嫌われるための秘策。

秘策、とはいささか大げさだが、上司としての人望を失うのは、それほど、むずかしいことでない。

もっとも効果的なのは、〈部下を悪者にする〉ことだろう。

お前を悪役に仕立てて、俺は自分の保身を図るからな、と堂々と言う上司がいたら、好悪は別にしても、よっぽど正直な奴、と思っていい。

萬年にも、こういった経験があって、それ以来、その人間をすべて条件つきで信用するようになったから、よくわかる。

この真理をコミカルに逆手に取って成功したのが、柳葉 敏郎と妻夫木 聡が絡んだCM。
ロト(宝くじ)なんかやらない者でも、このサラリーマン残酷の連作物には、けっこう惹き込まれた。

なんだかんだと悪評の電通であっても、こういう作品を産み出すから、勝てば官軍の世界は変わらない。

(上から言われなくても)、みずから悪役を引き受けることを組織への忠誠、と勘違いする者がいまでも多いのは、某会社が、か〇ぽ生命保険を不正/不正直に販売した事案の後始末が証明している。

直接手を染めた人間を数百人と処罰するものの、元締めとして指揮していた者たちは、結局のところ断罪されない。

この会社の反省の程度が、これで知れる。

では。

我が道を行け。

お店でオープンケースを覗き込んでいた家人、アイスクリームのひとつを指さして、
―最近、なにかにつけてこの画ばかりだわ……。

見ると、パッケージに〈鬼滅の刃〉とあって、キャラクターがワンポイントであしらってある。

―Yahoo! のヘッドラインも、こればかりですけれどね、
でも、これ、漫画誌(週刊ジャンプ) で何年も営々と連載されてきての今日、なわけ。
最近になって、周囲が寄ってタカって、銭もうけしようとしているだけでさ。

語感が新鮮なんで耳に残るけれど、皆が皆、キメツのなになに、を読んだり観たりしている日本でもあるまい。

そんなの知らん、で生きているのが大方であって、皆が皆おなじほうへ行く、ってほうが不健全だと思うけどね。

(COVID-19 にしても、陽性者が増えるのは自然の摂理であって、これを大変だぁ~、と騒ぎたてるメディアが低能なだけ)

ただし、週刊ジャンプには、『幽☆遊☆白書』を連載してくれた(1990~1994年)ことを、おおいに感謝しなければならないか?

どうも、山雅#10 セルジ―ニョが来日を決意したきっかけが、この物語に触れたことであったらしいからだ。

で、誰も聴かないような、Gee Baby, Ain’t I Good to You を、ケニーバレル(1931~ )でひっそりと。

では。

 

 

ヴァン氏の、ご立腹。

ポロシャツが好きで、チノパンツと合わせたりしている。

ただし、長袖がどうも好きになれない。
きっと、袖の汚れが気になるからだろうな、と独り決めしている。

カラーリングの好みと、萬年のフトコロ事情の曲線がほぼほぼ交わるのが、ギャップ(GAP)だったりするんだが、残念ながら、当地には店舗がなくて辛い。

気温が低下するこの頃になると、長袖のコンプレッションインナー(もどき)の上に、半袖のポロシャツ、という格好で就業することが多い。

上着に襟がないと、ネームカード(ロックキー兼用)のストラップが肌に直接触れて不快なこともあって、そんなスタイルになる。

そうしたらですね。

同僚のヴァン氏、
―こういった服飾の道から外れた着方がまかり通ってしまうから、長袖というものが廃れるんですよ。季節感というやつ。

と、ずいぶんとお怒りのご様子。
萬年の半袖着用が、まるで万死に値するような言い方なのには参ってしまう。

―いやあ、ブラウスについては、アロハを別にすれば、萬年は長袖オンリー派なんですけどね。
、といった言い訳も通じそうにない。

ヴァン氏、かつて数十年、アパレル業界(女性向け)でお店を営んでいた御方。
服飾については、一家言あって、なにかと譲らない。

でもね、ボディーラインが寸胴ナベのようになった女性が、ワンピースの下にデニムパンツをあしらう、あのスタイルほどには、世の中に迷惑をかけてはいないでしょう?

では。

〈コメント〉
☞ルノワール氏より  (11/15 21:21)
万年さん流石です
座布団10枚獲得ですよ⭐
その訳はもちろん
ヴァン氏
〇〇さんにヴァン氏
って名付けは120%正解です
〇〇さんのスタイルとファッション
街のアイビーリーガース特集
にぴったりでしょう!
私はメンズクラブってのより重い
メンズEXって感じの
重衣料の仕事一筋だったので
ポロシャツのお話は得意ではありませんが
マラソンランナーの私の場合なら
今の季節
長袖ランナーシャツ👕(黒か紺色)の上に白のノースリーブを重ねると楽しいです。社員証は邪魔なのでパンツのポッケに入れてボタンしています    

魂の 赴く先の。

一昨日、職場に居た時のこと。

突然に、すこし前に亡くなった同僚の容貌が、ハッキリと想い出された。

あぁ、あの彼女だったのか……、と。

若くして逝去したその女性、訃報を聞いた時、はて、どういうお方だったっけ?、と一向に人物が像として結んで来ない。

数箇月間の入院治療の甲斐なく、逝かれたようだ。

部署も違い、会話をすることもなく、すれ違いに会釈するぐらいであったか、と思う。

目の前からいなくなって何箇月も隔たってしまえば、致し方もあるまい。
とは思ったが、それでも、なんだか胸の中のトゲのように残り、釈然としないでいた。

その日、ひとりの同僚が或るブラウスを着ていたんだが、そのチェック柄が、萬年の脳裡に、故人の面影を喚起したに違いない。

そういえばその人も、格子柄のブラウスを着ていた、そうだった、あの彼女だったのか!、といった具合に……。

脳に刻まれた記憶は消失することはなく、単に埋もれてしまうに過ぎない?

     風 尽きる 萩の野に落つ 西日かな     萬年

では。

風、尽きるところ。

この際、木枯らしでもよい。

風よ、吹いてもらいたいのだ。

できれば、強く。

庭を埋める落ち葉が、どこかへ吹き飛ばされてくれないか、と願う。

でも、落ち葉が飛んでいって、最後に吹きだまる場所がきっとあるはず。

そこって、どこなんだろうか。

では。