引分ける自信なのか? (2020.11.4 栃木SC戦レビュウ)

両者に決定機が訪れたものの、双方ともに決めきれず。
ゴールネットは1度も揺れないままタイムアップ。
で、結果は、スコアレス ドロー。

〈異議を唱えたい 今節の位置づけ〉
先発メンバーと、順次切られた交代のカードは、あらたな5連戦の負荷への対応策といえた。

ゲームが終わってみれば、レギュラークラスはすべて、センターバックの3人を除き、最大で45分の稼働、という計算され尽した見事さ。

引分けでオーライ、あわよくば勝ち点3、そんなゲーム構想ではなかったのか?

……、とホメたいのではまったくなくて、その逆、心底、酷評したいのです。

現下の戦績では、ホームで勝利することこそが、スタジアムに観客を戻す最大の手立てではありませんか?、チームとしてできる。

とすれば、昨夜と一週間後のホーム千葉戦にこそ、最大限のパワーを傾注すべきなのだ。

極論を承知で申し上げますが、最上位あたりのアビスパとの間で勝ち点勘定をする状況でもなくて、しかもアウェイ。

どのゲームを捨てろ、とは言わないが、前半戦でやりあって決着がつかなかった対栃木戦こそ、雌雄を決めるくらいの覚悟で臨んでもらいたかったわけです。

それが証拠に、山雅が地上戦で躍動した時間帯は、かなり少なく、前後半足しても30分もありましたっけ?

栃木の強圧に手こずることはわかっていたが、プレイスキックで虚を衝かれたり、栃木左サイドの侵入に競り負けてみたりで、工夫された対策が観られなかったのは大いに不満です。

村山からのフィードは、意識したのだろうか、やたらと低い弾道。
栃木センターバックの長躯を考えれば、あそこはむしろハイパント気味に抛り込み、敵陣で厄介な混乱を起こすべきでしょう。

〈タレントを活かせ〉
八つ当たりついでに、ひとつ、いやふたつか。
アウグストは、昨夜、シャドウとして先発、その後、右サイドバックへ配転。
シャドウはともかく、彼はインサイドハーフ(ボランチ的に)で本領を発揮させたいタレントであって、この采配は疑問に思う。

前節の山本 龍平はその逆で、最初はサイドバックで投入され、途中でインサイドへと変わる。
途端に動きから精彩が消え、ずいぶんとやりにくそうになり、途中インアウトでピッチを去ることになる。
こういう場所でプレイさせて、それを評価軸に据える、というのはなんだかなぁ、と思ってしまうわけです。

〈ユース仲間のリユニオンは 良きもの〉
栃木はひたすら我が身上とするサッカーを遂行。
プレイスキックは、遠い位置からでもゴール前へとボールを投入、とか。

対して、山雅は負けなければ、という前提が、素直にゲームぶりに反映した。

外気温3℃の寒さにも増して、冴えないジャッジもあって、〈お寒い〉ゲーム内容でありました。

どうでしょう?、前期対戦に比して、60~70%の出来のように感じました。

でも、しかし、救いとお愉しみ、がなかったわけでもない。

栃木監督の田坂氏は、70分を過ぎてついに、矢野、榊のFWを同時に投入。
高さと突進力のふたつを前線に与えることで、ゲームを動かしにかかる。

榊は、ピッチに入るやセンターライン沿いを全力疾走で、バックスタンド方向を向かう。
そして、すでにピッチに在った前 貴之のとなりにスッと来て止まったのだった。
そして互いに顔を向けることなく、なにかひと言を交わす。

コンサドーレのユースチームで切磋琢磨した才能たちが、何年か経ってここアルウィンで敵味方として再会する……。
(オマケにふたりともが、決定的なシュートをミートできずに天を仰ぐ…とは!)

強化部 御中。
ならば、この際来季、突貫小僧の榊 翔太を誘ってしまう、ってのはどうでありましょう?

では。

我らの現実 (2020リーグ 次節いよいよ成立)

COVID-19禍の中、今シーズンのJリーグは、(全カテゴリーとも)リーグ全体で日程の 75%、各チームが その50%を消化した時点で、リーグが成立することとなっている。
チーム毎50%の条件は、とっくにクリア。

残るは全体の75%消化なんだが、J1はすでに満足、

J2とJ3では、次節(それぞれ26、32節)のゲーム終了時点でその要件を満たす。
(註:正確には、 J3は4チームに未消化ゲームひとつあるが)

つまり、それ以降いつリーグが中止になったとしても、その時点の順位によって、昇格が決まる。

ディビジョン2では、現在の上位4チーム(徳島、福岡、長崎、北九州)のいづれかにほぼ絞られた、と観ていいだろう。

デビジョン3は、秋田は当確。

残り一枠には、熊本、相模原、長野、岐阜のどこか、というところ。
未消化ひとつの長野、岐阜はすこし有利か。
(秋田と相模原は、J2ライセンスを取得している)

秋田、といえば、久富 賢と中村 亮太。
また、相模原ならば、三島 康平。
岐阜だと、高崎 寛之。
―彼らにとっては、アウェイ山雅戦は、アルウィンへの凱旋になるわけだ。

とは言いながら、あと10試合少々を残した今、新卒やユースからの昇格ニュースがチラホラしているということは、来季の戦力外通告も同時並行してなされているのではないか。

となると、凱旋にしたところで、現所属が続いていれば、という条件つきに過ぎない。

山雅にとっても、従来の動向からすれば、現メンバーでそのまま来シーズン戦っているはずもない。
毎年、3分の1のプレイヤーが出入りしているのだから。

今季の札幌は、全プレイヤーと契約更新をおこなってリーグ戦に突入するという離れ業をやってみせたけれど、トップリーグに居ない限り、そして、チームによほどの求心力が無い限りは、無理な話だろうし。

柴田監督の状況では、実質誰が先頭で強化に動くんだよ?、と少々心もとない感はあるが、こうなったら、柿本 倫明、鐵戸 浩史の両氏が新しい風を吹き込むべく奮起するってもんでしょうかね。

一介のファンとしては、惜別を覚悟しながらも、現メンバーによる最後の仕上げ的ゲームを楽しむばかりではありますが。

では、今宵、初冬のアルウィンで。

神経戦と 道産子と (栃木SC戦プレビュウ)

9/13、アウェイでの対戦は、1 – 1 のドローで決着した。

双方が忙しく攻守を入れ替える内容で、ボール保持もフィフティフィフティの五分。
失点は相手のスーパーなゴールだったから、山雅として出来は悪くないゲームだったと思う。

〈一分も変わらない、田坂栃木〉
それから50日後、前節の対甲府戦(0 – 0 のドロー)を観る限り、栃木SCは、やはり徹底的に田坂SCであって、やってるサッカーは不変。

陣形のバランスの崩れなどお構いなしだ、とにかくボールを手中にしたら前へ前へと進み、でき得る限り速く、ペナルティエリアへとボールを入れてくる。

ここらへんは、最後まで地上戦でボールを運ぼうとした山口とは大違いで、アーリーなクロスを斜め後方からどんどん上げてくるのだ。

ゴール前で相手ディフェンスにとって厄介な混乱を作ってしまい、スキを見い出してシュートを打とう、そんな意思で統一されたチーム。

思えば、2015年トップリーグでの浦和戦。
かのチームからは、山雅、バレーボールやってるのか?!、と酷評されたのも懐かしいが、高くルーズなボールが行ったり来たりするような、無様さも厭わないすがすがしい一途さを持って迫ってくるのが栃木、と言えようか。

J2リーグでは、立派に通用するやり方でありましょう。

〈変容した山雅は どう出るべきか〉
守備の安定をベースに、中盤における奪取力と強度を増してきた山雅。

では、どう対するか?

ボールを地上戦で動かしながら侵入するのか、あるいは、相手ディフェンスの裏や左右に生じるスペースを一気に狙うのか。

いずれにしても、やっちゃあいけないことは、栃木のなりふり構わぬ突進を受けて立とうとすること。

実体としてはカウンター攻撃の応酬のなか、相手の強度を上回る勢いをもって、向こうのゴールへ詰めていく、この姿勢が求められる。

破調で無意味なボールが入れられても、無慈悲なタックルに曝されても、いたずらに熱くなることなく、冷静に狩る。

特に、プレイスキックには緊張を切らさずに。

いわば神経戦を制しながら、テクニックで相手の意図をくじき、崩す、これが今節のテーマでありましょう。

数年経って、今度は自分たちが、バレーボール的サッカーを制すべき立場になったと割り切るってもんです。

〈ユース対決が 織り込まれるか〉
つい昨日、来季、U-18から初のトップ昇格のリリースがあったばかり。

こういう歴史を刻んでそれなりのクラブに成りあがっていくのか、との感慨が来るが、
今節、かつて同時期にトップ昇格を果たし、それからほぼ10年を経て、対戦するかも知れないプレイヤーたちも、見逃せない。

それは、前 貴之と、榊 翔太(栃木FW)。

誕生日がひと月しか違わないふたりは、コンサドーレのユースからトップ昇格を果たしたタレント。
2012年札幌がJ1で戦ったシーズン、リーグ戦で出場を果たしている。

それが、いまや27歳と働き盛りの時季だ。

前回対戦では、榊はベンチを温め続けていたのでピッチ対決は実現しなかったけれど、アルウィンでは、互いにしのぎを削るシーンを観てみたいものです。

やがて数年したら、山雅ユース育ちが互いにやりあっている光景の先駆けとして……。

では。

 

階段をふたつは上がる (2020.11.1 山口戦レビュウ)

2 – 1 の 勝利。

開始早々からフルスロットル。

圧力をかけ続ける中で、セットプレイから1点、さらに向こうの守備陣を背走させて競いながらの、しぶといシュートで1点。

全体的には、佐藤 和弘をアンカーに置いた、3 – 5 – 2 が今後定番化するだろうな、と思わせる出来だったと思います。

チームの容貌が、勝利を伴って、カッキリと手応えを持って現れてきた。

階段をふたつぐらいは、確実に上がったと言えましょう。


これほどの眺望ではないにせよ、残りのリーグ戦、これだけのメンツを抱えて勝てないでいた不思議を、ぜひ紐解いて魅せてもらいたい。

このチームには。

陣形として、山口の 3トップに対し、3バックが、同数で巧く機能したのも良かった。

ただし、相手のゴールは、ディフェンス2人できちんと対応すれば、阻止できたもの。
空振りと無為が重なった、つまらん失点でした。

ただ、この失点によって1点差となったことで、ゲームそれからの60分間を、緊張感を持って、あれだけ、足と頭が停止せずに戦えたのも、また事実。

サッカーの妙味、ということ。

で、(昇格と降格とは縁のない今) みづからを鼓舞するためには、至近の目標をどこにおこうか、ということになる。

萬年的には、この5連戦が終えたあたりで、直接対決のある、町田、千葉の尻尾をとらえることができれば、と思っています。

15位への浮上、まづは、これでいきましょうか。

註: 画像は、大菩薩嶺より富士を望むの図 (版権帰属  オフィスウエストウッド 2020.10.31撮影)

では。

きっと クリスマスの頃、

持ち出す話題ですが、ここで少し。

柴田監督以下の体制で、今季終了までを戦うらしい。

報道記事を直接読んではいないけれど、新監督招聘が難航した、がその理由でしょう。
意中のお方に断られた、とか。
イレギュラーづくめのシーズンの、しかもその途中では、それこそ困難な事案だったに違いない。

加えて、チーム成績も、〈悪くはなっていない〉ので、このまま最後までいってしまえ、ということでしょう。

自らが率先して集めたプレイヤーをピッチで直接使う、ってのもまた一興でしょうし。

悪くはなっていない、と表現したが、正直いって、主な明るい材料は ……、

❶第14節(8/23)~第21節(9/23)の間を欠場していた橋内 優也が、それ以降復帰したこと。(8ゲームやって、1勝4分3敗)

❷レンタル加入の、前 貴之と佐藤 和弘がチームにフィットしたこと。

……、ぐらいではあるまいか。

ほかにも、高橋 諒や塚川 孝輝の稼働率が気になる。
ということは、受傷による離脱にかなり苦しんだシーズンですね。

(チーム内の意識変化は、全くわかりません)

で、上の❶❷によって、相手の攻撃を遅延させ、分断してしまう力強さが増大した、と言えば良い。

そして、いちばんの改善ポイントは、分断したらそのまま攻撃へ移ることに意を集中したことだろう。

陣形を縦方向に詰めておくことで、いざとなったら、一気に人数をかけて攻め切る、これに賭けているように思われます。

飲水タイムの設定によって、ゲームが4分割されるが、その3分の4までの時間帯(70分まで)になんとかリードしてしまえば、理想なんでしょうね。

というのも、ボール保持率が当方に低いから、体力をより消耗する不利を読み込まなければならないからだ。

柴田体制になってからは、こんな容貌が目につくけれど、残りは、13ゲーム。

できるだけ内容を上積みできれば、それに越したことはない。

これから勝率で、5割近くいけば、大したもんです。

保有する戦力の流出を抑制することで、チームの解体度合を低めて来季を迎えるためにも。

では。