晩夏に聴く 挽歌。

3年ほど前のこと。

山本 剛(1948年~ ジャズピアニスト)が、飯田市でコンサートを演ったことを後から知って、聴き逃したのを悔やんだことがあった。

こまめにライヴを行なっているお方ではあるけれど、やはり首都での開催が多いから、こういうご時世もあって、今やなかなか足が向かない。

これじゃぁ、生で聴くのは死ぬまで無理かもな、と最近は思えてきた。

で、せめては、車の中で『ミスティ』なんかを流しているのだ。

さて、その山本の率いるトリオがバックを務めた曲を聴くのに、絶好の季節がやってきた。

暦の上では、秋は、3週間も前に立ったけれど、気象的には、この一週間が、〈晩夏〉なのだ、という。

とすれば、この曲は、晩夏に聴く〈挽歌〉として似つかわしい。

『Summer Time』を、安田 南 (1943年~没年不詳)で。

映画『赤い鳥逃げた?』(1973年、東宝)で、同名曲を歌っているのが安田 南だったんだが、当時、封切りを観た少年であった僕は、そうとわかるほどに音楽を聴き込んでもいなかった。

でも、これほどのパフォーマンスが在った70年代だったのか。

僕にとっては、事故に近い衝撃。

では。

ここだけの話 その❷。

雨交じりの風にあらがって、燕が二羽、相次いで、むこうの原めがけて飛んでいった夕暮れに。

京子さんから、相方に入ったメールのことを、思い出していた。

― 友人が、山雅の勝利を祈願しようと、某神社に参ったところ、

そこで、装具をつけた山雅の選手 誰々(名は秘す)が、ご夫婦で参拝している姿をみかけた、という。

なんとも言えない光景だったに違いない。

そういった信仰心のかけらを持ち合わせていない僕でさえ、一刻も早い彼の快復を祈る。

ジョージ ウインストンなら、今聴きたいのは、『Colors/Dance』

出逢ってから、もう40年近くにもなる曲……。

1980年発表の、ソロアルバム『Autumn』の冒頭に収まっている。

では。

ポール ウイリアムズ の季節。

季節が、すこしずつ落ち着きをみせる頃になると、

ポール ウイリアムズ (1940~ ) とか、ランディ ニューマン (1943~ ) を聴きたくなる。

後者の毒を含んだユーモアや悲哀もいいけれど、ポールの、もっとストレートで、飾らない歌詞は心に沁みます、こんな時候には。

いろいろ推したい中で、今回は『We’ve Only Just Begun』(1970年 カーペンターズによりリリース)。

現在完了形の見本みたいな題名のこの曲、もともとは、これから新しい人生を歩もうとするカップルを題材にした、60秒からなる、銀行のCMソングだった。

……僕たちは、始めたばかり。

それを聴いたリチャード カーペンターが作者に、歌わせてくれと照会した。
(作詞ポール ウイリアムズ、作曲ロジャー 二コルズ)

今回は、豪華にふたつを続けます。
ひとつは、ポール ウイリアムズ自身の歌唱。

ふたつめは、カーティス メイフィールドのライヴ演奏。
こういった編曲には、泣きが入る僕なんであります。
コンガなんか最高、究極のファンキーミュージック。

では。

『Who’ll Stop the Rain?』

天候だけを言うんだったら、サッカーという競技の特質上、ゲームをおこなわないといけなかった。

ただし、密着をうたっている、その地域に、警報が発令されたり、避難指示が出た日には、アルウィンだけが愉しみに浸っているわけにもいかないし、交通も遮断されていれば、出入りする人々の足許も危ういし。

―まぁ、セルジ―ニョとか、万全の態勢でサンガとやれる、って考えればいいことで。

―あらま、ツイッターなんかでそう言ってる人がけっこういたりするのよ。

さすが、山雅ファミリー、考えることは同じ、ってことでしょうか。

では。

山雅 決意の河を渡れ。


京子さんから、煽りのメールが家人宛てに入る。

―もろもろなこと、今朝ジャンプの新聞で確かめて、と。

そこで、隣家に頼み込んで、読み終わったニュースペーパーをもらい下げて来た。

ふむふむ。

首位京都との対戦の厳しさ、新戦力に関する内輪話等々、話題には事欠かない。

どうやら本日のゲーム、注目のひとつは、昨秋に大怪我を負った 山口 一真がメンバー登録されるかどうか、であるらしい。

秋田戦で途中投入された伊藤 翔(移籍加入)に続き、新しい戦力がいよいよアルウインのピッチで、あからさまになるのか。

で、その次は、コンディションを100%にまで高めた、セルジ―ニョと御目文字、という流れ。
(選手登録の手続きは、8/13に完了したので出場はいつでも可能)

まるで、ホップ ステップ ジャンプ の、FWの揃い踏みストーリー。

2021初秋のプレゼント、とでも名づけてしまおう。

阪野、鈴木、ルカオらにしたって、当然、黙っちゃあいないだろうから、なんとも熾烈な、前線の定位置競争、になるわけだ。

もちろん、新戦力のピッチ投入によって、すべてがオーライ、と思うほど能天気でもない僕なんだけれど、切れるカードや、引き出しが増えるという報せは、嬉しいもの。

お客さん商売は、とにかく話題性が大切。

チームがこれから飛び込んでいく、リーグ戦のクライマックス。

期待の高まりとドキドキを、この曲に託しているんです。

Many Rivers to Cross  (渡るべき河の多さよ)
written by Jimmy Cliff ,
recorded in 1969

渡るべき多くの河を眼前に
はるか自分の道を  見とおせない私
まるでドーバーの白い絶壁に沿って航行するかのよう
迷い、そして、自分を見失いそうなんだ

生きているのは  自分の意思のたまもの
何年も試され続け、疲れ切ってしまったけれど
ただただ、プライドってやつのおかげで 生き延びている

孤独は 私を 解き放ってくれそうにないが
独力でやってみよ、という試しなのか
恋人は何も言わずに去っていったけれど
そうだ、チャレンジしよう、と 自分に言い聞かせる……

今回は、トニ チャイルズ(Toni Childs 1957~ ) によるカヴァーで。

では。