢なクラブ、けれど曲がり角に来たチームでの仕事で、チャレンジ豊富だろうし、純情なエスパルスファン&サポーターのことゆえに、歓迎されるだろう)

で、免疫力の落ちた?山雅ファン&サポーターには、この曲をプレゼントします。

『Hungry Heart』(焦がれる心、1980年発表、ブルース スプリングスティーン作詞作曲、歌唱)

……ボルチモアでは、女房や子どもと暮らしてたよ、ジャック。
僕は ふと車で出かけると、戻ることもしなかった
どこに流れていくかも知らない河のように
間違った道だった けれど 僕は 進むだけ。

誰もが 焦がれる心で 暮らしてる
金をためて 自分の役割を果たしはするが
誰もが 飢え乾いた心で暮らしている。

女とは キングストンの とあるバーで遭った
恋仲にはなったが かならず終わる とわかってた
持ち物を そっくり分けて さようなら
で、いま キングストンに舞い戻ったってわけ

誰にも ホッとできる場所が 必要
誰もが ホーム ってやつを求めてる
誰が なんと言おうと違いない
ひとりぼっちが好きな奴など いやしない……

けっこう重い歌詞を、底抜けに明るい曲調に乗せて、一気に放つ。
スプリングスティーンが、愛される理由が、ここに在る。

では。

新しい風が吹く (2024.2.25宮崎戦レビュウ❷)

― スタメンみたら、キーパー神田、とあったから、ビックリだったよ!

ゲーム当日は、スマフォで経過を追いかけていたらしい山雅課長から、そう言われまして。

【エピソード❶】
神田 渉馬の抜擢は、もちろん本人の成長と技量に負うものだけれど、

ディフェンスラインに、高橋 祥平、馬渡 和彰といった経験値を有するメンツが並んだことも、それを可能にした大きな要因だろう。

ゲーム中、ヘディングでバックパスされた状況で、神田の反応が遅れた際、彼に向かって、高橋がかなり厳しく言っていた。

常田、野々村のセットに、こういった教示のシーンは、あまり期待できない。

神田については、長身とリーチ長で有利で、セーヴィング後の体勢の立て直しが素早くて、いいね。

【エピソード❷】
なんのために走るのか、がよくわかるチームの仕上がり。

惜しくも得点にならなかったが、安藤 翼からのフィードをそのままボレーで打った浅川 隼人の位置取り。

2点目(オウンゴール)時の、サイド奥のスペースに走り込んだ安藤に、瞬時にポンと出した、馬渡のパス。

これらは、〈その時、そこに居るために走る〉の、好見本だったと思います。

それは、中盤において、山本 康裕のボール捌きにも言えることで、

あらかじめ備えておいて、実に平静に、しかも速く、駆け上がる他のプレイヤーにボールを配すセンスには、瞠目しました!!

こういった、流れるがごとくに、相手ゴールに向かう前進は、いままでなかった新味。

菊井 悠介にただ依存していた切り込みが、多重的、豊富になった。

……新しく吹き込まれた風のふたつ、をあげてみましたが、実際、こうして眼前に示されると、なんとも嬉しい。

昨季最終戦と、宮崎戦のスタメンを比べたら、

両方にある名は、常田と滝のふたりだけ。

しかも、新加入を5人スタメンで並べるとは、

これだけを観ても、こりゃあ、今後も、楽しみな風が、多く吹きそう。

では。

ちがう貌(かお)をなんとかしたい (2024.2.25宮崎戦レビュウ❶)

2 – 1 の勝利。

辛勝、と厳しく言いたい向きもあるんだろうが、立派な勝利、と僕は思う。

複数得点しているし、失点0 で終えろ、と責める気も毛頭ない。

人間の欲にはキリがないから、勝ったら勝ったで注文がつくが、いまの山雅を、一体どんだけ買いかぶっているんだろう?

期待値が過分に過ぎるんですよ。

あくまで、そういう現状認識を前提にしたうえで、

❶前半の進め方が、90分間持続できるようになりたい。

前半のいちばんの美点は、

山雅のボール動かしの速度や質に、宮崎ディフェンスの眼とアイデア(意識)がまったく追いついていなかったこと。

ゲーム開始10分でそれが露わになったから、これは前半で得点して大勢をきめたいところ、と観ていましたが、2点奪取できたのは、素晴らしい。

右サイドの、馬渡、安藤の攻撃力が光っていた。

特に、前線からのファーストディフェンスの連携が進化していたのと、バタつきもない、縦に圧縮した態勢が形成された。

❷後半は、ずいぶんと相手の攻撃に押し込まれる展開。

相手が攻撃のギアアップをすれば、防御的にならざるを得ない時間はどうしても訪れるから、それ自体をどうこうは言いません。

が、相手の攻撃を寸断するについては、

ボール扱いの技量はこっちに高くあるんだから、シンプルにボールをゴール遠方にクリアすることを前提にして、プレイしたらよいのに、と思う。

失点直前の安藤の単騎持ち出し(奮闘)の位置、あれは低すぎる(ゴールに近すぎる)。

また、終了間際のファールイエロー)をもらった菊井のプレイ。
あんなに難しいことはやめて、誰かにあずけて前方蹴り出しでもよかった。

山雅が犯したファールは、前半は、おそらく1回。

ところが、後半は、攻撃を凌ぐ中で、イエロー2枚を含んで最終的に4つ。
註:オフサイド4つを含めると、計8個の反則、追記。

ファール4つは少ないけれど、無駄なカードは、後になって、チームに悪い影を落とす

向こうが強くくるなら、その力を利用するなり、空振りさせるような賢い守備と切り返しを追求してみたら、どうか?

つまり、ゲーム前半の〈容貌〉で、できるだけ長い時間を闘いたい。

では。

いやでもフタは開くけれど (宮崎戦プレビュウ❷)

これまで、ずいぶんと、山雅の下馬評の良さを、吹き込まれ過ぎた。

昨季の開幕前も、こんなだった?

― ユニフォームの注文、浅川、浅川、の一辺倒なんだけどさぁ、それだけじゃあないよね?

ひとりのサポーターが、他にもグッドプレイヤーが多い、と強調したくて、そんなことを言っていた。

秀でた個の技量が大前提とは思うが、その組み合わせによる、新しい世界こそを観たい。

てなわけで、特に、サイドのプレイヤーの選択、配置に注目しよう。

左右サイドバック、それと、左右アウトサイドハーフのセットのことです。

おそらく、選択肢はいくつもあって、開幕後の6~7節は、最適な初期布陣と、交代枠の運用を試しながらになるんですかね?

萬年的な興味は、佐相 壱明の使い方に向かう。

彼、2020年季、(いわば最強だったシーズンの)長野に在籍した当時は、

左のアウトサイドハーフで 22試合に出場して、5得点。

大宮、長野では、フォワード登録。

それが、SC相模原(2022~23季)ではミッドフィルダー登録へ。

2023季は、トップ下(中央)で、10ゲーム、右のアウトサイドハーフで 7ゲーム。

さて今季、山雅では、ディフェンダー登録だから、

これはもう、サイドバックを担わせる、というチームとしての公式な表明に近い。

過去、これだけ多くのポジションで稼働したからには、

我がチームでも、複数ポジションをこなすことで、チーム内競争にシビアさを加えてもらいたい、と切に願います。

宮崎戦では、そこの部分に、目がいきます。

もちろん、期待どおりの配置であっても、なくとも、どうのこうの騒ぎませんよ。

では。

『知らないことはわからない』(宮崎戦プレビュウ未満❶)

万事において、知らないことは、わからない、って、文豪ゲーテも言っている。

昨季から、19人が新しく加入(入れ替わり)、そこへもってきて、監督以下指導陣も刷新、なおかつ、親会社が、新たな資本の傘下に入った。

こんな変化に対して、予想をおこなうとしたら、

むしろそっちのほうこそ、こじつけの色あいが濃くて、不誠実。

なんてことはない、知ることもおっくうなんで、あえて無智であることに居直っています。

テゲバジャーロ宮崎は、昨シーズンは、19位。

でも、下部へいくほどチーム編成が流動的に変わる、Jリーグでは、前年順位など当てになるもんか。

ひとつだけ、このチームについてうらやむことをあげれば、

白を基調にして、そこへピンクをあしらったクラブカラー。

今季のは、白とピンクの市松模様で仕上がっているけれど、

これだと、ホーム、そして、おおかたのアウェイにおいても、ファーストユニフォームをまとうことができるんですね。

しかも、アウェイチームも、アウェイの地で、そのほとんどがファーストユニフォームで臨戦できる。

これほどのサーヴィス精神は、そうは見当たりませんぜ。

……、とプレビュウにもならない、感謝と独り言。

では。