さて、満を持してのプレビュウ後編は、ゲームに向かう具体論だ。
(願わくば、サンガの皆さんが、いまだに勝利を引きずっていて下されば……)
〈京都サンガを定義する〉
初期布陣は、(前節は)4 – 1 – 2 – 3。
4バックの前方には、中盤の3人が逆三角形のように前方に開き、最前線には3トップが並ぶ、という攻撃的なシステム。
で、運用は、両サイドバックが高く上がってしまうので、センターバック(ヨルデ バイスと本田 勇喜)のふたりで、68mのピッチ幅を守る格好。
だから、彼らのカヴァーすべきスペースは、かなり広大。
アンカーの川崎 颯太より前方には、フィールドプレイヤーが8人もポジションを採っているので、左右中央のどこからでも攻撃を繰り出せるようになっている。
ただ、相模原戦をちょっと観た限り、案外遠くから早いタイミングでもボールをペナルティエリアに入れて来る。
3人の前線には、なんとか収めてシュートまで持っていってくれ、ということ。
ただ、まだまだ未完成な感じも否めず、そんな京都と今のうちに当るのは幸運、とでも思いましょう。(ドロー、だっていいんです)
〈山雅に求めること〉
❶向こうが3トップであること、また、サイドバックが幅広く高いポジショニングであることから、3バックを敷く、ってもんでしょうか。
対山口戦のような、3 – 3 – 2 – 2、または、3 – 1 – 4 – 2 で。
❷寄せては返す波のごとく
端からボール保持にはこだわらない山雅だから、自然と攻守切替えに追われるだろう。
その時、これを敏捷におこなうのを、90分間ひたすら続けること。
攻守における前後の移動では、陣形を出来る限りコンパクトにして、プレイヤーの列間を間延びさせないことが、いちばんの肝要なポイント。
でないと、京都の中盤プレイヤーたちに空いたスペースを使われ放題になる。
波の間隔を詰めておいて、寄せて返すの動きが、あくまで連動するように。
おそらく、京都はこちらの最終ライン裏へさまざまな種類のボールを入れてくることは必至。
けれど、それにビビってばかりでラインを下げてしまうと、防戦一方となって体力的に疲弊してしまい、いいようにチャンス構築をゆるしてしまう。
❸プレイヤー投入は 逆回転で
先発、および途中投入の手順を、前節山口戦から真逆にすべき。
京都のセンターバック2人は、屈強ではあるが、アジリティと俊足ではそれほど秀でていない。
となれば、先手先手で、最終ラインに生じるスペースに向かって、人とボールが同時に走り込むことを執拗にチャレンジしよう。
それには、先発は横山、阪野の組み合わせが、最適ではないだろうか?
また、ドリブルに優位性を持つ、田中パウロや河合 秀人の切り裂きだろうによって、京都ディフェンスに揺さぶりをかけたい。
で、大切なのは、ツートップやドリブラーに続いて走り込んでくる安東や前の攻撃性と、佐藤や小手川によるビッグスイッチ(大胆なサイドチェンジ)が追従すること。
守備の危機を救おうと降りてくるボランチの川崎らには、後ろ向きのプレイを強要しなければならない。
こういうことが、連動性なわけで、センターバックからの長いパス供給も、怖れずに多用すべきだろう。
で、ゲーム進行をみながら、途中交替のカードを次々と切っていく。
相手の裏狙いや、サイドの駆け上がりは、彼我が同じようにこだわるだろうことは目に見えている。
だからこそ、先に仕掛けたほうに水が多く流れるに決まってる。
互いにわかり切ったことを、どれだけ執着して実行できるか、これがゲームを決める最大の鍵、と考えます。
では。