舞台裏がよっぽど面白い。

芸術家の楽屋は、醜いものだ

……は、当のご本人が語っているはずだけれど、誰の言葉だったっけ?

たとえ芸術家で無くたって、表裏に一分のブレもないような人格はそうそう在るとも思えないから、舞台裏の醜悪/醜態は、彼等の専売特許でもあるまい。

生れてこのかた、私は一度も偽証(=ウソ)したことがありません、と心底言える人格などいるんだろうか。

(僕の中では、『罪と罰』(ドストエフスキー、1866年)の登場人物である娼婦ソーニャは稀な例外だが、その個性にせよ、作者の創作した人物)

さて、リハーサルのほうが、コンサート本番よりも数倍魅力的な動画をみつけたので、今回はそれをご紹介。

芸術家の舞台裏のほうが、面白い、ってわけです。

ジェイミー カラムとルーマーのふたりがヴォーカルを採って、それに、スイングルシンガーズがバックコーラスをつける、といった構成。

『Tiny Dancer』(by エルトン ジョン)の、クラシカルな選曲も萬年好みです。

おそらく、スイングルズの誰かが撮っているんですが、殺風景なアパートの一室に、ヤマハのキーボードを持ち込んで演ってる雰囲気が、実にいいなぁ。

では。

永遠の ヒロ。

― ねぇ、昨日、京子さんからメールがあって、高崎がゴール裏に来た時、泣いていたって。
どういうことなの?、と思ってたんだけど……。

試合の翌朝、家人が、出し抜けに問うてきた。

ご伴侶のブログを読んでさえいれば、不可解なこともなかったのに、と思いながら、

― この秋、ヴァンフォーレに加入したのよ、ヴェトナムから帰って来て。
昨日のゲームでも、終盤に投入されました。
ゲームの締めを託される格好で。
自分が、なにをしたらいいのかわかっている仕事ぶりです。

ゲーム後、アウェイゴール裏に挨拶に来たんでしょう、そのあたりを歩いていたら、拍手が聞こえてきましたから。

― 高崎が加入したシーズン始まる前の練習で、わたしゃあ、これは別格なプレイヤーだと思ったのよ。その動きが、他と全然違っていて。

彼が在籍当時のゲーム中、自分にボールが出ないと、けっこうな剣幕でチームメイトに要求していた高崎を観て、

― 高崎って、文句ばかり言っているわね!、と文句タラタラだったことも忘れて、いまや、ずいぶんと評価が高いのでありますな。

そりゃあ、そうでしょうとも。

今の山雅では、なんでこっちへボールを寄こさないんだ!、ってチームメイトに強く迫るシーンはほとんど観られませんから。
セルジ―ニョぐらいでしょう、せいぜい。

そこなんですよね、そこ。不満なのは。

相手プレイヤーの陰に入るようにしてボールから逃げている、あるいは、競ってパスコースに入って来ないようじゃあ、山雅のエンブレムが泣いてます。ったく。

……、甲府での背番号が#29。

あくまでストライカーの〈9〉にこだわる男。

ひょっとしたら、ヒロのカムバックはありかもよ、と思いたい、この頃。

では。

キャプテンは誰? (甲府戦レビュウ)

2 – 3 の敗戦。

せっかく2度も追いついたのに、もったいないゲームを落としました。

3失点目は、前に指摘したような一瞬の〈虚〉を衝かれる格好。

デイフェンスの横のラインが乱れてしまうので、ひとりがかわされると、次の対応が遅れ、相手にフリーな状態で入って来られてしまう悪癖。

佐藤 和弘の欠場で、キャプテンマークは誰が巻くのか?、興味があって、
遠目では、フィールドプレイヤーではなさそうだったんで、GK圍 謙太郎だったんでしょうか。
コイントスも見逃してしまいました。

実は、これが僕の中の伏線。

80分からの4分間で、双方が2点づつ、計4点を獲ってしまう展開になれば、観客席は盛り上がりますが、
同点にした側からすると、そこでゲームを落ち着かせたかった。

ピッチ内で、なかなかキャプテンシーが効かないような、今季を象徴する成り行きになってしまったのが残念でした。

3 – 4 – 3。

セルジ―ニョを前線に押し出すように配するスリートップは、ファーストディフェンスにも精力的で、なかなか良し。

やはり前 貴之の復帰で、要所要所に安定が生まれています。

甲府は、ボールを手中にしてからの動き出しで速いプレイヤーが目立ちましたが、連携するボールの速度は山雅が上回っていて、チームとしてのプレイ速度をかなり上げて来たことがうかがえる。

これはひとつの達成として、喜ぶべきでありましょう。

ヴァンフォーレのシャドウ、FW宮崎 純真は、幾度も、こちらの右サイドで脅威になっていて、ドリブルを武器に切り込んでいくタイプ。

彼のプレイをみていて、来季もしも残ってくれるならば、田中パウロ淳一はフォワード登録をして、そのタレントを目いっぱい活かしたらどうか?、などと夢想していました。

全体として、チーム、プレイヤーは奮闘した好ゲームだったと評価。
特に、下川 陽太は良い出来。

さて。

沈みゆくタイタニックにあっては、もはや船底の穴を塞ぐ作業、つまり、ディフェンスの整備をしている時間はなくなって来ているので、この先は、必死に水を掻い出す、要は、点を獲りに向かうしかないのかなぁ?、と思いつつ帰途に就いた、甲斐の晩秋でした。

では。

期待するから 腹も立つ。

ジャガー氏が、言うのに、

―この前、犬を連れて散歩中、横断歩道を渡ろうとして立っていたら、10台が止まらずに通過ですわ。
長野県のドライヴァーは、全国断トツで横断歩道では停止する、って聞いてるんですけど。

―それ、たそがれ時で、ジャガーさんが見えにくかった、とか?

―全然。この季節、犬の散歩は午後早くに済ませてますよ。

たしかに、僕が調べた限り、この県は、停止率 59%。
第2位の静岡県 40%を大きく引き離している。

(註: JAFによる2021年発表の調査では、長野県は、85%で1位、2位は静岡 64%、3位 山梨 52%)

ジャガー氏の場合、たまたま停止しない少数派が10人続いた、ということでしょう。

なまじ、ここらの停止率がダンゼン高いと知っているから、そうでないと腹が立つわけでありまして、これが、ほとんど止まってくれない土地に住んでいれば、これがあたり前と、涼しい顔で車が途切れるのを待つのではあるまいか。

なお、ジャガー氏の出身地 三重県は、42%で、下から3番目の44位。

なんだ、最下位近くであっても、4割のドライヴァーは停止しているんだ。

では。

やりくりを楽しむ (甲府戦プレビュウおまけ)

Jリーグの公式サイトをみたら、

田中パウロ淳一の 通算200試合出場まで、あと1ゲーム。

よしよし、と思いながら別記事に飛んだら、

今節、佐藤 和弘と河合 秀人のふたりの、黄カード累積による出場停止を知る。

それなりのやり繰りに悩む首脳陣はともかく、前プレビュウを、少々訂正しておかねばならない。

冒頭から攻撃的に飛ばす姿勢で、となると……、

❶小手川 宏基をシャドウ起用して、セルジ―ニョと並べる。

❷その場合、アンカーは、安東 輝。

ワンボランチでやる理由は、3 – 3 – 2 – 2 で、ツートップとしたいからなんだろう。
ところが、最近の山雅公式で次節ゲームの〈顔〉に使われるプレイヤーは何故かそこで出場がないので、今回、伊藤 翔の先発はなし、と勝手に踏んで、(負傷が癒えていれば) 榎本 樹のワントップ。

となると、ダブルボランチで、安東と、平川 怜。(前 貴之に含みを残しながら)

鋭い縦パスを通す、ということでは平川に期待するところ大なる萬年。

ただし、これ、前線のプレイヤーとの意思疎通がないと成立しないシーンなんでありますけれど、こういうチャレンジを多くしなくちゃあね。

しっかり構築された守備陣形の外でいくらボールを回したところで……、という光景には食傷気味ですから。

先発とベンチメンバー、さて、お楽しみ。

では。