まづは止めないゲーム を (山口戦プレビュウ)

〈レノファの面影程度を〉
要は、山口について、あまり熱心に予習をしていない。(お赦し下さい)

最近の 5試合で、4失点したのが 3ゲームあったはずで、失点の合計が 15。

守備がズサン、というよりも、より攻撃にフォーカスしたチームの作り方なんだと思う。

山口としては今節、守備の要、ヘニキが出場停止なのが痛いでしょうね。

得点の機序は、第1位がクロスから、つぎに、セットプレイから、が続く。
とにかく、クロスを多用、それも左右両方から抛り込んでくるというデータ。

〈流れで獲るか、プレイスキックをモノにするか〉
2箇月前の対戦は、2 – 2 のドロー、それも、4つのゴールすべてがセットプレイからだった。

ゲームが一旦止まってプレイスキックから始まった得点(失点)だったのだが、両者が取り組んでいるサッカーからすると、やはり、連携した攻撃の流れの中で得点することをまづは目指したいだろう。

山雅からすれば、過去2戦で手ごたえがあった、3 – 4 – 3 (プラス可変)システムを、よりグレードアップするのが直近テーマのはずで、これを深化/強化したいところ。

ボール保持にはこだわらず、奪取後の反転(カウンター)攻撃を繰り返す。

こうすることで相手のファールも誘えるから、フリーキックのチャンスもおのずと生じる、と考えるべきだ。

守備面では、クロス大好きレノファ、がわかりきっていることなんで、サイドの攻防で、狩ることに傾注し、先手を取って侵入したい。

前節の北九州戦の残像そのままの対等以上の人数をかけた寄せる守備、これでしょう。

〈相手の強みを、弱みに変えてしまう〉
クロスによる得点を身上とする相手に対しては、それを上回って、サイドをえぐってクロスを投入する、そういったイヤらしさを押し出しても良いかな、と思います。

そして、奥深い場所で相手がクリアしたのならば、榎本 樹のロングスロウで畳みかける、こういう圧力をかけたいもの。

息をも継がせないないような波状的圧迫を織り込む。

せっかくのアルウィンなので、やってみましょうよ?

では。

山雅らしさ、その幻視と正視。

勝ち試合の後で、ほぼ毎度繰り返されるのが、山雅らしさ、を讃える論評。

ようやく、らしさが戻ったね、とか、やはり山雅はこうでないと、とか。

でも、たまねぎの皮をく剥くように、その〈らしさ〉を追求してしてみても、果たしてそんなものが在るのかいな?、と思う。

これがファジアーノやロアッソならば、髪の毛を染めていない、ピアスをしていない、とかになるんだろうが、

推察するに、Jリーグ参入したての数年、他との技量差をなんとか埋めてリーグに伍していくために発動された、身体を張ったプレイなんかを指しているのか?

危機の瞬間には身体を投げ出す、最後まで投げない、強度の高いプレイ。

これらは一流のプレイヤーやチームに共通した姿勢であって、なにも我がチームの専用精神でもあるまい。

バルセロナやマンチャスターCだって、フツーにやっていますよ。

J参入10年近くになり、そこそこなクラブに育った今こそ、~らしさの内容を、捉え直すべき時季かも知れない。

では、萬年の考える山雅らしさ、とは何か?

それは、元日本代表のスターDFを誘うとか、元五輪監督や、高校サッカーレジェンド監督を招聘するような、突拍子の無さにほぼ尽きてしまう。

今後も、唐突なことをやらかしてくれることを内心で期待しているのです。

チームのプレイスタイルが、個々の高いテクニックを基礎に据えた戦法となることは、もはや必至な流れでしょう。

先日、家人が娘息子たちに、ビッグニュースがある、といって発信したら、
まさか、イニエスタが来るの?、と返信した子があったらしいけれど、そういうノリこそが、山雅なんだ。

ところで、この記事が冗談と思われては心外なので、~らしさ、について、最後にすこしマジメな話をしておく。

それは、J2では屈指のクラブ力、けれどトップリーグ未満の財政規模、といった中途半端な立ち位置を、しっかりと胸に刻む、ということ。

山雅とのつき合い方や、週末の過ごし方をより楽しむには、かなり重要なことと思いますがね。

具体的には、
そのプレイスタイルはともかくも、レアンドロ ぺレイラやイズマを活かせないチーム戦略が、もっと議論されてもいいだろうし、
大野 佑哉に続く、生え抜きのレギュラー定着が渇望される。

榎本 樹や山本 龍平らを、決してあきらめてはダメ、ということ。

では。

狩った、克った、勝った (2020.10.25 北九州戦レビュウ)

ミクスタのバックスタンドの向こう、湾を隔てたちょうどあのあたりに、ジョー氏の生家があるんだ。

コイントスに勝ったセルジ―ニョは、逆光を嫌ってエンドを変えたね、と思いながら、DAZNの、あまり調子よくない画面を眺めておりました。

さて、ゲーム。
前半の終り際に、塚川が叩き込んだゴールを守りきって、1 – 0 の勝利。

〈ひたすら狩りまくることが奏功〉
予想どおり、前節の先発メンバーをひとり入れ替え、(塚川先発で)より攻撃的な特性を強めて、ゲームに臨んだ山雅。

前節大宮に勝ち切れなかった宿題を、次節まで一週間が空く日程(余裕)を考えて、どうしても同じメンバーで書き上げてしまうんだ。
―やっぱりこうでなくちゃあ、いけませんよ。
今節の柴田山雅であれば。

小林ギラバンツの特長は、ボール離れを速くして、小気味よくゴールに迫る潔癖さであって、そこには相対的に弱い各個の力を、連携でカヴァーしようという計算が潜む。

対し、山雅は、2列目(中盤)に、狩人(佐藤、前、塚川)を配す。
しかも、このうちのひとりが前線に飛び出していって、北九州の基底(最終ライン)にボールがある時点で、圧力をかけ続ける策に打って出た。
相手のセンターバック2人に対し、3トップ気味にして数的優位をつくり出しながら。

前半、北九州のディフェンスラインは喰いついてくる山雅最前線の強烈な追いかけまわしにいっぱいいっぱいとなって、有機的なパスを供給できない。

この策が上手く機能し、ギラバンツの守から攻への切り替えを高い位置でことごとく遅らせ、なおかつ、中盤でのボール奪取に成功する。

塚川の得点も、たしか、前が相手からボールを奪ったところが起点だった。

〈後半のガス欠も想定内〉
とにかく、はじめから攻撃的に飛ばす、が至上命題だったはず。

ゆえに、足が止まり始めた70分過ぎになって、5 – 4 – 1 の陣形を組んでガチガチに守る局面へと舵を切ったのも、やむなしだろう。

正直に自身の現在地を認めて、いちばんほしい〈勝ち〉を獲りに行くことが大事だったのだから。

それぞれのポジションにあって、連携において各プレイヤーが自分のチャレンジに打ち克った、そこが収穫。
それによって、個の技量が、すなおに表現されるようになりますしね。

繰り返しますが、こういう作戦が巧くいくのには、やはり最終ラインの強化と安定があればこその話。
(自陣空中戦勝率100%を、特筆します)
そこを忘れちゃあいけません。


〈ベンチマークの深化〉

前と佐藤を補強、活用することで見出し得た、このスタイル。
次節からは、ここに何を上手く加えていって、畳みかける得点力をまとうのか?、これがテーマでありましょう。

では。

ひたすら先手で攻めよ! (北九州戦プレビュウ)

〈あれもこれもの時間は もう無い〉
リーグ戦も、前節で3分の2を消化した。

本日は、ギラヴァンツ北九州とアウェイの地で対戦だ。

お恥ずかしいが、萬年いよいよズボラになり果て、公式ハイライト映像、それも京都サンガFCによるものを観て、適当に書く、という有り様。

というのも、リーグ戦の局面は、善戦(good fight)などはもはや必要とせず、ひたすら勝つべし、というところへ突入しているからだ。
山雅にとっては。

残り3分の1、今季の通知簿の内容をでき得る限りマトモにしなければならず、
しかも来季へと糧を残さなければならず、そのためには勝利こそほしけれ、となるわけ。

まだ次の監督も決まっちゃいないけれど、2020シーズン、すこしでも上等に帯を巻くこと。

チマチマと勝ち点1を積んではいるが、そんなでは、テイク オフする前に滑走路が尽きてしまうぞ。

で、勝つためには、(相手よりも1点でも多く) ゴールを挙げなくてはならぬ。

捨て鉢になっているわけではないが、いくら無失点で堪えてみたところで、胸はもう張れない。

〈ひたすら攻撃的であれ〉
先制点を与えることはとっくにお馴染みの光景なんだから、たとえ先制されてもひっくり返す意思と戦略、これに専念しようではないか。

ゆえに、北九州の、一途にやり切る攻撃への対処に汲々としないで、みづからの攻撃を、より意図的に鋭利なものにすることに傾注だ。

前節の大宮は、凋落の匂いさえあった。
ゆえにあれだけボールを持てて、パスも積めたけれど、今節は、そんなに巧くはいくはずもない。

かっきり構築された守備網の周りを、足元へのパスをいくら繋いでみてもおそらくは詮無くて、パスを入れるにしても、スピードダウンしない攻撃、これに特化しよう。
相手の陣形が整うまえにフィニッシュしてしまうということ。

パスサッカーに挑んでいる看板を下げろとは、もちろん言いませんけれど、ワンタッチによる意表性、そこだけは外さないでお願いしますよ。

連戦も今節で一区切り。
ならば、できうる限り前節のメンツでやれば勝てる、それを証明するぐらいの気概を望みますね。
注文をつけるとしたら、前 貴之は冒頭からサイドバックに配し、シャドウに鈴木 雄斗を置くほうがいいのでは?

相手のファーストGK(永井 堅吾)が契約上不在であることを最大限に衝くのが眼目でしょう。

では。

これで勝てなきゃどうするの? (2020.10.21大宮戦レビュウ)

1 – 1。やっと追いついてのドローゲーム。


頂を忘れるな (徳本峠2,135mより望む穂高連峰2020年10月撮影 版権所属:オフィスウエストウッド)

〈これこそ猛省ものでしょう〉
❶現状考えられるベストのメンバー。(ゆえに交代カードを全て切らず)

❷途中加入の前 貴之(シャドウ→後でサイドバックへ配転)、佐藤 和弘(アンカー)がほぼ申し分なくフィットしてしまった。

❸塚川 孝輝の攻撃性が、チームに帰還。

❹危ない場面はあったものの(サッカーは本来そういう局面が入り交ざる)、そこそこ攻撃にかける時間は持てた。
ディフェンスラインの落ち着きがその根底にはあり。

❺攻撃の方策が整理されてきて、シュートは 久々の16本。

❻ボールを持てた分、さらに気候的にエネルギー消耗が少なかったせいか、後半もパフォーマンスにかげりがあまりなかった。

以上のことから、ホンネは、見出しのとおり。

このメンツ、ゲームの様相、対戦相手の迫力からすれば、これで勝ち点 3 を手中にできなければ、なにをか言わんや。

いまだボールを手放したい、逃げの気持ちが垣間見えるのはどうしたものか?
手中にしたら常に突破をもくろむ者、あるいは、もらいたくてうずうずしている者よ、もっと出てこい。

ただし、今季のテイタラクにつきあってここまで来ると、当方にも変な耐性がそなわっちゃたったから、まぁ、こんなもんかな、で終わってしまうんですよね。

前と佐藤の加入が吉と出たから、良しとするか?、などと言い聞かせて……。


〈時の流れはかくもチームを変える〉

しかし、観衆の臨場感、スタジアムの熱気はべつにしても、
山雅 vs 大宮、2年前に比ぶればなんとまぁ、それなりのチーム同士の対戦に落ち着いてしまったことか、と感慨深く観ておりました。

昨夜のゲーム、このリーグにあってそれほど凡庸なゲームではなかったが、けれど、両チームに備わる迫力が、かつてより数段落ちている。

特に、アルディージャ、守備はもともと褒められたもんじゃあなかったが、攻撃面が格段に恐ろしくなくなった。
メンツなのか、戦法なのか?
喰いつかせておいて裏(中央またはサイド)をとる、あるいはカウンター攻撃、こういう明確さはわかるけれど、なにしろ脅威に欠けた。
イバも強いが、新鮮味が乏しいし、黒川 淳史は思ったほど目立たないし。
#10背負ってあれじゃ、まさか本人も満足してはいまい。

結局は自分の心の中、どうやってゲーム評価の落としどころを捜そうか?、と悩むことがいちばんしんどい。

それと、しんどいついでに指摘しておくが、主審のジャッジの笛が遅すぎたのには、閉口。
この人どうやら、ファールかどうかを、プレイヤーの倒れ方や痛がり方で判断しているんだろう。
アルディージャのほうがたんと痛がっていて、これも戦略だったに違いない。

こういうのはご勘弁願いたいな、まったく。

では。