柳多留 (江戸時代の川柳集) の中に、
駿河者(するがもん) 我が物のごと 富士を言ふ
といったような句が、たしか在った。
労せずもして、もともとそこに在ったものを、さも、我が物顔に自慢することの滑稽を言っている。
で、これを真似ると、
信濃者(しなのもん) 我が物のごと 槍穂高
と、皮肉れるのか知らん。
日本アルプスの素晴らしさは、当地在住の者が、たとえば、〈岳都〉とか声を高めなくとも、訪問する方々に十二分におわかりいただけるに違いない。
山岳の感動と讃美は、専ら訪問者にお任せしようではないか。
だいたいが、槍や奥穂高の標高を問われて、即答できるのかいな? 、俺たち。
……以上は、松本山雅が、中部山岳国立公園(環境省)とパートナシップを締結したニュース(12/17リリース) に接し、心に浮かんだこと。
もちろん、この記事は、山雅の活動を否定するものではまったくない。
今年の選手紹介ムービーにも登場いただいた槍ヶ岳などには、アルプス一万尺の使用料も含め、情報発信や広報で、ひたすら恩返しをすべき、と思います。
では。
(写真すべての版権帰属先:オフィスウエストウッド)