煤払う日の 訃報。

一念発起した? 家人が、居間やキッチンまわりの整理整頓に着手していて。

かなりすっきりした空間が生まれ、喜んでいる。

ただ、文具や日用品が、ほとんど仕舞われてしまったので、これから、その在り処をいちいち訊かないと、ちょいとメモさえできない。

そんなことから、話題が大掃除に及んで、

― 年末の大掃除はね、あれは、新年に神様をお迎えするための神事なんですよ、と家人。

(そうか、盛大に掃除するだけだったら、なにも寒中を選ぶ理由はないわけだ)

― なるほど。でもね、宗教心皆無の日本人には、通用しない話だな、今や。

昔の江戸の街では。

年の瀬の煤払いは、12月13日と決まっていて、江戸城から始まり、武家屋敷、商家、庶民の家に至るまで、この日に皆が大掃除をやった。

   あくる日の  夜討ちもしらず  煤払ふ

翌14日未明。

赤穂浪士のテロによって主が殺害された吉良邸。
その御屋敷でも、大掃除に追われていただろう、という川柳。

ところで、昨日、仕事中に。

ジョー氏が、佐藤 蛾次郎 (俳優) の死を教えてくれた。

寅次郎マニアの彼にしたら、ココロにまたひとつ風穴が空いたようなものか。

訃報の話題ばかりだよなぁ、最近は。

でも、こんな曲で、現世の終わりを奏してもらう、ってのもいい。

そう言えは、ここで素晴らしいソロを演っている、ピー ウィー エリスも、昨年、この世を去っているんだった。(1941~ 2021年9月23日)

では。

だんだん効いてくる死。

フリートウッドマック (1967年~ ) は、まったく本腰を入れて聴いたことの無いバンド。

だから、アルバムの一枚さえも持っていない。

でも、ラジオからその楽曲が流れてくると、ハッとして手とこころを休めて、それに聴き入ってしまう、そんなグループ。

僕にとって。

こういう言い方は、最高の褒め言葉なのだ。

そのメンヴァ―のひとり、クリスティン マクヴィー (1943年 ~ 2022年11月30日) がつい最近、亡くなった。享年 79歳。

彼女が創った『Songbird』(1977年発表) は、エヴァ キャシディ (1963 ~ 1996年)がカヴァーしているのを聴いて知ったけれど、実に美しい曲。

でも、今回は『Say You Love Me』(1976年発表) のほうを聴いてみる。

儚い歌詞を、淡々と軽快に歌う。

特に、リフレインの旋律に触れたら、作者の逝去がじわじわと効いてきた。

ご冥福を祈ります。

では。

急に思い立つ ベスト 5曲。

ジョン レノン (1940 ~ 1980年12月8日) の作品について、ここらで、自分なりのベストファイブくらいを書き留めておきたい気分が、急に来たんです。

まづは、結論から。(順位には、ほとんど意味なし)

1) Help !

2) Sexy Sadie

3) Strawberry Field Forever

4) Happiness Is A Warm Gun

5) In My Life

ビートルズ時代、ジョンとポール マッカートニーがそれぞれ創った楽曲は、何故か?、レノン = マッカートニー、と共作のような名義になっているんだが、この五つは、レノンの独創と考えていい、と思う。

2番目の〈セクシーセディー〉

この曲は、マハリシ ヨギ (ヒンドゥー教における超越瞑想の唱道者、組織の創立者) に対する失望を歌っている、と解説される。

グループ内での妥協の産物として、ふつーのラブソングとして創り込んでしまう手腕が、にくい。

では。

12月のルーティン『ThanksGiving』

一年最後の月になると、引っ張り出しては、聴いているのが、

ジョージ ウイントンの、『December』(1982年発表) 中の曲たち。

このアルバムが世に出て、今年でちょうど、40年だ。

僕の場合、知って30年以上が経ってしまったが、いまだに、ここへ戻って来たりしている。

師走、などといって、喧騒の中に暮らすのは極力避けて、ひたすら冬ごもり、というのも、やはり無理。

なので、せいぜい曲の中に浸るんですが、なぜか、亡くなった方の仕草が急に想い出されなどして、なんとも。

では。

行く汝(なれ)に とどまる我に 冬の雨 (契約満了始まる)

(註:タイトルは、漱石先生の句のモジリです)

高卒は3年、大卒は2年、採ったらそこまでは面倒みるよ、が山雅式だと思ってきた。

高身長(181㎝) の体幹も出来てきて、プレイに攻撃的な雰囲気が備わってきた山田 真夏斗が 3年で契約満了か……、と惜しまれる。

ボランチ出身の監督からは、いろいろ教えてもらったことだろう。

とすると、大野 佑哉(阪南大) は、ディフェンスの要と評価され、山雅で成長した結果、どこかから声がかかったか。
相模原戦でも、船山 貴之とやりあって遜色なかったし。

なら、野々村 鷹人(流経大) は、あと1年やってみて、背番号#44のうち、4がひとつとれたら順調ということ。

ラストゲームの起用からすると、村山 智彦、パウリ―ニョ、中山 陸あたりが満了(レンタルバック) かな。

……、と考えをめぐらしていたら、

名波監督退任のニュースを、明け方の寝起きに知る。

指揮官については、2年契約をベースに、戦績上々であったりすると、それを再更新、というのがいままでのやり方だろう。

結局は、2部復帰ならず、が満了の決定的要素だったとは感ずるが、満了に至る内情は知る由もなし。

ただこれで、3年で3人の監督を使い果たしたことになって、まるで、神戸在の某チームと同じような、腰の定まりの無さ。

それが原因か結果なのか議論はあろうが、指揮者短命のチームは、パッとしない成績なんですよね、いままで。
(註: 2022季山雅の戦績は、決して悪くもなかった)

一般的な仕事にしたって、

ご本人がネを上げさえしなければ、(支援を前提として) 3年はみっちりやらせるのがフツーだと思っている僕からすると、サッカーの指揮官は、どうもひと味違う職種なんだ、といまさらに思う。

成功するまで辞めなければ失敗はなし、とは別の世界らしいや。

けれど、各人にとって、終わりは、次の仕事のはじまり。

山雅への貢献に感謝しつつ、次ステージでの飛躍と健勝をお祈りします。

そんなで、『We’ve Only Just Begun』(僕ら始めたばかり、1970年発表、ポールウイリアムズら) を静かに聴く、冬の日。

では。