油断した とは思わないが (愛媛戦 と今後)

時候の憶え、6/20今年最初の朝顔が開花、それと、カシワバアジサイも。

月曜日に、山雅課長と話をした時、

― (愛媛戦) 油断したね~、とのご感想でありました。

なるほど、そういう捉え方もあるのか?

ゲーム内容の良さからすれば、僕としては〈油断〉とも思えないけれど、

あの愛媛戦で、敢えて敗因を挙げるとすれば、

愛媛FCが、まるで、2部リーグのような戦い方をして来たことに尽きるのではありませんかねぇ?

つまり、相手の嫌がることを追求するような〈対策戦法〉に徹していた。

石丸さんの勝利への執着、それと、その狙いに応えられる (1~2部リーグ級の)タレント、それが愛媛には在った。

たとえば、0 – 2 と苦杯を嘗めた今治戦(前々節)、終盤にやっとこさドローに持ち込んだ長野戦(前節) の反省の上に立って、ポゼッションと、パスワークを駆使するサッカーを棄て、相手の最終ラインを背走させるようなロングボールを多用。

それが奏功したのが、松田 力による先制点だった。

……さて、前半戦を、あと4ゲーム残した現時点。

3部リーグでやって来て、はじめて味わった、あの徹底された山雅対策に、今後も多く曝されるのかどうか?、なんだが、

僕の見立てだと、2部リーグ経験の豊富なチームとやる時には考慮すればいい。

つまりは、レアケースとしておきましょう。

なぜならば、❶おおかたの3部チームは、ひたすら自己の強みを押し出した攻撃的サッカーを追求していること。

❷その背景には、ゴールを成立させるに足る、フィニッシュの精度に著しく劣っている事情があって、回数多くシュートを打ち込む必要があること、つまり、質より量を採らざるを得ないこと。

……ゆえに、敢えて守備的に引いて、相手を誘いこんでおいてから相手の裏を衝くような、手のかかるやり方は採用しない、と診るんです。

愛媛には、質の高いフィニッシャーを保有するという自己信頼が在るんですね。

まぁ、ここらへんは、後半戦に入ってからの経過観察も必要なんですけれど、次に当たるいわきFCとは、1箇月で2度戦うことになっているので、ある意味、その観点からも興味深い対戦になりそう。

初回となる第14節ホーム、そんなこともあって、ますます楽しみになりますが、そこはまた、プレビュウにて。

では。

みづから川を背にするために (2022.6.18 愛媛戦レビュウ)

アウェイのナイトゲームは、2 – 3 の敗戦。

遠地に出向いたファン&サポーターの皆様、共闘、まことにお疲れ様でした。

〈素直に 相手を褒めるしかない〉
愛媛の2点目(フリーキック直接ゴール)と、3点目(30m内外のミドルシュート)。

これがもう、文句のつけようがない、ファインゴール。

で、1点目は、対山雅のために!、石丸清隆氏が精根込めた、ディフェンス裏狙い戦術がピッタリ当たったクロスへの飛び込み。

キレイに揃う山雅最終ラインへの攻略法、だったんですな。

まさに、プレビュウで警戒していた、松田、茂木、佐々木の、トリプル揃い踏みゴールなので、あっさり脱帽です、あたしは。

だから、深刻に反省ぶるのは、この際止しにして、せいぜいヤバい位置での不要不急なファールは慎む、それから、オフサイドをセルフジャッジしてプレイを絶つな、というくらいの修正を加えよう。

〈収穫に 目を向ける〉
今季、これで、2敗目。
だが、いづれも、一旦は同点に持ち込み、かつ、最後の最後まで粘って最少得点差に持ち込んだ。
これこそが、チーム変貌を表す象徴的な有り様、と思います。

1 – 3 になって、プレイヤーに平常心で闘え、といってもメンタル的には無理な話、と考えたい。

けれど、それでもなお、アディショナルタイムを含め、終了の笛が吹かれるまで諦めない姿勢、それは示してもらえた、と感じています。

天皇杯の対磐田戦レビュウにも書きましたが、こっちが撮った最後のたった1点。

こういうのは、必ずや、次の勝負を手繰り寄せる。

小松の2得点(@藤枝戦)にしたって、そういった伏線があってこその仕事だったのではないか。(プラス、鳥取戦の不出来の猛省かな)

で、敗戦における途中の同点劇には、いづれも横山 歩夢が主役になっている。

このことは、采配の妙と、横山のセルフイメージの高まりを示していて、

昨夜のシュートにしても、外山 凌からのマイナスのクロスを、さも簡単そうに決めるところが、非凡。

サイドを侵して中へ供給するにしても、ああいう感じで、入って来るプレイヤーがカウンター気味の無理のない態勢で打てるような、スペースと時間を創ってあげること、これは今後のポイント。

佐々木 巧(愛媛)は、個人技(フェイント) で大野 佑哉のタックルを外すと、もっとも打ちやすい態勢とボールとの位置を創り出してから、スーパーシュートを放った(3点目)。

こういうことを、山雅の場合は連携の中でやる、ってことでしょうね。

あとは、けっこう鋭いクサビとなる縦パスの使用が、今節は目だった。

これを倦まず敢行することで、相手ディフェンスの間隙を切り裂いていく。
それを、武器にしましょう。

今後、どうみったって技量における(当方の)優位性からすると、相手が守備的に堅いゲームに持ち込んでくるシーンが増えるだろう。

とすれば、狭い、密集した壁(=相手の守備網) を貫いていく業に熟達しとかないと、ゲームを勝ちに持っていくのが難しいでありましょうから。

……というわけで、昼間、周囲の人々には、

― 次節の、2位、3位対決となるいわきFC戦。
これ、実質的な 6ポイントを縮めるゲーム。
今日、おそらく、少なくとも、いわきに勝ちはないでしょうから、これと勝ち点差3以内、での対戦になるはず。

これを見越してですね、みづからを川を背にした境遇に追い込んだのが、昨日の敗戦だったわけです。
10,000人を容れるためのキャンペーンも、煽ってるんです、きっと。

……、と吹聴しておく。

そして、帰宅してJリーグ公式ページを見ると、なんとまぁ、リードされたギラヴァンツが、後半のアディショナルタイムに同点に持ち込んでいるではありませんか!

これこそが、サッカーの神様からのギフトでなくて、一体なんなんだ……。

背水の陣はともかく、次節のコピーは、

山雅よ、走れ、うさぎ(脱兎)のように、で決まり。

では。

強く,あくまで 強く (愛媛FC戦プレビュウ)

今や 3部での対戦にはなったけれど、やぁ、懐かしの愛媛FCとできるんだ、って感じです。

最後に対戦したのは、昨年8月。

セルジ―ニョも戻って来て、シュートは相手の倍を打ち、決定機も多かったものの、川村 拓夢のたった一発にやられた、アルウィンでのゲーム。

で、結局、昨季は 2戦2敗。

それまでは、14戦して負けがたった1回の上得意さん、だったのにねぇ……。

〈チーム創りと スタートにおける明暗〉
対山雅、昨季の2勝に貢献した川村も今は、広島に復帰したが、今季の愛媛は……、
レンタルを含めて、新加入は、16名 (内、新卒とユースからの昇格が、計3名)

他方、退団は、16名で、レンタル元への復帰が 5名、後は完全移籍 9名、レンタル1名など。

要は、(おそらく例年と比較しても) かなり大きくプレイヤーの顔ぶれが変わった。

例えば、前節の長野戦なんかだと、後半から交代で、横谷 繁(昨季加入)、松田 力、佐々木 匠、茂木 駿佑が次々に投入されるなんて、おや、まぁ、これが、3部チームなの?

愛媛の、よどみない流麗なパスワークは、長野の何枚か上をいっていたから、このぶんだと、1点リードしている長野は、かなり守備的にやらないと失点は時間の問題だよなぁ。

……、と観ていたら、案の定、87分にセットプレイから、負けに等しいドローに持ち込まれてしまう。(by 森下 怜也のゴール)

だから、攻撃が巧くハマったら、一気にシュートまでやり遂げる。

愛媛は、それはそれは、怖いチームなのだ。

けれど、僕の観方だと、守護神(GK)の、秋元 陽太(引退)と、岡本 昌弘(鳥栖へ移籍)を失ったことが、守備の弱体には、けっこう効いている。

(その岡本も、それと守田 達弥も、鳥栖ではレギュラーを奪えていないから、なんともなぁ)

また、4 – 4 – 2の、インサイドハーフ(ダブルボランチ) の選定が、ゲーム毎に違っていて、試行錯誤感が否めない。

たとえば、今治戦(6/5)では、森下 怜也と横谷 繁のセット。

このふたり、本来が、センターバックであったり、もっと前め中央で起用したいプレイヤーなことを考えると、リーグ戦3分の1を消化してもなお、中盤の要がキッチリ決まらない、そんな様相。

……それと、新任の指揮官(石丸 清隆氏) による方向性の浸透に時間を要することもあってなのか、現在、12位。

ようやく、勝ち分け負けを、4 – 4 – 4 のゾロ目にまで挽回した、という現在地。

〈2部の匂いに惑わされるな〉

対照的に、山雅の場合はと言うと。

新加入 7名 (うち、新卒が 4名)
あとは、レンタル移籍組をできるだけ復帰させて戦力化を図る。

かつ、流出も極力抑え込んで、完全移籍による退団は、5名にとどめ、保有権を手放さないレンタル移籍が、3名。

つまりは、リーグ陥落の憂き目を、できる限り戦力を落とさずに乗り切ろう、という戦略。
(もちろん、その前提には、監督続投があったはず)

(あくまで)現状の戦績からすると、このチーム創造の志向性と、世代交代の思想が奏功した、と言えましょうか。

ですから、テクニカルでクオリティ高い愛媛とやるにしたところで、

強く、速く、聡くのスタイルは、もちろん不変。

そこへ持ってきて、今節は、〈強く〉のトーンを、全面に押し出すべき。

あの華麗なパスワークに飛び込むことを恐れず、人数をかけて挟撃して奪取をひたすら繰り返し、奪ったら、枚数多くペナルティエリアを目指す、これでいきましょう。

特に中盤で後手を踏まずに、そのエリアを制して、前へ前へ。

肉を切らせて骨を断つ、とか言いますが、そんなやり方で。

愛媛さんには申し訳ないけれど、ここでどれだけ自己スタイルでやり切れるか?が、次節 (いわき戦) につながります。

お叱りを受けるかも知れませんので、これはあくまで内緒のココロですが、アウェイ引き分けでも、構わないと思いますよ、戦略的には。

では。

チュニジア戦(2022.6.14) に思うこと。

(時候の憶え、6/15 夏椿、開花する)

ナショナルチームのゲームが、昨夜あったなんて、知らずにいた。

朝食をしながらの、TVニュース。

― チュニジアに完敗、って言ってるよ、おい。

― なんでも吉田が、失点のほとんどに絡んみたいよ、と家人。

なんだ、萬年よりも詳しいではありませんか。

そこで、仕事から帰宅すると、JFAによるハイライト動画(3分30秒)を、ようやく観たんです。

そして、思ったこと。

緩慢な守備はいただけないけれど、主将の吉田を、ここぞとばかり責めるのもなんだかなぁ~。

むしろ、〈完敗〉の根本原因は、得点できなかった攻撃に在る、のでは?

0 – 3、のゼロ点のほうです。

このゲーム守備に追われまくっていたのかどうか知らないが、シュートは互いに8本づつで同数……か。

となれば、やっぱり、課題は攻撃ですよ。

右サイドからの、伊東の突破ばかりが、これでもかと目立つハイライト。

ならば、徹底的に右方のクロス攻撃を組織化、深化させれば良いのに。

誰がどうやって入ってくるとか、詳細を詰めているのか、いないのか?

伊東がクロスを上げている限りは、彼がシュートを打てないわけで、じゃあ誰が中で受けて、シュートを打つのさ。

チュニジアの3点目のミドルシュートは素晴らしかったけれど、ああいうフォワードの存在感を、いまのナショナルチームは持てていない。

どんと構えていて、ボールを呼び込んだらひと仕事して魅せるフォワードの名前が、今、とんと思い当たらないもんな。

要は、普段一緒にやっていないからこそ、決まり事をキチンとしておかないといけませんよ、代表チームは。

まぁ、当事者からすれば、そんなことはわかってます!、なんだろうけれど、ナショナルチームのことは、それぐらいでいいや。

とりあえず、憶えとして書いておきます。

では。

雷鳴の余韻に考えた (@ 藤枝戦)

今日6月14日は、24年前(1998年)、日本が、ワールドカップ本大会の初戦(対アルゼンチン)を、戦った日。

そのチームで、背番号#10を身につけていたのが、名波 浩(25歳)。

そして、#7中田 英寿は、21歳だったから、当時から若い才能の登用があった。

山雅にとって、ユース生え抜きのプレイヤーが、アルウィンで2ゴールを決める、そんな歴史的な6月11日。

― スタジアム観客席は避雷針などで守られてはいますが、むやみに立ち上がらないように願います。

場内アナウンスを聞きながら、激しい雨に打たれ、じっと座り込む観客の群れ。

これもまた、サッカーの流儀なんだと言い聞かせるものの、かたわらを雨がっぱの幼児らが帰っていく姿は、なかなか切ない光景、ではありました。

あの雷鳴の中、考えたことがひとつ。

最近、ホームゲームでは、コイントスに勝つと、必ずピッチを入れ替える山雅。

これ、ゲーム開始早々から、ひたすらホームゴール裏めがけて突入する、というゲーム戦略、プレイヤーへのメッセージなのか?

相手を、背後から圧倒的なアウェイ感に陥れつつ、冒頭10分間は、先制的に強圧な攻撃をかけまくる。

まづはそう突っかけておいて、今度は、相手の反攻に引くなりしてみせて、ゲームの流れをコントロールしたい。

そんなところなんだろうか。

ま、これをやれば、少なくとも、スローテンポで脆弱なゲームの入りは回避できる。

クルマのエンジンも低回転を繰り返していれば、やがてはスムーズに吹き上がらくなりますしね。

勢い込めて入って、それなりの前半を。
で、後半は、もろもろの修正を施しながら、強度を増してクライマックスへ。

……、真の狙いはわかりませぬが、北ゴール裏の住人としては、後半、山雅の侵攻がこちらに向かってくるのは、まことにありがたいこと。

ふたつめの考え。

こうやってアナウンスの繰り返しにつき合っているのも退屈、こんな時は、ブルース スプリングスティーンの『Thunder Road』(1975年発表) でも流してしまうぐらいの遊び心があったって、いいのになぁ。

地上波観戦の方からは、待機中はハイライトの繰り返しばっかり。飽いてしまって、TVを消したよ、という話を聞く。

で、ここは、ひとつその、雷鳴の道、を聴いてしまえ。

……カーラジオから流れてくるロイオービソンは孤独な連中のために歌っている。
僕はその中のひとり、そうさ、ヒーローでもない。
けれど、
この、どうしようもない敗残者たちの街(故郷)から、メアリーを連れて明日を見つけるために出て行くんだ……、という青年の心情をつづった歌詞。

ハイスクール卒業したての恋人、というセリフが織り込まれているから、季節的にも今聴くのが旬なわけ。

では。