死ななくてもいいけれど (北Q戦プレビュウ)

必死とか、命がけとか、昔から恥ずかしくてなかなか口にできないタチ。(書きはしますがね)

火事場のバカぢからを否定はしないけれど、いつも火事に巡りあえるわけでもない。

なので、良い準備が結果に結びつくこと、それをひたすら願うだけ。

もちろん、良かりし昔日へのラブコールや、回帰ばかりを願うような風潮にも賛成しない萬年。

だから、せいぜいなりふりかまわずに行こう、って感じか。

後がないのは、どう言ってみたところで変わりないのだが、

― いくら説いても理解しないプレイヤーに嫌気がさして、名波さんやめちゃわないかしら、とついに心配し出した、この頃の家人。

― それ相当の覚悟で松本には来てるんだろうから、それはないでしょう。
……、とは言ってはみるが、誓えませんよ、僕になんか。

さてと、本論。

まづは、下川 陽太の出場停止が1試合で済んだことに、ひと安心。

そこで、彼を勘定に入れないでいくとなれば、いっそのことこの際、金沢戦で10人になって急遽試した4バックをやってみたら?、と思う。

あの時は、センタバックに大野と常田、サイドバックは、田中パウロ (左)と宮部 (右)を配して、これで後ろを4枚に。
その前には、アンカーとして平川をひとり置く。
2列目は、セルジ―ニョ (右)と、河合(左)) のふたり。
そして、鈴木と榎本のツートップで、4 – 1 – 2 – 2 。(つまり10人)

けっして流暢なサッカーではなかったが、金沢が何故か数的優位を押し出してこなかったことと、一番大きな理由として、こちらのお尻に火が点いた切実さで、けっこう攻撃的にできていた。

特に、宮部と田中は、自分の後ろには誰もいないという覚悟と、サイドを制すという使命感からでしょうか、上がり下がりに迫力がありました。

で、今節は、4 – 1 – 3 – 2 で、いかが?

アンカーにひとりで、中盤を縦の菱型にする格好でやってもらいたいんですが、北Qが安定の4バックなので、無理な注文でありましょうか?

そのギラヴァンツ、なけなしの戦力(失礼!)でダマシダマシ奮戦しているのは、なんと言っても、小林監督の手腕。

3連敗をふたつ含む8戦勝ち無しから、持ち堪えて、ここ6試合を、2勝4分で通過している、とは素晴らしい。

チーム生え抜き4年目の、高橋 大悟(22歳) に#10を背負わせる姿勢を良し、とすべきでありまして、そもそも下位でもがくであろうことを想定した中シーズンを始めたんでしょうから、それなりの平常心で臨戦してくるはず。

対し、およそ想定外の沼地に苦悶している当方。

かつてのギラヴァンツ#10、小手川 宏基を待望しつつ、上に述べた中盤のプレイヤー(インサイドハーフ)が、ぐっとペナルティエリアへと駆け込んでくるぶ厚い攻撃を期待。

真ん中スカスカでは、跳ね返りをミドルで打てず、波状で攻め立てられません。

さて、どちらが自分とチームメイトを信じて戦えるのか?

プレイのひとつひとつの熱量に注目することにします。

では、アルウィンで。

ミステリ礼賛 (その❶ ヴェルディの場合)

現代的なミステリの元祖は、エドガー アラン ポー(1809~1849年) でありましょう。
それが証拠に、江戸川 乱歩といった厚かましいペンネームも生まれておりますな。

推理(探偵)物、怪奇物、冒険仕立てのいづれであっても、僕の好むところですが、これらフィクションの中にとどまらず、現実にもたくさん、ミステリアスなことは起こっていて、なんと、サッカーの世界でも見聞されているというお話。

2012年、J初参戦の開幕戦。
長蛇の列の中に震え、その上凍てついた味スタで、Jの厳しさを思い知らされた敗戦に付き合ったのだから、外野から、少々好き放題を言わせてもらってもいいだろうと、今回は、かの東京ヴェルディのことを。

9/21付け公式リリースをざっと、総括すると……、

昨20日、『トップチーム運営状況に関するコンプライアンス委員会』による調査結果(41ページの報告書)を受け取り……、

組織の風土としての、思ったことを発言できない風通しの悪さと、相談し合える信頼関係の欠如を反省し、今後は、コミュニケーションできる組織へと変えていきたい (そのための再発防止策は8項目)。

会社のトップ(自分)以下、3名には、管理不行き届きとして、これこれの処分。

なお、報告書は、Jリーグへ提出したが、個人のプライバシー保護の観点から公表は差し控える。
マスメディア各位には、重ねて節度ある報道を切望したい。
……、そんなところか。(リンクを設定しますので、興味あればご高覧を)

不思議であること。

❶報告書を受け取って、早くも翌日に最終報告をリリースする、ってのは、迅速な対応にみえるけれど、意思決定の手続きとしては、どうみたって早過ぎる。

委員会による調査が進む都度、情報が組織トップに流れていたとすれば、この委員会の独立と中立性には、かなりの疑問が出てくる。

❷再発防止策はいいが、では実際、どんなマズイことが起こったのかは一切説明がない。
これがもっとも奇妙。
だいたいが、なぜ委員会なるものをこさえて、なにを調査したのか?
メディアが面白おかしく書き立てた内容を参照してくれや、とでもいうのだろうかね?、社長さんは。

これくらいの説明で幕引きが出来れば御の字なんでしょうが、当のヴェルディファン&サポーターの皆様の真情は如何に?、ってことでしょうかね。
ここが一番肝心かなめなところでありましょう。

さすれば、今回のお題は、〈証拠なき白昼夢〉とでもなりますか。

ところで、ヴェルディの大株主(56%の株式保有)は、ゼビオさん。
ゆえに、トップはそこの執行役員が務めていらっしゃるんですな。

以前、ゼビオの某店舗で、商品について社員の方に相談した際、後で回答を携帯にもらう約束をいただいたものの、その後、無しのつぶてだったなぁ。

ダンマリが、その企業体質でないことを望むばかりです。

では。

金沢戦 余談あれこれ。

富山から金沢へは、高速を使って、おおよそ70km。

走ってみて、あぁこれは、松本と長野くらいの距離感、とわかれば、かつては、富山、石川、(それと福井)がひとつの県であってもおかしくなかったことが実感できるのであります。

大久保 利通内務卿(実質的な首相) の暗殺事件(1878年5月14日)の実行犯の多くが石川県人であったため、その勢力増強を怖れた明治政府が、当時の石川県を、現在の三つに分割してしまった、というのは余談の、また余談。

さて、ハーフタイムのことだったか、

― 金沢のプレイヤー名も横断幕は、きれいに統一されているわねぇ、と家人、しきりにご感心。

みると、同じサイズの赤の地に、書体がいくぶん違うものの、白字で各自の名前が浮き上がる。
それが、ホームゴール裏最上部にズラリと掲げられてあるのは、たしかに統一感豊か。

― ところでさ、ゴール裏スタンドのグランドと境の壁のところ。
あそこに、7つくらいいろんな横断幕が並んでるよね。
思うに、あれは、サポーター団体(グループ)の〈旗印〉みたいなもんだと思う。

俺たちはここで応援している、というアリバイとして出しているってことだ。

― あらま、山雅の場合は、ウルトラスマツモトしか聞かないけれど。

― むしろそれが稀なケースであって、だいたいのJクラブは、いくつかの集団が在って、それが連合体を形成しているんじゃあないか?、と察しているけどね。

どちらがいい、悪いではなく、時流の中で、クラブがどう生い立ったか、の結果なんだろうけれど……。

アウェイ観戦だからこそ、味わえる歴史と異文化との遭遇でありました。

では。

高まったこと、安いこと (2021.9.19金沢戦レビュウ)

後半アディショナルタイムに追いついて、1 – 1 のドロー。

安房の峠越えの気分、おかげで、だいぶ救われましたけれど。

― もうっ、下手くそなんだからぁ!

ハーフタイムになっての、相方の第一声が、これでありました。

― いやいや、ご説のとおり、ボールがつながらないシーンはあったけれど、どうこう言うミスもほとんどなくて、前半を観る限り、今季ベストにランクインするくらいの出来だったと思うよ。

スタメンをみての、僕の予想は……、

先発が伊藤 翔でないから、きっと、ツートップ(鈴木 国友と山口 一真)だ。

で、セルジ―ニョのプレイ特性上、彼を、ひとりシャドウに置き、
そこを頂点にした三角形で、佐藤 和弘と平川 怜をならべて中盤を作るんだろうな……。

スタンドからは、そのとおりの陣形でやっていたように見えたが、鈴木、山口、セルジ―ニョは皆、ガチガチの点取り屋ではなく、人を使うタイプでもある。

下手をすると、ボールは動くが決め手に欠ける、という事態を危惧します。

だから、これからは、この3人が組み合わさった場合、どうやって、誰が、ゴールを挙げるのか、その方程式の解き明かしを注目します。

ベストに近い、との評価は、意図しているプレイが実行できていたこともありますが、
いちばん感心したのは、ボールが前へ前へ、と運ばれていくようになった、これでありました。
喰いついてくるファーストディフェンスをダマシて逆に揺さぶるボールの動かし、相手守備を左右に動かしながら、スキと空いたスペースを狙う、そういう動作がかなり身についてきている。

スピードと、強いボールが中継されるようになり、かつ、とりあえず、といった安易な後方選択がほとんどない

ただし、ファン&サポーターには(おそらく)いまだ、山雅の足元おぼつかなの、心配信仰があるわけ。

なので、最終ラインのパス交換時、相手が突っ込んでくると、オイオイなにやってんのっ、といったうめきがスタンドから起こっていたんけれど、不安定な感じもなくなりつつあって、いいんじゃあない?、この調子だと。

金沢のプレイの不確実にもけっこう助けられながら、前半、そして後半の失点(66分)までは、ツエ―ゲンの守備を締め上げてゲームを支配して進めてたんだが、
しかし、安い失点でしたよ、まったく。

サイドをたやすく獲られての、デジャブでしたから。

それでも、下川 陽太の退場によって10人になったことへの苦肉の策で、後ろ4枚にしてからのほうが、やるべきことがはっきりして吹っ切れたのだろうか、攻撃が活性化したのは、皮肉といえば皮肉。

ここら辺は、田中パウロ突貫劇場のたまものであったんでしょう。

が、金沢のセンターバックが、守備で終われて疲弊していたと考えるべきか、でなくて、山雅の攻撃の厚みが本物に近づいた、とするべきなのか。

もちろん、後者であってもらいたいんですが、

― この勝ち点を意味あるものにするには、次節が大切です。

なんて、何回も聞かされて、その次で期待を裏切られ続けている昨今ですからねぇ。

とにかく、今節の出来が、最下位あたりに沈むチームの対戦だからできたこと、と言われないような、北Q戦のパフォーマンスを望むばかりです。

では。

たとえ上司である としても。

― 鉄拳制裁は大嫌いです。「お前人をそうやって殴るほど偉いのか?」「殴るんだったら教えればいい」、そう思っています。

落合 博満氏の言葉。

秋田工業高時代、先輩による理不尽なしごきに嫌気がさして、入ったとたんに野球部を退部。
けれど、彼ほどのプレイヤーがいなかったたため、大会が近づくとお声がかかって、ゲームでは4番を打った。
そんな感じで、7回入退部を繰り返す。

東洋大の時は、先輩がタバコを取りだしたら、後輩がパッとライターで火をつける、といったならわしに納得できず。怪我もあって、半年で退部、中退。

その一貫した姿勢には、感動を憶えますが、こういう個性は、野球の世界では、きっと異端だったに違いない。

当時ならば、今より、よほど。

その落合氏の、別の言葉。

― ファンサーヴィスとよく言われますが、どこですりゃいいんんだ。私はグランドに来て、野球を見に来た人に「今日は勝ったね」と言ってもらいたい。
それが一番のファンサーヴィスだと。

では。