はるか彼方の芝生 (ノリッジシティFCのように)

今季(2021/2022年)、プレミアリーグ(イングランド1部)に昇格したクラブのひとつが、

ノリッジ シティFC。

創立は 1902年。

だから、最古とまでは言えぬが、イングランドのサッカークラブでは相当な歴史を持つ。

ここ10年間をみると、プレミアリーグで6年、チャンピオンズリーグ(2部)で 4年を戦っている。
1部と2部を、それこそ行ったり来たりしているのだ。

2部リーグではトップクラスを謳歌するが、トップリーグにあっては残留圏の試練の中、という感じ。

リーグは違うけれど、
僕は、リアルな話、今の山雅が目指すべきは、(クラブの総合力として)そんな立ちどころだろうな、と思っている。

頂をめざすはいい。

けれど、その時々の〈頂〉を勘違いすると、要らぬ傷を負うことになる。

今シーズンは、J2に残る、そこが頂上、と腹を据えてかかり、精神と戦力を健全に保つのが良策ではないか。

さて、ノリッジに戻ろう。

今季がすでに開幕していて、

3戦して3連敗と、さっそくプレミアの手厚い洗礼 (ここまで通算で、1得点10失点) を受けている。

まぁ、その3ゲーム、リヴァプール、マンチェスターシティ、レスターシティ、とやったんですから、これが順当といえば順当……。

ところで、僕にとっての最大な興味は、今シーズンから、ロータス社(Lotus Cars)が、胸スポンサー(Principal partner) になった(= 返り咲き)ということ。

チームの愛称、カネアリーズ(The Canaries)は、クラブカラーが、カナリアのような緑と黄であることから来ていて、ファーストユニフォームは、あの某ジェフと、まるでソックリ。

申し訳ないが、個人的にはあまり好きな色合いではない。

でも、セカンドは、そこそこに美しいぞ。


ほら、過去のも、けっこう良い出来でしょう? (これは、アウェイ用)

同じノーフォーク州に本拠を置く企業ロータス、としての支援だと思いますが、このユニフォームがたびたび話題に挙がるような活躍を、ノリッジ シティFCには期待します。

もちろん、EPSON社による胸マーク。

それが、Jクラブ中随一の美しさであること、これは当たり前。

では。

暇に飽かせて 予兆を観る。


註; ブロッケン現象(2021.8/4 15時過ぎ 燕山荘東で撮影。版権帰属先:オフィスウエストウッド)

長年親交している、人生の大先輩から、残暑見舞いのタイトルでメールが入って、これが、ずいぶんとしんみりした内容。

そこには、夏も逝ってしまう感が満載で、人生もそんなかな、と思った日。

その日、スーパーマーケットで、見知った㈱山雅の社員のお方に逢ったので、

― 昨日は残念でした、とご挨拶。

でも彼、日ごろの押し出しの強さもなくて、むしろこっちが心配になる。

― 調子が悪いと、語り尽くせないこともありまして……。

― (そうでしょうとも、きっと、と思いながら)  アルウィンには行き続けますよ。

……と別れたものの、今こそ、互いに踏ん張りどころかもな。

それぞれ立場は違うけれど、〈どんな時でも〉勇気をもって進みたい。

実は、28日土曜日の夕方、J3の、岐阜 vs 福島 のゲームを観ていまして。

リーグトップの人件費(3億3000万円)の岐阜と、その3分の1の福島(1億2000万円)。※2020年度決算より。

けれど、その福島が、後半に4点を叩き込んで、岐阜を一蹴、しかも、無失点でゲームを締めるとは。

だから、サッカーは面白い、などと悠長なことは言っていられない岐阜、とにかく守備の緩さが目立った。

そこそこの人材は配している、のになぁ。

……振り返ってみたら、なんだよ、まるで、翌日の我が山雅の有り様そのままではないか!、と、今頃になって思い当たっているとは。

(こういうのを、人によっては、bad omen (悪い兆し)と言うのだろうか、でも、まぁ、不信心な僕にとっては、単に、後の祭り、に過ぎない)

川西 翔太というタレントに頼み切りの攻撃スタイルをなんとかするためには

せっかく、柏木 陽介というゲームメイカーを手に入れたのだから、さらに、センターフォワードとして、
ここはひとつ高崎 寛之を獲ったらどうか、と思ってしまいます、安間監督。

その柏木は、90分間プレイしていて、敗色濃厚の局面になっても、要所要所でランしてボールを追い込む。

賢明なその姿に、けっこう感動してしまった。

中島 賢星は、その姿やプレイから学んでボランチとして成長してもらいたい、と願っている。

できるならば、岐阜さんとは、J2でまみえたいし、長良川競技場の、あの芝生席のマッタリ感を、また味わいたいものですから。

では。

自分をどう使うか? (2021.8.29大宮戦レビュウ)

― もう、やだ!  こうなったら、あたしゃ、磐田戦には行くもんか。

なす術もないような、0 – 4 の敗戦。

しかも、Jリーグきっての、理知的な、かつ、客観的解説者 佐藤 悠介氏の ゲーム案内であったのだから、その傷心は限りなくて、当然。

リアルタイム観戦、山雅ファン&サポーターの皆様ほとんどDAZNであったに違いない。

とすれば、佐藤氏の解説によって、チームとしてやるべきことの不足感が、かなり辛辣に胸に落ちた、というか、応えたはず。

2000年に大宮(当時J2)に在籍した、というゆかりでの解説起用だとは思うけれど、その佐藤氏、2008年のヴェルディ(当時J2)時代は、名波監督とはポジション競争をしていたチームメイトだった、というのもまた、サッカーの織りなす人生が垣間見られて感慨が深い。

〈大宮は あくまで大宮だった〉
優秀なFW,果敢なサイド攻撃、前と後ろを中継するボランチの存在感。

それらすべてはプレビュウで指摘したところでありますけれど、そこを忠実、徹底してきたのが大宮でした。

フツーにこれが出来れば、これくらいのプレイをする、ってことなんですよね、大宮は。

しかし、これで、やっとこさの4勝目なんだから、これからも厳しい戦いが続く。

〈負けて締める、緒とは何か?〉
プレイがすべてにおいて緩慢、棒立ちの印象だったのには、ファーストディフェンスの連動性の欠如、みづからのパスミスによるところが大きかったとは思うけれど……、

❶前半、上手くいかない現象に対しての、ピッチ内での修正能力が発揮されなかったこと。― これが最大の勘所でした。

大宮が最終ラインの裏、サイドを狙って突破したいのは露骨だったんだから、その起点をマークするとか、であるならば、同じ手法を使って動揺を与えてみせるだとか、たとえ、監督やスタッフの指示がなくとも、自分たちで状況判断できないと、チームとして機能しない。

❷要は、現況、個の技量で戦っている山雅、だと思います。
年俸の総和だけでは、チームとして高まっていかないだろうし、創造的なプレイ が単発に終わっている。

あれだけ攻めたてた愛媛戦。

そこに見えたと思った光明が、個による突破に多く負うものだった、としたら、僕としては、勘違いの認識だったのかも知れない。

単純ですが、サッカーは 11人でやるもの、ということから組み立てないと、現状突破はむづかしいように思えます。

ゲーム終了の笛が鳴ってしばらく、宮部 大己は突っ伏したままでありましたが、凄惨な失点はなにも彼ひとりの責ではなく、前線のほうの怠慢、というか責任感のないプレイのタマモノだった、のではありませんかねぇ。

〈自己をみつめ、自分を使う〉
指揮官のインタビュウでは、人選の大幅変更を示唆していて、まぁ、そこへの着手も必要かも、とは思います。

その際のポイント。

自分を使ってチームに貢献しようとする意思の者 を集めよ。
古臭いような話かもしれないが、どうやって貢献するか、に焦点を絞ることでしか、チームワークの質とか、コミュニケーションの能力はあがりません。

もちろん、その先には、成果を挙げるという目標があるわけですから、スタッフやプレイヤー同士、お互いに求めるものがもっと厳しくならないとこのまま行ってしまいます、名波さん。

実際のところ、昨夜のゲーム、山雅がマットウにやっていたのは、後半70分あたりからの20数分だった。

ファーストシュートは、たしか、71分でした。

20分すこしの仕事で給料をもらえるようなことはあってはいけません。

たとえば、クロスに競うにせよ、ボールの次の行方、そこまでを想定して自分の 位置を決めていく、とか、一度渡したボールを再度もらいに行くといった姿勢、大まかにいえば、責任感が鍵ではないでしょうか?

そういう意味では、途中交代で入った 山田 真夏斗が放ったふたつのシュート、これが、救いでした。

駆け込んできて果敢に打った山田も良かったけれど、あそこに優しいボールを出した、たしかセルジ―ニョでしたっけ?、ああいうプレイがもっと出て来ないとペナルティエリアの密集は破れませんわ。

これから、磐田、京都、それがたとえバルサであっても、ベストを尽くす。
―これ、セルジ―ニョの発言ですが、むしろ、その前に吐いた言葉を噛みしめたい。

では。

晩夏に聴く 挽歌。

3年ほど前のこと。

山本 剛(1948年~ ジャズピアニスト)が、飯田市でコンサートを演ったことを後から知って、聴き逃したのを悔やんだことがあった。

こまめにライヴを行なっているお方ではあるけれど、やはり首都での開催が多いから、こういうご時世もあって、今やなかなか足が向かない。

これじゃぁ、生で聴くのは死ぬまで無理かもな、と最近は思えてきた。

で、せめては、車の中で『ミスティ』なんかを流しているのだ。

さて、その山本の率いるトリオがバックを務めた曲を聴くのに、絶好の季節がやってきた。

暦の上では、秋は、3週間も前に立ったけれど、気象的には、この一週間が、〈晩夏〉なのだ、という。

とすれば、この曲は、晩夏に聴く〈挽歌〉として似つかわしい。

『Summer Time』を、安田 南 (1943年~没年不詳)で。

映画『赤い鳥逃げた?』(1973年、東宝)で、同名曲を歌っているのが安田 南だったんだが、当時、封切りを観た少年であった僕は、そうとわかるほどに音楽を聴き込んでもいなかった。

でも、これほどのパフォーマンスが在った70年代だったのか。

僕にとっては、事故に近い衝撃。

では。

思いの深さが まづあって (大宮戦プレビュウ)

― オレンジ(大宮)には、負けないんです!、と宣言したら、

― あれ(愛媛)も、オレンジでしたよね、

と返されて、言葉に詰まってしまいながらの、プレビュウであります。

〈なんだかんだで、ここまで来てしまったが〉
前回、アルディージャとは、アルウィンで戦ってスコアレス ドロー。(6/19)

やはり、リーグ最下位近くをうろうろしている同士の対戦だよな。
―といった、吹っ切れない印象が強いゲームだった。

山雅にとっては、7戦勝ち無しとなって、結局、柴田監督体制のラストゲームに。

対し、大宮は、霜田監督になっての 2戦目。

そして、以降、大宮は1回勝っただけで、ここ2箇月あまりを過し、現在、6戦勝ちが無い。

というよりも、3/27以来、ホームでの勝利に浴していないのですな、オレンジのファン&サポーターの皆様は。

さて、山雅。

名波体制になって、チーム品質の目指すところはあからさまになっている。

とは言いながら、就任後、6戦して 2勝4敗は、やはり満足からは遠い戦績。

……、とこうなれば、サッカースタイルや理論以前に、苦境から脱出する思いの深さでチームが一丸となるべき、両者でありましょう。

もちろん、精神論で勝てるほど、サッカーは単純でもないけれど、2箇月ぶりの対戦もやはり、残留の恐怖を背負いながらの対戦となった切実感は双方に重い。

〈大宮の中盤を 衝け〉
前節、アウェイ岡山戦を、0 – 1 で落とした大宮。
前半の20分までと、ハイライト映像を、DAZNで観る。

67分、GKが保持したボールを蹴り込んだ、というジャッジで幻となった河田のシュートを含め、明らかに大宮のほうに魅力的なプレイ、好機が多かったような印象。

※ジャッジリプレイ8/25 でも取り上げられた。

その悔しさのすべてを込めて、ホームで山雅を返り討ちにすべく向かってくるのだから、これは厄介。

❶守備のポイント
右サイドバックの馬渡、左サイドハーフの小野、この二人が、大宮の果敢なサイド攻撃の象徴的な存在。
比較的アーリイなタイミングで、強引にどんどんクロスを蹴り込んでくる。
中には、CF河田、トップ下の黒川(FW登録)、さらには控えのエース イバ。
これらタレントはボールが納まれば、シュートにまで持ち込んでくる力がある。

これに対しては、5バックを基本にすえて、サイドで数的優位を作って相手の侵入を阻止する、特に、センターバックが引き出されることで中ががら空きにならないように。

❷攻撃の準備
大宮は、4バックの前に、ダブルボランチ、トップ下に黒川を置いて、トップに3人を配する、といった攻撃的な初期布陣。

攻撃するためには、両サイドバックが高い位置取りを採るから、ボランチのひとりが最終ラインまで降りて組立ての起点になるので、
乱暴に描くと、3 – 1 – 6 くらいな態勢となる。

ボランチひとりが、守備ラインと、人数をかけた前線をつないでいるような格好だ。

山雅が衝くとすれば、まるで砂時計の容器がくびれるように孤立する大宮ボランチの周囲にできる、このスペースでありましょう。

極力、相手ボランチが前を向いてプレイすることのないよう、プレシャーをかけながら、このスペースを、セカンドボール回収と、当方のボランチが入り込んでいく場所として使いたい。

ここで後手を踏むと、大宮ボランチからは、サイドチェンジを狙ったロングボールが、タッチライン沿いに供給されてしまいますしね。

❸攻撃の仕上げ
中盤でボールを獲たら、愛媛戦ではいまだ未消化だった、攻撃の完遂、これを、どうか表現してください。

個をどうやって組み合わせて、整理された攻撃のアイディアを、どうやってシンプルにゴールに結びつけるのか?

現地観戦はなりませんが、ひたすら、そこを注視しています。

では。