妹たちから学ぶこと (2020.9.22レディースU-15 観戦記)

創設2年目の今年は、北信越リーグに参戦している山雅レディース。

アルウィンで、シュロス松本との対戦(前期第3節) がおこなわれたので出かけていった。

大会の詳細を承知していなくて正確を欠くが、参加は、7チーム。
これをふた組に分けて総当たり戦をおこない(前期)、各組の順位が決まった後、同一順位同士の決定戦(後期)という日程らしい。

山雅レディースの戦績(前期)はここまで、1勝1分1敗。内訳は……、
9/19  対 グランセナ新潟  2 – 0
9/20  対 アルビレックス    0 – 2
9/22  対 シュロス松本      2 – 2 (萬年観戦のゲーム)

当日のアルウィンは翌日の琉球戦の準備がされてあった。
観戦者は、ほぼ保護者親族と指導者スタッフで、およそ100名前後。
会場入り口では体温測定、アルコール消毒などCOVID-19対策がされていた。

ゲーム前ピッチ練習では、小林陽介コーチが快活かつはつらつと指導をおこなっている。

〈進化をみせるチーム〉
ちょうど一年前に小坂田でみたチームに比べると、(メンバーは変わったものの) かなり強化されている印象を受けた。
ボールを受けてターンして交わす、相手と身体を入れ変える、ボールを失わず運ぶ、そういった基本技術は上がっていて、ほぼ全員がこれを難なくこなす。

4 – 4 – 2のシステムを採る。
サイド攻撃は、サイドバックとアウトサイドハーフの連携もよくて、かなり強力だ。
スピードを持ったプレイヤーをここに配しているのがわかる。
ツーボランチはテクニカルでボールの扱いに優れる。
今後は、視野をより広くすることが課題だろうか。
といっても、いいタイミングの縦パスも入れていて、巧くサイドへ配球もする。

出足の速さと寄せの強さは山雅にだいぶ分があって、挟み込んでのボール奪取にも手を抜かない。

特に感銘を受けたのは、アウトサイドハーフがみづからが前に走ることを前提にして、後方のサイドバックに向かってボールをはたく以外には、ボールを下げることをほぼしないことだった。

これは、トップチームにも望みたい、と強く思ったくらい。

さて、ゲームは、先制されて、逆転したものの、追いつかれるという展開。

2失点は、ディフェンスの裏に抜けたボールを、相手の大型フォワードに、GKと1対1の状況下で決められたもの。
シュロス松本は、前線に強力なカードを3枚揃える、というのが強みのようだ。

この年代にとって、最終ラインの裏には広大なスペースが空いてしまうから、こういう失点は事故のようなもの、と割り切って良いと思う。

GKが勇気を持って飛び出し、結果防げたシーンも何回かありましたよ。

山雅の2点のうち1点は、エリア内での被ファールによるPKで決まった。
それだけ、ペナルティエリアへの侵入を繰り返していたんだが、しぶとい波状攻撃では、もうすこしシンプルに打っても良かったか。

あまり表面には出てこないかも知れぬが、日々強化に励むプレイヤーとスタッフに感謝しつつアルウインを後にした、穏やかな秋の午後でした。

では。

制限時間を待つな (FC琉球戦プレビュウ)

〈前段 その1〉
―敗けてしまえ、って思いながら画面観てたよ。
前節対長崎戦における息子の気持ちだそうな。
この偽らざる心境、なんとも辛いファン心理ではないか。

―前監督の時は、勝敗は別として、やり切った感のあるサッカーだったなぁ。
これもまた、おおいに示唆に富む感想ではないか。

〈前段 その2〉
リーグ20節を消化した今、クラブ別入場者数(平均)で、さて、山雅は第何位でありましょうか?

第8位(2,689人)、が正解なんですね。

第1位は新潟(3,949人)、以下、長崎、磐田、北九州、岡山が3,000人台で続き、次に千葉(2,907人)、京都(2,770人)、で、山雅とくる。

あの!徳島が9位(2,480人) であるから、データ上からも、山雅は集客力においてもはや平凡になった、と断じていい。

藤田 息吹が言うように、山雅がサポーターあってのチームであるならば、
この調子だと、せいぜい頑張って、今季は、中の上的な順位で精一杯、ということかいな?

山雅公式ページからは観客数の表示は一切消えているから、クラブみづからこのテーマには冷淡ということか……。

週中水曜日の入場数を拾おうと思ったら、1,000円ポッキリのハーフタイムチケットくらいは、やらないと。
―確実視される赤字を少しでも埋める経営努力が感じられませんなぁ。

〈前段 その3〉
対大宮については、琉球(5 – 0)と山雅(0 – 1)、また対水戸戦は、琉球(3 – 2)で山雅(2 – 2)。
琉球にホームのアドヴァンテージがあったにせよ、同一チームとの戦績からすると、フツーにやれば、勝機がいづれに在るかは、目に見えている。

まぁ、前提のその2(観客のこと) なんかは、この際、どうでも良くて、
けれど、チームとして、少しは爪痕を相手に残さなければなりませんよ。

〈琉球とは?〉
ひと言でいって、攻撃を前面に押し出したチームスタイルが持ち味。

30m侵入回数がリーグ1位、ペナルティエリア侵入回数は同2位、パス数は2位で、シュート数は 8位、そしてボール支配率 54.%は7位。

では何故、順位で18位に居るかといえば、得点はリーグ9位タイだが、失点がリーグ最下位タイ、というカラクリ。

センターフォワードには、リーグ得点2位(9点)の阿部 拓馬を有す。
かつ、得点センスに優れた上原 慎也が途中投入の切り札として控える(ここまで3得点)。

ツーボランチの一角には、上原 一将。
彼を起点としたサイドへのビッグスイッチ、中央を割る縦パス、これは脅威です。
さらに、精力的に右サイドを動きまくっては、攻撃に絡んでくる風間 宏也は厄介。

ざっと、ここらのタレントの連動をぶったぎる、孤立化を図る、これに尽きる。

〈制限時間もなく 立ち合え〉
大相撲では、立ち合いに制限時間を設けている。
これは、ダラダラと仕切りを繰り返させないための決まり事だった。

つまり、対戦力士の呼吸と意思が合えば、一回の仕切りで立って良いのだ。
それくらい緊張感あるのを望むが、
実際は、制限時間いっぱいまで仕切っておいて立つ取り組みがほとんど。

サッカーでは、こういう立ち合いは比較的トップリーグに多い現象であって、そこらへんは技量的な強圧と自負がそうさせる部分があるんだろうけれど、ディビジョン2にあっては、そういう胸の合わせ方は、端から捨てるべきであるし、推奨されるはずもない。

制限時間などおかまいなしに一気にラッシュする、これこそ、今の山雅にこそ求められる態度だろう。

さぁ、ボールを持ってこれから前へ、あるいはフリーキックのリスタートを緩慢に、なんて余裕は、今の山雅から排除すべき、ということだ。

つまり、相手の態勢が整うのを待ったり、相手のリスタートには漫然と対応しない、あるいは、スローインは最大限の工夫と狡猾を持っておこなう。
―この辺、山雅にはいまだ、なぞるような趣きがあって、もっと絞り切った、尖がった攻守が必要ではないか。

もちろん精神論ばかりではダメで、戦術の裏付けが必要。
❶琉球はやはりクロスを入れて得点したいわけだから、当方は打たれる前にシンプルにサイドを獲ってクロスを入れ込む。(前節の奏功ポイント)

❷中央から行く場合も、上里のスルーパスの前に、米原なりが先にパスを打つ。
ボールを相手が優位に持つことが予想されるから、特にボランチは、上里とディフェンスライン、あるいは2列目とのワンツーに惑わされることなく、能動的なポジション採りを徹底しよう。

❸中央から仕掛ける場合、フォワードに入れてワンツーで後方から打つ、これは前節で、なかなかやり切れなかった部分。
諦めずに繰り返してもらいたい。やはり取り組の結果は大切。

……、とまぁ、あえて守備を棚上げしてでも、まずは準備したことを出し切る、相手に率先して攻撃を繰り出す、是非、これで。

相手のパスワークに対しては、乱調と断絶を与えて、出来る限りこちらペースの時間を刻みましょう。

では、なりふりかまわずのアルウィンで。

采配の妙に救われた (2020.9.19 長崎戦レビュウ)

0 – 2 の劣勢から終盤に阪野の連続弾で追いついて、なんとかドローで終える。

久しぶりにアルウィンが湧く活況 ― と言えば聞こえはいいが、たかだか観客5,000人弱で良しとするのも、いかがなものか?

COVID-19 への恐怖心に対しては、どうのこうの言えないけれど、シーズンパスのおよそ4,000枚は使われなかったことは現実。

チーム戦績を、どの顔で批判できるのか。

あれが劇場などとは思っちゃあいないが、かりに、劇場のようなもの、だったにせよだ、それを創り出したのは、ピッチのプレイヤーであったことはハッキリさせておきたい。

さて、ゲームそのものについて。

飲水タイムでゲームを区切り、90分を、23分 × 4 と考えると、開始早々 4分に失点したことで長崎を調子づかせたこともあって、最初の 23分はピッチ上で大した仕事ができなかった。
ミスも目立つ。

こういうところは、いい加減にしてもらいたいわ、ほんと。

このツケが響いて、実質70分のゲームを戦ったような格好だから、逆転にまで持っていくためには、やはり時間と気持ちの余裕が不足した、とみるべきだろう。

先発の布陣はこれで良し。
ただ、攻撃に少々手数を加え過ぎる感あり、やりたいことはわかったけれど。

❶良点を先に挙げると、交替カードが見事にハマったこと。

右サイドハーフ中美、センターバック左の常田、ボランチのアウグスト。
これで、ボール奪取、攻撃の組み立てとボール運びにかなり力強さが出て、ボールが良く動くようになる。

特に、中美は要所でボールの出どころになっていて、魅せましたねぇ。

おかげで、サイドの空いたスペースへ展開して、クロスが自在に入れられたわけだ。

残された時間からすると、こむづかしいことは止めて、もっとシンプルに速く攻める、と気持ちを割り切ったのが、いちばんなのかも知れない。

阪野とイズマのツートップで始めて、途中からジャエル投入のほうが相手にとって脅威が増すのではないか知らん?

2得点の阪野には申し訳ないけれど、MVPは、監督の采配だったと思う。

❷次に、改善点。
やはりボランチの出来がゲームのキモだったこと。
この点では、長崎に軍配が挙がる。
秋野とカイオ セザールのボランチセットは、位置関係、ボール保持と配球に優れ、山雅の側に学ぶべき点が多い。
特に、カイオの存在感が目立ち、長崎の攻守の起点になっていて、山雅はこの箇所でずいぶんと手こずりました。

徳島もそうであったが、ボランチが最終ラインまで落ちて センターバックふたりと 3バックを形成、その分だけ左右サイドバックが高い位置を採るやり方は、攻撃面でかなり手厚い。
これ、上位で好調さをみせるチームからもらえるヒントかも知れない。

プレビュウでも指摘しておいたけれど、このゲームが、米原 秀亮にとって切実な学習機会であったことを望む。
特に、前に打って出る守備のタイミングと、相手を狩る強さという点において。
今後はチームにその経験値を還元してもらえれば、グッドなのだ。

それでも、同点にまでは持っていけるようになったじゃん ― と大方の者はすこしでも気分を前向きに持っていこうとしているアルウィンではあった、とブログには書いておこう。


萬年にとっては、昨日、北ゴール裏の同志チノ氏と約10箇月ぶりに再会できたことが、なによりの収穫だった。

まぁ、監督一年目はかなり苦しむだろう、とは思っていましたけれどね―、とのチノ氏に対し、

―これだけのタレント陣が苦戦の続く中、(チームに)嫌気を感じなければ良いんですがね、と告白する萬年でありました。

では。

外連味のなさ,と闘う (長崎戦プレビュウ)

外連味、と書いて、〈ケレンミ〉と読ます。
もとは歌舞伎用語で、奇抜な演出を指していたが、やがて、受け狙いのハッタリ、といった悪い意味で用いるようになる。
外道、とも言いますな。

ゆえに、外連味がない、というと、正統的な本道、という褒め言葉。

前節の対磐田戦(0 – 0) の前半の前半を観た限り、長崎のサッカーは、外連味がない、がそのまま当てはまるような印象だ。

キビキビと、ボールの動かしに迷いなく、ゴールに向かう。
あるいは帰陣がすばやくて、(フォワードを含め)精力的に守備をこなす。
(―いわば、これがいまトレンドなスタイルとも言えるだろうか)

正直、長崎とはトンとご無沙汰で、ピンとこなかったけれど、
要は、たいへん組織的に攻守をこなすサッカーができていて、リーグにおいて現在、昇格圏内に在るのがうなづける。
(追加)ずばぬけた才能が突出しているのではなく、全員が共通理解で連動する。


山雅が逆転負けを喫した磐田に対して押し気味にドローで終わるんだから、
今の長崎と山雅がやったら、勝機は限りなく少ない、というのが順当な予想に違いない。

チーム熟成の彼我の差からすると、こりゃ、かなりむづかしい、というのが萬年の真情。

でも、ないような智恵を絞ってでも、ここは勝機を探らないわけにはいかない。

〈王道のサッカー〉に対して、まさか邪道で臨むわけにもいかないが、せいぜい相手の圧力に出来る限り屈せず、長崎のディフェンスを突破しなくてはならぬ。

長崎のボランチ(=インサイドハーフ)ふたりとアウトサイドハーフふたりが喰いついてくるところを外して、アタッキングサード奥へと外へ逃げるように人とボールを動かす。
そしてクロスを入れるか、さらに中央や逆サイドへ展開して、守備網に穴を開けて、フィニッシュ。
これで行きましょう。
長崎にしたって、山雅の攻撃を外へと追いやってからボールを奪いたいはずなんで、敢えて、虎穴に入って虎児(=得点)を得る、の策。
ポイントは、サイド攻撃に絡み、ボールを運べるタレントを配すことでしょう。

さらに、スカシたロングボールを最終ラインの裏に入れる手を織り交ぜるのならば、先発要員には細心を払い、各自のミッションと意思統一を徹底しないと攻撃が停滞して、相手のカウンター攻撃を発動してしまいます。

つまり、どこに配球しようとか考えていうようではダメで、次、そのまた次の展開が全員に了解されている、そこまで準備しておかないときつい。

❷長崎は、最終ライン➩中盤(インサイドハーフ)➩前線、というボール運びを、かなり直截的にやってくる。
インサイドハーフからアウトサイドハーフへの展開を中間にかます場合でも、やはり、遊び心に無縁の、無駄のないパスが入る。
一連の流れはかなり練度を有するから、見た目、オートマティカリイにボールが動く。(組織的サッカーの面目!)

そして、軽々にはクロスは入れず、中央へ運ぶなりして最後はショートパスでゴール真直まで迫って、シュートを決める、そんな感じ。

ペナルティエリア内で、最後のショートパスの局面までいってしまうと、もう手遅れ。
ゆえに、怖いだろうけれど、守備ラインをやすやすと下げずに、2列目、つまり中盤でなんとか長崎の攻撃の芽を摘めれば、それに越したことはない。

思い切って3バックを採って、5バックでガチガチに守る手もあるが、その時であっても、当方のボランチの〈狩り〉は強く、何度でも敢行しなければならない。

パスの供給手として活かすため、米原 秀亮にはどうしても、より手強い守備を装着してもらうしかない。

……、悲観的になりながらも、チームには、現時点での最上級のパフォーマンスを望む。

だが、10,000人入場可となり、手拍子が解禁された今。

それでもやはりさまざまな制限の下、僕たちがどのようにしてどのくらい彼らを鼓舞できるのか?、問われているのは、むしろそこじゃあないか、と思います。

素敵な55年メモリアルユニフォームをまとうチームを、なんとしても勝たせたい。

では。

昔はすべて良かったのか? (リーグ折り返し直前)

残り2節をこなすと、リーグ戦も折り返しだ。

ようやく入場制限が緩まって、観客10,000人上限でのホーム連戦が待つ。
シーズンパスが、これから使用できるようになる。

ということは、パスホルダーは10,000人を大きく割り込んだ、ということ?

ひとつの見もの、ではあります。

戦績次第で入場が増減するという原理が、アルウィンでも立派に通用してしまい、山雅ファンサポーターもそれなりに月並みなのか、どうか?
まぁ、答えは既に、ここ数試合でほぼ出てしまった、かも知れない。

さて、顕在化したCOVID-19による影響の最大のものは、シーズン中のチーム構築と熟成にかなりの困難あり、これだろう。

ベンチマークの設定と修正はともかく、それを磨き上げる場がほとんど公式戦のみ、というのはなんとも辛い。
実戦的なテストマッチが組めず、内輪の紅白戦でお茶を濁す、なんて世界なのだ現場は。

となると、前シーズンからの継続性が、戦績の決定的な要素であると、今更ながら思い知る。

今季ディビジョン2の監督就任年数を並べてみると……、

4年 ➩ 2(徳島、金沢)チーム
3年 ➩ 2(愛媛、山口)
2年 ➩ 9
1年 ➩ 9                   ……、という内訳。
(註:2年には昨季途中からの就任を含む。また、京都はコーチよりの昇格なので実質2年とも)

これを、9/13 22:22現在の順位表に照らすと……、

❶監督1年目のチームは、最高で5位(京都)。
以下7、8、10、14、15、16、18(山雅)、21(群馬)位。
従来のプレイオフ圏内には京都のみ。多くは中位から下位に沈む。

❷また、前年と異なるリーグで戦うチームの順位は、
1位(北九州)、6位(磐田)、18位(山雅)、21位(群馬)。

指導ビジョンと環境の点で変化の振り幅が大きかったチームが、やはり苦戦している、と言えそうだ。

変化の中で、比較的に善戦しているのは、京都、福岡、町田、といったところか。

ここで、上記❶と❷を両方満たすのが、山雅とクサツ。
画一なスタートラインの、かなり後ろからスタートしたのがこのふたつ、というのが、どうも実際だった。

(監督年数が長いけれど下位のチーム。こちらは、もっと状況が厳しい)

山雅してみれば、歓迎できないこの順当を、これからどれだけ挽回できるか?

自他共に使うところの〈昨季J1で戦った〉という枕詞を、巧く、そして偽装的に使い分けながらやっていくのが、深まる秋の、山雅なのだ。

旗を巻くには、まだまだ早い。

ここで、ひとつだけ。
ファンサポーターの他愛のない要求は自然なものと認めた上で、それでも、スタジアムと街の雰囲気をすくなからず貶める論調にだけは注意を喚起しておこう。

手早く言うと、堅守速攻とか、高インテンシティ(強度)というチームスタイル※を、ここへ来てどう考えるのか?、ということ。
(※トレンドなスタイルという視点とは別にして)

J2のチーム数拡張の最終番手で滑り込んで、最後尾から追い抜きをかけるには、昨年まで眼にしたそういった戦術が、山雅にとっては必然だった。
資金的にも技量的にも。

そのスタイルが、駆け出しのファンサポーターの心情に訴える力があったのも事実。
倒れ込むくらいに走り回れば、たしかに、人のココロは揺さぶられます。

ただ、どこで勘違いが生じたのか、劇場の幕が開かないと山雅でない、みたいな誤解がいつしか醸された。

ただ、この期に及んで、かつての ~らしさをそのまま信奉するのは、いかがなものか?

指揮官が変わる、というのはスクラップ&ビルド、をおこなうこと。
スタイル変容を、彼が公言するしないはともかく、その転換自体を、ファンサポーターを含めた外部がとやかく言うことではない。

真剣勝負の世界ゆえに、取り組み内容は、もちろん戦績から評価される。

けれど、現在の山雅丸が、タイタニックのように浸水の瀬戸際にあるとも思われない。(もちろん、浮沈という保証もないが)

したがって(推定される)ベンチマークを基準にして、現状の良否、それとの乖離について議論できるファンサポーターでいたいものだ。

現在不満な内容は、過去も克服できなかったことがずいぶん多い。
でも、そのすべてが今季になって発生したような論調さえあるのには、いままで山雅の何を観て来たんだろう?、と驚くばかり。

得点力不足、勝ち切れない、土壇場での被弾によるドローなど、挙げたらキリもない。

いっそのこと、今年の山雅は弱い、で十分。

でも、弱い、の評価にしても、彼我の総体的な部分かも知れない。

確かなのは、J2の水がもはや2~3年前ほどには甘くないこと。

せいぜい、昔はすべて良かった、といった色眼鏡を一度点検してみたらどうか?

考え方まで老け込んでしまっては、救われないぞ。

では。