その後方を攻略せよ (水戸戦プレビュウ)

〈懐かしき日々よ〉
ホーリーホックとは、いままでに、14回対戦して 8勝5分1敗。

たった一度の負けは、2017年6月11日のホームゲーム。

水戸には、前田 大然がレンタル契約上ピッチに立てないハンディもあって、山雅が放ったシュート20本は、相手の倍。ボール保持はこちらが 56%だった。
けれど、たったひとつのセットプレイから失点して、0 – 1の敗戦。

……、それから4年の歳月が流れ、あの日ピッチにいた山雅戦士は、(出場機会があれば) 田中 隼磨と橋内 優也のふたり。

むしろ、当日水戸戦士として先発した、佐藤 和弘、外山 凌、浜崎 拓磨の3人が、いまや山雅のユニフォームを纏ってプレイするかも知れない、ってことに、なんとも感慨は深い。

ただし、ゲームの様相は、決してあの日には決して帰れないものとなるだろう。

〈水戸攻撃の ダイナモは?〉
ホーリーホックは、4 – 1 – 2 – 3 の布陣を採る。

4バックの前に、アンカーを基底にして逆三角形の格好で、3人の中盤。
そのまた前のトップには、フォワードが3人、ピッチに開く。

攻撃的な体勢を、モットーとする感ありの、水戸。

となると、どうしても、まづは3トップに目が行きがちになる。

もちろん最前線の強力さは間違いないが、攻撃を厚く、迫力あるものに仕立てているのは、実は、中盤3人に負うところが大きい。

攻撃時、この3人は連携を取りながら、グッと上がってくる。
まるで、フォワードの枚数が 5~6枚くらいになったように……。

さらに、これに連動して、サイドバックも猛進してくるので、センターバックふたりを残して、あとはすべて攻撃参加、といった趣き。

3トップは、横一線でなく、斜めに位置を取る。
おそらくは、相手守備を交わして、パスが通せるようにする狙いからだ。

互いの距離感さえ巧く保てれば、素早く、かつボール配球の選択肢を多くして、相手ゴールに迫れる、という寸法。

〈水戸の中盤後方を 攻略せよ〉
攻撃時は、まるで3トップをも追い越すように突進、で、守備にまわるとセンターバックをフォローするために背走。
水戸中盤は、基底ラインと最前線の間を、実に精力的に行ったり来たりする。

前節の千葉ほど露骨ではないにせよ、ボール保持にそれほどこだわらない水戸ならば、こちらがボールを持って組み立てるシーンを起点、と考えよう。

水戸がボール奪取に出て来る時とは、すなわち、その中盤が競り上がって来る場面だ。

この時に、相手中盤の後方、すなわち、センターバックの前、あるいは左右両端に生まれるスペースを狙うのだ。

そのためには、ワントップ(阪野)にして、2列目に、河合、佐藤、前の3人を並べれば、かなりの機動性が確保できると思います。
サイドは、外山(左)、表原 or 田中パウロ(右)とし、アンカーに平川。
そして、3バックの、3 – 3 – 3 – 1 といった塩梅に。

相手3トップに、こちらは3バック。

となれば、同数対決といった守備面での切実さ、辛さはあるけれど、とにかく、まづは得点しなくちゃあ勝利できないのだ。

前節の宿題を片付けつつ、活路を見い出して進むとなれば、これでいかがなものでしょうか?

では。